独身女性が後悔しないマンション購入とは？失敗しない3つのコツを解説

近年、独身女性がマンションを購入する割合が高まっています。リクルートの調査では、契約者に占める独身女性の割合が2016年から2021年の5年間で約2倍に増えており、住まいの選び方に変化が見られます。

収入の安定や将来への備えに加え、自分らしい暮らしを大切にする意識が強まっていることも、購入を後押しする理由のひとつです。

しかし、マンション購入は人生における大きな決断です。いざ考え始めると、「本当に今買うべきなのか」「自分の年収で無理なく購入できるのか」といった不安を感じる方も多いでしょう。

この記事では、独身女性のマンション購入に関する最新データをもとに、購入のメリット、適正価格、そして失敗しないための具体的なポイントをわかりやすく解説します。

ご自身の安心できる未来を手に入れるための第一歩として、ぜひ参考にしてください。

参考：「新築マンション契約者動向調査」の調査・データ一覧（株式会社リクルート）

マンションを購入した女性の平均年収はいくら？

「一般社団法人女性のための快適住まいづくり研究会」によると、マンションを購入した女性の年収で最も多いのは500万円台で25.4％、次いで400万円台が19.1％、300万円台が15.3％となっています。

国税庁の調査によると、令和5年分の女性正社員の平均給与は485万円という結果でした。平均給与を超えたあたりでマンション購入に踏み切る女性が多いことがわかります。

つまり、特別に高収入でなくても、安定した収入があればマンション購入は十分に現実的な選択肢です。年収300万円台から500万円台の一般的な会社員の女性が、実際にマンション購入に成功しているというデータは、多くの方にとって心強い事実といえるでしょう。

ただし、判断の基準になるのは年収だけではありません。貯蓄額や毎月の支出、今後のライフプラン、住宅ローンの返済などを合わせて考えることが重要です。

年収が高くても生活費が高ければ返済負担は重くなりますし、逆に年収が平均的でも堅実な家計管理ができていれば無理なく購入できます。

参考：【2024年 調査リリース】～マンションを5年以内に購入した女性528名に聞きました～マンション購入を通じて将来に対する意識に変化あり！分散投資をしているマンション購入者の割合が82.6％に！（PR TIMES）
参考：民間給与実態統計調査結果（国税庁）

マンション購入者の女性比率は5年で約2倍増加

リクルートの調査によると、2024年首都圏の新築マンション契約者のうち、独身女性の割合は10％に達し、独身男性の7.6％を上回っています。2016年から2021年の5年間で約2倍に増え、その後は横ばいを維持。
この背景には、主に三つの社会的な変化があります。

まず一つ目は、女性の社会進出が進み、安定した収入を得る人が増えたことです。これにより収入面の不安が和らぎ、住宅購入への心理的・経済的なハードルが大きく下がりました。

二つ目は、結婚観の変化です。結婚が必須のライフイベントではなくなり、独身でも自分らしい暮らしを選ぶ人が増加。マンション購入者のうち64.7％は結婚意思があるというデータがある一方で、結婚の有無に関わらず住まいを確保したいという意識が広がっています。

三つ目は、働き方の変化とお金の考え方が影響しています。リモートワークが広がったことで、自宅で過ごす時間を心地よくしたいと思う人が増えました。
また、将来のために少しずつ資産を持っておきたいと感じる人も多くなり、こうした気持ちがマンション購入を選ぶ後押しになっています。

こうした流れから、独身女性のマンション購入は今や特別なことではなく、暮らしを整えるための現実的な選択肢として広く受け入れられています。

参考：「新築マンション契約者動向調査」の調査・データ一覧（株式会社リクルート）

独身女性のマンション購入時の年齢層

独身女性がマンションを購入する年齢は、30代後半から40代前半が最も多く（約44％）、購入者の中心層となっています。キャリアが安定しているこの年代での購入が一般的であるといえます。

多くの金融機関では、住宅ローンの完済年齢を75～80歳に設定しています。35～44歳は、35年ローンを組んだ場合でも完済が80歳未満に収まりやすく、返済計画を立てやすい年代です。
将来の見通しがつきやすいことも、この年代での購入が多い理由のひとつでしょう。

一方で、20代の購入者もわずかに存在しており、「家賃を支払うより早めに資産形成を始めたい」という考えから購入に踏み切るケースも見られます。

参考：【2024年 調査リリース】～マンションを5年以内に購入した女性528名に聞きました～マンション購入を通じて将来に対する意識に変化あり！分散投資をしているマンション購入者の割合が82.6％に！（PR TIMES）

独身女性のマンション購入の価格帯

独身女性が購入するマンションの価格は、3,000万円台が最も多く約4割です。

次いで2,000万円台が約3割、4,000万円台が約15％となっており、2,000万～4,000万円の価格帯で約8割を占めます。

このデータから、多くの人が無理のない価格帯を選んでいることが理解できるでしょう。
一般的にマンション価格の目安は「年収の5～7倍」とされています。

ただし、これはあくまで目安です。実際には、毎月の返済が家計を圧迫しないかどうかが重要で、「返済負担率」を基準にすると判断しやすくなります。

返済負担率は、年収に対して住宅ローンの年間返済額がどのくらいかを示すものです。一般的には25％以内がひとつの目安とされており、実際の購入者の多くも15～20％に収めているケースが多く見られます。

金利0.4%、35年ローン、返済負担率20%とした場合の目安は次の通りです。

マンション購入では、ローン返済だけでなく管理費、修繕積立金、固定資産税といった維持費も継続的にかかります。自分の収入と生活費のバランスが取れるよう、これらの維持費も含めた総合的な資金計画を立てることが大切です。

参考：住宅ローン利用者の実態調査（住宅金融支援機構）

独身女性がマンションを購入するメリット

マンション購入は大きな決断ですが、独身女性にとって多くのメリットがあります。ここでは主な3つのメリットを詳しく見ていきましょう。

賃貸よりも安定した暮らしを手に入れられる

マンションを購入すると、賃貸よりも将来の住まいが安定しやすく、経済面でも長期的なメリットがあります。

賃貸の家賃は、支払い続けても手元に残りませんが、購入の場合は返済が最終的に自分の資産として残る点が大きな違いです。

たとえば35歳で購入すると、ローン完済は70歳前後になくなります。賃貸のままだと老後も家賃を払い続ける必要がありますが、持ち家ならローン完済後は維持管理費や固定資産税のみで暮らせるようになります。

さらに重要なのが、高齢になると大家が孤独死などのリスクを懸念し、賃貸住宅への入居が難しくなるケースがある点です。

国もガイドラインを策定するなどの対策（※1）に乗り出していますが、すぐに状況が改善されるわけではありません。

自分の住まいを所有していれば、将来の住居に関する不安を減らし、長く安心して暮らし続けることができるでしょう。

（※1）自然死・日常生活の中での不慮の死は借主への告知を不要にするなど
参考：「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定しました（国土交通省）

将来の資産として価値を残せる

マンション購入の大きな魅力は、将来の「資産」として価値を残せることです。
賃貸では毎月の家賃がそのまま生活費として消えていき、手元に残りません。例えば月8万円を35年間支払い続けると、総額は約3,360万円。長期間で見ると、かなりの金額が掛け捨てになります。

一方で、マンションを購入すれば、その建物は自分の資産になります。ライフスタイルが変わったときも、次のような選択肢を持てるでしょう。

特に、資産価値が下がりにくい立地の物件を選んでおくと、将来の選択肢が増えます。売却や住み替えを考えるときにも有利になり、長く安心して暮らせる土台づくりにもつながるでしょう。

実際、一般社団法人女性のための快適住まいづくり研究会の調査でも、マンションを購入した女性の理由として「家賃や更新料がもったいないと思った」が50.6%、「資産として残せるから」が43.8%と上位を占めています。

多くの女性が資産形成と将来の安心を目的にマンション購入を決断していることがわかります。

マンション購入は「住まい」としての役割だけでなく、将来の備えにもなる点が大きなメリットです。

ライフスタイルに合わせた住まいを自由に選べる

マンションを購入すれば、暮らし方に合わせて自由にリフォームができます。賃貸では原状復帰が必要ですが、分譲マンションなら自分の好みに合わせて内装を変更できる点が大きなメリットです。

また、分譲マンションは賃貸住宅と比較して充実した設備仕様が魅力で、セキュリティ面もしっかりしており、女性の一人暮らしでも安心して住めます。

分譲マンションの充実した設備を以下にまとめました。

リモートワークの普及など、ワークスタイルが変化した今、自宅での時間をより快適に過ごしたいと考える方には、マンション購入はおすすめといえるでしょう。

独身女性がマンションを購入する際に失敗しないコツ

マンション購入で後悔しないためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。

生活スタイルに合った立地・間取りを選ぶ

マンション購入でまず重視したいのが立地です。内装はリフォームできますが、立地だけは変えられません。日々の暮らしや資産価値にもつながるため、丁寧に確認したいポイントです。
立地選びでは、次の点をチェックしておきましょう。

これらに加えて、住まいの使いやすさを左右する間取りも重要です。住宅ローンを利用するには、原則として専有面積30㎡以上が必要で、この基準を下回ると住宅ローンよりも金利が高い投資用ローン扱いとなるため注意が必要です。

また、1LDKのように人気が高い間取りは、将来の売却や賃貸もしやすく、資産として扱いやすい特徴があります。今の生活だけでなく、テレワークや結婚など将来の変化にも対応しやすい間取りを選んでおくと、長く安心して暮らせます。

将来の収支を踏まえた無理のない資金計画を立てる

マンション購入では、毎月の返済が無理なく続けられるかどうかが重要です。一般的に、住宅ローンの返済額は年収の25％以内に収めると、家計にゆとりを持ちやすくなります。

資金計画では、次の点を確認しておきましょう。

返済額だけでなく、将来の支出や緊急時への備えまで意識した計画を立てることで、長く安心して暮らせる住まい選びにつながります。

内見や管理状況のチェックを丁寧に行う

マンションは高額な買い物だからこそ、物件そのものの状態だけでなく、マンション全体の管理状況まで丁寧に確認しておきましょう。

内見の際は、次のポイントをチェックしてみてください。

中古マンションでは、内装がきれいでも、配管など見えない部分が古いままの場合があります。どこまで改修されているのか、修繕積立金が十分に積み立てられているかも確認しておきましょう。

将来の売却を視野に入れるなら、駅からの距離や周辺の利便性に加え、日頃の管理が行き届いているか、といった点が資産価値を左右する大きなポイントになります。

まとめ

独身女性のマンション購入は、今では身近な選択肢になっています。年収300万～500万円台の一般的な会社員でも、無理のない範囲で住まいを取得しているケースが増えています。

記事のポイントを振り返っておきましょう。

マンション購入は大きな決断ですが、事前に準備をしておけば、安心して一歩を踏み出せます。家賃を払い続けるよりも、将来に向けて自分の資産をつくる選択ができる点も魅力です。

「いつか住まいを持ちたい」と感じているなら、まずは情報収集から始めてみるのがよいでしょう。
あなたらしい、安心できる暮らしをかなえるために、マンション購入という選択肢をぜひ前向きに検討してみてください。

【監修者】大石 裕樹

＜保有資格＞
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 ／
２４歳で司法書士試験合格し、２７歳で司法書士として起業。４年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。