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マンションのPS(パイプスペース)とは?MBとの違いや間取り図を解説

不動産のお役立ち情報

「間取り図にあるPSってなに?」「PSの位置によってデメリットってあるの?」など、マンションを探す際に、資料に記載されているPSという言葉について知らない方もおられるのではないでしょうか。

PSとは、パイプスペースの略語で、給水管や排水管などの配管を収納するためのスペースのことです。

マンションを購入する際に、資料に記載されている間取りなどで目にすることが多く、文字数が多いことからPSと省略されて使われています。

同じような言葉にMB(メーターボックス)がありますが、電気、ガス、水道などのメーターが収納されている点がPSとは異なります。

間取りにおけるPSの位置は重要です。

PSの位置が悪いと、家具が置きにくく、上階の生活音が聞こえるといったデメリットが考えられます。

築年数が古くなるとPSは劣化するので、中古マンションを購入する際には、保守や点検状況に注意しましょう。

これから中古マンションの購入を検討している人は、最後までこの記事を読んでいただければと思います。

PS(パイプスペース)とは

マンションの購入の際に、物件資料の間取りの中にPSの記載を見たことがある人も多いでしょう。

PSは、マンションや戸建て住宅のライフラインとして重要な役割を果たします。

しかし、PSの配置によっては家具の配置が難しくなったり、間取り変更が制限されたりするため、事前の確認が必要です。

ここでは、PSの正式名称や役割について詳しく解説します。

PSの正式名称と意味

PSは略語で、正式名称はパイプスペースです。

パイプスペースには、マンションのライフラインである給水管や排水管が収納されています。

洗面台やキッチン、浴室などの生活雑排水とトイレなどの汚水があり、2ヶ所に分かれている物件も多いです。

一般社団法人 住宅性能評価・表示協会によると、パイプスペースの以下の要件を満たす必要があります。

・間仕切り等で独立した区画であること
・維持管理等に際し、構造躯体に支障を及ぼさない場所に設置すること
・配管のオフセットの原因となる横梁等をパイプスペース内に配置しない等、パイプスペースの形状に留意すること。
・少なくとも一つの面が維持管理・更新の作業が容易にできるスペースに面すること。
・作業が容易にできるスペースに維持管理を行うための点検口が露出していること。
・躯体に影響を及ぼすことなく更新を行える開口が確保できる面を有すること。

他にも給気や排気、換気などを行う管が通るDS(ダクトスペース)、電気、ガス、水道のメーターが収納されているMB(メーターボックス)などがあります。

参考:長期優良住宅に係る認定基準 技術解説(一般社団法人 住宅性能評価・表示協会)

PSが設置される理由と役割

PSが設置される理由は、室内の美観の維持と配管を外的要因から守るためです。

給排水管がむき出しになっていると、見た目が悪く、何かを当てて配管が壊れてしまう恐れがあるため、近年ではほとんどの物件でPSが設置されています。

PSには、建物の機能性と維持管理の効率の向上させる役割があります。

PSがないと屋根裏や床下などに配管を通す必要がありますが、PSを配置することで点検やメンテナンスをスムーズに行うことが可能です。

また、適切な位置に配置することで耐震性が高まることができ、新たな設備の追加や変更もPSがあれば柔軟に対応できます。

間取り図で見られるPSの位置と特徴

PSは間取り図のどこに配置されることが多いかを確認しておくことも重要です。

MB(メーターボックス)やDS(ダクトスペース)との特徴は違いがあります。

ここでは、間取りに見られるPSの位置と特徴について解説します。

よく見られるPSの配置場所

PSは、点検やメンテナンスのしやすさだけでなく、家具などの設置に影響することから、キッチンや洗面所などの水回り付近や廊下側の共用部に配置されています。

マンションでは、玄関横にPSが配置されているケースが多いです。

日経不動産マーケット情報の記事によると、マンションにおいては、居住用の専有面積を増やすために、縦型のパイプスペースをなくし、上下2フロアごとの横配管に集約する工法の開発も進んでいます。

また、寝室近くにPSがある場合は、排水音が問題になるケースもあるので、物件を選ぶ際には注意しましょう。

戸建て住宅は、マンションと比べると水割り周辺に配置されていることが多く、新たに建築する場合は、将来のリフォーム計画なども考慮し、ライフスタイルに合わせて配置を検討しましょう。

参考:【新工法】パイプシャフトなくして面積増、賃貸マンション向けに開発(日経不動産マーケット情報)

他の記号「MB」との違い

類似の表記にMB(メーターボックス)があります。

MBは、電気・ガス・水道メーターが収納されている場所のことを指し、給排水管を収納しているPSとは役割が違います。

電気やガスの業者が検針をしやすいように、玄関付近に配置されていることが多いです。

戸建て住宅の場合は、MBがあるケースはほとんどなく、ガスや電気メーターが玄関付近の見やすい場所に配置されています。

マンションの場合は、MBPSといって、メーターボックスとパイプスペースの役割を兼ね備えたものが設置されており、より効率的な空間の活用を行っています。

他にも、空調や換気のためのダクトを収納するスペースであるDS(ダクトスペース)も覚えておくとよいでしょう。

間取り図のPSがもたらす生活上のデメリット

間取りにPSがあることで、生活にはどのような影響が出るのでしょうか。

PSの位置によっては、家具の配置ができない、配管を通じて上階の生活音が聞こえるなど、生活上のデメリットは多いです。

ここでは、間取り図のPSがもたらす生活上のデメリットについて解説します。

家具の配置場所が制限される

室内にPSが設置されている場合は、家具の配置場所が制限されることがあります。

PSは、生活に必要な給排水管が収納されており、簡単に移動することができません。

机やタンス、化粧台といった大型の家具は、サイズが大きく、PSが室内に設置されていると邪魔になっておけないケースが多いです。

大型の家具が多い場合は、引っ越し後に困らないように内覧時に採寸をし、家具が配置できるかを確認しましょう。

上階の生活音が聞こえる

PSを通じて上階の生活音が聞こえることがあります。

室内にあるPSは、空洞の空間になっており、音が反響しやすい構造になっていることが多いです。

PS付近で作業をしたり、キッチンやトイレで水を利用したりするとPSを通じて生活音が響きます。

短時間であれば我慢できても、不定期に生活音が聞こえるとストレスに感じる人も多いはずです。

生活音が気になる人は、室内にPSのある物件は避けた方がよいでしょう。

リフォーム時に移動できない

PS内の配管を移動することは基本難しいので、リフォームを検討している場合は注意が必要です。

PSが室内の中心部にあると、間取り変更などのリフォームをする場合に移動ができないので、思ったようなリフォームができないケースがあります。

PSの位置に合わせてリフォームをしても、部屋がいびつな形になる、家具の配置ができないとなっては意味がありません。

購入後にリフォームを検討している場合は、事前にPSの位置を確認したうえで物件を選びましょう。

中古マンションを選ぶときのPSのチェックポイント

中古マンションを選ぶときに見落としがちなのがPSの位置です。

PSの位置が悪いと家具が配置しにくい、リフォーム時に邪魔になるといった問題が起こります。

他にも、材質や保守、点検の状況など、購入前に押さえておきたいチェックポイントは多いです。

購入したあとに後悔しないためにも、中古マンションを選ぶときのPSのチェックポイントを確認しておきましょう。

PSの設置位置と生活同線

PSの配置が水回り周辺や廊下側の共用部以外の場合は注意が必要です。

家具の設置やリフォーム時に邪魔にならないかを内覧時に確認しましょう。

また、生活導線を考えると、PS付近にキッチンや浴室などの水回りをまとまっている間取りのほうがスムーズに移動ができます。

戸建て住宅の場合は、PSがなく、屋外に給排水管が設置されているケースもあります。

寒冷地では給排水管が凍結の恐れがある点には注意しましょう。

PSの管の材質

PSに使用される給水管や排水管には、用途や環境に応じてさまざまな材質が使われています。

種類特徴
鋼管(SGP)炭素鋼製で、耐久性が高いので、給水管で使用されることが多い。
ステンレス鋼管(SUS)鋼管と比べて防食性が強いが、コストが高い。給水管で使用。
ポリ塩化ビニル管(PVC)熱可塑性樹脂の一種で、五大汎用樹脂とも呼ばれるほど汎用性が高く、給水管で使用されることが多い。
ポリエチレン管(PE)軽量で耐久性があり、腐食しにくく、給水管、排水管で使用。
銅管(CP)熱に強く、給水管でも使用されるが給湯管で使われることが多い。

以前は、給水管に鉛管が使われていましたが、現在では健康への影響からほとんど使用されていませんが、建物が古いと鉛管が使われているケースもあるので注意が必要です。

建築年数が古い場合は、不動産会社を通じて、給排水管に材質が使われているかを事前に確認しましょう。

PS近くの音やにおい

PSの近くで、音やにおいがするケースもあります。

特に、PSが室内にある場合は、内覧時に上階がキッチンやトイレを使用した際に水が流れる音がどの程度のものか、すき間からにおいが漏れていないかを確認することが重要です。

入居後に音やにおいがするとわかっても遅いので、気になる場合は時間を変えて内覧するなど工夫するとよいでしょう。

築年数に応じたPSの劣化具合

PS内の給排水管は、築年数が経つと劣化します。

給排水管の劣化の度合いは、使われている材質によっても違うので、築年数が経っている場合は注意が必要です。

契約の前に、給排水管の交換履歴の有無をチェックしましょう。

マンションの場合は、大規模修繕の際に交換することも多いので、不動産会社に依頼して、マンションの重要事項調査報告書などで確認ができます。

PSの保守や点検の状況

PSの保守や点検の状況も確認しておくことが重要です。

保守や点検をしていない物件は、給水管や排水管の傷みが激しいケースもあります。

建物の管理会社や施工業者、売主が保管している場合も多いので、資料がある場合は不動産会社を通じて取得しましょう。

まとめ

今回は、マンションの間取り図に見られるPS(パイプスペース)について、メリットやデメリット、中古マンションの購入時のチェックポイントなどについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。

PSは、家具の配置や間取り変更などのリフォームの可否に影響があり、物件の購入の際に注意が必要な項目のひとつです。

PSの存在を見逃してしまうと、購入後に思った場所に家具が置けない、PSが邪魔でリフォームができないと後悔することになります。

MB(メーターボックス)やDS(ダクトスペース)との違いを把握し、PSのメリットやデメリットを理解することも重要なポイントと言えます。

内覧時には、PSの位置だけでなく、給排水管に使われている材質や築年数による劣化、音やにおいについて必ずチェックしましょう。

これからマイホームの購入を検討している人は、今回の記事を参考に、PSの配置を意識した物件選びを心掛けていただければと思います。

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【監修者】大石 裕樹

<保有資格> 司法書士 宅地建物取引士 貸金業取扱主任者 / 24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。

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