治安の悪い地域を見極めたい!東京で安全な住宅の見分け方や対策法

不動産を知りたい

「東京で特に治安が悪い地域はどこだろう」「東京で安全に暮らすため、住まい選びでどんなことに気をつけたらいいのだろう」と、これから就職や転職などで東京に引っ越す予定のある方にとって、住む場所の治安は気になるところではないでしょうか? 駅やスーパーが近いといった生活利便性が良いことも大切ですが、毎日を安心して生活できる地域かどうかも確認しておきたいところです。特に一人暮らしの女性などは住まいや防犯対策などについての関心は大きいのではないでしょうか。

隣人・近隣トラブルの予防・対策の専門会社である株式会社トナリスクが2023年3月に引っ越したことがある21~92歳の男女708名を対象に行った引っ越しの不安のアンケートでは、91.%の人が引っ越し前に不安があったと回答し、その中でも35.9%の人が住む地域の「治安について不安がある」と回答しています。

この記事では、警視庁による犯罪認知件数に基づいて東京で治安の悪い地域をを分析、犯罪件数の多かった順で5つエリアをご紹介していきます。しかし、治安の悪い地域といっても場所によっては安全な住宅街や、治安が良い地域でも犯罪が起きないとは言い切れないので、引っ越しで住むエリアや物件を選ぶ際の1つの知識として参考にしてもらえたら幸いです。

また、ここでは取り上げていない地域でも、住民や施設といった環境でトラブルや事件が起きる可能性は大いにあります。この記事が全てだとは思わず、自分で住む場所を見極め防犯対策が取れるように、しっかり知識をつけていきましょう!

東京の犯罪発生件数から見る住むには注意が必要な5つのエリア

警視庁による犯罪認知件数( 区市町村の町丁別、罪種別及び手口別)によると、令和5年1月から11月までに、東京都23区だけで59,931件もの犯罪が発生しています。

人口が多い地域はその分犯罪件数も増えます。そのため、人口比での犯罪率をカウントするとまた異なる結果になるかもしれませんが、今回はシンプルに犯罪発生件数が多い地域からそのエリアの注意点を解説していきます。

しかし、補足として申し上げますが、これらの地域は犯罪件数は多いもののエリアを選べば安全に暮らせると言える場所も多いですし、アクセスが良く通勤に便利といった利便性の部分で秀でていたりする部分も多くあります。あくまで参考程度にこのエリアのことを知っておくと自分で地域の治安を判断することができるようになるため、知識として入れておきましょう。

新宿区

犯罪件数 5069件(23区内の8.4%に当たる件数)

新宿には有名な歓楽街の「歌舞伎町」があり、風俗店やパチンコ店が密集しています。殺人や、強盗といった凶悪犯も59件起きており、他の地区より群を抜いて犯罪件数は多くなっています。

新宿区は犯罪に巻き込まれてしまうリスクなどが多く、新宿区を住まいにするには少々不安が伴うでしょう。特に女性の一人暮らしなどはエリアを選ばないと危険な目にあってしまう可能性もあります。

一方で、新宿エリアでも牛込柳原や神楽坂エリアは比較的治安の良いとされているエリアとされています。

牛込柳原は近くに女子大があるので、警備員が見回りを強化していることもあり、犯罪抑止につながっています。駅周辺も人通りが多く、街灯の明るさも問題ないので、夜遅い時間でも比較的安心な地域といえます。

神楽坂駅周辺は閑静な住宅街で、車の通りも少なく歩道も整備されています。飲食店も多い地域ですが、高級なお店が多いので酔っぱらいに絡まれるなどといったトラブルなどは少ないとされています。

犯罪件数が多い新宿区ですが、住むエリアによっては警備などが強化されており、治安の良い住みやすいエリアもあります。物件を探す際は、職場や学校にアクセスの良い路線沿いや地域も重視するポイントだと思いますが、地域で選んだ際に同じ区でも治安の良さ悪さは差が出るので、しっかり不動産の方に相談して決めていきましょう。

江戸川区

犯罪件数 3954件(23区内の6.5%をに当たる件数)

凶悪犯は22件で新宿ほど多くはありませんが、自動車、オートバイ、自転車盗といった非侵入窃盗が新宿よりも多くなっています。生活の中でオートバイや自転車で移動を考えている人には、向いている地域とはいえないでしょう。

地域別でみていくと、小岩や葛西エリアは治安に不安があるといえます。特に小岩駅周辺は深夜まで営業している飲食店や居酒屋があるので騒がしく、酔っ払いのトラブルも目立ちます。

これまで警察や関連機関のパトロール強化などの結果、犯罪件数は毎年減少し続けていますが、治安自体はまだ少々悪い印象があり、その点を気にかけておく必要がありそうです。

もし、江戸川区で住まいを探したい場合は、一之江や篠崎エリアがおすすめです。
一之江は学校や幼稚園が点在しているので、地域の目が行き届いています。駅周辺の街灯も多いので、駅近くのお部屋なら一人暮らしの女性でも安心です。

篠崎駅周辺には繁華街がないので、治安は悪くないといえます。駅を少し離れると閑静な住宅街が広がっていて、街灯と歩道もあるので安心です。

足立区

犯罪件数 3830件(23区内の6.4%に当たる件数)

凶悪犯は33件で2位の江戸川区より10件多くなっていますが、非侵入窃盗が少ないため、3位となりました。

北千住駅周辺(特に西口)は治安が悪く、風俗店やキャバクラ、パチンコなどが密集しています。昼間から営業している居酒屋も多いので昼夜問わず騒がしいことが多く、酔っ払いやキャッチなどの姿も見られます。同様に、竹ノ塚駅周辺も歓楽街が広がっており、治安の悪さに不安を抱く方は多いとされています。

また路地に入ると街灯が少なくなり、見通しも悪くなります。特に一人暮らしの女性は大通りを通っていくよう気をつける必要があるでしょう。

もし、足立区で部屋を探したいということであれば、北千住駅周辺をから少し離れた地域を探しましょう。
千住4丁目や、日ノ出町などは閑静な住宅街で、東京都内でも犯罪が少ない地域となります。

世田谷区

犯罪件数 3754件(23区内の6.3%に当たる件数)

凶悪犯は29件起きています。

世田谷区で治安が悪いとされているのは下北沢駅周辺です。夜遅くまで営業している飲み屋が多く、特に週末は人が多く集まり、酔っ払いによるトラブルが絶えないといった点が挙げられます。

世田谷区で住まいを探すなら奥沢駅周辺がおすすめです。高級住宅街で、警察による防犯パトロールや警備が徹底されています。街灯もたくさん設置されているので夜道も安心です。

また経堂駅周辺は教育施設が多い地域で、学校のPTAや地域のボランティアが定期的に見回りをしています。住民の防犯意識も高いので、安心な地域と言えるでしょう。

世田谷区は、青色防犯パトカー(警察に申請し、自主防犯パトロールを適正に行えると認定を受けた団体は、青色回転灯等の装着が可能)が24時間体制で区内を巡回しています。安全対策に力を入れている地域です。

大田区

犯罪件数 3506件(23区内の5.9%に当たる件数)

大田区で凶悪犯は27件起きています。
大田区は、蒲田駅周辺の治安が良くないとされています。駅前にはパチンコ店、飲み屋、風俗店とともに消費者金融の会社も多く建ち並んでおり、駅から離れると安全面で他の地域と変わりませんが、夜間に駅周辺を訪れるときはトラブルに巻き込まれないように気をつけましょう。

大田区で住まいを探したい場合は、田園調布駅周辺がおすすめです。高級住宅街なので、住民の質や防犯意識も高く、警察や区が依頼している外部の企業が定期的にパトロールをしています。

また鵜の木駅には繁華街がないので、酔っ払いや不審者の情報もなく治安の面で安心できるエリアと言えるでしょう。

住まいの周辺が安全な地域か見分ける5つの方法

エリア自体の治安や安全性などはあると思いますが、住もうと思っている物件の周辺の治安を自分で見分けることはさらに重要視して良いでしょう。物件選びの際に確認しておいてほしいポイントを中心に解説していきますので、是非引っ越し前の方は参考にしてください。

家賃の安さだけで物件を決めない

一般に、治安の悪い地域では不動産への需要が低下し、価格も下がることがあります。家賃の相場が近隣エリアよりも明らかに安い場合、治安に不安がある可能性があります。

単純に、犯罪件数やトラブルが絶えず住む人が少ないことから家賃が安いことも考えられますし、さらに近隣の住人トラブルやオートロック、モニター付きインターホンがないなど、セキュリティ設備が不十分で家賃が安くなっているといった、生活に支障の出るような地域の可能性も高いです。

安全で快適な生活を送るために、不動産会社に家賃が安い理由をしっかり確認しておく必要がありそうです。

夜道の暗さや物件までの道の確認をしておく

最寄り駅までの移動がスムーズか確めておきましょう。狭く、人通りの少ない道は避けたいです。もしトラブルに巻き込まれた場合でも、目撃者が減りますし、助けを呼んでも気づいてもらえない場合もあります。

他にも犯罪の兆候ととらえられる「壁の落書き」や、「壊れたままになっている建造物」などはないか、実際に歩いて確認しておきましょう。交番の位置も必ず確認しておきたいです。

内見を昼間にした場合は、物件の契約をする前に夜も同様に確認しておくと安心です。街灯の数が少なくて薄暗いと、安全な地域とはいえません。昼間は開いていなかった店が営業していて、雰囲気が異なって感じる場合もあります。夜も歩いて確認しておきましょう。

物件近くのコンビニで商品ラインナップを確認しておく

コンビニは、近隣住人のニーズに合った商品展開をしている場合が多いので、商品のラインナップを確認しておくと、その地域の住人層を知る手掛かりになります。

女性向けのファッション誌やオーガニック商品を多く扱っている場合は、若い女性をターゲットとしていることが分かるので女性が多く住んでいる地域であることが考えられます。店内にイートインスペースが綺麗に整備されている場合も、女性客が多いことを示しています。

他方、ワンカップや週刊誌など年齢層の高い男性向け雑誌が充実していて、お酒が目立つところにおいてある場合は、女性より男性の住人が多いと考えられます。

また、「トイレの貸し出し不可」としている場合、その地域の治安は悪い可能性があるので注意が必要です。

物件近くのコンビニから周辺地域の情報を得ることができるので、チェックしておくとよいでしょう。自分の目で見て判断できる地域の情報は、ぜひ治安状況の確認に取り入れていきましょう。

犯罪発生件数が低い地域でも歓楽街の近くに住むのは避ける

歓楽街は傷害事件や恐喝、暴行などが発生しやすい場所です。仕事で帰りが遅くなって、夜に1人で歩かなければならないこともあるかもしれません。酔っ払いやキャッチなどへの不安もあります。

また、夜遅くまで営業しているお店も多いので、24時間人通りが少なからずあります。どの時間帯も騒がしく、落ち着いて過ごすことが難しくなってきます。

歓楽街周辺の物件には夜の仕事をしている人も多く住んでいるので、生活リズムの違いから建物のなかでも騒音に悩まされることがあります。

犯罪発生件数にかかわらず、歓楽街の近くに住むのは避けたほうがよいでしょう。

犯罪情報マップでより細かく治安の悪いエリアを確認しておく

「警視庁犯罪情報マップ」には東京都の犯罪が発生した地域と、その犯罪内容が地図上に表示されます。

警視庁犯罪情報マップでは、大きく分けて以下の3つの情報が得られます。

・前兆事案情報(子ども・女性に対する声かけと、つきまとい事案等の発生した場所)
・アポ電があった地域
・犯罪が発生した地域とその犯罪内容

前兆事案情報は子供に対するものは「子」、女性に対するものは「女」という表示で地図上に示されています。

アポ電と犯罪発生地域については、地域別に色の濃さで犯罪発生件数を表示しているので、治安がひと目で分かるようになっています。

「警視庁犯罪情報マップ」はスマホからもアクセスできます。住まいを決めるときも、住み始めたあとも、自身の安全のためにぜひ活用していきましょう。

さいごに

東京で治安が悪いとされている地域を住まいの視点からご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
治安の悪い街を紹介しましたが、東京は人の出入りも激しいので、安全だと思っていた地域でもトラブルに巻き込まれてしまうケースは0ではありません。

治安の悪い地域を避けて住まいを探すことは何より大切ですが、自分で自分を守るため、安全な行動を心がけることも忘れないようにしましょう。
物件を選ぶ際に注意して見るべきポイントも記載しましたので、是非これから住まいを決める方はこの記事を参考にしてみてください!

【監修者】大石 裕樹

【監修者】大石 裕樹

<保有資格> 司法書士 宅地建物取引士 貸金業取扱主任者 / 24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。

こちらの記事も読まれています

特集記事

TOP