中古マンションは買うな?後悔すると言われる理由と購入前の注意点を解説
インターネットやSNSで「中古マンションは買うな」という言葉を目にして、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
中古マンションは、価格を抑えられるメリットがある一方で、管理状態や将来かかる費用など、事前に確認しておくべき点が多いのは事実です。
ただし、中古マンションすべてが注意すべき物件というわけではありません。把握しておくべき知識と、判断基準を持っていれば新築物件よりも理想の物件が手に入る場合もあります。
この記事では、中古マンションは買うなと言われる理由を整理しながら、後悔しないための判断基準について解説します。
目次
中古マンションは買うなと言われる5つの理由
まずは、中古マンションは買うなと言われるその理由を見ていきましょう。中古マンションにはメリットもありますが、購入前に押さえておきたい注意点もあります。
| 理由 | ポイント |
|---|---|
| 想定よりもコストがかかる | 見えない劣化や追加工事で、想定外の出費が発生しやすい |
| 管理状態が住み心地に影響する | 清掃・掲示物・ゴミ置き場などから管理の質が見え、暮らしやすさに直結する |
| 修繕積立金が高い | 築年数の進行に伴い増額されることがあり、積立不足だと一時金が発生する場合もある |
| 耐震性に不安を感じる | 建築時期で耐震基準が異なり、旧耐震は診断・補強の有無まで確認が必要になる |
| 建物や設備の老朽化リスクがある | 外壁・防水・配管などの劣化が進むと、修繕負担が大きくなる可能性がある |
以下では、それぞれの理由を具体例とあわせて整理します。
想定よりもコストがかかる
中古マンションは購入後に想定していなかったリフォームや修繕が必要になることがあります。
たとえば、築年数が経過した物件の場合、給排水管や電気設備など目に見えない部分の劣化が進んでいて、それを不動産仲介業者との打ち合わせだけでは把握しきれない場合があります。
その場合、予定していなかった修繕やリフォームが必要となるでしょう。
住宅リフォーム推進協議会の調査では、リフォームの予算平均は291万円に対し、実際の平均は434万円でした。
購入前に設備の状態や交換履歴を確認し、リフォーム費用は概算でも資金計画に入れておくと安心です。
参考:2024年度 住宅リフォームに関する消費者(検討者・実施者)実態調査報告書(一般財団法人 住宅リフォーム推進協議会)
管理状態が住み心地に影響する
中古マンションでは、管理状態が住み心地を大きく左右します。
共用部分の清掃状況や、掲示板にトラブルに関する注意書きがないか、ゴミ置き場は清潔に保たれているかなどから、管理状態を読み取れます。
管理が行き届いていないマンションでは、建物の劣化が早まり、将来的な修繕費の負担が増える可能性もあるので、注意が必要です。
内見時に共用部の状態を見たうえで、重要事項調査報告書(※1)などの資料も確認しておきましょう。
(※1)重要事項調査報告書:マンションの管理方法や修繕積立金、管理費の金額、滞納状況などが記載されている書類。
修繕積立金が高い
マンションでは、外壁や配管などの共用部分を維持・修繕するために、修繕積立金を毎月支払います。
国土交通省が5年ごとに行っている「令和5年度マンション総合調査」によれば、修繕積立金は1住戸あたり平均1万3,054円でした。

出典:令和5年度マンション総合調査の結果について(国土交通省)
中古マンションの場合、築年数が進むにつれて修繕の必要が増えるため、将来的に積立金が引き上げられることもあります。積立金が十分に確保されていないマンションでは、大規模修繕の際に追加の費用負担が発生するケースもあるでしょう。
購入前には、積み立てられている修繕積立金の総額や、今後の修繕計画を確認し、将来の支出を見通しておくことが大切です。
耐震性に不安を感じる
中古マンションの耐震性は、建築された時期によって異なります。特にポイントになるのが、1981年6月1日を境に耐震基準が変わっている点です。
| 耐震基準の目安 | ||
|---|---|---|
| 建築確認の時期(目安) | 適用される基準 | ポイント |
| 1981年5月31日以前 | 旧耐震基準 | 震度5程度で倒壊・崩壊しない想定 |
| 1981年6月1日以降 | 新耐震基準 | 震度6強~7程度でも倒壊しない想定 |
旧耐震基準で設計されたマンションは、耐震性に不安が残るケースもあります。
ただし、旧耐震基準で建てられたマンションでも耐震補強工事が実施されている場合もあるので、築年数だけで判断せず、耐震診断や補強の有無を確認することが重要です。
建物や設備の老朽化リスクがある
築年数が経過すると、外壁や屋上防水、配管などの劣化のリスクが上がります。
特に定期的な修繕が行われていない場合、将来的に大きな修繕費用が必要になる可能性が出てきます。
購入前には、過去の修繕履歴に加えて、今後予定されている工事内容や長期修繕計画も確認しておきましょう。共用部分の劣化状況とあわせて見ておくことで、老朽化リスクを具体的に判断しやすくなります。
中古マンションを買う5つのメリット
中古マンションは買うな、と言われる一方で、中古マンションにはメリットも多数存在します。
| メリット | ポイント |
|---|---|
| 新築よりも価格を抑えられる | 購入費用を抑えやすく、資金に余裕を持ちやすい |
| 立地条件の良い物件がある | 駅近など条件の良いエリアで物件が見つかりやすい |
| 建物の住環境を見てから判断できる | 管理状態や周辺環境を実際に確認して検討できる |
| 資産価値を維持しやすい物件を選べる | 価格が落ち着いた物件を選べるので値下がりリスクを抑えやすい |
| リノベーションで内装を変えられる | 間取りや内装を暮らしに合わせて調整しやすい |
以下では、それぞれのメリットを具体的に見ていきます。
新築よりも価格を抑えられる
中古マンション最大の魅力は、新築に比べて購入費用を抑えられる点です。
初期費用を抑えられる分、リフォームやリノベーションに充て、自分好みの空間を作り出せます。
リフォーム費用が想定より高くかかったり、立地や条件によっては新築と同程度、あるいはそれ以上の価格になったりするケースもありますが、一般的には築年数の経過に伴って建物部分の価値は落ち着いていきます。
立地条件の良い物件がある
中古マンションの魅力として、立地条件の良い物件を見つけやすい点が挙げられます。
都心部では、すでに多くの土地が住宅や商業施設として利用されており、新築マンションを建てられる場所は限られています。そのため、駅に近いエリアや生活利便性の高い地域では、新築物件の供給は多くありません。
一方で、中古マンションは、これまでに建てられてきた物件の中から選べます。
駅から徒歩5分以内といった条件でも、新築に比べて選択肢を確保しやすい点が特徴です。
建物の住環境を見てから判断できる
中古マンションでは、実際の住環境を確認したうえで購入を検討できる点が大きな特徴です。
内見では、共用部分の管理状態や建物全体の雰囲気だけでなく、周囲の生活音や住民の様子など、図面や資料だけでは見えにくい点まで確認できます。こうした情報を事前に把握できることは、住まい選びにおいて安心材料となるでしょう。
また、物件によっては売却者から、実際の住み心地や暮らしの様子を直接聞ける場合もあります。
入居後に「思っていた環境と違った」と感じるリスクを抑えたい人にとって、中古マンションは向いているといえるでしょう。
資産価値を維持しやすい物件を選べる
マンションは一般的に築年数とともに資産価値が下がりますが、中古マンションでは価格の下落が落ち着く段階があります。
新築マンションが引き渡し直後から価格が下がる傾向であるのに対し、すでに市場で価格が形成されている中古マンションは、購入後の価格下落が比較的緩やかです。
東日本不動産流通機構のデータでも、中古マンションの価格は築11~20年で一度落ち着き、その後は築年数が進んでも大きな下落が起こりにくいことが示されています。このような物件を選ぶことで、購入後の値下がりリスクを抑えやすくなるでしょう。
さらに、駅に近いなど立地条件が良く、管理状態が整っている物件であれば、時間がたっても一定の需要が期待できます。
参考:年報マーケットウォッチ2022年・年度(公益財団法人 東日本不動産流通機構)
リノベーションで内装を変えられる
中古マンションは、購入後にリノベーションによって間取りの変更や内装を変えられます。賃貸マンションのように原状回復を前提としないため、暮らし方に合わせて住まいを整えやすい点が特徴です。
たとえば、昔ながらの間取りをオープンキッチンに変えたり、内装を自分好みのデザインにしたりと、自分の生活スタイルに近づけることができます。
間取りや内装を自分の暮らしに合わせて整えられる点は、中古マンションならではの魅力といえるでしょう。
中古マンション購入時に後悔しないための注意点
中古マンションを購入する際には、管理組合の財務状況や修繕履歴など、事前に確認しておくべき点があります。
この項では、中古マンション購入で後悔しないための注意点を5つ解説します。
マンションの管理規約を確認する
マンションの管理規約には、共用部分の使い方や居住者のルールなどが定められているので、中古マンションを検討する際は、購入前に内容を確認しておくことが大切です。
なかでも注意したいのが、リフォームやリノベーションに関する制約です。
たとえば、間取りの変更や水回りの移動に関する制限があったり、使用できる床材が制限されていたりします。また、工事を行える曜日や時間帯に制限がある場合もあります。
希望するデザインや仕様がある場合、これらの制限が後から分かると、計画の見直しが必要になることもあるでしょう。
「思い描いていたリフォームができなかった」とならないためにも、検討している工事内容が実施できるかどうかを、事前に管理規約で確認しておくと安心です。
長期的な資金計画を立てる
中古マンションを購入する際は、住宅ローンの返済だけでなく、管理費や修繕積立金、税金などの継続的な支出も含めた資金計画が欠かせません。購入時の費用だけで判断すると、入居後に負担を感じることもあります。
また、リノベーションを予定している場合は、その費用もあらかじめ見込んでおく必要があるでしょう。
あわせて、将来の収入の変化や、子どもの教育費、親の介護など、ライフステージの変化を想定した計画を立てておくことで、無理のない住まい選びにつながります。
管理状態・体制をチェックする
中古マンションの住みやすさや将来の維持費は、管理状態や管理体制によって大きく左右されます。
そのため、築年数だけで判断するのではなく、日常的にどのような管理が行われているかを確認することが重要です。
内見時には、共用部分の清掃状況や掲示物の内容などを確認しておきましょう。また、管理会社の有無や、過去の修繕履歴も確認しておくと安心です。
管理体制が整っているマンションは、建物の劣化を抑えやすく、結果として住み心地や資産価値にも良い影響を与えます。
築年数や耐震性を確認する
中古マンションを検討する際は、築年数と耐震性をあわせて確認することが大切です。
耐震基準については、1.4で触れたとおり、1981年を境に大きく変わっています。
そして、基準の違いだけでなく、検討している物件がどのような対応をしているかにも目を向ける必要があります。
耐震診断が行われているか、旧耐震基準の建物であれば耐震補強工事の履歴があるかなどは、確認しておくと安心材料になるでしょう。
また、築年数は耐震性だけでなく、建物の劣化状況や今後の修繕計画とも関係します。
長期修繕計画やこれまでの工事内容をあわせて確認することで、建物の古さだけでは分からない建物の状態を判断しやすくなります。
信頼できる不動産会社を選ぶ
中古マンションの購入では、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。
物件の良し悪しだけでなく、リスクについても正直に説明してくれるか、購入を急かさずに判断材料を丁寧に整理してくれるかを確認しましょう。
また、中古マンションの取引実績が豊富かどうかも確認しておきたいポイントです。
複数の物件を比較しながら、納得できるまで伴走してくれる担当者かどうかを見極めることが、後悔のない購入につながります。
中古マンションをおすすめする人の特徴
中古マンションは、住まいに対して次のような考えや条件を持っている人に向いています。
| 購入費用を抑えたい人 | 新築に比べて価格を抑えやすいため、引っ越し後の生活費に余裕を持たせやすい点が魅力です。 |
| 住みたいエリアが明確な人 | 駅近や人気エリアでは、新築マンションを建てられる場所が限られるため、選択肢の多い中古マンションのほうが希望に合う物件を探しやすくなります。 |
| 内装や間取りにこだわりたい人 | リノベーションを前提に、自分の暮らしに合った住まいをつくりたい人に適しています。 |
| 住環境を確認してから判断したい人 | 中古マンションであれば、周辺の雰囲気や建物の管理状況、共用部分の使われ方などを実際に確認したうえで検討できます。 |
自分にとって何を重視したいのかを整理しながら、中古マンションという選択肢を検討してみるのも一つの方法です。
中古マンション購入に関するよくある質問
ここでは、中古マンション購入に関してよくある質問に回答します。
中古マンションは何年くらい住める?
国土交通省の調査では、鉄筋コンクリート造住宅の平均寿命は約68年とされていますが、管理状態が良ければ、さらに長く住み続けられる可能性もあります。

出典:「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書(国土交通省)
重要なのは築年数そのものよりも、耐震基準や管理状況、修繕が計画的に行われているかという点です。
たとえば、新耐震基準で建てられ、長期修繕計画に沿ってメンテナンスされているマンションであれば、築30年や築40年でも十分に住み続けられる可能性があります。
あと何年住めるかという問題は、築年数だけではなく、管理や修繕の中身まで確認することが大切です。
購入後にかかる費用はどれくらい?
月々にかかる費用の主なものとしては、管理費や修繕積立金、駐車場を利用する場合の駐車場代などが挙げられます。金額は物件によって異なりますが、管理費と修繕積立金を合わせて月2~5万円程度が一つの目安です。
このほか、毎年かかる費用として固定資産税・都市計画税、火災保険料があります。
さらに修繕積立金が不足している場合には、大規模修繕時に一時金が必要になることや、給湯器・エアコンなど専有部分の設備更新費が発生するケースもあるため、その点には注意が必要です。
物件購入の最初は何から始めるべき?
中古マンションの購入を考え始めたら、まずは予算と希望条件の整理から始めましょう。自己資金や借入可能額の目安を把握し、エリアや広さ、築年数などに優先順位をつけておくと、検討の軸が定まりやすくなります。
次に、住宅ローンの事前審査を受け、無理のない返済計画を確認します。中古マンションは、管理規約や修繕履歴、長期修繕計画など確認項目が多く、判断に迷うこともあるでしょう。
スマトリでは、気になる物件のURLを送るだけで、注意点や仲介手数料の目安を無料で確認できます。営業を受けずに相談できるため、購入検討の最初の整理として活用してみるのも一つの方法です。
まとめ
「中古マンションは買うな」と言われる背景には、管理状態や修繕費、耐震性など、注意すべき点があるのも事実です。ただし、それはすべての中古マンションに当てはまるわけではありません。立地や管理体制、修繕計画を丁寧に確認すれば、コストを抑えつつ、自分に合った住まいを選べる可能性もあります。
大切なのは、どんな条件を避けて、どんな物件を検討すべきかを整理することです。
この記事を参考に、自分の希望や将来設計に照らし合わせながら、納得のいく理想の住まいを検討してみてください。
<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。









