「家の中にアリが出てきて困っている」「アリが家に入らないように対策しておきたい」など、生活空間に発生するアリの対処法にお悩みの方も多いのではないでしょうか。
部屋でくつろいでいる場面や、作業に集中しているタイミングで突然現れるアリに驚くこともあるかと思います。もしも、家の中でアリを発見した場合は、慌てずに落ち着いて対処することが大切です。
この記事では、家の中に現れるアリの侵入経路や事前にできる対策などを解説していきます。
アリの駆除に困っている方向けの相談先や、アリが侵入しづらい住宅の特徴についても紹介していくので、ご自宅に現れるアリについてお困りの方はぜひ最後まで読んでみてください。
目次
アリは家のわずかな隙間から侵入してくる可能性がある
家の中に現れるアリは、ドアの隙間や壁の穴、窓枠の角など家のわずかな隙間から侵入してきます。
そのため、仕事や学校で日中は家にほとんど居ないという方、窓やドアの開閉を行う回数が少ない方でも、部屋の中にアリが侵入するリスクがあります。
また、外出時に衣服や体に付いたアリがそのまま部屋に入ってきてしまうケースも考えられるでしょう。日本の家屋に出ることが多いイエヒメアリのサイズは約2.5mmで、目視では見逃してしまう可能性も高いです。
家の小さな隙間から侵入するアリに対処するためには、事前にアリの発生しやすい家の特徴や侵入の原因を把握しておくことが大切です。
アリが発生しやすい場所は家の種類や構造によって異なる
家の中にアリが侵入する可能性が高いエリアは、建物の種類や構造によって異なります。
ここでは、アリが発生しやすい家の場所の例を紹介します。
・戸建住宅やマンションの1階
地面に近い場所に床があるため、地中にいるアリが侵入するリスクは他の階よりも高くなります。
建物の壁や排水管などを登らずにアリが侵入できてしまうため、扉やベランダの隙間をなるべく空けないようにすることが重要です。
また、部屋の中に侵入するアリの数が多い場合は、侵入経路を塞ぐことやアリの巣を駆除することを検討しましょう。
・木造建築の住宅
木造建築の建物の場合は、建築の材料がアリの住処になっていたり、劣化した木材に穴が空いていたりするケースも考えられます。
屋根裏や床下などにアリの巣を作りやすい環境にあるため、木造建築の家に住んでいる場合は、アリを含む害虫の侵入リスクを考慮する必要があります。
築年数が長い木造建築の住宅の場合は、経年劣化により木材が傷んでいることも考えられます。家の現状を把握するためにも、管理会社や専門業者に依頼してアリの駆除を依頼することも選択肢の一つです。
そのほかにも、家の種類や構造によってアリが出現しやすいエリアは異なります。例えば、アリは湿度の高い場所を好む傾向にあるので水回りにも注意が必要です。
ご自身が住む家の中でアリが発生しやすい場所を把握しておくことで、事前の対策が行いやすくなります。また、出てきたアリを駆除する際にも冷静に対処できるでしょう。
アリが家に侵入する主な原因は食べものを探しているから
家の中にアリが侵入してくる主な理由は、食料を探しているからです。
アリの嗅覚は昆虫の中でも優れており、室内にある人間の食べ残しや果物などの匂いを嗅ぎつけると小さな隙間から侵入してきます。
家の近くにアリの巣がある場合は、仲間をエサのある場所に呼び込む性質を持っている為、侵入経路を塞ぐなどの対策が必要です。
また、アリが好む食材として、糖分を含むお菓子やたんぱく質を含むご飯やパンなどが挙げられます。
雑食性のアリや甘いものを好む吸蜜性のアリなど、種類によって好む食べものの傾向が異なるので、家にアリが出た場合は、こちらのアリの種類(アース製薬)を見て対処することをおすすめします。
家の中に侵入してくるアリを減らすための最も効果的な方法といえるのは、食べものを置いたままにしないことです。
そのほかにも、雨や風から避難するために室内に侵入するケースやアリの巣を作るために、床下に入り込むことが考えられます。家の中にアリが出てきたタイミングや発生場所を覚えておくことで、対処法を探るヒントにもなるでしょう。
家の中にいるアリを駆除する5つの方法
室内でアリを発見した場合は、放置せずに対処することが重要です。家の近くにアリの巣を作られていることも考えられるため、適切な方法で駆除する必要があります。
ここでは、アリを駆除する主な5つの方法を解説していきます。
害虫を駆除する薬剤で対処する
アリを駆除する最も効果的な方法は、即効性のある薬剤を散布することです。
アリに薬剤をかけるとすぐに効果が出るものが発売されているので、家の中に出てくるアリにお困りの方は事前に準備しておくことをおすすめします。
また、家の中に複数のアリが侵入している場合は、ベランダや庭にアリの巣を作られている可能性も考えられます。
家のアリを対処する場面ではスプレータイプを使い、侵入を防ぐ目的で粉をまくなどの用途に合わせて薬剤を使い分けることが大切です。
食器用洗剤を水で薄めたもので対処する
ご自宅にあるアイテムでアリを駆除したい方には、食器用洗剤を使用することがおすすめです。
食器用洗剤と水を1:2の割合で混ぜた液体をスプレー容器に入れておき、侵入してきたアリに直接吹きかけて駆除します。
アリは水を体の表面で弾く性質を持っていますが、洗剤に含まれる界面活性剤はアリが呼吸するための気門と呼ばれる穴を塞ぐことで窒息させることができます。
食器用洗剤を使用するメリットとしては、アリを駆除した後の片づけが簡単にできることです。薬剤の匂いや手荒れが気になる方にもおすすめします。
一方で、洗剤を直接かけたアリのみ効果を得られるため、複数のアリが部屋に侵入してきた場合は即効性のある薬剤を使用することも検討しましょう。
砂糖に重曹を混ぜたもので対処する
家の中に出てくるアリを駆除するためのトラップとして重曹を設置することも対処法の一つです。
油汚れを落としたり、気になる臭いを除去したりと掃除などで使用される重曹は、アリの体内にあるギ酸と結びつくことで二酸化炭素を発生させます。この化学反応がアリの命を絶つ効果を持ちます。
しかし、アリは重曹単体ではエサと判断しないため近づいてきません。そのため、アリの好物である砂糖と重曹を混ぜることでアリを誘い込みます。
家の中にアリがよく出てくる場所や侵入経路などに砂糖と重曹を混ぜた固体を設置しておくことで、砂糖を食べにきたアリを駆除できます。
アリが部屋の中にいて、なかなか姿を現さない場面にも有効に活用できる方法といえるでしょう。
レモン汁や酢で対処する
酢やレモンに含まれる成分で、家の中に出てきたアリを駆除することが可能です。
ご家庭の調味料として使用される酢は、アリを駆除する場面で役に立ちます。
酢に含まれる酢酸という成分は、体内に入るとクエン酸に変化する特徴があります。アリは、クエン酸に弱い性質を持つため、お酢を直接アリにかけるだけで駆除できます。
また、侵入経路を塞ぐように液体をまいておくことで、アリを室内から遠ざけることができるでしょう。
そのほかに、酢によく似た成分を含むレモンを使用する場合は、搾り汁を水で薄めたものをスプレーの容器に入れてアリに吹きかけましょう。レモンは強い匂いを放つため、アリの嗅覚を惑わせる効果も期待できます。
熱湯をかける
アリは熱湯に弱い性質を持つため、沸騰したお湯をかけることで駆除することが可能です。
アリを駆除する道具が家の中にない場合でも、水を沸騰させた熱湯をかけるだけでアリを駆除できます。アリの体に含まれるタンパク質の成分が多いことから、急激な温度変化に耐えられないことが熱湯に弱い理由です。
また、室内にアリが出てくる頻度が高い場合は、家の近くにアリの巣が作られている可能性があります。
家の中に侵入してくるアリの侵入経路から、アリの巣を見つけて根本的な対処を行うことも方法の一つです。
家の中にアリを侵入させないための4つの対策
家の小さな隙間を見つけて、アリはどこからでも侵入してきます。前項では、アリを見つけた場合の対処法をお伝えしてきましたが、事前に対策することでアリの侵入を防ぐことが可能です。
ここでは、家の中にアリを侵入させないための主な4つの対策法を解説していきます。
アリのエサになる食材を片付けておく
アリが室内に侵入してくる主な理由は、食材を食べるためです。
家の中に侵入するアリは雑食性の種類が多いため、ご飯やパンなどの炭水化物からお菓子類までさまざまな食材がエサになります。
アリを室内に近寄らせないための有効な方法としては、食材をきちんと片付けておくことです。
生ごみの袋の口を開けたままにしていたり、食べ終わった後の食器をそのまま放置していたりすると、アリがにおいに気付いてやってきます。
食後の洗い物を徹底することや、食べ残しを部屋に置いたままにしないことなど、食材があることをアリに気付かせないことが大切です。
アリの侵入経路を塞いでおく
家のわずかな隙間から部屋に入ってくるアリの侵入経路を塞いでおくことは、アリの侵入を防ぐ上で欠かせない対策です。
アリの侵入口になりやすい場所としては、天井や壁の隙間などが挙げられます。小さな穴であればマスキングテープなどで塞ぎ、穴が目立つ場合はパテやコーキング材で穴を塞ぎましょう。
また、窓や玄関の隙間を塞ぐテープを貼り付けることや、換気扇にフィルターを取り付けることで、アリの侵入口を塞ぎます。
また、アリの侵入経路を塞ぐタイミングで、アリを駆除する薬剤を散布しておくことをおすすめします。目には見えない壁の裏や床下などにアリが住みついていたり、アリの巣を地下に作っていたりする可能性があるからです。
部屋を清潔に保っておく
アリを室内に近寄らせないためには、部屋を定期的に掃除しておくことが重要です。
アリは食べものを求めて部屋に侵入してくることが多いので、部屋に落ちている食べカスを掃除機で吸引しておきましょう。
また、アリの侵入口には、仲間に知らせるための分泌液が残されている可能性があります。アリの侵入するきっかけとなる道しるべをなくすためにも、拭き掃除を定期的に行うことも大切です。
部屋を清潔に保った上でできる対策としては、アリの苦手なハッカ油を原料としたアロマやスプレーを使用することが挙げられます。
アリの巣を駆除しておく
室内に発生するアリの数が多い場合は、家の近くにアリの巣が作られている可能性があります。
庭やベランダでアリの巣を発見したら、専用の薬剤をまいて駆除しましょう。地中にはアリの巣が数メートルにわたって作られていることもあるため、深くまで届くように対処することが大切です。
また、アリの巣の駆除が終わった後は、家の近辺に置くタイプの駆除剤を設置することをおすすめします。その目的としては、アリの巣の駆除で生き残ったアリの対処を行うためです。
また、マンションなどの集合住宅にあるバルコニーは区分所有者全員で所有する共用部分になります。マンションやアパートの1階に多数のアリが見かけられる場合は、家主や管理会社に相談することも選択肢の一つです。
アリが近寄りづらい住宅の特徴
家の中に出てくるアリを駆除する方法や、アリを近寄らせないための対策を実践した場合でも、建物の外から入ってくるアリの侵入リスクをゼロにすることは難しいでしょう。
しかし、建物の構造や種類によってはアリが近寄りづらい特徴がある住宅も存在しています。
ここでは、住まい選びの際に確認しておきたい、アリが室内に侵入しづらい住宅の特徴について解説していきます。
高気密住宅
高気密住宅とは、防湿シートや気密テープなどを使用することで、家の隙間がないように建てられた住宅のことを指します。
気密性が高い住宅は外気を防ぐ効果だけでなく、家のわずかな隙間から家に入ってくるアリの侵入リスクを軽減できます。
また、高気密住宅の換気システムが整った部屋の場合は、湿度を室内環境に合わせて調整できるため、湿度の高い空間を好むアリにとっては適さない環境が構築できます。
一方で、夏の暑い日は気密性能の高さから湿気を外に逃がさないこともあるため、除湿器やエアコンの除湿機能を使用することをおすすめします。
高層階にある部屋
マンションの高層階にある部屋は、低層階の部屋と比較してアリが発生しづらい環境にあります。
地中に穴を掘って巣を作る習性を持つアリは、マンションやアパート、戸建住宅などの1階に出現する確率が高い傾向にあります。
高層階にある部屋の場合は、地上にいるアリが壁を登ってくる必要があるため、室内の侵入リスクは下がるといえるでしょう。
しかし、建物の外に設置されている室外機などからパイプを通り抜けて部屋に侵入してくるケースも考えられます。植木鉢などにアリの巣を作る場合もあるので、高層階の部屋であっても防虫対策を心がけることが大切です。
鉄筋・鉄骨造の建物構造
鉄筋・鉄骨造の建物構造で建てられている住宅は、アリの発生率が低い傾向にあります。
近年の建物構造の多くは鉄筋・鉄骨造でできているため、アリの被害に遭った場合でも住宅が深刻な被害をケースは少なくなっています。しかし、ベランダや庭に侵入したアリが巣を作ることも考えられるため、充分な対策を行うことが必要です。
木造建築の住宅は、アリが木材を住処にすることや、栄養源にすることがあるため、害虫被害を受ける可能性があります。
また、卵を産み付けやすい環境のため、アリの侵入を防ぐためには鉄筋・鉄骨造の住宅を選ぶことをおすすめします。
アリの駆除に困った場合の相談先
アリの駆除を個人で解決することが困難だと判断した場合は、専門家に頼むことも選択肢の一つです。
家に出てきたアリの侵入経路や巣の場所の確認など、ご自身で行うことが難しい場合も考えられます。害虫被害に対応する業者を含めた相談先をここでは解説していきます。
専門業者
アリの駆除を専門的に行う業者に相談することで、問題を解決する方法があります。
室内にアリが高頻度で侵入してくる場合や、大量のアリが発見できる家は、個人で駆除を行うと何度もアリが発生してしまうリスクがあります。
害虫の侵入リスクをなくすためには、アリを駆除するための専用の粉材や液剤を家の敷地内にくまなく散布することが必要です。
通気口や床下などの個人では対応することが難しい場所も含めて駆除することができるので、アリの被害に悩む方は専門業者に相談することを検討しましょう。
家主や管理会社
賃貸マンションやアパートの部屋にアリが発生した場合は、家主や管理会社に相談できます。
借りた物件の壁や扉にもともと穴が開いていたり、家の近くのアリの巣を長年放置していたりと、貸主側に責任があるケースの場合、オーナーや管理会社に駆除を依頼することができる可能性があります。
一方で、窓をあけて外出していたり、お菓子を放置していたりと借主側に過失があった場合は自分で費用を負担する必要があります。
家の近くにアリが発生している場合は、近隣住民も同じ悩みを持っていることも考えられるので、集合住宅にアリが発生した場合は、家主や管理会社に一度相談してみるとよいでしょう。
最後に
家の中に出てくるアリは、扉や壁などのわずかな隙間から侵入してくるため、目視では確認できない場合も考えられます。
もしも、室内に侵入したアリを発見した場合は、冷静に駆除することが大切です。ご家庭にある調味料や洗剤などで対処できるため、複数の駆除の方法を覚えておくことをおすすめします。
一方で、大量のアリが発生している場合など、個人で対応できない場合は専門家に相談する必要があります。
居住している家のアリの発生状況に応じて、ご自身で対処するか業者に依頼するかを判断することが大切です。
また、アリを含む害虫リスクを減らせる物件をお探しの方は、気密性が高く、高層階にある部屋を選択することも視野に入れておきましょう。
家の中にとつぜん現れるアリを駆除する方法や事前にできる対策を講じることで、日々の暮らしを快適に過ごしていただくきっかけになれば幸いです。
<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。