東京の住みやすい街は?一人暮らし・ファミリー・コスパ重視別に紹介
「東京で住むならどこがいいだろう?」「交通の便も良くて、家賃も手ごろな場所はないかな?」
このような悩みを抱えながら、引っ越し先を探している方も多いのではないでしょうか。
東京都内には数多くの住宅エリアがありますが、ライフスタイルや家族構成によって「住みやすさ」の基準はさまざまです。
本記事では、交通アクセス、治安、家賃相場、自然環境などの視点から、一人暮らし・ファミリー・コスパ重視の3タイプに分けて解説します。東京で自分に合った街を見つけたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
東京で住みやすい街を選ぶ基準
東京で住みやすい街を選ぶ際は、自分のライフスタイルや価値観に合った場所を選ぶことが大切です。ここでは、街選びで考慮すべき主な基準を紹介します。
交通アクセス
日々の通勤・通学を考えると、交通アクセスの良さは大きなポイントです。都心部へのアクセスが良ければ移動のストレスが減り、時間も有効に使えます。
主要駅までの所要時間、乗り換え回数、利用路線の混雑度を確認しましょう。始発駅なら座って通勤できる可能性もあります。複数路線が使えるエリアなら、トラブル時の代替手段も確保できて安心です。
街の治安の良さ
東京の街で安心して暮らすためには、治安が良いことが欠かせない条件です。
警視庁の統計によると、2024年の東京で犯罪発生率(刑法犯認知件数÷人口×100として算出したもの)が低いのは杉並区、世田谷区、文京区となっています。
同じ区内でも地域差があるため、夜間の明るさや人通り、パトロール状況など実際に確認することをおすすめします。
参考:区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数(警視庁)
参考:都内区市町村マップ(東京都)
家賃・住宅価格
東京の住居費は全国でも高水準ですが、エリアによって大きく異なります。都心部の一人暮らし向け物件では15万円前後になることもある一方、郊外なら7~8万円程度で住める場合もあります。
生活費の中で家賃は大きな割合を占めるため、収入の30%以下に抑えるのが理想です。購入を検討する際は、固定資産税や管理費などの総コストも考慮しましょう。
商業施設や生活インフラ
スーパーやドラッグストア、コンビニの充実度は日々の生活の快適さに直結します。特に24時間営業のスーパーがあると、仕事が遅くなった日でも便利です。
また、銀行や郵便局、病院といった施設も欠かせません。飲食店の多様さや、図書館やカフェなどリラックスできる場所の有無も在宅勤務が増えた今、重要なポイントとなっています。
周辺地域の自然環境
公園や緑地、河川などが近くにあると、休日のリフレッシュや子どもの遊び場として活用でき、暮らしにゆとりが生まれます。
公園の規模や設備も確認し、自分のライフスタイルに合った環境を選びましょう。また、自然災害に備えて、ハザードマップで周辺のリスクを確認しておくことも大切です。
一人暮らしの方向けのエリア
東京で一人暮らしを始める方にとって、通勤・通学の利便性、治安、そして手頃な家賃は特に重要です。ここでは、バランスの取れた環境が整っている一人暮らし向けのエリアを5つ紹介します。
荻窪
荻窪は杉並区の中心部に位置し、都心へのアクセスの良さと落ち着いた住環境が魅力のエリアです。
JR中央線と東京メトロ丸ノ内線が利用でき、新宿駅まで約15分、東京駅までも約30分と、通勤・通学に便利な立地です。
駅周辺には「ルミネ荻窪」や「荻窪タウンセブン」といったスーパーマーケットが入る商業施設があり、買い物や外食にも困りません。
家賃相場は、ワンルームで7.92万円、1Kで9.95万円と、都心に近いわりに比較的リーズナブルな点も魅力です。
治安の良さにも定評があり、23区内でも安全な地域として知られています。また、2018年から2021年まで4年連続で待機児童ゼロを達成するなど、子育て環境も整っており、将来的にファミリー層になっても住み続けやすい街です。
吉祥寺
吉祥寺は「住みたい街ランキング」の常連で、若者から年配の方まで幅広く支持される人気エリアです。
JR中央線と京王井の頭線が通り、新宿まで約16分、渋谷まで約18分とアクセスも良好。駅周辺には大型商業施設や個性豊かな飲食店がそろい、買い物や外食にも便利です。
また、徒歩圏内には自然豊かな井の頭恩賜公園があり、四季を感じられる散策やボート遊び、動物園なども楽しめます。
家賃相場はワンルームで7.59万円、1Kで9.06万円。人気エリアの中では比較的手頃ですが、駅近物件は競争率が高めです。治安も良く、夜間でも明るく人通りが多いため、女性の一人暮らしにも安心な環境です。
日暮里
日暮里は荒川区に位置し、下町の温かい雰囲気と高い交通利便性を併せ持つエリアです。
JR山手線、京浜東北線、常磐線、京成本線など計6路線が利用でき、東京駅へ約12分、上野駅へ約4分、成田空港へも直通でアクセス可能。出張や旅行が多い方にも便利です。
家賃相場はワンルームで10.28万円、1Kで10.75万円。山手線沿線としては比較的リーズナブルで、駅周辺にはスーパーやドラッグストア、飲食店が充実しており、生活利便性も高めです。
さらに、谷中銀座や谷中霊園など歴史や文化を感じられるスポットも徒歩圏内にあり、休日の散策にも最適。人情味あふれる下町の雰囲気も魅力で、コストパフォーマンスとアクセスに優れた街です。
自由が丘
自由が丘は目黒区に位置し、洗練された街並みとおしゃれな店舗が魅力の、特に女性に人気のエリアです。
東急東横線と大井町線が通り、渋谷まで約10分、横浜まで約20分と、通勤にもお出かけにも便利な立地です。
駅周辺にはカフェや雑貨店、ブティックが並び、「自由が丘スイーツフォレスト」などスイーツの名店も多数。休日は多くの人でにぎわい、街歩きが楽しい環境です。
家賃相場はワンルーム10.46万円、1Kで10.34万円ほどとやや高めですが、その分、快適でおしゃれな住環境が整っています。
治安も良好で、夜でも比較的安心して過ごせます。おしゃれな暮らしを楽しみたい方や、女性の一人暮らしにおすすめのエリアです。
清澄白河
清澄白河は江東区に位置し、近年「アートの街」として注目を集めているエリアです。
都営大江戸線と東京メトロ半蔵門線が通り、大手町まで約10分、渋谷まで約20分とアクセス良好。都心近くにありながら、下町の落ち着いた雰囲気も残ります。
東京都現代美術館をはじめ、小さなギャラリーやアート系カフェ、クラフトビールのブルワリーなど個性的な店が多く、清澄庭園などの緑も身近に感じられるのが魅力です。
家賃相場はワンルームで11.02万円、1Kで11.80万円。都心への利便性を考えると比較的リーズナブルで、再開発により新しいマンションも増えています。
治安も良好で、特に深川エリアは下町らしい人の目が行き届いた安心感があります。アートやクリエイティブな空気を楽しみながら、都心との距離感も大切にしたい方におすすめです。
ファミリー向けのエリア
子育て世代にとって、教育環境や治安、家族が暮らせる広さと価格帯は重要です。ここでは、ファミリー向けの東京のおすすめエリアを5つ紹介します。
池上
池上は大田区の中心に位置し、下町の穏やかな雰囲気と緑豊かな住環境が魅力のエリアです。東急池上線・池上駅からは、品川駅まで約25分、渋谷駅へも約38分でアクセス可能です。
家賃相場は2LDKで22.60万円、3LDKで27.35万円と、23区内のファミリー向け物件としては比較的リーズナブル。池上本門寺周辺は桜の名所としても知られ、四季を感じられる街並みも魅力です。
駅から徒歩約4分の「本門寺公園」にはデイキャンプ場やグラウンド、遊具が整備され、休日は家族連れでにぎわいます。
また、2021年にリニューアルした駅ビル「エトモ池上」にはスーパーやクリニックも入っており、日常生活にも便利。子育て世代にとって住みやすいエリアといえるでしょう。
三鷹
三鷹は東京23区外に位置しながら、自然と住環境のバランスが取れた人気のエリアです。三鷹駅はJR中央線とJR総武線が乗り入れています。
JR中央線で新宿まで約17分、東京駅へも約35分とアクセス良好。駅直結の商業施設のほか、吉祥寺や武蔵境にも近く、生活利便性も高い街です。
家賃相場は2LDKで24.51万円、3LDKで26.54万円。戸建て物件も多く、庭付きの住まいを希望するファミリーにも選ばれています。
井の頭公園や野川公園など自然が豊かで、特に井の頭公園は池やミニ遊園地もあり、休日の家族時間にぴったりです。
市内には図書館や科学館、「三鷹の森ジブリ美術館」など文化施設も充実しており、子育てに適した環境が整っています。
光が丘
光が丘は練馬区に位置し、大規模団地を中心に整備された住宅地です。都営大江戸線の終点にあり、新宿まで乗り換えなしで約25分。始発駅のため通勤時に座れる可能性が高いのも魅力です。
家賃相場は2LDKで15.76万円、3LDKで12.80万円と、23区内では比較的手頃。UR団地も多く、広めの間取りをリーズナブルに借りられるケースもあります。
最大の特徴は、約60万㎡の「光が丘公園」。噴水広場やデイキャンプ場、バーベキュー広場などがあり、家族で四季を楽しめる環境です。
駅前の商業施設「光が丘IMA」にはスーパーや飲食店、図書館、区民センターなどがそろい、日常生活にも便利です。治安も良く、整備された街並みは子育て世代にとって安心できる住環境といえるでしょう。
大塚
大塚は豊島区北部に位置し、下町の雰囲気と高い利便性を併せ持つエリアです。
大塚駅はJR山手線と都電荒川線が乗り入れており、池袋まで約3分、新宿まで約12分とアクセス良好です。駅直結の「アトレヴィ大塚」や周辺の商店街も充実しており、日常の買い物にも困りません。
家賃相場は2LDKで23.55万円、3LDKで28.07万円と、山手線沿線としては比較的手頃です。
北大塚公園やSLが展示されている大塚台公園など、子育て環境も整っており、都心近くで暮らしやすいファミリー向けエリアといえるでしょう。
方南町
方南町は杉並区南東部に位置し、閑静な住宅地が広がる落ち着いたエリアです。東京メトロ丸ノ内線で新宿まで約17分とアクセスも良好。始発駅なので、座って通勤・通学が可能です。
家賃相場は2LDKで21.52万円、3LDKで30.79万円。大通りから一歩入ると戸建て物件も多く、庭付き住宅を望むファミリー層にも対応できます。
駅前には「方南銀座商店街」があり、スーパーやドラッグストアもあるので、日常の買い物にも便利です。さらに近隣には和田堀公園や善福寺川緑地があり、自然環境も充実していて、ファミリーが長く暮らしやすいエリアです。
東京都23区内で自治体の具体的な支援制度、子育てに向いている住みやすい街の特徴についてさらに知りたい方は以下のページをご覧ください。
東京23区の子育てしやすい街5選!自治体の支援制度や条件を解説
コスパ重視の方向けのエリア
東京でマイホームの購入や賃貸を検討する際、家賃や物件価格のコストパフォーマンスは重要な判断材料です。
ここでは、都心へのアクセスが良好でありながら、比較的手頃な価格で住める「穴場」エリアを5つ紹介します。
上井草
上井草は杉並区に位置する閑静な住宅街で、高層のビルやマンションもなく、落ち着いた住環境が魅力です。西武新宿線で新宿駅までは35分ほど。
家賃相場はワンルームで6.08万円、1Kで6.82万円、2LDKでも8.97万円と、23区内では非常にリーズナブル。駅から少し離れるとさらに手頃な物件も見つかります。
駅周辺にはスーパーや飲食店、ドラッグストアなどがそろい、日常生活にも便利。上井草スポーツセンターや妙正寺公園も近く、休日のリフレッシュにも適しています。
治安も良好で、単身者からファミリーまで安心して暮らせるエリアです。
西新井
西新井は足立区南西部に位置し、交通アクセスと生活利便性に優れたエリアです。東武スカイツリーラインと東武大師線が利用でき、北千住まで約5分、上野駅へも約21分と都心へのアクセスも良好です。
家賃相場は、ワンルームで6.08万円、1Kで6.82万円、2LDKでも8.97万円と、23区内では比較的手頃。コストパフォーマンスの高い住まいを求める人にとって、「穴場」といえるでしょう。
駅周辺には「アリオ西新井」や「パサージオ西新井」といった大型商業施設があり、日々の買い物や外食にも便利です。少し離れると閑静な住宅街が広がり、子育て世代にも人気があります。
公園や教育施設も整っており、住環境のバランスが取れた暮らしやすいエリアです。
国分寺
国分寺は東京23区外ながら、自然と利便性のバランスが取れたエリアです。JR中央線と西武線が利用でき、新宿まで約32分、東京駅へも約57分と都心へのアクセスも良好。快速の停車駅でもあります。
家賃相場は、ワンルームで5.89万円、1Kで約7.29万円、2LDKで11.54万円と、アクセスの良さに対して比較的リーズナブルです。
駅北口にはショッピングモール「セレオ国分寺」が、南口には昔ながらの商店街が広がり、日常の買い物にも便利。近隣には武蔵国分寺公園や殿ヶ谷戸庭園など、自然や歴史を感じるスポットも多く、散策や子育てにも適した環境です。
一之江
一之江は江戸川区中部に位置する、下町の穏やかな雰囲気が魅力の住宅地です。都営新宿線で新宿まで直通約35分、大手町までは約31分とアクセス良好。成田空港や羽田空港などへの直通シャトルバスも利用できます。
家賃相場はワンルームで6.93万円、1Kで7.72万円、2LDKで16.60万円程度と23区内では非常にリーズナブル。戸建て物件も多く、購入を検討する方にも選択肢があります。
駅周辺にはスーパーや飲食店、クリニックなど生活に必要な施設が充実。近隣には一之江境川親水公園があり、自然を満喫でき、夏季には水遊びが楽しめます。
治安も良好で、駅周辺は明るく安心感があります。
調布
調布市は東京都の多摩地域に位置し、自然と都市機能が調和した暮らしやすいエリアです。
駅から少し離れると閑静な住宅街が広がり、落ち着いた雰囲気が魅力です。
新宿まで京王線特急で約31分とアクセスも良く、2012年の京王線地下化により駅周辺が再開発されたことにより利便性も大きく向上しました。
家賃相場はワンルームで7.26万円、1Kで7.55万円、2LDKで17.37万円と、都心へのアクセスを考えると比較的リーズナブルです。
駅周辺には「トリエ京王調布」など商業施設がそろい、映画館や飲食店も充実。一方で、少し離れると閑静な住宅街が広がり、深大寺や神代植物公園など自然や歴史に触れられるスポットも多く、週末の散策にも最適です。
治安も比較的良好で、ファミリーはもちろん単身者にもおすすめできるエリアです。
街選びに関するよくある質問
東京で住みやすい街を探す際には、多くの方が共通して抱く疑問があります。ここでは、特に多く寄せられる質問に対して、わかりやすく解説します。自身のライフスタイルに合った街選びの参考にしてください。
東京23区外にも住みやすい街はありますか?
23区外にも住みやすい街は多数存在します。例えば、吉祥寺(武蔵野市)は住みたい街ランキング常連で、自然と都市機能が共存するバランスの良いエリアです。また、立川市は大型商業施設が充実し、多摩モノレールなどの交通アクセスも整っています。家賃相場も23区内に比べると抑えめで、コスパ重視の方やファミリー層にも人気です。
治安の良い東京の街はどこですか?
治安の良さで知られるエリアとしては、文京区、杉並区、世田谷区などが挙げられます。文京区は教育機関が多く、夜間の人通りも比較的穏やか。杉並区の荻窪や西荻窪周辺も落ち着いた住宅街が広がり、女性の一人暮らしにも適しています。犯罪発生率の低さや地域住民の見守り体制も、安心して暮らせるポイントとなります。
今後注目される東京の住みやすいエリアは?
今後注目のエリアとしては、再開発が進む「大井町」や「北千住」などが挙げられます。大井町は利便性の高い立地に加え、駅前の整備が進み商業施設も充実。北千住は5路線が乗り入れる交通の要所でありながら、下町情緒も残る魅力的な街です。また、湾岸エリアでは豊洲や有明が、ファミリー層を中心に関心を集めています。
まとめ
東京での住まい探しでは、自分のライフスタイルや価値観に合ったエリア選びが重要です。住みやすい街の主な条件は以下の通りです。
住みやすい街の主な条件
◆ 治安の良さ
◆ 家賃・住宅価格の手頃さ
◆ 商業施設や生活インフラの充実度
◆ 周辺の自然環境
一人暮らしの方には、荻窪、吉祥寺、日暮里、自由が丘、清澄白河など、交通利便性が高く生活しやすい街がおすすめです。
ファミリー層には、池上、三鷹、光が丘、大塚、方南町など、教育環境や自然環境が整ったエリアが向いています。
コスパ重視の方には、上井草、西新井、国分寺、一之江、調布など、アクセスと住環境のバランスが良い「穴場」エリアが最適です。
東京は再開発や交通インフラの進展により、今後も住みやすい街が増えていくでしょう。自分にとっての優先順位を明確にし、実際に街を訪れて雰囲気を確かめることが、理想の住まい選びの第一歩となります。

<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。