荒川区の治安や家賃相場を解説!区の特徴や住みやすいエリア5選を紹介
「荒川区は治安が悪い?」
「荒川区で住みやすいエリアはどこ?」
引っ越し先に荒川区を検討している方は、このような疑問をお持ちではないでしょうか。
荒川区は東京23区の北東部に位置し、下町の風情が残る街並みが特徴です。
一方で、近年は再開発が進み、日暮里駅や南千住駅周辺には高層マンションが建ち並ぶなど、新しい街の一面も見せています。
この記事では、荒川区の治安や住みやすいエリアや家賃相場に加え、充実した子育て支援制度について詳しく解説します。荒川区への引っ越しを検討する際の参考にしてください。
目次
荒川区の治安の良さは23区内で12位
荒川区は、東京23区の中で治安の良さが12位と評価されている地域です。
警視庁が公表した令和5年度の犯罪件数データによると、荒川区は人口あたりの犯罪発生率(犯罪件数÷人口×100)が、0.60%で23区中12番目に低く、比較的安全性の高いエリアです。
荒川区の治安状況をさらに詳しく見ていきましょう。
参考:区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数(令和5年)(警視庁)
参考:住民基本台帳による世帯と人口(令和5年12月)(東京都)
令和5年度の犯罪件数は23区内で2番目に少ない
警視庁が発表した「令和5年 区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」によると、荒川区の犯罪認知件数は1,326件でした。
この数字は東京23区中、文京区に次いで2番目に少ない件数となっています。
また、犯罪件数の約33%は自転車盗難です。この数値からみても、荒川区は比較的治安の良い地域であることがわかります。
参考:区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数(令和5年)(警視庁)
侵入窃盗やひったくりは減少傾向にある
荒川区の犯罪内訳を見ると、侵入窃盗は32件、ひったくりは3件と少なく、年々減少傾向にあります。
犯罪の約65%は非侵入窃盗(自転車盗難など)が占めており、凶悪犯罪の発生率は低いのが特徴です。
特に西尾久や町屋エリアでは、犯罪発生率が低く、落ち着いた住環境が保たれています。
一方で、駅周辺や繁華街では人の往来が多いため、自転車盗難などの軽犯罪に注意が必要です。
参考:区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数(令和5年)(警視庁)
住まいの防犯対策補助金交付制度がある
荒川区では、「治安ナンバーワン都市」を目指して様々な防犯対策を実施しています。
特に注目すべきは「住まいの防犯対策補助金制度」です。
この制度では、住宅の防犯設備(防犯カメラや窓の防犯フィルムなど)の設置費用の一部が補助されます。補助率は対象経費の2分の1で、上限額は2万円です。
補助条件は以下の通りです。
・荒川区に住民登録がありその住宅に住んでいる
・荒川区の販売店等で購入・設置をしている
・当年度において初めてこの制度を利用する
補助金を活用すれば、防犯対策に取り組みやすくなるでしょう。ただし、荒川区以外の地域で購入・設置したものについては補助対象外となるので注意しましょう。
参考:治安ナンバーワン都市を目指して(荒川区)
参考:荒川区住まいの防犯対策補助金交付制度(荒川区)
下町情緒あふれる街や自然豊かな環境が整う荒川区の特徴
荒川区は、下町の風情を残しつつも再開発が進み、利便性が向上した街です。その魅力を詳しく見ていきましょう。
都心へのアクセス抜群!主要駅からの通勤・通学利便性
荒川区は、多くの鉄道路線が利用できる交通の利便性が高いエリアです。
利用可能な路線は以下の通りです。
• JR山手線
• JR京浜東北線
• JR常磐線
• 京成本線
• 日暮里・舎人ライナー
• つくばエクスプレス
• 東京メトロ日比谷線
• 東京メトロ千代田線
• 都電荒川線
例えば、日暮里駅からは東京駅まで約12分、新宿駅まで約22分。南千住駅からも東京駅へ約16分と、通勤・通学に便利です。
また、羽田空港や成田空港へのアクセスも良く、出張や旅行の際にも移動がスムーズにできます。さらに、区内にはコミュニティバス「さくら」が運行しており、地域内の移動も快適です。
落ち着いた住宅街と高層マンションがある街並み
荒川区には、情緒ある下町の雰囲気を残す住宅街と、再開発によって生まれた高層マンションエリアが共存しています。
谷中銀座商店街や日暮里繊維街などの歴史ある商店街がある一方で、南千住駅周辺には「LaLaテラス南千住」や「BiVi南千住」といった商業施設が整備され、買い物の利便性も高まっています。
また、2017年にオープンした「ゆいの森あらかわ」は、中央図書館と文学館、子どもの広場が一体となった施設で、区民の文化・交流の拠点となっています。
荒川自然公園や隅田川沿いの散策エリア
荒川区には、自然を感じられる場所が多くあります。
特に荒川自然公園は「新東京百景」に選ばれたスポットで、四季折々の花々や野鳥を観察できます。園内には運動施設や遊具も充実しており、家族で一日楽しめる公園です。
南千住エリアにある汐入公園は、隅田川沿いに広がる開放的な公園で、春には桜並木が美しく、バーベキュー場や広場も整備されています。ここからはスカイツリーを臨む絶景も楽しめ、地元住民の憩いの場となっています。
また、区立のあらかわ遊園は、都内で唯一区が運営する遊園地で、観覧車やメリーゴーランドなど、子ども連れで楽しめるスポットです。2022年には大規模リニューアルを終え、複合遊具や水浴び広場、屋内遊び場「わくわくパーク」も整備されました。餌やり体験ができる「どうぶつ広場」もあり、小さな子ども連れの家族に特に人気があります。
これらの自然豊かな場所は、都会の喧騒を忘れてリフレッシュできる貴重なスポットであり、荒川区の生活の質を高める重要な要素となっています。
参考:荒川自然公園(荒川区)
参考:汐入公園(東京都)
参考:あらかわ遊園(荒川区)
荒川区の家賃相場
荒川区の間取り別家賃相場は以下の通りです。
間取り | 家賃相場 |
1R | 8.37万円 |
1K | 9.21万円 |
1DK | 12.41万円 |
1LDK | 15.19万円 |
2K | 10.77万円 |
2DK | 16.97万円 |
2LDK | 21.22万円 |
3K | 20.67万円 |
3DK | 16.99万円 |
3LDK | 24.14万円 |
荒川区の家賃相場は、東京23区の中では比較的安めです。特に1Rから1DKまでの物件は、23区内で6番目に安い水準となっています。
地域別に見ると、JR山手線が通る日暮里駅や西日暮里駅周辺は家賃が高めですが、都電荒川線沿線の物件は比較的リーズナブルな価格設定となっています。
特に熊野前駅や尾久駅周辺は、都心へのアクセスが良いわりに家賃が抑えめなので、コストパフォーマンスに優れたエリアと言えるでしょう。
参考:荒川区の家賃相場情報(homes)
参考:東京23区の家賃相場情報(homes)
荒川区内で治安が良く住みやすいエリア
荒川区内には、それぞれ特色のある住みやすいエリアがあります。ここでは、治安の良さや利便性を考慮したおすすめエリアを紹介します。
日暮里
日暮里駅には、JR山手線・京浜東北線・常磐線・京成電鉄京成本線・成田スカイアクセス線・日暮里舎人ライナーの6路線が乗り入れています。
通っている路線 | 東京駅までの乗車時間 |
JR常磐線(上野東京ライン) JR山手線 など | 約11分 |
新宿駅へは約22分、上野駅へはわずか約4分でアクセス可能です。
駅周辺は荒川区の中心的な商業エリアで、再開発により「日暮里ステーションガーデンタワー」が建設され、下層階には商業施設が入っています。
一方、駅の西側には谷中銀座商店街があり、下町の風情を楽しめます。約1kmにわたる日暮里繊維街には生地や手芸用品を扱う店が並び、ファッションに興味がある方にも人気です。
また、スーパーやコンビニも充実しており、日常の買い物にも便利。治安面では、駅前に交番があり、繁華街ながら騒がしすぎることはなく、比較的安心して暮らせるエリアです。
ただし、駅周辺は飲食店が多いため、深夜はやや騒がしくなることもあります。
町屋
町屋駅には、東京メトロ千代田線・京成本線・都電荒川線の3路線が通っています。
通っている路線 | 東京駅までの乗車時間 |
東京メトロ千代田線 | 約23分 |
大手町駅には東京メトロ千代田線で約12分。乗り換えなしでアクセスできます。
町屋駅周辺は再開発によって整備された街並みと、昔ながらの下町風情が共存するエリアです。
駅前の「サンポップマチヤ」には飲食店や小売店が入っており、買い物に便利です。
また、「マークスタワー」にはスーパー「赤札堂」が入っているので、食料品の買い物にも困りません。
荒川自然公園が近いので、休日にはウォーキングやランニング・ピクニックも楽しめるでしょう。
治安面では、町屋駅周辺は警察官による定期的なパトロールがおこなわれており、安心して暮らせる環境です。駅前に交番もあり、万が一のときにも安心です。
西尾久
西尾久エリアは都電荒川線が横断するエリアで、下町情緒が残る閑静な住宅街です。宮ノ前・小台・荒川遊園地前・荒川車庫前の4つの停留所があり、西尾久近隣には東北本線(宇都宮線)尾久駅もあります。
通っている路線 | 新宿駅までの乗車時間 |
都電荒川線 | 約30分(乗換1回) |
このエリアの特徴は、大きな繁華街がないため静かに暮らせる点です。住宅と小さな商店が混在しており、落ち着いた環境で生活したい方に適しています。
区立の小さな遊園地、あらかわ遊園は家族連れで楽しめるスポット。2022年7月からは子ども向けプールも始まり、夏は遊園地の乗り物以外にもプールを楽しめます。
治安面では、荒川区内でも犯罪発生率が低く、特に粗暴犯の発生率が低いエリアの一つです。住宅街のため夜間は人通りが少なくなりますが、街灯が比較的整備されており安心感があります。
参考:荒川自然公園(荒川区)
参考:あらかわ遊園(荒川区)
熊野前
熊野前駅には、都電荒川線と日暮里・舎人ライナーの2路線が通っており、都心へは日暮里駅などで他路線に乗り換えてアクセスする形になります。
通っている路線 | 東京駅までの乗車時間 |
日暮里・舎人ライナー | 約33分 |
駅周辺は静かで落ち着いた住宅街で、大型商業施設はありませんが、「まいばすけっと熊野前店」や「どらっぐぱぱす熊野前店」など、日常の買い物に便利な店舗がそろっています。
徒歩圏内には熊野前商店街もあり、地元の食材や日用品を購入できるため、買い物には困りません。
また、東京都立大学の荒川キャンパスが近く、学生の多いエリアです。
治安面では熊野前駅前の交番や警視庁の定期パトロールに加え、ボランティア団体の見守り活動も活発で、安全に暮らせる環境が整っています。
東尾久三丁目
東尾久三丁目駅は、都電荒川線の駅で、三ノ輪や早稲田方面へのアクセスに便利です。
通っている路線 | 東京駅までの乗車時間 |
都電荒川線 | 約35分 |
このエリアは繁華街や大型の飲食店がなく、静かで落ち着いた住宅街が広がっています。
酔っぱらいや不審者に遭遇することが少ないため、女性の一人暮らしや小さな子どもがいるファミリーにも安心の環境でしょう。
近くには尾久の原公園があり、春のお花見スポットとして人気です。夏には「じゃぶじゃぶ池」で子どもが水遊びを楽しめます。
治安面では、東尾久三丁目は荒川区内でも犯罪発生率が特に低いエリアの一つで、令和5年の統計では粗暴犯の発生が年間2件と非常に少なく、安全に暮らせる環境です。
ただし、近くに交番がないため、夜遅くの一人歩きには注意が必要です。
参考:区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数(令和5年)(警視庁)
荒川区のおすすめスポット3選
荒川区は東京都内にありながら、下町の温かい雰囲気と豊かな自然を感じられるエリアです。歴史ある商店街や、家族で楽しめるレジャー施設、公園など魅力的なスポットが多数存在します。本章では、荒川区を訪れる際にぜひ立ち寄りたい、おすすめのスポットを3つご紹介します。
あらかわ遊園
あらかわ遊園は、東京都内唯一の公営遊園地として知られる家族向けのレジャースポットです。1922年に開園し、2022年にリニューアルオープンしたばかりの施設で、小さな子どもから大人まで楽しめるアトラクションが充実しています。
特に、観覧車やメリーゴーランドといった定番の遊具に加え、動物と触れ合える「ふれあい広場」も人気です。
また、園内には芝生広場や水遊びができるエリアもあり、のんびりと過ごすのにも最適です。周辺には荒川沿いの散策コースもあり、遊園地だけでなく、自然を楽しむこともできます。
リーズナブルな入園料で楽しめるため、休日のお出かけにぴったりのスポットです。
日暮里繊維街
日暮里繊維街は、手芸や洋裁を楽しむ人々にとっての聖地ともいえる場所です。日暮里駅から続く約1kmのエリアには、50軒以上の生地店が並び、布地やボタン、リボンなどの手芸材料が豊富に揃っています。
高品質な生地をリーズナブルな価格で購入できることから、プロのデザイナーから一般のハンドメイド愛好者まで、多くの人々が訪れます。
特に、「トマト」や「ミハマクロス」などの有名店は、品揃えの豊富さと価格の安さで人気です。また、布の切れ端を格安で販売するコーナーもあり、お得に買い物を楽しめます。
手作り好きな方はもちろん、ちょっとしたウィンドウショッピングでも楽しいエリアです。
汐入公園
汐入公園は、荒川沿いに広がる広大な敷地を持つ公園で、自然と触れ合いながらリラックスできるスポットです。
園内には広い芝生エリアがあり、ピクニックや軽い運動を楽しむのに最適です。
また、子ども向けの遊具や水遊び場も整備されており、家族連れにも人気があります。
さらに、公園からはスカイツリーを眺めることができ、夕暮れ時には美しい景色が広がります。ジョギングコースやサイクリングロードも整備されており、運動を楽しむ人々にもおすすめです。
春には桜が咲き誇り、お花見スポットとしても知られています。都市の喧騒を忘れてのんびり過ごせる、癒しの場所です。
荒川区が行う子育て世帯向けの支援事業
荒川区は子育て支援に力を入れており、様々な支援制度があります。2022年には待機児童数が0人となるなど、子育て環境の整備に積極的に取り組んでいます。
あらかわキッズ・マザーズコール24
「あらかわキッズ・マザーズコール24」は、妊娠中や育児で忙しい家庭向けに、24時間・年中無休で資格を持った専任スタッフが電話で相談を受け付ける制度です。
対象は荒川区在住の妊娠中から18歳未満までのお子さんがいるご家庭。通話料は無料で、子育ての不安や悩みについて早朝や夜間でも専門家に気軽に相談できるのが特徴です。
また、荒川区では子育ての情報提供を「あらかわすくすく子育てアプリ(母子モ)」でも配信しています。このアプリでは母子健康手帳の記録や予防接種のスケジュール管理もできます。さらに地域周辺の病院や子育て施設が簡単に検索でき、安心して妊娠・出産・子育てができるようサポートしています。
参考:あらかわキッズ・マザーズコール24(荒川区)
参考:子育て情報アプリ「あらかわすくすく子育てアプリ(母子モ)」の配信がはじまりました(荒川区)
子育てハッピー講座
「子育てハッピー講座」は、0歳から2歳6ヶ月くらいまでの子どもを持つ保護者を対象とした育児講座です。
専門家による講義や実技指導を通じて、子育てに関する知識やスキルを学べます。
講座の内容は、離乳食の作り方や子どもの発達に関する知識、親子遊びの方法など。また、参加者同士の交流の場にもなっており、子育て仲間を作るきっかけにもなります。
受講場所は区内の児童館や子ども家庭支援センターです。事前申し込みが必要ですが、参加費は無料です。
ひとり親世帯等民間賃貸住宅入居支援事業
「ひとり親世帯等民間賃貸住宅入居支援事業」は、保証人が見つからないひとり親家庭を対象に、区内の民間賃貸住宅への入居を支援する制度です。
保証料の補助が受けられ、助成額の上限は5万円。賃貸契約の更新時に発生する更新保証料も対象となります。
この制度を利用するには、区内に1年以上居住していることや、現在の家賃を滞納していないことなどの条件があります。
また、区では物件探しのサポートも行っているため、住まい探しに困っているひとり親家庭は相談してみるとよいでしょう。
参考:ひとり親世帯等民間賃貸住宅入居支援事業(荒川区)
参考:民間賃貸住宅入居支援事業(荒川区)
最後に
この記事では、荒川区の治安や住環境、子育て支援制度について解説しました。
荒川区は東京23区内でも犯罪発生率が低く、特に凶悪犯罪が少ない安全な地域です。
下町の情緒を残しつつ再開発が進み、日暮里や町屋は商業施設が充実し、西尾久や東尾久は静かな住宅街が広がっています。
また、荒川自然公園やあらかわ遊園など、自然や遊びを楽しめるスポットも豊富で、子育て支援制度も充実。24時間対応の相談窓口や賃貸支援など、安心して暮らせる環境が整っています。
荒川区での新生活を検討している方は、エリアの特徴や支援制度を活用しながら、自分に合った住まいを見つけてみてください。

<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。