東京まで約1時間!藤沢の住みやすさを交通と治安・家賃で解説
神奈川県の湘南エリアに位置する藤沢市は、海が近く、都心にも通いやすい住みやすい街として人気があります。
観光地の江の島がある街として知られていますが、実際に暮らすとどのような街なのか気になる方も多いのではないでしょうか。
藤沢市は都心まで約1時間とアクセスがよく、駅前の商業施設が充実し、自然を感じられる海岸がすぐ近くにあることから、暮らしやすさと楽しさを味わえる街です。
この記事では、藤沢市の治安や家賃相場、交通アクセスなどの基本情報から、子育て支援制度や地域の特色までをわかりやすく紹介します。
都会のにぎやかさから少し離れて、便利で安心して暮らせる街を探している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
湘南エリアの最東端に位置する藤沢市の住みやすさ
藤沢市は湘南エリアの最東端に位置し、鎌倉市に隣接する街です。
穏やかな気候と美しい海岸線に恵まれ、自然を身近に感じながらも都心への通勤に便利な立地が魅力です。
近年は、共働き世帯の増加に加え、単身世帯も増加傾向にある中、休日にショッピングや遊びを楽しめる街を求められるようになっています。その中で、交通の利便性と自然環境の良さをどちらも備えた藤沢市は、暮らしやすい街として注目を集める地域です。
この項では、藤沢市の人口動向や住みやすさについて解説します。
2035年の総人口は45万人超の推計
藤沢市の人口は、現在約44万人です。
藤沢市の発表によると人口は緩やかに上昇を続けており、2035年には約45万人となり、その年がピークになると予想されています。
近年では、テレワークが普及し、通勤時間は多くの働く人にとって負担が少なくなってきています。こうした背景から、仕事と暮らしのバランスをとりやすい地域として、藤沢市が注目されるようになりました。
また、都心の住宅価格が上がっていることから、家賃や物件価格が比較的手の届きやすい郊外エリアに人気が高まっていることも、藤沢市の人口が増えている理由のひとつです。
参考:藤沢市の人口と世帯数(藤沢市)
参考:将来人口推計を上方修正~人口のピークは2035年に約45万4千人の見込み(2023年4月28日記者会見・案件1)(藤沢市)
防犯交通安全課が設置されている
藤沢市では、市民が安心して暮らせるように、防犯担当と交通安全担当をもつ防犯交通安全課を設けています。
防犯担当は、市民、警察、行政が協力し合って安全で安心して暮らせるまちづくりを目指し、
交通安全担当は、市民が安全に行動できるよう意識を高め、交通事故を減らすための取り組みを行っています。
それぞれの担当がどのような取り組みを行っているのか、主な内容を以下にまとめました。
・特殊詐欺(振り込め詐欺など)への注意喚起
・防犯灯・防犯カメラの設置支援
・「ふじさわ防犯ハンドブック」「公共施設防犯ガイドライン」の作成
・最新の防犯ニュース(住宅侵入事件など)の発信
・関係機関や団体との連携による事故防止
・交通安全運動や教育活動の推進
・交通安全団体への補助金制度
・自転車事故などへの注意喚起
これらの取り組みにより、藤沢市は安心で安全な街を目指し、市民と行政が一体となった地域づくりを推進しています。
参考:防犯交通安全課(藤沢市)
藤沢市の治安と地域コミュニティの特徴
2024年の藤沢市では、犯罪の認知件数が2,466件ありました。そのうち凶悪犯罪は20件と少なく、比較的治安の良い地域といえます。特に駅から離れた住宅街は静かで落ち着いた雰囲気があり、安心して暮らせる環境が整っています。
一方で、窃盗の件数がやや多いため、自転車やバイクの施錠など、日常的な防犯対策は欠かせません。また、繁華街や夏季の海岸エリアでは、観光客の増加に伴う騒音やトラブルが発生する場合もあるため、注意が必要です。
また、藤沢市には、日本初の別荘分譲地とされる鵠沼(くげぬま)があり、穏やかな気候と海辺の暮らしに魅力を感じて、他の地域から移り住む人が昔から多くいました。
そのため、人々はフレンドリーさを持っており、新しく引っ越してきた方もコミュニティの中に溶け込みやすい環境となっています。
参考:刑法犯 罪名別市区町村別 認知件数(神奈川県警察)
参考:鵠沼郷土資料展示室のご案内(藤沢市)
約1時間で東京の都心部に移動できる
藤沢市の中心駅である藤沢駅には、JR東海道線・JR湘南新宿ライン・小田急江ノ島線・江ノ島電鉄が乗り入れています。
東京駅や新宿までは約1時間で、乗り換えなしで都心へ移動できます。
また、隣接する辻堂駅もJR東海道本線と湘南新宿ラインが通っていて、乗り換えなしで都心まで約1時間でアクセス可能です。
藤沢市から都心までのアクセスの状況をまとめました。
| 行き先 | 所要時間 | 利用路線 |
|---|---|---|
| 東京駅 | 約50分 | JR東海道本線・上野東京ライン(直通) |
| 新宿駅 | 約60分 | JR湘南新宿ライン(直通) |
| 渋谷駅 | 約60分 | JR湘南新宿ライン(直通) |
通勤や通学にかかる時間が1時間前後で済むこと、そして複数の駅から都心へ直通できることが、藤沢市の大きな魅力といえます。
自然環境やレジャー施設が充実している
藤沢市は相模湾に面しており、海や緑豊かな自然に恵まれた街です。
海と緑の両方を身近に感じながら暮らせる環境が、多くの人を魅了しています。
実際に「SUUMO住みたい街ランキング2025」では、街の魅力として1位に「自然が豊富」が挙げられており、その結果にも納得できるほど自然環境が整っています。
江の島周辺では、海水浴やサーフィン、釣りなどのマリンスポーツが盛んです。海辺を散歩する人や愛犬と過ごす人の姿も多く見られます。
さらに、藤沢市は緑地も豊かです。「辻堂海浜公園」や「湘南台公園」といった大型公園に加え、里山の自然をそのままいかした「新林公園」では、ヤマユリやスミレなどの自生植物や、カワセミやアオサギなどの野鳥に出会えるなど、子どもから大人まで自然と触れ合える場所がたくさんあります。
自然と利便性が調和した藤沢市は、海にも森にも近い暮らしがかなう街として、多くの世代に選ばれています。
小学校~高校などの教育機関が多い
藤沢市は教育環境が整っており、小学校は35校、中学校は19校、高校は15校あります。
駅周辺には進学塾や個別指導塾なども多いので、学習スタイルや進学の目標に合わせたサポートを受けやすい環境です。
さらに、市内には慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパスや文教大学湘南キャンパス、多摩大学湘南キャンパスなども立地しています。小中高から大学まで、教育の機会が身近にあることが、藤沢市の大きな魅力となっています。
参考:学校(藤沢市)
藤沢市の家賃相場
藤沢市の家賃相場は、以下の通りです。
| 間取り | 家賃相場 |
|---|---|
| 1R | 6.96万円 |
| 1K | 6.83万円 |
| 1DK | 7.88万円 |
| 1LDK | 11.32万円 |
| 2DK | 8.48万円 |
| 2LDK | 16.35万円 |
| 3DK | 10.09万円 |
| 3LDK | 20.03万円 |
藤沢駅周辺の家賃は、横浜駅や新宿駅といった大きなターミナル駅より2〜3割ほど安く設定されています。家賃の手ごろさと交通の便利さが、藤沢市の暮らしやすさを支えているといえるでしょう。
藤沢駅の北側エリアは、南側に比べるとやや家賃や物件が安い傾向にあります。
辻堂駅周辺は、2011年にオープンしたテラスモール湘南を中心に人気が高まっています。また、横浜方面へ移動するなら湘南台駅が始発駅として利用できるので便利です。
藤沢市で賃貸を探す際は、一人暮らしで約6.8〜11.3万円、ファミリー層では約8.5万〜20.0万円を目安とするとよいでしょう。
参考:藤沢駅周辺の住みやすさ完全ガイド:相場から交通アクセスまで8つのポイントを徹底解説(スムナラ)
参考:「SUUMO住みたい街ランキング2025」藤沢が過去最高の順位に急上昇! 自然豊かで子育て環境の評価が高い、フレンドリーでロコ味のある街(SUUMOジャーナル)
藤沢市の補助金・支援制度
藤沢市で利用できる補助金や支援制度について解説します。
子育て世帯や環境に配慮した暮らしを目指す方にとって、経済的な負担を軽減できる制度が整っています。
神奈川県母子・父子・寡婦福祉資金
神奈川県母子・父子・寡婦福祉資金は、母子家庭・父子家庭・寡婦の方が、安心して生活し、自立を目指せるように支援する県の貸付制度です。
子どもの進学や就職、生活の安定を後押しするための資金を、無利子または低金利で借りられます。
対象となるのは、母子家庭の母、父子家庭の父、寡婦の方、そしてその扶養する子どもです。
貸付の種類は修学資金、就学支度資金などさまざまで、目的に応じて利用できます。
利子は、修学資金や就学支度資金など子どもに関するものは無利子です。
藤沢市にお住まいの方は、市役所の児童福祉を担当する課が相談窓口です。返済方法や利用条件など、状況に応じた丁寧な説明を受けられるので、まずは相談してみるとよいでしょう。
藤沢型認定保育施設保育料補助制度
藤沢型認定保育施設保育料補助制度は、藤沢市が独自に設けた基準(※1)を満たした認可外保育施設を利用する家庭を支援する制度です。
認可外でも一定の質を保った施設を「藤沢型認定保育施設」として認め、そこに通っている家庭の保育料の負担を軽減することを目的としています。
対象となるのは、藤沢市に住民登録があり、年度初日時点で0~2歳児の子どもを持つ家庭です。さらに、保育を必要とする事由(※2)に該当し、対象としている施設を月額利用していることが条件となっています。
補助金額は世帯の所得に応じて決まり、最大で月15,000円が補助。所得が高い世帯ではその所得に応じて補助が段階的に減額され、所得割課税額が249,000円以上の場合は補助の対象外となります。
| 世帯の課税状況(所得割課税額合計) | 月額補助金額(上限) |
|---|---|
| 非課税または60,700円未満 | 15,000円 |
| 60,700円~249,000円未満 | 10,000円から段階的に減額 |
| 249,000円以上 | 0円(補助対象外) |
この制度により、仕事をしている保護者も認可外保育施設を安心して利用できるようになっています。
(※1)藤沢市が独自に設けた基準:保育料・保育環境・保育時間など。
(※2)保育を必要とする事由:就労、妊娠・出産、疾病、求職活動など8つのうちのいずれか。
参考:藤沢型認定保育施設保育料補助金について(藤沢市)
藤沢市電気自動車導入補助金
藤沢市では、環境にやさしいまちづくりの一環として、電気自動車の利用者を支援するための補助金制度を設けています。
ガソリン車から電気自動車への切り替えを後押しすることで、CO₂排出量の削減と持続可能な社会の達成を目指しています。
この制度は、藤沢市内に住む個人や市内で事業を行う法人が対象です。補助金は1件あたり5万円で、先着順に200件までです。対象となるのは、自動車検査証の燃料の種類が電気のみで、新規に車両登録されたものに限られます。
また、導入した車両は個人・法人ともに一定期間の保有が義務付けられているため、その点には注意が必要です。
補助金額や、申請条件について以下にまとめました。
| 補助金額 | 1件あたり5万円(先着200件) |
|---|---|
| 対象車両 | 燃料の種類が電気のみの新規登録車両(EV) |
| 対象外 | ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車など |
| 申請条件 | ・市税の滞納がないこと。 ・市内に保管場所があること。 ・交付決定通知を受け取ってから、車両登録する必要がある。 |
| 保有義務期間 | 自家用車:4年/事業用車:3年 |
地球にやさしい電気自動車(EV)を選ぶことで、補助を受けながら環境に貢献もできるという、未来に向けた取り組みです。
参考:令和7年度藤沢市電気自動車導入補助金の募集について (藤沢市)
藤沢市の交通アクセス
藤沢市は東京や横浜にもアクセスしやすいため、ベッドタウンとしても人気があります。
この項では、藤沢市の交通アクセスについて解説します。
JRや小田急線、江ノ電などが利用できる
藤沢市は、神奈川県内でも交通アクセスが良好な街です。藤沢市の主要駅である藤沢駅には、JR東海道本線・JR湘南新宿ライン・小田急江ノ島線・江ノ島電鉄などの路線が乗り入れており、都心や観光地へのお出かけにも便利な環境が整っています。
JR東海道本線は快速・急行も停車し、横浜や東京はもちろん、宇都宮や高崎にも直通でアクセスできます。そのため、通勤・通学だけではなく、出張や旅行にも利用しやすい路線です。
小田急江ノ島線は、片瀬江ノ島まで約7分で到着し、海辺へ気軽に出かけられます。
また、江ノ島電鉄(江ノ電)は、藤沢と鎌倉をつなぐ全長約10kmのローカル線。藤沢駅が始発駅なので、観光シーズンでもゆったり座って出発できるのがうれしいところです。
以下の表に、藤沢駅から都心以外の主な行き先へのアクセス状況をまとめました。
| 行き先 | 所要時間 | 利用路線 |
|---|---|---|
| 宇都宮駅 | 約2時間30分 | JR湘南新宿ライン(宇都宮線直通) |
| 高崎駅 | 約2時間30分 | JR湘南新宿ライン(高崎線直通) |
| 片瀬江ノ島駅(江ノ島) | 約7分 | 小田急江ノ島線 |
| 鎌倉駅 | 約35分 | 江ノ島電鉄(江ノ電) |
通勤や観光のどちらにも便利な路線です。
藤沢市のおすすめ観光スポット
藤沢市の観光スポットを3つ紹介します。
江の島

藤沢市を代表する観光地といえば、江の島を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。徒歩や車で気軽に渡れる小島で、美しい海や多彩なグルメ、観光が楽しめます。都心や横浜からのアクセスも良いため、日帰り旅行としても人気のエリアです。
参道の弁財天仲見世通りでは、名物のしらす料理やスイーツの店が並び、潮風を感じながら食べ歩きやお土産選びを楽しめます。
弁財天仲見世通りの先にあるのは江島神社。縁結びや海や水の神として知られ、金運や芸道上達などなどのご利益があるといわれています。
さらに、四季折々の花が咲く江の島サムエル・コッキング苑や、恋人の聖地として親しまれる龍恋の鐘など、季節の景色を感じながら楽しめるスポットもあります。
参考:江の島エリア(藤沢市)
新江ノ島水族館

新江ノ島水族館は、「えのすい」の愛称で親しまれる大型水族館です。小田急江ノ島線「片瀬江ノ島駅」から徒歩3分の立地で、相模湾と太平洋をテーマにした展示が魅力となっています。
イルカショーや大水槽、クラゲ展示が人気で、子どもから大人まで一日中楽しめるスポットです。
イルカショースタジアムでは、江の島と富士山を背景にイルカやアシカが迫力あるショーを見せてくれます。海辺ならではの開放的な雰囲気と調和した演出が魅力です。
参考:新江ノ島水族館
江ノ島電鉄

藤沢駅から鎌倉方面へと続く江ノ島電鉄は、湘南の景色をのんびり眺めながら乗車を楽しめるローカル線です。
レトロな車体が海沿いや住宅街の間を静かに走ってゆく姿は、湘南ならではの風景のひとつ。車窓からは、美しい海や街並みが広がり、走行中には潮風の香りがふっと漂います。
通勤や通学に利用されるだけでなく、ゆったりと旅気分を味わいたい観光客にも長く親しまれている路線です。
低速で走るため静かで環境にもやさしく、湘南の暮らしに溶け込む存在となっています。
参考:事業内容(江ノ電)
藤沢市の暮らしに向いている人
藤沢市は、海辺のそばの開放的な雰囲気と、街の便利さをどちらも味わえる、暮らしやすい街です。自然を身近に感じながら、落ち着いた暮らしを送りたい人に向いています。
湘南海岸や緑豊かな公園が点在し、波の音や潮風を感じる穏やかな環境は、忙しい日常を癒してくれます。休日には、江の島や辻堂海浜公園でサーフィンや釣りを楽しむ人も多く、趣味やレジャーを思いきり満喫したい人におすすめの環境です。
都心や横浜へもアクセスが良好なうえ、家賃は都心や主要ターミナル駅より抑えられるので、経済的負担を少なく暮らしたいという人にも向いています。
まとめ
この記事では、藤沢市の暮らしやすさ、交通の利便性、自然環境の魅力について解説しました。
藤沢市は、湘南エリアの最東端に位置し、海のある穏やかな暮らしと都心への通いやすさをどちらもかなえられる街です。東京や新宿まで約1時間でアクセスでき、江の島をはじめとする自然豊かな環境が身近にあります。
家賃相場は横浜や川崎と比べて2~3割ほど抑えられており、単身者からファミリーまで幅広い世代が無理なく暮らせる点も魅力です。
防犯交通安全課による地域の安全対策や、教育環境の充実、環境に配慮した補助金制度など、安心して長く住み続けられる仕組みも整っています。
引っ越しや移住を検討している方は、藤沢市での新しい生活を考えてみてはいかがでしょうか。
<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。










