家を買うベストタイミングはいつ?知っておきたい4つ判断基準を解説

不動産を知りたい

家の購入を検討しているが、結局いつどんなタイミングで購入すればいいのでしょうか?
物件の金額も大きく不安が絶えませんし、物件も市場に溢れており、どのように家を選べばいいのかわからず、二の足を踏んでしまっている方は大勢いらっしゃるのではないでしょうか。

実は家の購入には、購入すべきタイミングと購入すべきではないタイミングがあるのはご存じでしょうか。
もちろん、家を購入する必要がないのに検討する人はいないので、購入したいと思って動き始めた時が購入のタイミングであることは間違いありません。
しかし、家の購入のタイミングについての知識があるのとないのでは、購入した後で、失敗しないように注意することができます。

この記事では、家を購入するタイミングについてポイントや注意点をまとめていますので、将来的に失敗しないための知識として読んでみてください。
自分の現在の環境に照らし合わせて買うべきタイミングなのかどうかの判断材料にして、注意点を頭に入れて家選びに生かしてもらえればと思います。

家を買うタイミングを判断する4つの軸

同年代の周囲の人たちも家を買い始めているし、自分もそろそろ検討しようかと考える人は多いのではないでしょうか。
とはいえ、知っているのは周りの人たちが家を買った事実のみで、年収や生活環境等は知らないことが多いのではないかと思います。
では、自分が購入するタイミングなのかどうかはどのように判断すればよいのでしょうか。
家を買うタイミングを判断するための材料は主に4つで「年齢」「年収」「生活環境の変化」「居住人数の変化」です。
それぞれ解説していきます。

年齢を軸に考える:30代後半~40代前半は家を購入するタイミング

まずは、年齢を軸に考えていきます。
年齢を軸に考えた時に考えがちなのが、年収が増えたり、結婚や出産等のイベントが多い時期だからと考えがちですが、年齢が一番関係してくるのは金融機関からの融資を受ける、いわゆる住宅ローンを組むことを前提した場合になります。

もちろん、一括現金で何千万もの家を購入できれば、あまり年齢は関係ありませんが、多くの方は金融機関に申請して住宅ローンを組むかと思います。

金融機関から融資を受ける際に返済の期間を決めます。一般的に20年~35年でローンを組みますが、45年のローンも出てきています。
文字で見れば簡単に聞こえますが、35年は人生の3分の1以上を占める長さです。
そのため、金融機関としても融資する人の年齢は大きな条件の一つになっています。

35年のローンを組んだ時に自分が35歳だったら完済するのは70歳のタイミングになります。
しかし、50歳で35年ローンを組もうとした時にNGが出てしまう可能性が高いです。
なぜなら、完済するのが85歳となると、日本人の平均寿命を超えますので、回収ができなくなる可能性を考えて金融機関はNGを出さざるを得ません。
その場合は融資期間を20年や15年と短くすることで融資を通してくれる場合がありますが、そうすると月々の返済額が非常に高くなってしまうので、生活が苦しくなり現実的ではありません。
貯蓄をしていれば頭金を多くして短い期間でも、無理なく計画することはできます。

月々のローンの返済額を考えた時に、長期のローンを組む人が多いので、融資が通りやすい30代後半~40代前半が家を買うタイミングといえます。
30代後半~40代前半以外の人は買うべきではないということではなく、一般的な融資の都合上ですので、貯蓄や年収を含めた自身の経済状況等を加味して考えましょう。

年収を軸に考える:年収と返済額の割合でのタイミング

次に年収を軸に考えます。年収が低いからと家の購入をあきらめてしまう方がいますが、年収の高低で決まるものではありません。
もちろん、融資を受ける場合にも、年収が高いに越したことはありませんが、一番肝心なのは年収に対する年間の返済額の割合です。
一般的に言われているのが、家の購入の融資を受けた時、年間の返済額が年収の25%以下であれば生活に支障が出ないといわれています。
年収が高くないと家が買えないというわけではなく、毎月の返済額がどうなるかで考えましょう。
長期で融資を組む場合が多いので、無理のある返済予定を組んでしまうと、何か生活に変化が起きた際に首が回らなくなってしまいますので、しっかりと計画を立てて将来設計も考えながら検討しましょう。

貯蓄をしている方は頭金を多く入れることで、融資額を小さくして毎月の返済額を抑えることができます。
自分の年収を正しく把握して、計画的に融資を受けましょう。

生活環境の変化を軸に考える:結婚・出産・子供の進学などのタイミング

次に生活環境の変化があったタイミングです。
結婚をした際に将来設計の一つとして子育ても検討する人も多いのではないでしょうか。
子供の育てやすい地域なのか、保育園や幼稚園は近くにあるのか、小学校中学校は近くにあるのか等、子供のいる生活に根付いたエリア選びは慎重にならざるを得ません。
家を購入した際に治安の悪いエリアなのを知らずに買ってしまったら悔やんでも悔やみきれません。

子供の小学校、中学校に進学のタイミングで家の購入を検討する方も多いです。
子供の学区域の問題もそうですが、間取りに余裕がないと子供が自分の部屋を持つことができなくなってしまいますので、間取りも重要になります。

結婚・出産・子供の進学のすべてに当てはまりますが、将来の設計をすることが重要で、その中に家を買うことが含まれています。
全て計画通りというのは難しいかもしれませんが、生活環境に変化があったタイミングで人生設計を見直して家の購入を検討してみてはいかがでしょうか。

居住人数を軸に考える:3人以上になったタイミング

最後に居住人数を軸にタイミングを考えます。
夫婦で住んでいる場合にはそこまで間取りは気にしないかもしれませんが、居住人数が増えた時は検討する必要が出てきます。
子供が生まれたタイミングでももちろん将来の子供部屋を考えての間取りが必要ですが、親の年齢が上がった時に、2世帯住宅を検討する人も多くいます。
居住人数や関係性に合わせた間取りの家を検討する必要があるので、家の購入のタイミングといえます。

家を買わない方が良い3つのタイミング

基本的に自分が家を購入しようと決めた時が買うべきタイミングといえますが、よく考えた方が良いといえるタイミングが3つあります。
「ローン返済に無理があるタイミング」「仕事等の環境が変わるタイミング」「家族構成が変わるタイミング」です。
状況次第で家の購入を検討することはできますが、注意点がありますので、しっかりとポイントを抑えてもらいたいタイミングです。
3つに共通して言えるのは計画性を持つ重要性が高まるタイミングという点ですので、各項目が自分に当てはまるのか確認して注意点やポイントを参考にしてください。

ローン返済の見通しが立たないタイミング

家を購入すべきではないタイミングの一つは、ローン返済の見通しが通らない場合です。
具体的には、月額のローン返済額が大きくなりすぎて首が回らなくなる状態になってしまうことです。
せっかく家を購入しても、ローン返済が滞ってしまった場合、差し押さえられてしまったり、手放さなくてはならなくなってしまいますので、必ず計画的に余裕をもっておくことが重要です。

物件金額の高い家を購入するにしても、頭金を多く入れること、ローンの融資期間を長くすることで月の返済を軽くすることができます。
ただし、ローンの融資期間を長くすればするほど金利は上がりますし、あまりに長くしすぎると、何かイレギュラーが起きた際の残債が当然多くなりますので、注意が必要です。
家の購入は、未来に向けて明るく歩き出す一大イベントの一つでもあります。
返済に苦しむような計画は絶対に避けるべきですので、物件選びの条件を下げて価格を見直すか、貯蓄を進める時期と割り切ってタイミングを改めた方が良いのかもしれません。

ボーナス等が見込める場合には、計画に組み込んで返済を早める等、金融機関等に相談してみるのも手です。

転勤や転職で家を手放す可能性のあるタイミング

転勤や転職の可能性がある場合にも注意が必要です。
せっかく家を購入したにも関わらず、勤務先が変わって通うのが難しくなってしまっては買った甲斐がありません。
転勤の多い会社に勤めており、転勤する可能性があるのであれば、転勤が落ち着くまでは家の購入を見送る必要があるかもしれません。
家族が住んで、自分は週末だけ地方から帰ってくるという過ごし方を選んでいる人も中にはいますが、転勤先の家賃も全額会社負担ではない場合がほとんどですので、月の支払いが多くなることを考えると余裕がなければ選択しにくいかもしれません。

また、転職を予定している場合は、内部の状況がわからないので、家の購入は少し様子を見た方が良いと言えるかもしれません。
もし、転職先で転勤の可能性が出てきた場合や、そもそも転職先の住所が遠いとなれば、それはベストな選択ではないかもしれません。

もちろん人生に確実なこと等はありませんし、ずっと気にし続けていたら家を購入することはできませんが、家を購入するということは、少なくともある程度の期間は生活基盤をそのエリアに根付かせるということですので、生活が大きく変わる転勤や転職の可能性があるうちは慎重になることをおすすめします。

家族構成が変わるタイミング

家族構成が変わるタイミングも家の購入のタイミングとしては慎重になるべきです。
家族構成が変わるタイミングと聞くと、出産の予定がある場合を想定することが多いかと思いますが、実はそれだけではありません。
高齢になった親と一緒に住む選択が必要になる場合があります。いわゆる2世帯住宅です。
子供と自分達夫婦と親、それぞれの生活を考えた間取りを想定しなくてはなりませんし、将来的にそうなる可能性があるのであれば、あらかじめ親と話しておく必要があります。

家を購入したのは良いけど、状況が変わって世帯が増えるとなれば住環境は大きく変わりますし、病院等の必要な施設の需要も大きく変わることになります。
ただしこれに関しても長い年月の中で絶対にという確実性があるものではありませんし、先のことはわかりませんので、気にしすぎて購入できないということにならないよう、ある程度の可能性の選択肢だけを頭に入れておくと良いかもしれません。

もちろん子供が何人等の夫婦の希望に応じた間取りも含めて人生設計を行って検討しましょう。

まとめ

家を買うタイミングについてお話してきましたがいかがでしたでしょうか?
家を購入するタイミングと購入するべきではないタイミングの両方を解説しましたが、どちらにも大切な要素は人生の計画性についてということがわかりました。

不動産の購入とは、都合が変わって何度も買い直すことが気軽にできるわけではありません。
もちろん計画した通りに進む人は稀かと思いますが、それでも人生の3分の1以上の期間を占める融資を受けるのですから、ある程度のイレギュラーを加味したうえでも自分も家族も困らない選択をすべきであることは間違いないのではないでしょうか。

理想の人生設計ではなく、具体的で現実的な人生設計をすること、夫婦や家族がいるのであれば話し合ってみるのもいいかもしれません。
人生設計を現実的に組み立てて、生活の中心である住環境を自分や家族にとってより良いものを選択できるようにタイミングを見計らい、ピッタリの家を購入できるようにしましょう!

【監修者】大石 裕樹

【監修者】大石 裕樹

<保有資格> 司法書士 宅地建物取引主任者 貸金業取扱主任者 / 24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。

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