板橋区で治安の良いエリア5選!住みやすさや家賃相場を詳しく解説
板橋区は東京23区の北西部に位置し、自然環境の豊かさと都心へのアクセスの良さを兼ね備えた人気のエリアです。
しかし、引っ越しを検討するにあたって「板橋区の治安はどうなのか」「どのエリアが住みやすいのか」という疑問を持つ方も多いでしょう。
本記事では、板橋区の治安状況やエリア別の特徴、家賃相場から魅力的なスポットまで解説します。
これから板橋区への引っ越しを考えている方はもちろん、すでに住んでいる方にも役立つ情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
板橋区の治安の良さは23区内で6位
板橋区は、東京23区の中で治安の良さが6位と評価されている地域です。
警視庁が公表した令和5年度の犯罪件数データによると、板橋区の人口あたりの犯罪発生率(犯罪件数÷人口×100)は、23区中6番目に低く、安全性の高いエリアとなっています。
具体的な数字で見てみましょう。
順位 | 区名 | 犯罪発生率(23区平均:0.67%) |
1位 | 杉並区 | 0.44% |
2位 | 世田谷区 | 0.44% |
3位 | 練馬区 | 0.47% |
4位 | 文京区 | 0.48% |
5位 | 目黒区 | 0.48% |
6位 | 板橋区 | 0.51% |
東京23区平均の犯罪発生率は0.67%です。板橋区は0.51%とそれを大きく下回っており、安全な区であることがわかります。
参考:区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数(令和5年)(警視庁)
参考:住民基本台帳による世帯と人口(令和5年12月)(東京都)
犯罪発生件数は近年減少傾向にある
板橋区の犯罪状況を時系列で見ると、年々改善傾向にあります。
下記の表は平成29年から令和4年までの板橋区における犯罪発生件数の推移です。
年度 | 凶悪犯 | 粗暴犯 | 侵入窃盗 | 非侵入窃盗 | その他(詐欺など) | 合計 |
平成31年 | 19 | 214 | 135 | 2,776 | 829 | 3,973 |
令和2年 | 24 | 197 | 95 | 1,982 | 746 | 3,044 |
令和3年 | 20 | 156 | 84 | 1,604 | 699 | 2,563 |
令和4年 | 21 | 195 | 58 | 1,810 | 635 | 2,719 |
令和5年 | 22 | 203 | 71 | 2,008 | 612 | 2,916 |
平成31年に3,973件あった犯罪発生件数は、令和5年には2,916件まで減少しています。
令和4年度から令和5年度にかけては犯罪発生件数の増加が見られましたが、平成31年度からみると侵入窃盗が135件から71件と大幅に減少しているなど、区の防犯対策の成果が表れているといえます。
エリアによって犯罪率が異なる
板橋区内でも、エリアによって治安状況は異なります。
板橋区で特に治安の良い駅周辺は以下の通りです。
駅名 | 特徴 |
東武練馬駅 | 長く住んでいる人がおおく、住民の連携が取れている落ち着いた下町 |
ときわ台駅 | ファミリー層が多く住む地域で閑静な住宅街 |
本蓮沼駅 | パトロールが頻繁におこなわれている住宅街 |
一方、蓮根駅・高島平駅・大山駅周辺は区内では比較的犯罪発生率が高い傾向にあります。ただし、これらの地域も東京都内の他のエリアと比較すると十分に安全と言えるでしょう。
板橋区が取り組む防犯対策
板橋区では様々な防犯対策を実施しており、これが犯罪発生率の低下につながっています。主な取り組みは以下の通りです。
取り組み | 内容 |
安心・安全パトロール | 警察官OBや委託業者の警備員による24時間体制のパトロール |
板橋区生活安全の日 | 毎年12月20日を「板橋区生活安全の日」として、警察・消防・関係団体と協力したPR活動を実施 |
板橋セーフティー・ネットワーク事業 | 日常生活を行いながら防犯の視点を持って地域の安全を守る活動。地域事業者と協力して防犯啓発チラシの掲示・配布なども行う。 |
防犯設備の補助金制度 | 街頭防犯カメラ設置費用の5/6を補助金として補償 |
子どもの防犯対策 | 新小学1年生向け「親子で体験あんぜん教室」の実施など |
高齢者見守りキーホルダー | 緊急連絡先や医療情報を区に登録すると、識別番号付きキーホルダーが配布され、緊急時に警察や消防が身元を確認し、連絡先へ迅速につなげる |
板橋区では地域と一体となった防犯活動を重視しており、住民の防犯意識の高さが治安の良さにつながっています。
参考:防犯に関する取り組み(板橋区)
参考:高齢者見守りキーホルダー(板橋区)
台地と低地で形成された板橋区の特徴
板橋区は平均海抜30メートル前後の武蔵野台地と、荒川沿いの低地で構成されており、南部が高台・北部が低地という地形になっています。
この地形の多様性が、板橋区の豊かな自然環境や住みやすさにつながっています。
この項では、板橋区の交通アクセスや生活環境について解説します。
300か所以上の公園がある
板橋区には大小合わせて約300もの公園があり、緑豊かな環境が整っています。
特に以下の公園は区民に人気です。
赤塚公園 | 夏に「じゃぶじゃぶ池」が開設され、テニスコートやバーベキュー広場も完備 |
見次公園 | 23区内では珍しい湧水池があり、3月~10月の週末は手漕ぎボートが楽しめる |
大谷口児童公園 | スライダーやボルダリングなどの遊具が充実し、幼児向けのミスト遊び場も完備 |
これらの公園は単なる憩いの場としてだけでなく、地域コミュニティの形成や子どもたちの健全な成長にも貢献しています。
都内の主要駅にアクセスしやすい
板橋区内には5つの路線が通っており、都心へのアクセスが非常に便利です。
区内を通る主な路線は以下の通りです。
・JR埼京線
・東武東上線
・都営地下鉄三田線
・東京メトロ有楽町線
・東京メトロ副都心線
板橋駅(JR埼京線)から新宿駅までは約9分、大山駅(東武東上線)から池袋駅までは約6分と交通アクセスが良好です。
特にJR埼京線の板橋駅からは、池袋・新宿・渋谷といった主要駅へ乗り換えなしでアクセスできるのが大きな魅力です。通勤や通学、休日のお出かけにも便利な立地といえるでしょう。
落ち着いた生活環境が整えられる
板橋区には大きな繁華街はありませんが、各エリアに商店街やスーパーマーケットが点在し、日常生活に必要な買い物環境が整っています。
医療面では東京都健康長寿医療センター・豊島病院・帝京大学附属病院・日本大学附属病院をはじめ、病院・医院が多数あるので、充実した医療環境が整っています。
また、かつては工場と住宅が混在していましたが、現在は環境に配慮した都市計画により、住宅地と商業地がバランスよく配置されています。
印刷関連工場などが多い一方で、緑豊かな公園も多く、都心にありながら落ち着いた生活を送れる環境が整っています。
参考:板橋区の面積・産業・地域活性化に関する事業・活動(板橋区)
板橋区の家賃相場
板橋区の間取り別家賃相場は以下の通りです。
間取り | 家賃相場 |
1R | 7.66万円 |
1K | 9.03万円 |
1DK | 12.14万円 |
1LDK | 14.73万円 |
2K | 12.41万円 |
2DK | 13.62万円 |
2LDK | 21.04万円 |
3LDK | 22.99万円 |
参照:homes(2025.3.3)
さらに、板橋区の1R・1K・1DKの家賃相場は23区内で6番目に安く、リーズナブルなエリアであることが分かります。
エリア別に見ると、JR埼京線の板橋駅周辺や東武東上線の大山駅周辺はアクセスの良さから家賃が高めですが、都営三田線の西高島平駅や高島平駅周辺は比較的家賃が安く設定されています。
参考:東京23区の家賃相場情報(homes 2025.3.3)
板橋区の治安が良く住みやすいエリア
板橋区内でも、エリアによって特徴や魅力は様々です。ここでは、特に治安が良く住みやすいエリアを5つ紹介します。
板橋
板橋駅は、JR埼京線が通る板橋区の中心的なエリアです。
通っている路線 | 新宿駅までの乗車時間 |
JR埼京線 | 約9分 |
都営三田線の新板橋駅、東武東上線の下板橋駅も徒歩圏内にあり、複数の路線を使い分けられます。
駅周辺には「マルエツ板橋店」や「コモディイイダ 滝野川店」などのスーパーが充実。飲食店も多く、外食の選択肢も豊富です。
板橋駅東口には北谷端公園があり、自然を感じながらリフレッシュも可能。
また、2020年に完成した「JR板橋東口ビル」には、3~5階にフィットネス&スパが入っており、駅直結で仕事帰りの運動にも最適です。
通勤・通学の利便性を重視する方や、快適な都市生活を求める方に理想的なエリアです。
本蓮沼
本蓮沼(もとはすぬま)は、都営三田線が通る落ち着いた雰囲気の住宅街が広がるエリアです。
通っている路線 | 新宿駅までの乗車時間 |
都営三田線 | 約25分(乗換1回) |
駅近くに交番が2件あり、パトロールが頻繁に行われているため、犯罪発生率が区内でも特に低くなっています。
駅前にはまいばすけっと本蓮沼駅前店や肉のハナマサ板橋志村店があり、日常の買い物にも便利です。
このエリアの魅力は、閑静な住宅街が広がる落ち着いた住環境です。
さらに比較的家賃が抑えられた物件が多く、コストパフォーマンスの高さも魅力となっています。
静かな住環境を求めるファミリー層や、リーズナブルな物件を探す方に最適でしょう。
大山
大山は、東武東上線が通る板橋区内で比較的にぎやかなエリアです。
通っている路線 | 新宿駅までの乗車時間 |
東武東上線 | 約17分(乗換1回) |
大山駅には「ハッピーロード大山」と「遊座大山商店街」という2つの大きな商店街があり、活気に満ちた街並みが特徴です。
スーパーみらべる大山店、よしや大山店など複数のスーパーマーケットがあり、食料品や日用品を手頃な価格で購入可能。飲食店も豊富で、「食べ歩き」スポットとしても人気です。
駅から少し離れると静かな住宅街が広がり、にぎやかさと静けさのバランスが取れた住環境が魅力。買い物の便利さを重視する方や都会的な暮らしを好む方に最適です。
さらに、豊島病院や東京都健康長寿医療センターなどの大きな病院が近く、医療面でも安心できるエリアです。
東武練馬
東武練馬は、東武東上線が通る下町の雰囲気が残るエリアです。
通っている路線 | 池袋駅までの乗車時間 |
東武東上線 | 約20分 |
長く住んでいる人が多く、住民同士の連携が取れた落ち着いた街並みが特徴です。
犯罪発生率は区内で最も低いエリアの一つとなっており、治安の良さには定評があります。
東武相馬駅前にはイオンスタイル板橋店のほか、スーパーが多くあるので買い物に便利です。
さらに、イオンシネマ板橋があり、都心まで行かなくても気軽に映画を楽しめます。
駅周辺は街灯が整備され、夜道も明るく人通りが多いため、一人暮らしの女性や小さな子どものいる家庭でも安心して歩けます。
成増
成増駅には、東武東上線が通っています。
通っている路線 | 池袋駅までの乗車時間 |
東武東上線 | 約17分 |
さらに成増駅から徒歩約1分の場所に東京メトロ有楽町線・副都心線の利用ができる地下鉄成増駅があります。
東武東上線と合わせて3路線利用できるので通勤・通学に便利です。
成増駅周辺には「なりますスキップ村商店街」や「マルエツ成増南口店」などがあり、買い物には不自由しません。飲食店も多いため、外食の選択肢も豊富です。
アクセスの良さと生活の便利さを両立させたい方や、複数の路線を活用したい方に適した住環境と言えるでしょう。
板橋区のおすすめスポット
板橋区には、住民の生活を豊かにする様々なスポットがあります。ここでは、特に自然を楽しめるおすすめのスポットを3つ紹介します。
浮間公園
浮間公園は、浮間舟渡駅の北側正面に広がる都立公園です。
園内面積の約4割が浮間ヶ池で構成され、水辺の景観を楽しめる公園です。また、園内の風車は公園の見どころの一つとなっています。
【施設情報】
•所在地:板橋区舟渡2-15
•アクセス:JR埼京線「浮間舟渡」下車 徒歩1分
•広さ:約11.7ヘクタール
•見どころ:風車、サクラ、水生植物、サクラソウ、野鳥観察
四季折々の花々が楽しめ、家族連れでのピクニックにも最適なスポットです。
また、多くの野鳥が集まるため、バードウォッチングを楽しむ人々にも人気のスポットとなっています。
参考:都立浮間公園(板橋区)
板橋区立熱帯環境植物館
熱帯環境植物館は、日本と関係の深い東南アジアの熱帯雨林を再現している植物館です。
館内には約700種類の植物が展示され、一年中熱帯の雰囲気を楽しめます。
【施設情報】
・所在地:板橋区高島平8-29-2
・アクセス:都営三田線 高島平駅から徒歩約7分
・入館料:大人260円、小中学生130円
・開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
・休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)
熱帯の植物だけでなく、温室内には季節ごとの展示やイベントも行われており、子どもから大人まで楽しめる施設となっています。雨の日のお出かけ先としても人気です。
参考:熱帯環境植物館(板橋区)
板橋こども動物園
板橋こども動物園は、子どもたちが動物とふれあえる無料の動物園です。
2020年12月にリニューアルオープンしています。
【施設情報】
・所在地:板橋区板橋3-50-1
・アクセス:都営三田線 板橋区役所前駅より徒歩8分
・入園料:無料
・開園時間:10:00~16:30(12月~2月は16:00まで)
園内ではポニーやモルモット、ヤギ・ヒツジなどとのふれあいが楽しめます。また、高島平分園も同様に無料で、子どもたちに人気のスポットです。
都心にありながら、気軽に動物とふれあえる貴重な場所となっています。
ファミリー層向けの板橋区の魅力
板橋区は特に子育て世帯に優しい環境が整っており、多くのファミリー層に選ばれています。ここでは、板橋区の子育て支援について紹介します。
「共働き子育てしやすい街ランキング2022」で全国8位
板橋区は、日経xwoman(クロスウーマン)の「共働き子育てしやすい街ランキング2022」で、全国165自治体中8位に選ばれました。
令和4年4月時点で待機児童ゼロを達成し、看護師が子どもの体調不良時に迎えに行く「お迎えサービス付病児保育」など、独自のサポートが評価されています。
さらに、区立保育園36園へのICTシステム導入や、約300か所の公園整備など、子育て家庭を支える総合的な取り組みが高く評価されています。
参考:共働き子育てしやすい街ランキング2022
参考:板橋区が評価される主なポイント(板橋区)
参考:お迎えサービスについて(板橋区)
すべての区立保育園でICTシステムを導入
板橋区では、すべての区立保育園(全36園)にて、園と保護者との連絡が可能になるICTシステムを導入しています。このシステムにより、以下のようなメリットがあります。
・登降園管理の電子化
・お知らせや連絡事項のペーパーレス化
・子どもの様子や活動の写真共有
・欠席・遅刻連絡の電子化
忙しい共働き家庭にとって、スマートフォンからいつでも連絡できるシステムは非常に便利です。
また、保育士の業務効率化にもつながり、より質の高い保育サービスの提供に貢献しています。
あいキッズ(板橋区放課後対策事業)
板橋区では、放課後対策事業「あいキッズ」を実施しており、区内すべての公立小学校51校で運営されています。
この事業は、就労家庭向けの「放課後児童健全育成事業」と、全児童対象の「放課後子ども教室事業」を一体化した取り組みです。17時までの利用料は無料で、17時以降も定額の利用料が設定されています。
体育館や校庭を活用した自由遊びや体験活動に加え、学習スペースも確保されており、子どもたちにとって安全で充実した放課後の場となっています。
また、夏休みなどの長期休暇中には仕出し弁当の注文もでき、共働き家庭の負担軽減にも配慮されている点が特徴です。
最後に
板橋区の治安や住みやすいエリア板橋区は23区内でも治安が良く、自然環境が豊かで、子育て支援も充実した住みやすい区です。
特に以下のような特徴が魅力となっています。
・犯罪発生率は23区内で6位の低さ(0.44%)
・約300ヶ所の公園があり、自然環境が豊か
・都心へのアクセスが良好
・家賃相場が23区内では比較的安め
・子育て支援が充実し、「共働き子育てしやすい街ランキング」で全国8位
エリア選びでは、ライフスタイルや優先順位に合わせて検討することが大切です。
治安の良さを最優先するなら東武練馬駅や本蓮沼駅周辺、交通アクセスを重視するなら板橋駅や成増駅周辺、買い物の便利さを求めるなら大山駅周辺がおすすめでしょう。
板橋区は都心へのアクセスの良さと住環境のバランスが取れた、多くの人に選ばれる区です。本記事が板橋区での住まい選びの参考になれば幸いです。

<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。