駅徒歩15分はアリ?後悔しないための判断基準や物件選びのコツを解説
一人暮らしやファミリーで新たな暮らしを始めるときに「駅からの距離」は物件選びの重要なポイントです。
中でも「駅徒歩15分」の物件は家賃が安く魅力的に映る一方で、「実際に住んだら後悔するのでは?」と不安になる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、駅徒歩15分が後悔につながる理由と、そのメリット・デメリットを通勤・生活環境・防犯面などから詳しく解説します。
後悔しない物件選びの判断材料として、ぜひ参考にしてください。
目次
駅徒歩15分は本当に後悔する?
結論から申し上げますと、駅徒歩15分の物件が「必ず後悔する」とは一概に言えません。人によって距離の負担を感じる方とそうでない方がいるからです。
駅まで徒歩15分(約1.2km)の距離は、通勤や通学の負担と家賃の安さのトレードオフになります。
総務省の調査によると、最寄りの駅までの距離が1km以上の住宅は約6割でした。
このことからも駅までの距離が住宅を選ぶ際の条件の一つになることが分かるでしょう。
家賃の節約効果、そして住み心地や防犯面を総合的に考えることが大切です。
特に初めて一人暮らしをする新社会人やファミリーの場合、給与や生活リズムを考慮し、優先順位によって後悔するかどうかが決まるでしょう。
以下では「通勤・通学」「生活コスト」「住み心地」「防犯」の4つの視点から、駅徒歩15分のメリット・デメリットを解説し、後半では後悔しない物件選びのポイントやよくある質問にも答えていきます。
通勤・通学:駅徒歩15分=1.2km
距離の目安と時間: 不動産広告では徒歩15分は約1.2kmと算出されます。
これは通勤時に往復で約2.4km歩く計算です。国土交通省の調査によれば賃貸住宅の平均最寄駅距離は約1.1km(徒歩14分)で、15分は実は平均的な距離ともいえます。
ただし信号待ちや坂道など現実には20分以上かかることもあり、特に歩き慣れていない人には「思ったより遠い…」と感じるケースが多いです。
毎日の通勤の体感: 駅まで15分の徒歩通勤は、往復で毎日30分の歩行時間になります。通勤電車に乗る前後にこの徒歩があると、夏の暑い日や冬の寒い日、雨の日には特に体力的・精神的負担が大きいでしょう。
雨の日は傘を差しても全身が濡れてしまい、出勤前にストレスを感じる人も多いです。
一方で、「毎日のウォーキングで健康的」と前向きに捉える人もいます。
体力的に歩けない距離ではありませんが、悪天候時や疲れて帰る夜にこの15分をどう感じるかは事前にシミュレーションしておきましょう。
徒歩15分程度であれば自転車を使う選択肢もあります。自転車なら約5~6分で駅まで到達でき、負担軽減になります。
物件と駅付近に駐輪場があるか確認し、自転車通勤で快適に通えるか検討しましょう。
また、バス路線が使えるエリアならバス通勤も可能ですが、会社によっては2km未満のバス代は支給されないこともあるので注意が必要です。
いずれにせよ、内見時には実際に駅から物件まで歩いてみて所要時間や道のりを確認し、通勤経路を具体的にイメージすることが後悔を防止することにつながります。
駅徒歩15分の物件に住むメリット
駅から少し離れた物件には、不便そうというイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし、駅徒歩15分の物件には、駅近にはない魅力が数多く存在します。
家賃や物件価格の安さ、落ち着いた住環境、そして理想の間取りに出会いやすい点など、実は生活の満足度を高める選択肢になることも。
ここではその具体的なメリットをご紹介します。
家賃や物件価格が比較的安い
駅から徒歩15分圏の物件は、駅近エリアと比べて家賃や購入価格が抑えられていることが一般的です。
特に都心部では、徒歩5分違うだけで数万円の差が出ることもあります。予算に余裕ができることで、広めの間取りや設備の充実した住まいを選ぶことも可能になります。
浮いた費用を生活の質向上に充てることができる点も、大きなメリットといえるでしょう。
落ち着いた住環境が手に入りやすい
駅近は便利な反面、人や車の往来が多く、騒音や混雑が気になることもあります。
一方で、駅から少し離れた住宅街は交通量が少なく、静かで落ち着いた暮らしが叶いやすい環境です。
子育て世代や在宅ワークをする方にとっても、穏やかな雰囲気の中で安心して暮らせるという点は、大きな魅力です。
希望の間取りや設備が見つかりやすい
駅近物件では、利便性重視のためにコンパクトな間取りや最低限の設備に留まるケースもありますが、徒歩15分圏内の物件では、広さや設備のグレードにこだわった住まいも多く見つかります。
ペット可や収納豊富な間取り、最新のセキュリティ設備が整った物件など、希望条件に合う部屋を見つけやすいのもメリットです。
駅徒歩15分の物件に住むデメリット
駅から徒歩15分の物件は価格面や環境面で多くの魅力がありますが、一方で生活の中で感じやすい不便さも存在します。
特に、通勤・通学の移動時間や手段、来客時のアクセスのしにくさなどは、日々の暮らしに影響を与える可能性があります。
ここでは、駅からの距離がもたらす主なデメリットについて、具体的に解説していきます。
通勤・通学がやや不便に感じることがある
駅徒歩15分という距離は、毎日の通勤や通学の負担になることがあります。
特に朝の忙しい時間帯や悪天候の日には、距離の長さがストレスに直結します。
スーツや制服を着た状態で長距離を歩くのは意外と体力を使い、夏は汗をかきやすく、冬は寒さが身にしみることも。
駅に着くまでの移動時間も考慮すると、ドア・ツー・ドアでの所要時間が長くなり、通勤・通学の快適さという点では駅近物件に劣るケースが多いでしょう。
バスや自転車などの移動手段が必要になる
駅までの距離があるため、日常的にバスや自転車などの移動手段を利用する必要が出てくる場合があります。
自転車を使えば所要時間は短縮できますが、雨の日は乗れず不便ですし、バスは時間帯や本数に制限があるため、思い通りに動けないこともあるでしょう。
また、自転車の保管場所や防犯対策、バス利用時の交通費の積み重ねも、長期的に見るとコストや手間が増える要因となります。移動手段に頼る生活は、自由度が下がることも覚悟が必要です。
来客時に不便を感じることがある
家族や友人が遊びに来る際、最寄り駅から徒歩15分という距離は、ゲストにとってもやや負担になることがあります。
特に初めて訪れる人にとっては、道に迷いやすく、途中に案内の目印が少ないエリアだとさらに不安を感じるかもしれません。
また、荷物が多いときや天候が悪い日は不満につながることもあります。タクシーやバスを使う必要が出てくると、時間や費用の面で気を使わせてしまうこともあり、来客の頻度に影響を与える可能性もあるでしょう。
徒歩15分の物件を選んでも失敗しない人の特徴
駅から離れた物件には魅力もありますが、全ての人にとって快適とは限りません。
日常の行動パターンや価値観によって、向き・不向きが大きく分かれるため、自分のライフスタイルに合っているかどうかを見極めることが大切です。
ここでは、駅徒歩15分の物件を選んでも不便さを感じにくく、むしろ快適に暮らせるタイプの人の特徴を紹介します。
リモートワーク中心の人
日々の通勤がない、もしくは頻度が少ないリモートワーク中心の働き方をしている人にとって、駅からの距離はそこまで大きな問題にはなりません。
自宅で過ごす時間が多い分、家の広さや快適さを重視したい人も多く、徒歩15分圏の物件ならそのニーズに応えてくれる住まいが見つかりやすくなります。
また、通勤ラッシュや電車遅延の影響を受けにくいため、駅近のメリットがあまり響かず、コストパフォーマンスの高い選択肢として成立するでしょう。
静かな住環境や広さを重視する人
騒がしい場所よりも静かな住宅街を好み、ゆったりとした間取りや開放感のある部屋を求める人にとっては、徒歩15分の距離がむしろ理想的な条件となります。
駅近物件ではなかなか見つからない広さや、周囲の静けさ、緑の多い環境などを手に入れやすく、心身ともにリラックスした暮らしが実現しやすいからです。
夜間の騒音が少ない地域で落ち着いて暮らしたいという人にも、駅から少し離れた物件はおすすめです。
日々の移動に自転車や車を使う人
通勤や買い物、送迎などに自転車や車をメインで使っている人であれば、駅からの距離は生活上あまり問題になりません。
自転車を使えば駅までの移動も数分で済みますし、車を所有している場合は最寄り駅の位置よりも駐車場の有無や道路環境の方が重要です。
また、徒歩圏にスーパーやコンビニがあれば、普段の生活に必要な利便性も確保できます。公共交通機関よりもフレキシブルに移動できる生活スタイルの人は、徒歩15分の立地でもストレスなく暮らせる傾向にあります。
駅徒歩15分物件で後悔しないためのチェックポイント
駅徒歩15分の物件には価格や環境面で多くの魅力がありますが、実際に住んでから「思っていたより不便だった」と感じるケースも少なくありません。
だからこそ、契約前のチェックがとても重要です。通勤・通学の動線や周辺環境、実際の距離感など、見落としがちなポイントを事前に確認することで、後悔のない住まい選びができます。
ここでは、物件選びで押さえておきたい注意点を解説します。
実際に歩いて所要時間を確認する
内見時には、最寄り駅から物件まで実際に歩いてみましょう。
通勤時間帯の速度で歩き、信号待ちや坂道の有無を体感することで、毎日の負担を具体的にイメージできます。
「15分」と書かれていても体感ではもっと長く感じることもあるため、自分にとって許容範囲か確かめてください。
通勤ルートの安全性をチェックする
駅から自宅までのルート上に街灯の少ない道や人気のない抜け道がないか確認しましょう。
夜間に同じルートを歩いてみるのもおすすめです。
不安を感じるようであれば、遠回りでも大通り沿いを通れるか検討し、防犯面で安心できる経路を確保できる物件か見極めます。駅からの道のりが平坦か坂だらけかも重要です。
15分の距離でも急な坂や階段があると体力的な負担が増し、毎日の通勤が辛くなります。
特に夏場や荷物が多い日は坂道が大きなストレスになるので、物件までの高低差にも注意しましょう。
交通手段の選択肢を確認する
物件の近くにバス停があるか、駅近くや物件に駐輪場が整備されているかを確認します。
バス停があれば雨の日や疲れた日の代替手段になりますし、有料でも駐輪場が使えれば自転車通勤で時間短縮が可能です。これらのインフラが整っている物件なら徒歩15分のデメリットを緩和できます。
反対に選択肢がないと徒歩に頼るしかなくなるため注意です。
周辺施設と買い物環境: スーパーやコンビニの場所も要チェックです。
駅と物件の間、もしくは物件近くに日常の買い物ができる店があるか確認しましょう。
帰宅経路に24時間営業のコンビニや遅くまで開いているスーパーがあると、食料品や日用品の買い足しが楽になります。
またクリーニング店や飲食店など、自分の生活スタイルに必要な店舗が徒歩圏に揃っているかも見ておくと安心です。
自分の優先順位を明確にする
最後に、駅距離以外の要素も含め自分にとって譲れない条件を整理しましょう。
家賃、通勤時間、部屋の広さ、築年数、治安など、生活で何を重視するかは人それぞれです。
駅徒歩15分の物件は「家賃が安く広い部屋に住みたい人」や「多少歩いても静かな環境を優先したい人」には向いています。
一方で「毎日の通勤をできるだけ楽にしたい人」や「夜遅い勤務や帰宅が頻繁で防犯面が心配な人」には不向きかもしれません。
自分のライフスタイルや性格(歩くことが苦にならないか等)を見つめ直し、「自分は後悔しないタイプか?」を判断基準にすると良いでしょう。
よくある質問(FAQ)
駅からの距離が15分という立地で、物件選びに迷う方も多いのではないでしょうか。
実際に住んでみると、通勤や生活の利便性に関してさまざまな悩みが生じることがあります。ここでは、「駅徒歩15分」の物件に関するよくある質問をまとめ、後悔しないためのポイントをお伝えします。
Q: 駅徒歩15分だと通勤や通学は大変ですか?
A: 通勤・通学で毎日往復30分歩くのは、運動不足解消にはなりますが天候に左右されるのが大変です。特に雨の日や暑い日はかなり負担に感じる人が多いです。
一方で良い運動だと割り切ることや日々のストレス解消につながるケースあります。
自転車を活用すれば6分程度で駅まで行けるので、駐輪場があれば併用すると楽になります。
Q: 家賃はどれくらい安くなるの?その分で妥協すべき?
A: 物件やエリアによりますが、駅徒歩5分以内と15分では数千円程度家賃が違うことが多いです。
年間で数万円の差になり、新社会人の予算では無視できない額です。その家賃差を取るか、毎日の時間・快適さを取るかのバランスになります。
節約を優先したい人にはメリットですが、その分の不便さでストレスを溜めてしまっては本末転倒なので、自分が妥協できる点を見極めましょう。
Q: 女性の一人暮らしで駅徒歩15分はやめた方がいい?夜道は危なくない?
A: 必ずしもやめるべきとは言えませんが、防犯面の注意は駅近以上に必要です。
夜道が不安な地域かどうかは事前に治安情報の確認や夜の徒歩チェックをしましょう。
街灯が少なく人通りも少ない道だと15分が非常に長く感じます。
防犯ブザー携帯や明るい道を選ぶなど自己防衛策も取れば、安全性を高めることは可能です。
心配であれば女性は駅から近い物件(目安10分以内)を優先する方も多いです。
自分が安心して暮らせるかを基準に選んでください。
まとめ
駅徒歩15分の物件は、家賃の安さや静かな住環境など魅力も多い一方で、通勤や買い物、防犯面で不安を感じる人も少なくありません。
「遠い」と感じるかどうかは、生活スタイルや優先順位によって異なります。
坂道の有無や道の明るさ、交通手段の選択肢なども含めて、現地で確認することが後悔しない物件選びの第一歩です。
数字だけにとらわれず、自分にとっての「快適な暮らし」が実現できるかを基準に検討していきましょう。

<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。