川崎市の住みやすさは?治安の良いエリアや子育て支援制度を解説

不動産を知りたい

「川崎市は住みやすいの?」「川崎市の治安や子育て支援について知りたい」といったように、都心にアクセスも良く、長く住み続けられる場所を検討している人にとって、川崎市は候補として気になる地域ではないでしょうか。

川崎市は人口150万人以上の大きな都市であり、商業施設が充実している点や手厚い子育て支援などがある点が魅力と言えるでしょう。また再開発で街が整備されている点にも注目が集まっています。

この記事では、川崎市の特徴や治安、市が取り組む制度について詳しく解説していきます。
川崎市が住みやすい地域かどうか知り、住まい選びの選択肢の一つとして検討してみてください。

川崎市の特徴・住みやすさ

川崎市は神奈川県の北東部に位置する街で、人口は150万人以上と大きな都市です。横浜市と相模原市に並ぶ政令指定都市です。

東京と横浜市の間に位置することもあり、東京都心や横浜へのアクセスに恵まれています。そのため、ベッドタウンとして川崎を選ぶ人も多いようです。
巨大なバスターミナルからはたくさんのバスが出ており、本数も多いので郊外の住宅街へのアクセスも良好です。

緑地や公園も多く、都会にいながら自然に囲まれた生活ができるため、ファミリー層にも人気があります。

ここでは、川崎市の特徴・住みやすさについて以下の4点で解説していきます。

・交通・生活の利便性が高い
・商業施設が充実している
・再開発で街が整備されている
・子育て支援が充実している

交通・生活の利便性が高い

川崎市内にはJR東日本、JR東海、京急電鉄、東急電鉄、小田急電鉄、京王電鉄の6社が合計15路線を運行しています。

川崎駅にはJR東海道本線、京浜東北線、南武線が乗り入れていて、川崎駅から東京駅まで約18分、新宿駅へは約31分と乗り換えなしで行けるので、都心へのアクセスは抜群です。

川崎駅から横浜駅へは直通で約7分なので、新幹線への乗り換えも便利。

東京にも横浜にも近いため、ベッドタウンとして川崎を選ぶ人も多いようです。ショッピングモールや商店街なども充実しているため、生活の利便性も高いといえます。

商業施設が充実している

川崎市は7つの区それぞれに文化・商業施設が充実しています。
川崎市ホームページ

川崎駅西口には5階建ての大型複合商業施設「ラゾーナ川崎プラザ」が直結しており、川崎のランドマークとして親しまれています。

2002年にオープンした「ラ チッタデッラ」はイタリアのヒルタウン(丘陵の街)をコンセプトに、異国情緒あふれる趣を感じさせるオープンモールです。首都圏最大級の規模を誇るシネマコンプレックス「チネチッタ」や、ライブ公演のほか多彩なイベントが開催されるライブライブホール「クラブチッタ」もあります。

「ラ チッタデッラ」には独立型の教会もあり、1日1組限定という贅沢なプランで挙式もあげられます。

川崎駅から徒歩1分とアクセス良好な地上10階建てのショッピングセンター「川崎ルフロン」には2020年、「カワスイ川崎水族館」が10階にオープンしました。6階には親子に嬉しい「ボーネルンドあそびのせかい」があり、ダイナミックな室内遊びや工作などが楽しめます。

JR川崎駅東口から新川通りを2分ほど歩くと、国内最大級のステンドグラスアーチが施された「銀柳街」があります。「銀柳街」は川崎区の新川通りと市役所通りを結んでいるアーケード商店街。昔ながらのお店のほか、新しいお店も出店しています。

再開発で街が整備されている

2003年に都市再生緊急整備地域に指定されたことで、着々と再開発が進んでいる地域です。

駅周辺には新しい大規模施設が次々と誕生しました。それにあわせて道路や歩行者デッキ、駅前広場の再編などの都市基盤整備も進んだことで、川崎のまちのイメージは大きく変わってきています。

現在は、京急川崎駅周辺エリアの再開発(オフィスと商業機能を備えた超高層ビルの建設やJR「川崎」駅との間のアクセス性向上)が進められているため、さらに住みやすい街へと発展することが期待されています。

子育て支援が充実している

川崎市は学童保育「わくわくプラザ室」を開設しています。小学校1年生から6年生までが対象で、施設料無料で利用可能です。

わくわくプラザは川崎市内の公立小学校、すべての敷地内にあります。希望者には有料でおやつを用意することも可能です。

平日は放課後~18時まで。土曜日や夏休みや春休みといった長期休みの間も利用できるので共働きの家庭にはとても助かる制度でしょう。

川崎市の家賃相場

川崎市の家賃相場は、区によって大きな差があります。

家賃相場が最も高い区は中原区です。武蔵小杉駅周辺の再開発により、人気とともに家賃が上がっているのでしょう。
※横にスクロールしてご覧いただけます。

間取り川崎区幸区中原区高津区宮前区多摩区麻生区
1R~1K6.86万円7.43万円7.71万円7.23万円7.11万円5.84万円5.92万円
1DK~1LDK10.26万円10.66万円11.91万円10.78万円10.66万円9.25万円8.35万円

家賃をおさえたい方は、多摩区や麻生区がおすすめです。

家賃の相場が高い地域でも、築年数や交通の利便性など条件を緩めれば、予算にあう物件が見つかるかもしれません。

川崎市の治安と安全政策

川崎市の治安は全体的には良いといえますが、繁華街や歓楽街、競馬場がある地域もあるため不安を覚える方もいるかもしれません。

しかし川崎駅周辺は再開発にともない、環境が整備されているので治安が良くないエリアは減少しつつあります。
この項では、犯罪件数から見る川崎市の治安と川崎市が取り組む安全政策について解説していきます。

犯罪件数から見る川崎市の治安

令和5年、川崎市で起きた犯罪件数は7,645件でした。人口が増えるほど犯罪件数も増えるので、人口比で考えると値が変わってきますが、川崎市の犯罪率は神奈川県全体の約1.7%にあたります。同じ政令指定都市の横浜市は約37%、相模原市は約0.9%でした。

川崎市は川崎区、幸区、中原区、高津区、多摩区、宮前区、麻生区と7つの行政区に分かれています。ここでは令和5年統計による犯罪件数が多かった順で、区ごとに治安について解説していきます。

参考:神奈川県警察「刑法犯 罪名別 市区町村別 認知件数」(令和5年12月末確定値)

①川崎区

川崎区の犯罪件数は2574件でした。
川崎区は市役所など市の中枢機能があり、川崎市の中心となる行政区です。川崎区には繁華街や「川崎競馬場」があるため、子育ての面で治安を心配する方や、静かに暮らしたい人には不安があるかもしれません。

しかし、川崎区全体の治安が悪いわけではないので、風俗街や競馬場、競輪場など周辺を避ければ女性の一人暮らしやファミリーでも安心して住めます。

②幸区

幸区の犯罪件数は863件でした。
幸区の犯罪件数は川崎区の約1/3程度です。幸区には川崎駅があり、駅ビルや大型ショッピングモールや娯楽施設も立ち並ぶので賑やかなイメージがあります。

しかし駅の西側はマンションやオフィス街なので、安心なエリアといえるでしょう。

③中原区

中原区の犯罪件数は1091件でした。
主要駅の武蔵小杉駅周辺は、かつて工場地帯でしたが、近未来をイメージして再開発がおこなわれたことによりタワーマンションが立ち並ぶようになりました。

街は都会的で明るい印象になっています。 犯罪件数は川崎市の中で2位となっていますが、飲食店はそれほど多くなく、街灯も多いため特別に治安が悪いということもないでしょう。

③高津区

高津区の犯罪件数は948件でした。
高津区の溝の口駅前は飲食店が比較的多いため、特に週末は賑やかになります。駅前の道路が狭いため、通勤時間帯には渋滞がみられますが駅から離れると静かな住宅街が広がっています。

④宮前区

宮前区の犯罪件数は757件でした。
大規模な繁華街がなく、防犯パトロール活発におこなわれているので治安がよい地域といえます。多摩丘陵上に位置しているため、坂が多いという特徴がありますが、閑静な住宅街で交通アクセスもよいので住むのによい地域といえるでしょう。

⑤多摩区

多摩区の犯罪件数は893件でした。
駅前は居酒屋などの飲食店があるので賑やかですが、駅から離れると住宅街なので比較的静かです。街灯もあるので夜道も比較的明るく、安心といえるでしょう。

⑥麻生区

麻生区の犯罪件数は519件でした。
「麻生区」は1982年に行政区再編の一環として多摩区から分離してできた新しい行政区です。犯罪件数は川崎市のなかで一番犯罪が少ない地域です。 駅前は街灯の数も多く比較的明るいため、帰りが遅くなっても安心でしょう。

川崎市が取り組む安全政策

川崎市は地域の防犯体制を構築するため、2005年に「川崎市安全・安心まちづくり数新協議会」という組織を設立しました。「自分たちのまちは自分たちで守る」との意識を持ち、市民、事業者、関係団体、市、及び警察が一体となって取り組んでいます。

川崎市が取り組んでいる具体的な安全政策を以下にあげます。

・地域住民によるパトロール、青色回転灯を活用したパトロールの実施
・新一年生に防犯ブザーを配布し、使用方法の訓練をする
・学校や公園周辺の防犯パトロールも定期的に実施
・防犯「メールニュースかわさき」で防犯・交通安全情報を配信
・かわさき防犯アプリ「みんパト」により不審者や特殊詐欺などの情報をプッシュ通知で届ける
・無料で住宅の防犯診断を実施している(空き巣などの防犯対策を進める上で、ドアや窓、家の外周の問題点をアドバイスしている)

安全への対策がしっかりされていることから、女性の一人暮らしや子育て世代も暮らしやすい環境にあるといえるでしょう。

子育て支援制度や子育て環境の充実

川崎市は2023年4月の時点で保育所等利用待機児童ゼロを3年連続で達成しています。保育所利用者申請数、利用児童者数も過去最大となりましたが、多様な保育施策を案内するなど、丁寧なアフターフォローを徹底した成果といえます。

この項では、川崎市の子育て支援制度や、子育て環境について紹介していきます。

参考:川崎市「令和5年4月1日現在の保育所等利用待機児童数について」

子育てに関する相談窓口の設置

かながわ子ども家庭110番相談LINEでは、子育ての不安、親子関係や家族の悩みなど、専門の相談員が「LINE」にて無料で相談を受けています。

保護者だけでなく、子どもからの相談も受け付けています。(受付時間は月曜日から土曜日の9時~21時まで。) LINE相談の受付時間外や急いで相談したい場合は、24時間無料で対応してくれる電話相談も利用できます。

産前・産後家庭支援ヘルパー派遣事業

川崎市では、母親が出産前後で体を休めたい時や家事育児をおこなうのが困難な家庭を対象にヘルパーを派遣してくれる制度があります。
対象となるのは川崎市内に居住する産前から産後6ヶ月を迎える日まで(多胎児の妊産婦については産後1年まで)です。育児や家事をおこなう人が昼間の間、他にいない人を対象としています。

ただし、この派遣事業は母親等の看護のもとおこなわれます。原則母親が自宅にいない状態での支援はおこなっていないので、その点には注意してください。

地域子育て支援センター

川崎市内には、53カ所の地域子育て支援センターがあります。

地域子育て支援センターは子育ての支援拠点として整備され、無料で利用できます。対象は就学前の子どもと保護者、妊娠中の方とその家族です。子育てをサポートしてくれるスタッフが在籍し、子育て相談、プレママやプレパパの悩みや相談にも対応してくれます。

中学3年生まで通院医療費助成がある

0歳から中学3年生まで通院医療費の助成があります。

令和5年9月から、通院医療費の助成対象年齢を小学校6年生までから中学校3年生まで拡充し、通院医療費助成の所得制限も撤廃されました。

通院医療補助は小学校4年生以上だと、通院1回あたり500円までの窓口負担がありますが(入院は負担なし)、0歳から小学3年生までは通院、調剤、入院いずれも無償です。

参考:川崎市「令和5年9月から小児医療費助成制度の通院助成対象を中学校3年生まで拡充し、所得制限を撤廃します。」

子供が遊べる施設が多くある

スポーツ施設が充実している「富士見公園」は、テニスコート、相撲場、様々なスポーツに対応したスタジアムを完備しています。子供向け遊具の設置された「ふれあい広場」や「市民広場」などもあり、大人だけではなく子供も楽しめ施設となっています。(現在工事中。2024年10月に公園部分が生まれ変わりオープン予定)

川崎駅からバスで16分のところにある大師公園には広々とした芝生や大型複合遊具があり、家族に人気です。野球場や、テニスコート、プールなどもあります。

津田山駅から徒歩約5分のところにある「川崎市子ども夢パーク」は「子供が安心してありのままの自分でいられる場所」を目指して条例をもとに2003年につくられた施設です。水遊びができるプレーパークや創作スペース、屋根付きスポーツエリアなどがあります。

その他、川崎市がおこなっている制度など

安全政策、子育て支援のほかに、川崎市がおこなっている制度を3つご紹介します。

宅地防災工事助成金制度

地震や大雨で、崖崩れが発生した場合、宅地災害の防止または復旧等を目的とした工事をする際に工事に係る費用の一部を助成しています。

宅地防災工事:崖崩れの防止又は復旧を目的とした工事費用の1/3(上限300万)
宅地減災工事:崖の補修・補強又は排水施設の整備の工事費用の1/3(上限100万)

助成対象となる詳しい条件は、川崎市のホームページを確認してください。
参考:川崎市「宅地防災工事助成金制度について」

浸水低地改良資金貸付制度

家屋が低地にあたるため、大雨などにより浸水する土地を改良するために必要な資金を借り入れる制度があります。

貸付制度を受けられるのは以下の要件に当てはまるケースです。

・雨の時に20センチ以上の浸水がある家屋
・道路面より低く、常に浸水する家屋
・排水計画をもって浸水を解消することができない家屋
・貸付対象敷地面積の基準は230㎡以下であること
・建築確認済みの家屋であること

詳しくは川崎市のホームページをご覧ください。

参考:川崎市【川崎市要綱】浸水低地改良資金貸付基準要綱

緑化助成事業

以下のような緑化の取り組みをおこなう場合、助成金の制度が利用できます。

・新たに建物の屋上・壁面を利用して緑化に取り組む人
・公共性(公道に面する)があると認められる箇所に生垣を設置する場合、またはブロック塀を生垣に変える場合

詳しくは公益財団法人川崎市公園緑地協会のホームページをご覧ください。

タイプ別におすすめしたい住みやすいエリア

川崎市は地域によってさまざまな特徴があるため、性質に合わせたタイプ別の住みやすい地域について紹介していきます。ここでは1人暮らしと家族連れの2つのパターンにおいて住みやすいエリアをそれぞれご紹介していきます。

一人暮らしにおすすめのエリア

一人暮らしにおすすめのエリアは溝の口駅周辺です。

溝の口駅がある「高津区」は他のエリアに比べて家賃が手ごろで、交通の便も良いので東京のベッドタウンとして人気を集めています。急行停車駅なので、通勤・通学時間の短縮につながるのも人気の理由のひとつです。
JR南武線・東急田園都市線・東急大井町線の3路線が利用できます。 スーパーや飲食店、病院なども駅周辺にあるため、生活に不便を感じることもないでしょう。

家族におすすめのエリア

家族におすすめしたいエリアは武蔵小杉駅周辺です。

武蔵小杉駅南口地区には、70以上のテナントが入る大型商業施設「ららテラス武蔵小杉」があり、買い物にも便利です。
武蔵小杉駅周辺は再開発により高層タワーマンションも立ち並ぶ都会的な雰囲気を持ちながらも、庶民的な商店街も存在しています。

駅から少し離れると「等々力緑地」という大きな公園もあります。多数の運動施設とともに遊具もあり、自然も堪能できるので家族におすすめのエリアといえるでしょう。

また、元住吉駅周辺もおすすめのエリアといえます。庶民的な雰囲気のある街並みで、地元の人が集まる個人商店が多いため、街全体に活気があります。スーパーやコンビニもいくつもあるため、買い物に不便を感じることもありません。

さいごに

川崎市が住みやすいかについて特徴や制度についてお話してきましたがいかがでしたでしょうか。

川崎市は都心や横浜へのアクセスもよく、商業施設も多いので住みやすい地域といえます。
防犯対策や子育て支援も充実しているので、一人暮らしの方だけでなく、ファミリー層にも住むのにおすすめの地域です。

住まいをお探しの方は、この記事を参考に川崎市を選択肢のひとつとして考えてみてください。

川崎市の物件紹介

【監修者】大石 裕樹

【監修者】大石 裕樹

<保有資格> 司法書士 宅地建物取引士 貸金業取扱主任者 / 24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。

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