1畳の大きさはどのくらい?地域ごとの名称やサイズの違いを解説

不動産を知りたい

「1畳の大きさってどれくらい?」「日本の和室で使用されることの多い畳について知りたい」
など、住まいに和室を取り入れたいと考えている人は、和室や畳のことに関心をお持ちかと思います。

日本の伝統的な住まいである和室は、落ち着いた雰囲気を作りだすとともに、い草の香りによるリラックス効果が期待できます。

また、い草の茎の断面はスポンジのようになっているため、そこに含まれた空気が断熱や調湿の役割を果たしてくれます。

快適な温度と湿度を保ち、リラックス効果も得られる畳は魅力のある床材といえるでしょう。

この記事では、地域によって異なる畳のサイズや種類について、解説します。

また、居住する人数によってどの程度の畳数が必要になるのかについても解説していくので、和室のある間取りを考えている方はぜひ参考にしてください。

参考:畳のメリット(全国畳産業振興会)

1畳の大きさの目安は1.62平方メートルと定められている

不動産広告を規制する公正競争規約(不動産公正取引協議会連合会)では、住宅の居室等の畳1枚当たりの大きさは1.62平方メートル以上であることが定められています。

畳にはさまざまな種類があり、地域や用途によってサイズが異なることから、不動産取引の際に実際の広さが分かりづらかったため、上記のようにルール化されました。

ただし「1畳」と表記されていても、必ず1.62平方メートルぴったりの広さというわけではなく、目安の数値であるということに注意しておきましょう。

不動産業界では、1畳を1.62平方メートルで表記することがルールとして定められていますが、物件の表記方法として平米数と併記すれば、どの種類の畳数を表記してもいいことになっています。
そのため、畳数のみではなく、平米数で換算した広さを確認することが必要でしょう。

1畳は1坪の約半分の広さである

1畳の広さは、1.82平方メートルです。広さとしては人ひとりが眠れる広さとなります。

1坪の広さが約3.3平方メートルなので、1畳の広さは、1坪の約半分です。

したがって3坪、という表記があったら6畳の部屋ということになります。

1畳と1帖は同じ広さである

不動産の広告では、間取りの大きさを「畳」ではなく「帖」と表記されている場合があります。
この違いはなんだろうと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この二つの漢字の意味に違いはありません。広さも、1畳と1帖は同じです。

ただし、一般的に畳を使用している和室の広さを表す場合には「畳」、洋室の広さを表す場合には「帖」と表記して区別しているケースが多いようです。

畳の縦横比は一般的に2:1の長方形である

畳の縦横比は2:1で統一されています。

しかし、実はきっちりそのとおりの割合で長方形になっていないケースもあります。
それは、家がそれぞれの現場に合わせて一軒ずつ建てられるため、部屋の寸法や形が畳の規格にぴったりと合うものになるとは限らないからです。

サイズ通りの畳を敷こうとすると、すき間ができることがあります。

そのため、畳職人は部屋の大きさや形に合わせて縦横をわずかな単位まで調整し、畳を1枚ずつ制作しています。

畳のサイズは地域ごとによって異なる

畳のサイズは地域ごとによって異なり、4種類ほどに分けられます。

前述した「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」による定め以前には、畳のサイズにルールがなかったため、それぞれの地域で独自の畳の大きさが存在していたのです。

また、サイズが異なる原因は、建築方法の違いにもあります。

京都を中心とする近畿地方で使用される京間は、畳のサイズをもとに柱を設置して部屋の大きさを決めていく、畳割(たたみわり)いう設計方法を利用して建築されるのが一般的でした。

しかし、江戸時代に入ると柱と柱の間の長さに畳のサイズを合わせる柱割(はしらわり)という方法が使用されるようになります。

そのため江戸間は、京間に比べて柱の太さの分だけ畳のサイズが小さくなります。
畳割、柱割、どちらの方法で建てられるかによって畳の大きさが変わるということです。

他にも、愛知県や岐阜県、北陸地方や東北地方の一部、沖縄、奄美島で使用される中京間(ちゅうきょうま)というサイズもあります。
中京間は京間と江戸間の中間のサイズです。

また、マンションやアパートなどで使用される団地間というサイズもあります。

次項では「京間」「中京間」「江戸間」「団地間」の4種類について解説をしていきます。

関西地方で使用されている京間

畳発祥の地である京都のほか、関西地方、四国地方、中国地方で使用されている畳です。
畳のなかで最も大きいサイズです。大きさは191.0cm×95.5cm、面積は約1.82平方メートル。

京間は、本間(ほんま)や本間間(ほんけんま)、関西間(かんさいま)と呼ばれることもあります。

東海地方で使用されている中京間

中京間は名古屋を中心に、東海地方や一部の北陸地方、沖縄、奄美島などで使用されています。
サイズは182.0cm×91.0cm、面積は約1.65平方メートル。

尺の寸法だと長辺が6尺×短辺が3尺であることから、三六間(さぶろくま)とも呼ばれます。

関東地方で使用されている江戸間

江戸間は、関東地方を中心に全国で使用されている畳です。
大きさは176.0cm×87.8cm、面積は約1.54平方メートル。ほかの畳よりも小さめです。

尺の寸法だと長辺が5尺8寸であることから五八間(ごはちま)とも呼ばれます。
また、関東間(かんとうま)や田舎間(いなかま)とも呼ばれます。

サイズとしては最も一般的な規格です。畳の標準規格ともいえるでしょう。

アパートや集合住宅で使用されている団地間

マンションやアパートなどの集合住宅では、団地間と呼ばれる畳が使用されています。

サイズは170.0cm×85.0cm、面積は約1.45m平方メートル。江戸間をさらに小さくした寸法です。

尺の寸法だと長辺が5尺6寸であることから五六間(ごろくま)とも呼ばれます。
また、公団住宅でも使用されるため、公団間(こうだんま)といった呼び方をすることもあります。
高度経済成長期の集合住宅の発展とともに普及していった、新しい畳のサイズです。

同じ1畳でも、畳のサイズは紹介した4種類のなかで最もコンパクトなサイズです。

畳のサイズは大きいほうから挙げると、京間、中京間、江戸間、団地間の順となります。
最もサイズの大きい京間と団地間では、同じ1畳でも面積が20%も異なり、6畳の場合で比べると1畳分以上の差があります。

部屋に必要な畳数は居住人数や居住地で決まる

部屋に必要な畳数は居住人数や住んでいる地域によって決まります。

同じ1畳でも地域によってサイズが異なるため、実際の部屋がどの程度の広さなのか、確認しておくことが大切です。
同じ畳数でも部屋の大きさが変わってくるからです。

どの種類の畳を使用しているのか、また、平方メートルに換算するとどのくらいなのか、しっかり確認しておきましょう。

この項では、一人暮らし、二人暮らし、ファミリーの場合に居住スペースとして畳数はどれくらい必要になるかそれぞれ解説していきます。

なお、居住することを目的とした部分の畳数についての解説なので、トイレやお風呂といった占有部分はここでいう畳数には含まれていません。

一人暮らしに必要な居室の面積は6畳~10畳

一人暮らしに必要な居室の面積は6畳~10畳です。

6畳の場合と10畳の場合で平米数を畳のサイズごとに以下の表にまとめるので、大きさを確認してください。

6畳10畳
京間10.94平方メートル18.24平方メートル
中京間9.93平方メートル16.56平方メートル
江戸間9.27平方メートル15.45平方メートル
団地間8.67平方メートル14.45平方メートル

一人暮らしの間取りとしては、ワンルームや1K、1DKが候補になるでしょう。

ベッドやテーブルなど生活に必要な家具を置いた場合でも、6畳ほどあれば、窮屈に感じることはありません。

しかし、ソファーや棚などを置くスペースを充分に確保したい場合は、8畳以上がおすすめです。

二人暮らしに必要な居室の面積は12畳~16畳

二人暮らしに必要な居室の面積は12畳~16畳です。

12畳の場合と16畳の場合で平米数を畳のサイズごとに以下の表にまとめます。

12畳16畳
京間21.89平方メートル29.18平方メートル
中京間19.87平方メートル26.50平方メートル
江戸間18.54平方メートル24.72平方メートル
団地間17.34平方メートル23.12平方メートル

間取りは1DKや1LDK、2LDKがおすすめでしょう。
二人暮らしになると、荷物も増えるので収納スペースがしっかり用意できることや、広めのリビングがあったほうが快適です。

またプライベートスペースを確保したい、といった理由から寝室や個室があったほうがよい場合もあるため、12畳~16畳の居室の面積が必要となります。

ファミリーに必要な居室の面積は30畳以上

ファミリーに必要な居室の面積は30畳以上です。

子どもがまだ小さいうちは、部屋の数も、LDKの広さもそれほど確保しなくても不便を感じることはないかもしれません。
しかし、子どもが大きくなるにしたがって荷物も増え、それぞれの部屋も必要となってきます。

たとえば、お子さんが二人いた場合、LDKで20畳、寝室に6畳、子ども部屋6畳を2つ確保したとすると、居住スペースは38畳が必要となります。

ファミリーの場合は、家族構成によっても必要な広さは変わってきます。
そのため一概には理想の広さを算出できませんが、子どもが大きくなっても快適に暮らせる広さを考慮し、物件を選ぶことが大切です。

今後のライフスタイルの変化や、生活の具体的なイメージをした上で必要な広さの物件を探しましょう。

最後に

この記事では、畳のサイズが地域によって異なることについて解説しました。

現在では、全国的に江戸間が使用されるケースが多いようですが、状況によっては他のサイズが採用されることもあります。

畳のサイズに違いがあることに注意し、6畳なのに思ったより狭く生活しづらかった、といったことのないよう、物件探しをする際には、実際の広さがどの程度あるのか確認しておくことが大切です。
物件の1畳のサイズを確認し、部屋を平方メートルで把握するようにしましょう。

畳は、リラックス効果、断熱効果、調湿効果のなどメリットの多い床材です。
厚みが一般的に5cmほどあるので、階下に騒音が響くのも防止してくれます。

また、フローリングに比べて柔らかいという特徴があるので、転倒してもケガをしにくく、子どもやお年寄りがいるご家庭でも安心して取り入れられるでしょう。

近年では、和室だけでなく、洋室のリビングに畳を取り入れて和モダンな雰囲気を楽しむ方も増えてきています。

この記事を参考に、畳の具体的なサイズを知って部屋の広さをしっかりと把握しましょう。そして、伝統的な和の空間を取り入れた魅力ある暮らしを実現させてください。

【監修者】大石 裕樹

【監修者】大石 裕樹

<保有資格> 司法書士 宅地建物取引士 貸金業取扱主任者 / 24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。

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