仲介手数料を無料にできるのはなぜ?理由と不動産会社の選び方を解説
近年、「仲介手数料が無料の不動産会社」が増えており、「なぜ無料でできるのか」「サービスの質は大丈夫なのか」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
不動産会社が買主から仲介手数料を無料にできる理由はいくつかあります。
売主から報酬を得るビジネスモデルを採用している場合や不動産会社自身が売主となっている場合、あるいはオンライン化によってコストを削減している場合などが代表的です。
不動産会社を選ぶ際には、なぜ仲介手数料を無料にできるのかという理由を確認し、会社の信頼性や実績をしっかりと見極めることが重要です。
仲介手数料無料の不動産会社を利用して購入を検討している人は、最後までこの記事を読んでいただければと思います。
目次
仲介手数料とは?宅建業法で定められた基本ルール
仲介手数料とは、不動産会社(宅地建物取引業者)が売買や賃貸の取引を仲介した際に、依頼者(売主・買主、貸主・借主)から受け取る報酬のことです。
物件の紹介や現地案内、契約条件の調整、重要事項説明、契約書作成など、不動産会社が担う一連の業務への対価として支払います。
仲介手数料は契約成立時にのみ発生する成功報酬であり、不動産会社と依頼者の合意により上限内で決定され、上限を超える請求は違法です。
売買の場合の仲介手数料は、「物件価格の3%+6万円(+消費税)」が一般的ですが、本来は取引される金額帯によって料率が変わります。
金額 | 計算式 |
---|---|
200万円以下 | 5%(+消費税) |
200万円超~400万円以下 | 4%+2万円(+消費税) |
400万円超 | 3%+6万円(+消費税) |
ただし、2024年7月1日の宅地建物取引業法の改正により、不動産会社は、800万円以下の不動産(特に低廉な空き家など)の売買における仲介手数料においては、売主・買主それぞれから最大で33万円(税込)の受け取りが可能です。
これは、不動産会社が低価格帯の物件の取引にも積極的に取り組むことを促し、空き家の流通を促進する目的としています。
また、賃貸借の場合は「貸主・借主それぞれから賃料の0.5か月分(+消費税)」までとされ、借主から1か月分を超えて受領することはできません。
参考:<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ(国土交通省)
仲介手数料が無料になる理由
不動産会社に仲介を依頼する際、通常は契約成立時に仲介手数料が発生します。
しかし、近年では「仲介手数料無料」を売りにする不動産会社も多いです。
その背景には、会社の収益構造やコスト削減の工夫など、いくつかの理由があります。
ここでは、仲介手数料が無料になる理由について解説します。
売主から報酬を得るビジネスモデルだから
不動産会社によっては、売主からのみ報酬を得るビジネスモデルを採用している会社もあります。
仲介手数料は基本的に契約成立時に発生する報酬です。
売買の場合は、売主、買主を仲介した不動産会社がそれぞれ仲介手数料を受け取ることができます。
そのため、売主側の不動産会社が売主側の仲介手数料で収益を確保できる場合、買主からの手数料を無料にするということも可能というわけです。
また、不動産業界には、囲い込みの習慣が残っています。
売主から専任媒介契約で売却物件を預かり、自社で買主を探すと買主側の仲介手数料をもらえるので、他社に紹介させない、囲い込みをするというわけです。
囲い込みは売主にとって不利益が多いということで、2025年1月1日から国交省は宅地建物取引業法の省令を改正し、違反した不動産会社は、是正指示や業務停止などの処分の対象となります。
参考:物件情報の「囲い込み」、規制強化へ 不動産業界のあしき習慣(朝日新聞)
売主から報酬を得るビジネスモデルの不動産会社は、買主側は、どこの不動産会社が決めても報酬は変わらないということで、囲い込みをしない透明性の高い取引を行っていると言えます。
不動産会社の自社管理物件だから
不動産会社が自社で所有または管理している物件を紹介する場合は、手数料収入を社内で調整できるため、仲介手数料を無料にするケースがあります。
通常は買主・売主双方から仲介手数料を受け取りますが、自社で所有または管理している物件であれば、会社内で収益を調整できるため、買主側の手数料を無料にしても利益を確保できます。
特に、自社が所有している自社物件の場合は、売主が自社なので基本的には売主の仲介手数料が発生しませんし、売却することで利益を得ることができるので無料になることもあるでしょう。
経費削減やオンライン化によるコストカット
近年、不動産仲介業界ではオンライン化やITツールの活用を推進している会社が多いです。
これまでの不動産仲介業界は、多くの人手とコストを必要でしたが、IT化によって業務を効率化によるコストカットが可能となり、買主側の仲介手数料の無料を採用している不動産会社が増えています。
具体的な例としては、オンライン内覧やVR内覧の導入、契約手続きや重要事項説明をオンラインで完結できるシステムを活用などがあります。
このように、テクノロジーを活用した効率化は、不動産会社と買主双方にとってメリットがある仕組みと言えるでしょう。
仲介手数料無料物件のデメリット
近年、仲介手数料無料を売りにする不動産会社が増えていますが、無料であることにはメリットだけでなく、デメリットにも注意が必要です。
- 他の項目で料金を請求される可能性がある
- 紹介してもらえる物件が限定される
- 担当者やサービスの質が低下するリスクがある
特に契約前に理解しておかないと、追加費用が発生や希望条件に合う物件が見つかりにくいといったデメリットが考えられます。
ここでは、仲介手数料無料物件のデメリットについて解説します。
他の項目で料金を請求される可能性がある
仲介手数料が無料であっても、契約に関連する他の費用を請求している不動産会社もあります。
本来、契約に関連する他の費用は、仲介手数料に入っている費用です。
請求される項目としては、契約書作成費用や事務手数料などがあります。
仲介手数料が無料だから全体の費用が安いとは思い込みがちですが、必ず見積もりの内訳を確認し、総額でいくらかかるのかを確認しましょう。
紹介してもらえる物件が限定される
仲介手数料が無料の物件は、紹介してもらえる物件が、不動産会社が自社で管理している物件や売主から手数料を受け取れる物件に限定されるケースが多いです。
そのため、全ての市場物件の中から自由に選べるわけではありません。
また、紹介できる物件が限られると、価格や設備の比較がしにくくなるため、条件が限定される場合もあります。
物件の条件や価格にこだわりがある場合は、仲介手数料が必要な物件も視野に入れる必要があるでしょう。
担当者やサービスの質が低下するリスクがある
仲介手数料が無料の場合、営業担当者の対応やサービスが低下するリスクがあります。
不動産会社や担当によっては、問い合わせへのレスポンスが遅い、物件を中々紹介してくれないといったケースも多いです。
また、不動産会社によっては、人材が手薄なケースも多く、重要事項説明や契約書作成の丁寧さが低下し、手続きに不安が残るケースも考えられます。
仲介手数料が無料であることは魅力的ですが、口コミなどで不動産会社のサービスの質まで含めて確認することが大切です。
仲介手数料無料の不動産会社を選ぶポイント
仲介手数料無料の不動産会社を選ぶ際には、いくつか押さえておくべきポイントがあります。
- 仲介手数料無料にできる理由を事前にチェックする
- 仲介手数料以外の費用を確認する
- 会社の信頼性や実績を重視する
不動産会社を選ぶ際には、会社の仕組み・費用の透明性・信頼性など、事前に確認した上で依頼することが大切です。
ここでは、仲介手数料無料の不動産会社を選ぶ際のポイントについて解説します。
仲介手数料無料にできる理由を事前にチェックする
仲介手数料が無料になる仕組みは、不動産会社によってさまざまです。
依頼しようとしている不動産会社が、売主から報酬を得るビジネスモデルなのか、不動産会社の自社管理物件だからなのかについて事前にチェックする必要があります。
無料にできる理由が不透明なまま契約を進めてしまうと、結局は想定外の出費につながり、無料のはずがむしろ割高になってしまうというケースも考えられます。
少しでも不安を感じたら、契約前に再度質問するか、場合によっては別の会社を検討しましょう。
仲介手数料以外の費用を確認する
仲介手数料が無料の場合、仲介手数料以外の名目で費用が発生しないかを確認しておくことが大切です。
仲介手数料以外の名目で請求される費用には、以下のような項目があります。
- 事務手数料
- サポート費用
- コンサル料
物件を紹介してもらう前に、契約時に総額でいくら必要になるのかを事前に確認しましょう。
可能であれば、見積もりを出してもらい、不明な点はその場で質問しておくと安心です。
会社の信頼性や実績を重視する
不動産の購入にあたっては、いかに信頼できる会社に依頼できるかが重要なポイントです。
仲介手数料が無料であっても、安心して任せられる不動産会社かどうかはまた別の問題と言えます。
信頼性を確認する方法として、まずは「過去の取引実績」をチェックしましょう。
どのくらいの件数を取り扱っているのか、どんなエリアや物件に強いのかを知ることで、会社の得意分野や実績の確認が可能です。
また、口コミや評判も大きな判断材料になります。
インターネットや知人などから情報を収集し、信頼の高い不動産会社を選びましょう。
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まとめ
今回は、仲介手数料無料の不動産会社の仕組みやデメリット、選び方などについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
仲介手数料が無料になる仕組みには、売主からの報酬や自社物件の活用、コスト削減などの理由があります。
ただし、別の名目で費用が発生したり、紹介できる物件が限られたり、サービスの質が十分でないケースもあるため、仲介手数料無料の不動産会社に依頼する場合は注意が必要です。
不動産会社選びで失敗しないためにも、無料にできる理由、仲介手数料以外の費用の有無、会社の信頼性や実績を確認する必要があります。
不動産購入は大きな決断だからこそ、安心できる相談窓口を持つことが成功への近道になります。
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これから不動産の購入を検討している人は、今回の記事を参考に、安さだけに飛びつくのではなく、信頼できる不動産会社選びの重要さを理解していただければと思います。

<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。