中央区の住みやすさを解説!治安・教育・利便性がそろう街の魅力とは
「中央区って本当に住みやすいの?」
「家賃は高めという印象だけれど、それに見合う価値はあるのだろうか?」
中央区は都心の一等地として知られていますが、実際に暮らすとなると、治安や生活のしやすさが気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、そんな疑問を持つ方に向けて、中央区の治安や交通アクセス、人気エリアの特徴、子育て支援の充実度などを詳しくご紹介します。
中央区がご自身にとって住みやすい街かどうか、判断するためのヒントが得られる内容となっています。
ぜひ最後までお読みいただき、住まい選びの参考にしてください。
中央区はビジネス街やデパートの多い都心部エリア
中央区は東京23区のほぼ中央に位置し、千代田区・港区とともに「都心3区」として知られています。
銀座、日本橋、築地など、全国的に有名な商業エリアを擁し、これまでオフィス街として発展してきました。
しかし近年では、都心ならではの利便性が評価され、住む街としても注目を集めています。
定住人口が70年ぶりに過去最多を更新(2023)
中央区の定住人口は、2023年1月1日現在で174,074人となり、70年ぶりに最大人口を更新しました。これまでの最大人口は昭和28年(1953年)の172,183人でしたが、令和5年(2023年)にこの記録を上回ったことになります。
このような人口増加は、中央区が「住みやすい街」として評価されていることの表れです。SBIアルヒ株式会社の調査(「東京都中央区の住みやすさを治安・交通・教育で評価」)によると、特に新たに移り住む住民が多く、平均年齢は23区で最も若い42.26歳。また、0~14歳の子どもの人口も23区で最多という特徴があります。
参考:中央区の定住人口が70年ぶりに最大を更新 1月5日(中央区)
令和5年の犯罪件数は1,828件
令和5年(2023年)の警視庁のデータによると、中央区での犯罪発生件数は1,828件でした。この件数を中央区の人口(176,742人)で割った犯罪発生率は1.03%で、東京23区中17位にあたります。
中央区は昼間人口が約77万人と非常に多い一方で、定住人口は比較的少ないため、人口比で見ると犯罪発生率はやや高めに見える傾向があります。しかし、実際の治安は比較的良好といえるでしょう。
実際に中央区に住む人からは、「高級住宅が多く、住民を含めて街全体に落ち着きがある」「交通の便が良いのに騒がしすぎず、治安も良い」といった声が多く寄せられており、安心して暮らせるエリアとして評価されています。
参考:「令和5年 区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」(警視庁)
参考:住民基本台帳による世帯と人口(令和5年12月)(東京都)
参考:令和2年国勢調査の人口及び世帯数の集計結果について(中央区)
安全で安心なまちづくりを推進する条例が制定
中央区では、平成16年に「安全で安心なまちづくりを推進する条例」を制定し、地域ぐるみで防犯意識を高める取り組みを進めています。
この条例は、区民・地域団体・事業者・警察・行政が連携し、犯罪を未然に防ぐ環境づくりを目的としています。
平成25年には改正が行われ、地域活動への事業者の協力が義務化され、客引きなど悪質な勧誘行為への対策も強化されました。また、区は自主的なパトロールや防犯カメラ設置への支援を行い、地域の負担軽減にも努めています。
さらに、区内4つの警察署と覚書を締結し、治安対策における連携体制を強化。こうした包括的な取り組みにより、中央区は安全で安心して暮らせる都市環境の実現を目指しています。
東京を代表する商業施設が立ち並ぶ中央区の特徴
中央区は商業施設が充実しており、生活の利便性が非常に高いエリアです。銀座や日本橋、築地といった全国的に有名な商業地域を有し、買い物環境は東京都内でもトップクラスの充実度を誇ります。
この項では、そのような中央区について詳しく解説します。
交通アクセスが良く利便性が高い
中央区には計11本の路線が通っており、都内各所はもちろん、埼玉・千葉・神奈川方面など、どこへ行くにもアクセスしやすい交通環境が整っています。
中央区を通る路線は以下の11路線です。
路線系統 | 路線名 |
---|---|
JR | 総武本線・京葉線 |
東京メトロ | 丸ノ内線・銀座線・日比谷線・東西線・有楽町線・半蔵門線 |
都営地下鉄 | 新宿線・浅草線・大江戸線 |
主要駅への所要時間は以下のとおりです。
出発駅 | 目的地 | 所要時間 |
---|---|---|
銀座駅 | 新宿駅 | 約18分 |
銀座駅 | 渋谷駅 | 約16分 |
月島駅 | 渋谷駅 | 約23分 |
鉄道以外にも、都営バスや無料巡回バスのメトロリンク日本橋、区内を走るコミュニティバス(江戸バス)が運行しており、築地・月島・銀座・日本橋などの散策や移動にも便利です。
観光地や生活エリアが共存している
中央区の大きな魅力のひとつは、観光地としてにぎわうエリアと、落ち着いた住宅地が共存している点です。
代表的なエリアの特徴を以下のとおりです。
- 銀座:高級ブランド店や老舗百貨店が立ち並ぶ、日本屈指の商業エリア
- 日本橋:江戸時代からの老舗と現代的なオフィスビルが融合するビジネス街
- 月島・勝どき:再開発によりタワーマンションが林立する湾岸エリア
- 人形町・浜町:昔ながらの下町情緒が残る落ち着いた住宅地
中央区は、銀座・日本橋といった洗練された商業地が集まり、世界中から観光客を惹きつける一方で、築地や月島といった生活感あふれる下町エリアも存在します。
観光地としての華やかさと、住民が日常生活を営む落ち着いた街並みが共存しており、訪れる人と暮らす人が多い地域です。
高層ビル群の足元には昔ながらの商店や住宅街が広がり、生活利便性も高いため、観光・ビジネス・居住のすべてに適したエリアといえるでしょう。
学校選択制が実施されている
中央区では、小・中学校ともに「学校選択制」を導入しており、指定された通学区域以外の学校を希望して選べます。
小学校では、教育内容や特色に共感すれば、「特認校」として指定された5校(城東、泰明、京橋築地、常盤、阪本)から選択が可能です。申請には保護者の送迎や通学経路の確認など、一定の条件があります。
中学校では「自由選択制」が採用されており、区内5校(銀座・佃・晴海・晴海西・日本橋)から1校を希望して申請が可能です。希望者が定員を超える場合は抽選となります。
このように中央区では、家庭の教育方針や子どもの個性に応じた柔軟な学校選びが可能で、住む場所にとらわれない多様な教育環境が整っています。
参考:小学校特認校制度(中央区)
参考:中学校自由選択制(中央区)
中央区の家賃相場
中央区の間取り別家賃相場は以下の通りです。
間取り | 家賃相場 |
---|---|
1R | 15.27万円 |
1K | 12.77万円 |
1DK | 15.62万円 |
1LDK | 22.57万円 |
2K | 17.97万円 |
2DK | 20.94万円 |
2LDK | 29.45万円 |
3K | 41.38万円 |
3DK | 27.86万円 |
3LDK | 39.42万円 |
参照:homes(2025.07.18)
家賃設定は高めですが、交通アクセスの良さ、商業施設の充実、治安の良さを考慮すると、コストパフォーマンスは決して悪くありません。特に通勤時間の短縮や生活の利便性を重視する方にとっては、大きなメリットがあるエリアといえるでしょう。
中央区の住みやすいエリア
中央区内には多くの魅力的な住宅エリアがあります。ここでは特に住みやすさで評価の高い5つのエリアを紹介します。
東日本橋
東日本橋は、都心の利便性と落ち着いた住環境を兼ね備えたエリアで、都営浅草線が通っています。
路線名 | 主要駅までの乗車時間 |
---|---|
都営浅草線 | 東京駅約16分、品川駅約17分 |
「東日本橋駅」に加え、都営新宿線「馬喰横山駅」、JR総武線「馬喰町駅」も徒歩圏内にあり、複数路線の利用が可能です。新宿・渋谷・品川方面へのアクセスも良好で、通勤・通学に便利な立地です。
周辺には隅田川テラスや公園もあり、下町情緒を残しつつも、暮らしやすい静かな住宅街が広がります。スーパーやドラッグストア、医療機関も充実しており、日常生活にも困りません。
治安も良好で、一人暮らしからファミリー層まで幅広く支持されているエリアです。
水天宮前
水天宮前は、落ち着いた雰囲気と下町らしさが残る住みやすい地域で、東京メトロ半蔵門線が通っています。
路線名 | 主要駅までの乗車時間 |
---|---|
東京メトロ半蔵門線 | 東京駅約11分、渋谷駅約21分 |
徒歩圏内には日比谷線「人形町駅」や都営浅草線の駅もあり、都心各地へのアクセスに優れています。渋谷や大手町にも直通で行けるため、通勤の利便性は抜群です。
安産祈願で知られる水天宮や甘酒横丁など歴史ある名所も点在し、穏やかな街並みが魅力です。生活利便施設も整っており、コンビニやスーパー、保育施設も充実。子育て世帯にも人気があります。
落ち着いた環境でありながら、都市の利便性を享受できるバランスの良いエリアです。
月島
月島は、再開発により高層マンションが立ち並ぶ湾岸の住宅エリアです。
都営大江戸線と東京メトロ有楽町線が利用でき、都心各地へのアクセスが良好です。
路線名 | 主要駅までの乗車時間 |
---|---|
都営大江戸線 | 新宿駅約25分 |
東京メトロ有楽町線 | 東京駅約15分 |
駅周辺にはスーパーやドラッグストア、保育施設も多く、生活利便性は高めです。もんじゃ焼きで有名な「月島もんじゃストリート」や隅田川沿いの遊歩道があり、散歩や外食も楽しめる環境です。湾岸部にありながら、地域のつながりや下町らしい雰囲気が残っているのも魅力のひとつ。
ファミリー層に人気が高く、子育て支援施設も充実しています。
築地
築地は、歴史と文化を感じられる落ち着いたエリアです。
通っている路線は東京メトロ日比谷線です。
路線名 | 主要駅までの乗車時間 |
---|---|
東京メトロ日比谷線 | 銀座駅約3分、東京駅約14分 |
生活圏にはスーパーや病院、公園もそろっており、住みやすさも良好です。静かな住宅街が多く、落ち着いた暮らしを求める人におすすめです。
かつての築地市場の名残を感じさせる場外市場は、今もにぎわいをみせており、飲食店や食材店が豊富にあります。
観光地に近いながらも騒がしすぎず、日常と非日常がほどよく共存するエリアです。
浜町
浜町は、都心の利便性と自然の潤いが共存する穏やかな住宅エリアです。
通っている路線は都営新宿線です。
路線名 | 主要駅までの乗車時間 |
---|---|
都営新宿線 | 新宿駅約17分、東京駅約15分 |
徒歩圏内に人形町駅や水天宮前駅もあり、複数路線が利用可能です。新宿や東京駅方面へのアクセスもスムーズです。
最大の特徴は「浜町公園」の存在で、緑豊かな広場や隅田川沿いの景観が、都心にいながらリラックスできる空間を提供しています。
周辺にはマンションや戸建て住宅が混在し、下町らしい親しみやすさが漂います。商業施設は少なめですが、静かで落ち着いた住環境を求める方に人気のエリアです。
中央区が行う子育て世帯向けの支援事業
中央区は子育て支援に積極的に取り組んでおり、ファミリー層にとって住みやすい環境を整備しています。ここでは、代表的な子育て支援事業を3つ紹介します。
未就学児の遊び場「すきっぷ」
「すきっぷ」は3歳に達する日以降の最初の4月1日から6歳の3月31日までの間にある子どもとその保護者を対象とした遊び場です。
子ども家庭支援センター「きらら中央」勝どき分室で実施されており、利用料は無料です。
「すきっぷ」の特徴は以下のとおりです。
・利用料:無料
・実施場所:子ども家庭支援センター「きらら中央」勝どき分室
上記対象児と一緒であれば、弟妹関係にある子どもも利用できるため、年齢の違う兄弟姉妹がいる家庭でも安心して利用できます。
ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)
中央区では、日常生活上の突発的な事情や社会参加などにより一時的に保育を必要とする保護者に対し、ベビーシッター利用料の一部を補助しています。
この制度の主な利用条件と補助内容は以下のようになっています。
・利用時間帯:毎日午前7時から午後10時まで
・補助上限:月20時間まで(年度内144時間まで)
・多胎児の場合:月40時間まで(年度内288時間まで)
補助上限額は1時間あたり2,500円までです。ただし、入会金・交通費・保険料などは対象外となります。
参考:令和7年度ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)及び緊急対応枠(中央区)
子育て交流サロン「あかちゃん天国」
「あかちゃん天国」は0~3歳児とその保護者、もしくは妊娠中の方を対象とした子育て交流サロンです。
乳幼児を育てる保護者同士の交流や情報交換の場であり、専門スタッフによる子育て相談・情報提供も行われます。
以下に、「赤ちゃん天国」を利用できる対象者や実施場所などの基本情報をまとめました。
【実施場所】子ども家庭支援センター「きらら中央」、築地・浜町・月島などの各児童館
【利用料】無料
同年代の子どもを育てる仲間と悩みや不安を共有することで、孤独感の軽減にもつながるため、中央区に引っ越した際は積極的な利用がおすすめです。
また、中央区では上記3つの取り組み以外にも、多くの子育て支援事業を実施しています。
事業名 | 対象 | 内容 |
---|---|---|
プレディ | 小学生 | 放課後や長期休暇中の遊び・学習の場を提供 |
子どもの学習・生活支援事業 | 小学4年生~高校生世代 | 無料の学習指導・進路相談(NPO法人キッズドアに委託) |
子育て応援サイト「こどもすくすくナビ」 | 妊娠・出産・子育て世帯 | 妊娠・出産・子育てに関する便利な情報をまとめたWebサイト |
このように、中央区では妊娠期から高校生世代まで切れ目のない包括的な子育て支援体制が整っており、ファミリー層にとって非常に住みやすい環境といえるでしょう。
まとめ
本記事では、中央区の住みやすさについて詳しく解説しました。
中央区の住みやすさを示す主なポイントを以下にまとめます。
- 定住人口が70年ぶりに過去最多を更新(2023年)
- 安全で安心なまちづくりを推進する条例が制定されている
- 11本の路線が通り、交通アクセスが抜群
- 学校選択制により、教育環境の選択肢が豊富
- 充実した子育て支援事業
中央区は、都心ならではの利便性と住環境の良さを兼ね備えた魅力的なエリアです。交通アクセスの良さ、商業施設の充実度、治安の良さなど、住みやすさを構成する要素が高いレベルでバランスよく整っています。
また、子育て支援も充実しており、ファミリー層にとっても暮らしやすい環境が整備されています。東日本橋、水天宮前、月島、築地、浜町など、エリアごとに異なる個性があり、ライフスタイルに合わせた選択ができる点も中央区の大きな魅力です。
中央区での住まい探しを検討されている方は、ぜひ今回ご紹介した情報を参考に、ご自身の希望に合ったエリアを見つけてください。

<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。