家選びで重視するべき7つのポイントは?失敗しないための注意点を解説
「家を購入したいけれど、何から手をつけたらいいのだろう」「家選びで失敗したくない」など、家選びをはじめると最初に何をしたらよいのか迷う人も多いでしょう。
生涯住むことになるかもしれないマイホームは、大きな買い物となるため、どのような手順で進むのか、どういった点に注意するべきか把握しておくことは大切です。
この記事は、不動産購入を検討している方が購入の流れをスムーズに確認できるよう、全部で10回にわたって解説する連載記事になります。
第3回となる今回は「家選びのポイント」をテーマとし、不動産の購入を始めるにあたって重視するべきポイントや失敗しないためのコツを詳しくお伝えしていきます。
不動産購入の全体の流れに関しては『10のステップで簡単に理解できる!不動産購入の流れを徹底解説(スマトリ「スマトリ先生の不動産講座」)』をご確認ください。
目次
家選びは希望条件の整理からスタートする
家選びは、希望条件を書き出して整理することから始めましょう。
令和5年度に国土交通省が実施した住宅市場動向調査によると、分譲集合住宅取得世帯が住宅選択において最も妥協したのは「価格・家賃が予定よりも高くなった」点でした。
※国土交通省のデータを基に弊社が作成
②住宅の広さ
③間取り、部屋数
④住宅のデザイン
⑤職場からの距離
⑥交通の利便性
⑦交通・生活利便性の高い立地
希望を明確にしないまま家選びをはじめてしまうと、あれもこれもと欲張ってしまい、結局予算の都合で妥協しなければならない事態もでてきます。
まずは希望条件を書き出して、その中で優先順位を付けます。
家選びで後悔しないためにも、譲れないポイントを家族みんなで初めに認識しておくことが大切です。
参考:令和5年度 住宅市場動向調査 ~調査結果の概要(抜粋)~
家選びの際に重視するべき7つのポイント
家選びの際には、予算、住みやすさ、安全性など重視するべきポイントがあります。
この項では、家選びの際に重視するべきポイントを7つ解説します。
家族で希望条件の優先順位を話し合う際にも、参考にしてください。
住宅の種類
購入する住宅の種類によって、メリット・デメリットが異なります。
住宅の種類は、一戸建ての場合は中古か新築か、さらに新築の場合は注文住宅か建売住宅かという選択肢があります。
マンションを選ぶ場合は、中古と新築、どちらにするか決める必要があるでしょう。
一戸建てとマンションでは、メンテナンスの方法にも違いがあります。
一戸建ては自分でメンテナンスをおこなう必要がありますが、マンションは共用部分については管理組合にお任せできます。
快適な暮らしを実現するため、予算のほか生活スタイルなど家族の希望をよく話しあい、自分たちに合った種類の住宅を検討することが大切です。
最近は新築にこだわらず中古住宅を購入してリノベーションする人も増えています。
希望するエリアに新築が無い場合は中古住宅を検討してみるのもよいでしょう。
立地条件
立地は毎日の生活に直結する重要なポイントです。
毎日の通勤や通学での利便性はどうなのか、買い物や病院は近くにあるかなど周辺環境を確認しておきましょう。
小さなお子さんがいる家庭では、自然環境の豊かな地域が近くにあることもメリットとなります。
自然が多く、遊具が充実した公園などが近くにあるとよいでしょう。
購入費用
購入費用には、物件の価格以外にも税金や手数料、引っ越し費用などの諸費用がかかります。
諸経費は、購入する物件の種類や、ローンを組む金融機関によっても大きく異なりますが、新築物件購入には購入価格の約3~5%、中古物件の場合には購入価格の約6~8%が目安になります。
たとえば、3,000万円の新築物件を住宅ローンで購入した場合、5パーセントの手数料がかかったとすると諸経費は150万円ほど必要です。
諸費用の多くは現金での支払いが求められるので、住宅の購入を検討する際は諸経費を含めた上で予算を考えることが重要でしょう。
広さや間取り
家族の人数や、将来の家族構成に合った広さや間取りを選ぶことが重要です。
人数が多い家庭では広いリビングの確保や、開放感のあるオープンキッチンにするなど窮屈に感じない空間づくりを検討してみるのもよいでしょう。
また、小さな子どもがいたり、家族が増える予定があったりする場合は子ども部屋の確保が必要になると考えられます。
将来のことも踏まえ、家族に合った広さや間取りを検討しておきましょう。
設備や性能
住宅の設備や性能は、快適さや安全性に影響します。
住宅の設備については以下のようなものがあります。
・ビルトイン食器洗い乾燥機
・パントリー
・浴室TV
・モニター付きインターホン
・スマートキー
・トイレの中の洗面台
・浴室換気乾燥機
・ホームセキュリティー
・宅配ボックス
・玄関収納
共働きで家にいる時間が少なかったり、子どもの世話で家事に手が回らなかったりなど、家庭によってライフスタイルは異なるため、必要な設備は変わってきます。
予算と相談しながら必要な設備を見極めた上で、設置するか検討してみてください。
住宅の性能の面で考えると、断熱性・気密性が高い住宅は夏や冬でも快適な暮らしを保て、騒音も抑えてくれる効果があります。
耐久性や耐震性なども、安全に長く住み続けるためにチェックしておくとよいでしょう。
安全面や防犯面
地域の治安や防犯設備も、家選びの重要なポイントです。
人通りの少ない道や死角の多い袋小路に面している土地は避けるようにしましょう。不法侵入や泥棒の被害に遭う
危険性が高くなるので、人通りが適度にあり、見通しの良いところがおすすめです。
また、夜道が暗くて危険な箇所がないかなど、街灯の多さも確認しておきましょう。
全国の都道府県警が提供する「犯罪発生マップ」では、過去に起こった犯罪の発生状況が地域ごとに確認できます。
住みたいエリアでどのような犯罪が起こっているか把握できるので、参考にしてみてください。
将来の資産価値
将来の売却や住み替え時に備えて、家を買った後の資産価値も考慮しておくことが大切です。
資産価値の落ちにくい家として、以下のような特徴があげられます。
・立地、利便性がよい
・災害リスクが低い地域にある
・耐震性、省エネ性能に優れた住宅
・使いやすい間取りや奇抜すぎないデザイン
家を購入する際には、こういった点にも考慮しておきましょう。
家選びで失敗しないためのコツ
理想の家を手に入れるためには、気をつけなければならない点がいくつかあります。
この章では、家選びで失敗しないためのコツを5つ紹介します。
条件に優先順位をつける
すべての条件を満たす家を見つけるのは難しいため、優先順位をつけることが大切です。
なによりもまず優先されるのは、予算です。
1ヶ月分でもいいので今の家計の状況を把握し、いくらだったら月々のローンを支払っていけるのか確認しておきましょう。
そのうえで金利の種類、ローンの支払期間などを決めます。
予算が決まったら、立地や周辺環境、間取り、設備などを予算の範囲内で決めていくことになります。
複数の物件を見て比較する
1つの物件だけで決めずに、複数の物件を見比べて検討しましょう。
複数の物件を見ていくうちに、希望する条件が変わってくる場合もあります。
欲しいと思っていたものが実際に見たら必要ないと判断できたり、逆にいらないと思っていた設備に必要性を感じたりするケースもあるでしょう。
自分の要望をしっかりと再確認するためにも、複数の物件を見ることが重要です。
無理のない返済計画を立てる
住宅ローンの返済は長期にわたるため、無理のない返済計画を立てることが大切です。
将来、車の購入や子どもの進学などで支出が増えることもあるでしょう。
ケガや病気で入院することもあるかもしれません。
マイホームのローン返済が家計を圧迫することのないように、余裕を持った返済計画を立てましょう。
いま現在、賃貸でお住いの場合は月々の返済額を今の家賃に1~2万円程度プラスするという考え方もおすすめです。
現地訪問して状況を確認する
実際に現地を訪問して、周辺の環境を確認するようにしましょう。
隣が放置された空き家だったり、思っていたよりも日当たりが良くなかったりというケースもあるかもしれません。
地図からだけではわからない状況を確認するため、必ず現地訪問をおこないましょう。
また、時間によって周辺の雰囲気や騒音、交通の状況などは異なります。
昼間や夜間、といった異なる時間帯に何度か訪れることをおすすめします。
不動産の専門家に相談する
ハウスメーカーや工務店、不動産仲介会社など、不動産の専門家に積極的に相談しましょう。
工法や間取り、資金計画、契約に関してなどさまざまな面でアドバイスを受けられます。
相談していくうちに自分では気づけなかった、理想とする家選びのデメリットがみえてくる場合もあります。
夢のマイホームです。後悔することのないよう、少しでも疑問や不安に思うことは不動産の専門家に相談し、助言をもらうようにしましょう。
スマトリでは、売主から直接物件を購入できるため中間コストがかからないため、他の不動産情報サイトを通じて購入するより支払い総額を安く抑えられます。
さらに、スマトリのサービスでは、「個人間取引は不安がある…」という方が安心して取引できるよう、契約書作成や登記など専門家のサービスを必要な分だけ利用可能です。
また、不動産購入に関する疑問やお困りごとがあれば、専門知識を持った担当者がチャットで対応。住まい選びのお困りごとやお悩みを安心して相談することができます。
家選びの前に知っておきたい「控除・補助金」活用術
マイホームの購入には多くの費用がかかりますが、国や自治体の控除・補助金制度を活用することで、実質的な負担を抑えられる可能性があります。
これらの制度は、一定の条件を満たしたうえで自ら申請しなければ適用されないため、家選びの段階から事前に確認しておくことが大切です。
以下に、代表的な控除・補助金を一覧でまとめました。
制度名 | 内容 | 主な対象・条件 |
住宅ローン控除 | 所得税・住民税の一部が控除される | 一定の基準を満たす住宅ローンを組んで購入した人 |
こどもエコすまい支援事業 | 高性能住宅への補助金(上限あり) | 子育て世帯・若者夫婦世帯が省エネ住宅を取得 |
ZEH補助金 | ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー住宅)に対する補助 | 太陽光発電や断熱性の高い住宅を建てる人 |
地域型住宅グリーン化事業 | 中小工務店による省エネ住宅建築に対する補助 | 地域密着型の建築事業者を通じて住宅を建築 |
住宅取得等資金の贈与税非課税 | 親や祖父母からの贈与が一定額まで非課税に | 住宅取得のために生前贈与を受ける人 |
不動産取得税・登録免許税の軽減 | 購入時にかかる税金の軽減措置 | 新築住宅・一定要件を満たす中古住宅 |
これらの制度は、住宅の仕様や購入時期、世帯構成によって利用できるかどうかが異なります。
控除・補助金の内容を理解し、早めに適用条件を確認することで、総支払額を大きく抑えることも可能です。
住宅選びの際は、価格や間取りだけでなく「どの制度が使えるか」もあわせて検討しましょう。
家選びに関するQ&A
家選びを始めると、さまざまな疑問が生じます。
この項では、家選びの際に悩むことの多い点について質問と回答をご紹介します。
新築と中古住宅はどちらを選ぶべきですか?
それぞれのメリット・デメリットがあるので、どちらがいいかは一概にはいえません。
新築は価格が高くなりますが、住宅の断熱・気密といった点で性能がよいため光熱費などの維持費が安く抑えられます。
中古住宅は、価格が安い一方で設備が古くなりますが、リフォームや、リノベーションで解決できる可能性があります。
価格・立地・設備などさまざまな条件を新築と中古住宅で比較した上で、自分たちの生活スタイルに合う方を選びましょう。
良い立地とはどんな条件ですか?
地盤が良く、災害リスクの少ないところです。
職場や学校、駅などへのアクセスが良いことも大切ですが、日本は地震が多い国でもあるため、安全に生活できる環境を手に入れておくことが大切です。
購入する家の災害リスクを確認する方法はありますか?
市町村などが公表している、以下のような情報で確認できます。
・水害ハザードマップ
・津波浸水想定地図
・火山防災マップ
・土砂災害警戒区域図
住む地域の安全をあらかじめ確認しておきましょう。
参考:ハザードマップポータルサイト(国土交通省、国土地理院)
子供がいる家族の家選びで考慮すべきことは何ですか?
リビング・ダイニングを広く確保しておくことです。
子どもが小さいうちは、多くの時間をリビング・ダイニングで過ごすことになります。
リビングが狭いとオモチャや勉強道具など、物であふれてしまいストレスを感じやすくなります。
家族で一緒に過ごす貴重な時間を快適にするため、リビング・ダイニングは広いほうがよいでしょう。
リフォームを前提にした家選びのポイントはありますか?
大規模なリフォームを考えている場合は、家の構造を確認しておくことが大切です。
家の構造によっては、思い通りのリフォームができない場合があるからです。
たとえば、ツーバイフォー工法で建てられた家は壁が柱の代わりとなって建物を支えているため、壁を取り払うことができないケースが多くあります。
リフォームで間取りの変更などを前提とする場合は、自由度の高い「在来工法」や「重量鉄骨造」「鉄筋コンクリートのラーメン構造」の建物を選ぶようにしましょう。
なお、分譲マンションの場合、リフォームができるのは専有部分のみになります。
一般的にマンションの外観に関わるバルコニーや窓、サッシといった部分や玄関扉などはリフォームができません。
マンションでリフォームを考えている場合は、事前に管理規約の確認をしておきましょう。
まとめ
この記事では、家選びの際に重視するべきポイントや、家選びで失敗しないためのコツについて解説しました。
家選びでは、予算をまず初めに決めて、そのあとに立地、広さなど家族で希望する優先順位にしたがって選択していくことが重要です。
・無理のない返済計画をたてる
・立地のよさを重視する
・ライフスタイルの変化をふまえた間取りを考える
・現地を訪問して周辺環境を確認する
・疑問点は不動産の専門家に相談する
以上のような点に注意し、後悔のない家選びをしていきましょう。
家選びのポイントを理解して気になる家が見つかった方は、内見時の注意点を解説する記事も合わせて読んでみてくださいね。

<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。