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中古マンションの値引き交渉は可能?5つのアプローチや注意点を解説

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中古マンションを購入するとき、「値引き交渉って本当にできるの?」「どのくらい言っても大丈夫?」と気になる方もいらっしゃるでしょう。

人生でも大きな買い物だからこそ、できるだけお得に、でも失礼のない形で進めたいですよね。実は、値引き交渉は中古マンションでは珍しいことではなく、少しの工夫で成功確率を上げることもできます。ただし、やり方を間違えるとチャンスを逃したり、売主との関係が悪くなってしまうこともあるでしょう。

この記事では、初めての人でも安心して交渉できるよう、タイミング・伝え方・注意点を分かりやすくまとめてお伝えします。

この記事を読んで分かること
・中古マンションの値引き交渉は実際どこまで可能なのか、その現実的なラインが分かる
・成功率を高める「タイミング」「伝え方」「準備すべきこと」が理解できる
・逆効果になるNG行動や、値引き交渉しない方がいい物件の特徴が分かる

中古マンション購入時に値引き交渉はできる?

中古マンションを購入する際、「値引き交渉ってできるのかな?」と不安に感じることもあるかと思います。結論から言えば 値引き交渉すること自体は可能です。実際、中古マンション購入時の値引き交渉は珍しくありません。

新築に比べると中古物件は価格交渉がしやすく、多くのケースで行われています。ただし、だからといって誰もが大幅値下げできるわけではありません。交渉の相場としては、物件価格の3〜10%程度の範囲で値下げが成功するケースが多いようです。

5,180万円の中古マンションの場合
150万円前後(約3%)の値引き交渉が現実的なラインで、端数を切りよく5,000万円にしてもらう、といったイメージです。この程度であれば売主に対して失礼にならず、受け入れてもらいやすい目安と言えます。

近年は中古マンションの価格自体が上昇傾向にあり、新築価格の高騰に連動して中古価格も上がっています。そのため「予算オーバーなので少しでも安くならないか…」と値引きを検討する購入希望者が増えています。一方で、AIやネット情報の普及により適正価格で売り出す物件も増えており、以前ほど安易な交渉は通りにくくなっているのも事実です。

また、強引な交渉をしてしまうと「せっかく気に入った物件なのに買えなくなった…」なんて結果にもなりかねません。ですから、値引き交渉は可能だけれど慎重に、というのが基本スタンスです。

値引き交渉するベストタイミング

値引き交渉を持ちかけるベストなタイミングはいつでしょうか?結論として、交渉は物件を「ぜひ買いたい!」と決めて正式に購入申込(買付)を出す段階で行うのが効果的です。内覧の際にいきなり「値下げできますか?」と聞いてしまうのはおすすめできません。売主からすると、まだ買うか決めてもいない相手に安値を提示するメリットはないからです。

そのため、「この価格なら購入します!」と意思表示し、購入申込書を提出するタイミングで具体的な値引き交渉に入るのが成功しやすい流れになります。購入申込時に希望価格を伝える形で交渉すれば、売主も「この人は本気なんだな」と受け止めてくれやすくなるでしょう。

タイミングとしてもう一つ重要なのが、物件の売り出しからの経過時間です。一般に、中古マンションは売り出されてすぐの時期よりも、売り出しから3ヶ月以上経過した物件の方が値引き交渉しやすい傾向にあります。新規登録から時間が経つと購入希望者の目も薄れていき、売主も「そろそろ値下げしてでも売りたい」と感じ始めるためです。

このように売主の状況や市場の季節要因によっても交渉成功率は変わります。まとめると、ベストな交渉タイミングは「購入の本気度を示す購入申込の時」+「物件が売り出されてしばらく経ち、売主が値下げを検討し始める時期」の組み合わせと言えるでしょう。

値引き交渉する際の5つのアプローチ

では、具体的に値引き交渉を成功させるためのアプローチ方法を5つ紹介します。どれも売主に失礼のないよう配慮しつつ、こちらの希望を上手に伝えるコツです。初めての方でも実践しやすいポイントばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。

価格相場と比較して根拠を示す

まず大切なのは、「この価格に値下げしてほしい」という根拠を明確に示すことです。ただ安くしてほしいと頼むより、「近隣や類似物件の相場と比べて割高なので◯◯万円にしてほしい」と説明できれば、売主も検討しやすくなります。裏を返せば、相場観を持たずに闇雲な安値を提示すると、的外れな交渉になってしまい失敗しやすいです。

交渉に入る前に、必ず対象物件の適正価格をリサーチしましょう。国土交通省の「不動産取引価格情報検索」サイトなどを使えば、エリアや築年数、広さなど条件が近い過去の成約価格を調べることができます。それらを参考に、客観的な市場価格を把握しておくことが重要です。

購入意思の強さやスピード感を話す

値引き交渉をする際には、自分が「本気で買う意思がある」ことをしっかり伝えることも大切です。売主からすれば「この人に値下げしても売れるのかな?」と不安に思う相手とは交渉したくないものです。そこで、有効なのが購入のスピード感をアピールすること。

「○○万円にしてもらえればすぐに契約します!」といった具合に、値下げしてくれたら即決できる用意があると伝えましょう。これはリップサービスではなく、実際に購入申込書を提示することで示すのがポイントです。書面で「○○万円なら買います」という意思表示をすれば、売主も「この買主さんは本気だな」と捉え、前向きに検討してくれやすくなります。

信頼できる不動産会社を通して依頼する

値引き交渉は、必ず仲介の不動産会社を通して行うようにしましょう。これは基本的なマナーでもあります。内覧の場で売主本人に「いくら値下げできますか?」と直接聞くのは避けてください。売主側の仲介業者に対しても同様で、買主であるあなた自身が値下げ交渉を切り出すのはNGです

そのため、まず信頼できる不動産会社や担当者を選ぶことが何より大事です。経験豊富な担当者であれば、「この物件はどのくらいなら値下げ可能か」「今他に競合の申込者はいるか」といった情報も持っていますし、適切な交渉ラインをアドバイスしてくれるでしょう。人気物件だと売り出して1週間で複数の申し込みが入ることも珍しくありません。そんな時、信頼できる担当者であればその状況を正直に共有してくれるので、「この物件は競争率が高いから値引き交渉は難しそうだ」といった判断もしやすくなります。

事前に住宅ローンの仮審査を受ける

住宅ローンの事前審査(仮審査)を事前に通過させておくことは、値引き交渉を有利に進める上で非常に有効です。売主からすれば、買主の資金計画がはっきりしていないと「本当にこの人に売って大丈夫かな…」と不安になります。

具体的には、購入を検討し始めた段階で銀行などに住宅ローンの仮審査を申し込んでおきましょう。仮審査に通れば融資可能額の目安が分かりますし、売主に対しても「この金額までのローン承認は得ています」と伝えることができます。実際、値引き交渉の場では「事前審査が通っていて資金計画は万全です」という買主の方が、売主も安心して交渉に応じてくれます。

初めての方には少し手間に感じるかもしれませんが、安心して値下げ交渉するためにも、早めに仮審査を済ませておくことをおすすめします。

値引きしたい理由や根拠を明確に伝える

値引き交渉をする際には、「なぜ値引きしてほしいのか」という理由を明確に伝えることも成功のカギです。ただ単に「もっと安くしてよ」では、売主も納得しづらいですよね。そこで、こちらの事情や根拠をきちんと説明しましょう。ポイントは、ネガティブな理由ではなくポジティブまたは中立的な理由を伝えること。

間違っても「立地がイマイチだから値下げして」「間取りが悪いからその分安くしてよ」などと物件の欠点を指摘するのはNGです。

代わりに、シンプルで角が立たない理由を考えましょう。おすすめは「自分の予算都合」を理由にすることです。例えば「どうしても予算が○○万円までなので…ご検討いただけませんか?」と伝えれば、売主も「この人にはこの予算が限界なんだな」と理解できます。

値引き交渉の3つの注意点

ここからは、値引き交渉でやってしまいがちな落とし穴を3つだけ押さえておきましょう。どれも知らずにやると、せっかくの交渉が逆効果になってしまうポイントです。

売り出し直後の物件は値引きが難しい

新着の中古マンションは、売主が「まずはこの価格で様子を見たい」と考えていることが多く、値引きには応じにくい傾向があります。特に人気エリアや条件の良い物件は、すぐに他の申込が入ることも多く、交渉しているうちに先を越されてしまうリスクも。

反対に、売り出しから数ヶ月経っている物件は値下げが検討されやすいので、「いつから販売されている物件か」を確認して戦略を変えましょう。

相場よりも設定価格が低い場合はやめておく

周辺相場より明らかに安い物件は、売主が最初から「早く売るための価格」にしていることが多く、これ以上の値引き余地はほとんどありません。

ここでさらに値下げを求めると、交渉がこじれたり、その間に他の人に買われてしまう可能性も高まります。資産性が高い人気物件や割安な物件に出会えたときは、「値引きよりも確実に押さえる」ことを優先するのも大切です。

一方的な値下げ要求をしない

相場から大きく外れた金額をいきなり提示すると、売主に「非常識な買主だ」と受け取られ、話し合い自体が成立しないことがあります。

また、物件の欠点ばかりを挙げて値切ろうとするのも、売主の感情を逆なでしやすく危険です。金額だけでなく「引き渡し時期を合わせる」「クリーニングは不要で良い」など、こちらの譲歩もセットで提案しながら、お互いに納得できるラインを探す意識が大切です。

中古マンションの値引きに関するよくある質問

値引き交渉すると契約が不利になる?

値引き交渉をしたからといって、契約内容が特別に不利になることは基本的にありません。売買契約の条項は、交渉の有無にかかわらず一定のルールに沿って決められます。ただし、強引な交渉で売主の印象を悪くしてしまうと、「この人とは契約したくない」と思われてしまうこともあるので、丁寧な言い方と現実的な金額提示を心掛けましょう。

売主が個人と業者では値引きしやすさは違う?

個人が売主の場合は、「早く売りたい」「ローン残債を完済したい」など、その人の事情によって値引きのしやすさが変わります。一方、業者が売主の場合は、仕入れ価格やリフォーム費用、利益があらかじめ計算されているため、大きな値引きは通りにくいのが一般的です。ただ、販売期間が長くなっていたり、決算期前で在庫を減らしたいタイミングなどは、業者物件でも交渉の余地が生まれることがあります。

そもそも値引きできない物件もある?

はい、ほとんど値引きが期待できない物件もあります。もともと適正価格ギリギリで売り出しているものや、複数の申込が集まる人気物件、チラシなどに「値引き不可」と明記されている物件などがその代表です。そうした物件に無理にこだわるより、「交渉余地がありそうな物件」を不動産会社に相談しながら探していく方が、結果として納得のいく買い方につながりやすくなります。

まとめ

中古マンションの値引き交渉は、「どの物件にも、いくらでも効く魔法」ではありませんが、ポイントを押さえれば家計にとって大きなメリットになります。大事なのは、相場感と売主の事情を踏まえて、現実的な金額と伝え方で交渉すること。

また、「この物件は値引きよりスピードが大事」「ここは条件が良いから提示価格で買う」といった見極めも重要です。不安な点は不動産会社に相談しながら、あなたにとって無理のない、納得感のある条件でマイホーム購入を進めていきましょう。

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【監修者】大石 裕樹

<保有資格> 司法書士 宅地建物取引士 貸金業取扱主任者 / 24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。

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