マンションでゴキブリが出る原因とは?侵入経路や駆除する方法を解説
「ゴキブリはマンションにどうやって侵入するの?」「高層階でもゴキブリが出るのはなぜ?」など、気密性が高いと思われているマンションでもゴキブリに悩まされるケースは多いでしょう。
ゴキブリは見た目や動きが嫌な人も多いと思いますが、アフターコロナの世の中では、ゴキブリがウィルスを運ぶ媒介としての可能性が指摘されています。
参考:ウィズコロナ時代の マンション生活・管理・災害対策の手引き(国土交通省)
快適な生活を送るためには、ゴキブリの発生しづらいマンションを選ぶことが重要と言えます。
マンションにおけるゴキブリの発生原因や侵入経路は様々です。
ゴキブリは、わずかなすき間や配管などを通じて、思いがけないルートからも侵入してきます。
「低層階ならまだしも、高層階なら大丈夫」と思っている方も多いかもしれませんが、実は高層階でも油断はできません。
ゴキブリの出ないマンションに住みたいという人は、最後までこの記事を読んでいただければと思います。
目次
マンションにゴキブリが出る3つの原因
マンションに住んでいて、清潔にしているのになぜかゴキブリが出るといった悩みを抱えている人も多いと思います。
ゴキブリがマンションに侵入、発生する原因は様々です。
まずは、ゴキブリの習性や発生のメカニズムを理解しましょう。
ここでは、マンションにゴキブリが出る3つの原因をご紹介します。
ゴキブリは高温多湿の場所を好むため
ゴキブリは暖かく湿気の多い場所を非常に好みます。
マンションでは、気密性が高く、湿気がこもりやすい構造のため、キッチンや浴室、洗面所などは湿度が高めです。
さらに、換気が不十分で湿気が残っていたり、窓やサッシに結露が多かったりすると、ゴキブリが発生しやすい原因となります。
人間の髪の毛や生ごみがエサになるため
知らない人も多いと思いますが、ゴキブリは雑食性で、人間の髪の毛や皮脂、生ごみ、ペットフードなど、ほとんどあらゆる有機物がエサにします。
床に落ちた小さなゴミや、排水口の汚れなどもゴキブリにとっては格好のエサ場です。
食べ残しや生ごみを放置する、排水口や換気扇フィルターの掃除を定期的に行わないなどが続くと、ゴキブリが増える原因になります。
家具や家電の隙間に隠れやすいため
ゴキブリは狭くて暗い場所を好みます。
冷蔵庫の裏やシンク下、家具と壁のすき間などは、ゴキブリにとって絶好の隠れ場所です。
家具や家電のすきまは人の目に付きにくいため、発見が遅れるとゴキブリが一気に繁殖してしまいます。
また、ゴキブリは温かいところを好む性質があり、常に通電している冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器などの家電の裏側や下部を住処にすることが多いです。
特に冬場など気温が下がる季節は、外よりも暖かい家電周辺に集まる傾向になります。
ゴキブリが侵入しやすいマンションの特徴
マンションに住んでいると、どれだけ部屋の中を清潔に保っていても、周辺環境や建物の構造によってゴキブリは侵入してきます。
気づかぬうちに、自身のマンションが侵入されやすい住環境になっているケースも多いです。
ここでは、ゴキブリが侵入しやすいマンションの特徴を5つご紹介します。
低層階や1階に位置している
ゴキブリは屋外に地面を這って移動することが多いため、1階や低層階の部屋は侵入されやすい傾向にあります。
ゴキブリは本来、熱帯〜亜熱帯の森林や洞窟などの自然環境に生息していた昆虫です。
通常は、人間が住むような建物ではなく、落ち葉の下、枯れ木の隙間、土の中など、湿度と温度の安定した暗所を好んで生活しています。
しかし、ゴキブリにとっては、温かく、エサも豊富な人間の生活環境のほうがより住みやすいため、マンションなどの住居に住処を移動しているというわけです。
マンションの植え込みや排水溝、外壁のすき間などから、わずかな隙間を通じて室内へ入り込んでくるので、低層階や1階に位置している部屋はゴキブリが侵入しやすいと言えます。
築年数が古く建物の隙間が多い
ゴキブリはわずか数ミリのすき間でも通り抜けられるため、すき間が多いマンションは室内に侵入されるリスクが高まります。
築年数が経過したマンションでは、建材の劣化や構造の古さにより、壁や床、窓枠などに小さな隙間ができやすいです。
特に、鉄骨造のマンションは、RC造(鉄筋コンクリート造)よりも気密性が低いので、隙間が増えるため、よりゴキブリが侵入しやすい構造と言えるでしょう。
共用部やゴミ置き場の清掃が行き届いていない
マンション全体の清掃が不十分な場合、ゴキブリの温床になってしまう恐れがあります。
特に共用廊下やゴミ置き場に生ごみや汚れが溜まっていると、ゴキブリが繁殖しやすくなり、そこから各住戸へ広がってしまうことも多いです。
マンションを選ぶ際には、室内だけでなく、共用部やゴミ置場の清掃が行き届いているかもチェックする必要があります。
隣接する飲食店・コンビニなどがある
マンションのすぐ隣や1階部分に飲食店・コンビニがある場合、その店舗からゴキブリが流れてくる可能性があります。
飲食店は大量の食材やゴミが発生するため、どれだけ店舗側が対策を講じていても完全にシャットアウトするのは難しいのが現実です。
特に飲食店が多いエリアでは、ゴキブリが大量に生息している可能性が高いので、購入する場合は、ゴキブリが侵入するリスクを理解しておく必要があります。
湿気がこもりやすく風通しが悪い間取り
窓が少なく空気が循環しにくい間取りでは、湿気がこもりやすくなり、ゴキブリにとって快適な環境です。
特に北向きの部屋や、窓のない洗面所・脱衣所は注意しましょう。
換気しにくい場所では、除湿機の活用や浴室など隣接する設備の換気扇を稼働させるといった対策が必要になります。
【マンション・アパート】ゴキブリの侵入経路
マンションやアパートにおいて、ゴキブリの侵入は多くの住民が悩まされる問題です。
ゴキブリはどんなに小さな隙間からでも侵入ができるので、気づかないうちに室内へ入り込んできます。
ここでは、代表的な侵入経路とその対策について詳しく解説します。
玄関
玄関は、ドアの開閉時や郵便受けからゴキブリが入り込むケースが多いです。
特に、ドア一体型の郵便受けの場合、新聞やチラシが差しっぱなしになっていると、隙間が大きく、より侵入しやすくなります。
また、夜間は、明かりに誘引されて近寄ってくることがあります。
ゴキブリの侵入を防ぐためには、ドアの隙間に「隙間テープ」を貼り、玄関マットの下を清潔に保ち、夜間は玄関灯を長時間点けっぱなしにしないなどの対策が必要です。
窓
窓はゴキブリの侵入経路の一つです。
ゴキブリは、窓とサッシの間や網戸などのわずかな隙間から侵入します。
窓枠とサッシの間にも隙間ができやすく、窓用エアコンを使用している場合は、隙間が大きくなります。
また、網戸が劣化して小さな穴が開いていると、そこからゴキブリが侵入するので注意が必要です。
網戸や窓枠の隙間に隙間テープを貼る、窓や網戸を開けっ放しにしないなどの対策をしましょう。
エアコンの室外機
ゴキブリは、エアコンの室外機周辺にある小さな隙間や配管穴を通って室内に侵入します。
室外機そのものにゴキブリが住み着くケースもあり、外部からの侵入経路として見落とされやすいポイントと言えます。
さらに注意が必要なのが、エアコンの排水用に設置されている「ドレンホース」です。
ドレンホースの先端が地面近くに垂れ下がっている場合、その内部からゴキブリが侵入してくることがあります。
暗く湿ったホース内部は、ゴキブリにとって好都合な生活しやすい環境になります。
これらの侵入経路を防ぐには、配管まわりのすき間をパテや専用のシール材でしっかりと塞ぐことが大切です。
レンホースの先端には防虫キャップを取り付けることで、虫の侵入を効果的に防げるでしょう。
換気扇
キッチンや浴室の換気扇は、外部とつながっているため、ゴキブリが侵入しやすい経路のひとつです。
特に古い物件では、防虫ネットやフィルターがついていない場合も多く、ゴキブリが侵入しやすくなります。
換気口に防虫ネットやフィルターをつける、長期間使わない場合はフィルターを防ぐといった対策が必要です。
排水口
キッチンや洗面台、浴室の排水口は、ゴキブリが最も侵入しやすい経路と言えます。
湿気が多く、エサとなる汚れも残りやすいため、ゴキブリにとって好条件です。
排水管にはトラップがあり、封水する(そこに水が溜まっている状態を保つ)ことで、においや虫の侵入を防いでいます。
しかし、水が蒸発して封水が切れるとにおいや虫が侵入しやすくなります。
排水口に防虫キャップやゴミ受けをつける、きれいに清掃するといった対策をし、長期間留守にする場合は封水が切れないように注意しましょう。
発生したゴキブリを駆除する方法
どれだけ侵入対策をしていても、ゴキブリが完全に防げるとは限りません。
万が一、室内にゴキブリが侵入していることを確認した場合には、速やかに駆除することが重要です。
ここでは、代表的なゴキブリ駆除の方法を紹介します。
駆除剤を使用する
即効性を考えた場合、スプレー型の駆除剤は、目の前に現れたゴキブリに対してすぐに対処できる便利なアイテムです。
ゴキブリに直接噴射することで、数秒で動きを止めることができます。
しかし、殺虫成分が空気中に残りやすいため、使用後は換気が必要です。
リビングや居室など、子どもやペットがいる場合は、駆除剤を吸い込まないように配慮しましょう。
ベイト剤を使用する
ゴキブリが好むニオイで誘引し、食べさせて巣ごと駆除できる「ベイト剤」は、継続的なゴキブリ駆除をするのに有効な方法です。
ゴキブリがエサと勘違いしてベイト剤を巣に運ぶことで、他のゴキブリにも効果が及びます。
数日~1週間ほどかけてじわじわ効くタイプなので、即効性はありませんがゴキブリを大幅に減らせる可能性があります。
冷蔵庫の裏、シンク下、コンロ周辺など、ゴキブリの通り道に設置するのが効果的でしょう。
ゴキブリの巣を駆除する
ゴキブリを1匹見かけたら、すでに多くのゴキブリが潜んでいる可能性が高いです。
発生源となる「巣」を見つけて駆除することが根本的な対策につながります。
しかし、ゴキブリの巣の特定や駆除は難しく、簡単には進まないケースが多いです。
ベイト剤の使用でも効果が無い場合やゴキブリの巣が特定できない場合は、最寄りの行政庁やプロの害虫駆除業者に相談しましょう。
ゴキブリが侵入しづらいマンション選びのポイント
ゴキブリが気になる人は、日々の清掃や侵入経路の遮断だけでなく、そもそもゴキブリが発生・侵入しにくい物件を選ぶことも重要なポイントです。
ゴキブリが少ない新築や日当たりの良い物件など、ポイントを押さえてマンションを選ぶことで、ゴキブリ被害のリスクを減らしましょう。
ここでは、ゴキブリが侵入しづらいマンション選びのポイントについて解説します。
日当たりの良い物件
ゴキブリは暗くて湿った場所を好む傾向があるので、日当たりが良く乾燥しやすい場所は苦手です。
乾燥した場所では、ゴキブリが生息・繁殖しにくくなります。
特に、南向きで風通しの良い物件は、ゴキブリの発生リスクを減らせます。
加えて、キッチンや浴室・トイレ・洗面所といった水回りに窓があると湿気がこもりにくいので、よりよい条件の物件と言えるでしょう。
3階以上の物件
低層階は地面に近く、排水管や外からのすき間を通じてゴキブリが侵入しやすい傾向があります。
3階以上の中高層階であれば、外部からの侵入経路が限られ、発生率が低くなる可能性が高いです。
ただし、配管などを通じて侵入することもあるため、全くゴキブリが発生しないわけではありません。
3階以上の中層階でも、ゴキブリの侵入を防ぐために、防虫キャップやゴミ受けなどをつける工夫が必要でしょう。
新築~築浅の物件
築年数が新しい物件は、建物の構造にすき間が少なく、配管や換気口まわりの密閉性が高いため、ゴキブリが侵入しにくい傾向があります。
また、新築や築浅物件では衛生環境も比較的良好で、害虫の発生源が少ないという点でも有利です。
設備の新しさも影響し、ゴキブリの住み着く可能性が少ないと言えます。
ただし、新築や築浅でもゴキブリが発生するケースもあります。
参考:新築マンションに「G」412匹 責任めぐり住民側と販売会社が対立(朝日新聞)
特に築浅の物件の場合は、前所有者の利用状況によって、不潔に利用しているケースもあり、ゴキブリがすでに発生しているケースも多いです。
築浅の物件を購入する際には、キッチンや水回りの使用状況を入念にチェックしましょう。
まとめ
今回は、マンションにゴキブリが出る原因や対策方法について解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
マンションにおけるゴキブリが発生する原因は、高温多湿の環境や毛や生ごみなどのゴキブリが好むエサの多さなど、ゴキブリの住みやすい環境が原因です。
ゴキブリは、玄関や窓、エアコンの配管、換気扇、排水口などの隙間からも侵入しますが、築年数の古い建物や1階・低層階、共用部やゴミ置き場の清掃が行き届いていないマンションでは、よりゴキブリの侵入リスクが高まります。
発生した場合は、スプレー型の駆除剤で即効対処しつつ、ベイト剤で巣ごと駆除することが効果的ですが、まずは、語彙ぶりが侵入しづらいマンションを選ぶことが重要と言えます。
構造や管理状態も重視し、清掃状況や湿気対策が行き届いた物件を選びましょう。
発生と侵入のメカニズムを理解し、事前の対策を徹底することが快適な住環境づくりが可能です。
マンション選びの際にゴキブリ被害が気になる人は、今回の記事を参考に、ゴキブリが侵入しづらいマンション選びのポイントを抑えて、物件を選んでいただければと思います。

<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。