マンション価格はいつ下落する?2030年に向けたマンション市場の展望
「マンションを購入したいものの、価格が高すぎて手が出ない」「マンション価格はいつ下がるのだろうか」と、マンション価格の高騰が続く中で、購入のタイミングがわからないという人もいるでしょう。
近年、マンション価格は、低金利を背景に、人件費や資材価格の高騰、海外資金の流入といったさまざまな要因から価格の上昇が続いています。
マンションの購入を検討している人にとっては、2026年以降のマンション市場の動向が気になるところです。
マンションの価格変動にかかわる要素には、金利や立地条件、再開発計画に加えて、管理状態などがあります。
中でも金利が上昇するとマンション価格の下落要因になりますが、日銀の政策金利引き上げが段階的に実施されており、今後は価格の下落が予想されています。
マンションの購入にあたっては、価格変動の要素を複合的に判断し、購入するタイミングを逃さないことが大切です。
今回の記事では、2030年に向けたマンション市場の展望を解説し、マンションの購入のタイミングについて解説しますので、最後まで読んでいただければと思います。
目次
2026年以降、マンション価格は下落する?
2013年以降、マンション価格の上昇はつづいています。
国土交通省の不動産価格指数(住宅)(令和7年9月分・季節調整値)によると、2010年を100とした不動産指数は、2025年には220となり2倍以上です。

参考:不動産価格指数(令和7年9月・令和7年第3四半期分)(国土交通省)
住宅地、戸建て住宅などのそのほかの不動産と比較しても、マンションの価格は大きく上昇しています。
中でも、首都圏の中古マンションにおいては、季報 MarketWatchサマリーレポート(2025年7~9 月期)によると、成約価格は、5,314 万円で前年比プラス 9.0%でと12 年 10~12 月期から 52 四半期連続上昇中です。
参考:季報MarketWatchサマリーレポート(2025年7~9 月期)(東日本不動産流通機構)
価格が上昇しているのにもかかわらず、成約件数は前年同期比+40.6%で4期連続の増加となっており、価格が上がっても売れている状況であると言えます。
ただし、首都圏でも東京都多摩エリアのマンション価格は前年比-2.2%、神奈川県でも横浜市・川崎市以外は前年比-3.9%、千葉県は-1.1%とエリアによっては値下がりしているエリアもあります。
2026年以降も、マンションにおいては価格上昇が続くと予想されますが、エリアによっては価格が下落する可能性がある点には注意が必要です。
マンションの価格が高騰しつづける理由
前述のとおり、マンションの価格は高騰しつづけています。
高騰の原因は、建築コストの大幅な上昇、新築の供給戸数の減少、低金利による購入層の拡大など様々です。
マンションの価格高騰はひとつの要因だけでなく、複数の構造的な背景が絡み合っています。
ここでは、マンションの価格が高騰しつづける理由について解説します。
建築コストの大幅な上昇
マンション価格高騰の大きな理由の一つが、建築コストの上昇です。
近年は、鉄筋やコンクリートなどの建設資材価格の世界的な高騰に加え、建設業界における人手不足などによる人件費が上昇しています。
建築資材の価格上昇については、一般財団法人建設物価調査会の12月の調査では、2015年を100とした建設資材物価指数(東京)は、建設総合で144と13カ月連続のプラスと上昇がつづいています。
参考:建設資材物価指数 (2025年12月分)(一般財団法人建設物価調査会)
人件費においては、国土交通省の「令和5年3月から適用する公共工事設計労務単価について」によると、公共工事設計労務単価は、平成25年度には1万5,175円でしたが、令和5年3月度には2万2,227円と上昇率は45%以上です。
参考:令和5年3月から適用する公共工事設計労務単価について(国土交通省)
コストが上昇した分については、最終的に分譲価格へ転嫁されるため、新築マンションの価格が高騰しつづける要因となっています。
供給戸数の減少と好立地の用地不足
新築マンションの供給戸数の減少も価格高騰を招く理由のひとつです。
東京カンテイの新築・中古マンションの市場動向レポート(2025年第3四半期)によると、全国のマンションの供給量は、2021年4Qには20,939戸となっていますが、2025年に入って、1Qは17,983戸、2Qは15,289戸、3Qは17,052戸と大きく減少しています。
参考:新築・中古マンションの市場動向レポート(2025年第3四半期)(東京カンテイ)
2025年も3Qで上昇に転じましたが、2万戸を超えるところまでは増えていません。
中古流通戸数についても、第3Qは第2Qと比較して-2.9%とマイナスです。
さらに、都市部では、駅近や利便性の高い好立地エリアにまとまった土地を確保することが年々難しくなっています。
その結果、マンションを新たに建設できる用地自体が限られ、供給量が抑えられる傾向にあります。
マンションの供給が減ることで希少性が高まり、価格が上昇しやすく、特に好立地のマンションにおいてこの傾向が高いです。
住宅ローンの低金利と購買層の拡大
住宅ローン金利が長期にわたって低水準で推移してきたことも、マンション価格を押し上げてきた要因の一つです。
低金利の状況では、毎月の住宅ローン返済額を抑えやすくなり、その分、借入できる金額の上限も高くなります。
さらに、連帯保証や連帯債務、ペアローンなど、夫婦が共同で借りることで債務の上限を増やす選択肢が取れるようになったことも価格を押し上げる要因となっています。
マンションの価格変動にかかわる要素
マンション価格は、市場全体の動きだけではなく、複数の要素が絡み合って決まります。
同じエリアでも、立地や再開発計画、管理状態といった条件の違いによって、価格が変動することを知っておくことが大切です。
ここでは、マンションの価格変動にかかわる4つの要素について解説します。
- 立地条件
- 再開発計画
- 金利動向
- 管理状態
立地条件
立地は、マンション価格に与える影響が大きい要素のひとつです。
最寄り駅からの距離、利用できる路線の多さ、都心へのアクセスの良さなどは、築年数が経過しても評価されやすいポイントと言えます。
東日本不動産流通機構の中古マンションの駅からの交通別成約状況[首都圏]の調査によると、駅からの距離が近いほどマンションの価格は高くなっています。
2024年の結果では、駅10分以内の㎡単価は92.51万円、11分~20分以内で58.12万円、21分以上で36.45万円とその差は明らかです。
参考:表21 中古マンションの駅からの交通別成約状況[首都圏](東日本不動産流通機構)
また、周辺に商業施設や医療機関、学校など生活利便施設がそろっているかどうかも、価格に影響します。
駅からの距離が近く、周辺環境が整った立地条件の良いマンションほど価格が下がりにくい傾向にあります。
再開発計画
周辺エリアで再開発が予定されているかどうかも価格変動にかかわる大きな要素です。
一般的に再開発では、駅前の再整備や大型商業施設の建設、新たな交通インフラの整備などが行われます。
再開発が進むと、利便性やイメージが向上し、マンションの需要が高まるケースが多いです。
日経新聞の記事によると、再開発エリアのマンションは新築時から2倍以上の値上がりをしたケースもあります。
参考:再開発マンション、新築から2倍以上の値上がり物件も(日経新聞)
ただし、既に再開発の話が出ているエリアでは、先行して価格上昇していることもあり、そのエリアの過去のマンション価格を確認し、高値掴みしないように注意することが大切です。
金利動向
金利の動向にも注意が必要です。
一般的に、マンションの価格は、金利が上がると下がり、金利が下がると上がります。
金利が低い時期は、返済の負担減るだけでなく、借り入れできる金額が増えるので、マンションを購入しやすく需要が高まります。
一方で、金利が上昇すると、返済の負担が増えるだけでなく、借り入れできる金額も減るので、購入を控える傾向があるからです。
日本でも、日本銀行が段階的に利上げを進めており、2026年1月現在では政策金利は0.75%ですが、米国の政策金利が3.50%〜3.75%ということを考えると、まだまだ低い水準と言えます。
管理状態
マンションは管理を買えと言われるくらい、管理状態は重要な要素です。
管理状態のチェックポイントには、以下のようなものがあります。
- 共用部がきれいに保たれているか
- 長期修繕計画が適切に立てられているか
- 修繕積立金が計画的に積み立てられているか
- 大規模修繕工事は定期的に実施されているか
- エレベーターや機械式駐車場の更新状況
特に、大規模修繕の実施状況と修繕積立金の積立額には注意が必要です。
大規模修繕が計画どおりに進んでいなかったり、修繕積立金が想定より不足していたりする場合、購入後に追加の修繕積立金を求められる可能性があります。
そういったマンションでは、建物の維持管理が不十分になり、物件の価値が下がりやすいです。
一方で、管理状態の良いマンションは、築年数が経過していても価格が下がりにくく、価格を維持しやすいと言えます。
マンション購入は低金利の今がチャンス?
マンション購入においては、低金利ほど返済の負担は減ります。
マンション価格は高騰していますが、購入後の生活を考えると毎月の返済は少ないほうが安心です。
今後、金利や賃貸住宅の賃料上昇が予想されており、低金利である今がマンション購入のチャンスと言えます。
日銀の政策金利引き上げによる影響
日本銀行(以下、日銀)の政策金利の利上げは、住宅ローンへの影響も大きいです。
日銀は、2024年3月に長年続いたマイナス金利政策を解除し、その後も段階的に政策金利を引き上げています。
2025年12月時点の政策金利は0.75%程度となっており、金融環境は緩やかな引き締め局面に入っています。
住宅ローン金利においても金利は上昇しており、フラット35の借入金利(借入条件:借入期間21年以上35年以下、融資率が9割以下、新機構団信付の場合)は、2024年(令和6年)3月において約3.21%でしたが、2026年(令和8年)1月には約4.74%とおよそ47%の上昇率です。
参考:【フラット35】借入金利の推移(令和5年4月以降)(住宅金融支援機構)
今後も金利が上昇していくことが予想されることから、少しでも金利の安いうちにマンションの購入を検討するのもひとつの考え方と言えます。
賃貸住宅の賃料上昇
不動産市場全体を見ると、賃貸住宅の賃料は緩やかな上昇基調にあります。
住宅ローン金利が上昇する局面では、賃貸から購入へと住まい方を見直す動きが出やすくなるほか、投資ニーズが根強いエリアでは、賃料の上昇が継続している状況です。
たとえば、内閣府の資料では、2016年を100としたヘドニック法による募集家賃指数によると、都区内(23区)の2025年4月期はおよそ120まで上昇しています。

参考:募集家賃ビッグデータを用いた新たな家賃指数の分析(内閣府)
今後も賃料上昇が予想されることを考えると、高い賃料を払い続けるくらいならマイホームの購入を検討するのもひとつの選択肢と言えるでしょう。
2030年に向けたマンション市場の展望
2030年に向けたマンション市場の展望について解説します。
マンションの価格は、金利が上昇する局面では、住宅ローンの借入可能額が減少傾向になるため、下がるのが一般的です。
利便性や立地の良い都市部のマンションであれば価格維持または上昇も考えられますが、地方都市においては下落することが予想されます。
たとえば、首都圏では、東京不動産流通機構の2025年の首都圏市場の成約状況によると、成約価格は、埼玉県は-2.2%、千葉県は-1.6%と下落しています。
一方で、東京都区部の成約価格は前年比13.2%と主要都市においては上昇傾向です。
参考: 首都圏不動産流通市場の動向(暦年・2025年1月~12月)(東京不動産流通機構)
今後のマンション市場では、価格が下がるエリアが出てくる一方で、引き続き価格を保つ、または上昇するエリアもあり、地域による差が広がっていくと見込まれます。
2030年に向けてマンション市場は、これまでのように全体が一様に上昇する相場から、物件の条件や立地エリアによって価格動向に差が出る市場へと移行していくでしょう。
マンション価格の下落を待つべきではない
今回は、2026年以降のマンション価格は下落するのかについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
金利は上昇局面を迎えていますが、2026年1月時点でのマンション価格は都市部を中心に上昇が続いている状況です。
これからマンションの購入を検討する人にとっては、今後の見通しが読みにくいので、買うタイミングが難しいでしょう。
しかし、マンション価格が下落するまで待つというのは良い選択とは言えません。
マンションの価格が下がるということは、金利が高い、借り入れ限度額が抑えられるなど借り入れ条件が悪くなっていることが予想される状況です。
現在の状況であれば、希望に合った物件が購入できたのに、条件が合わずに購入できないというケースも考えられます。
そのため、マンション価格の下落を待つのではなく、購入したいタイミングで無理のない範囲で購入することが良い選択と言えるでしょう。
マンションの購入は一生で最も大きな買い物です。
価格や金利の動向に振り回されるのではなく、ご自身のライフプランに合わせて資金計画を立て、納得できるマンション選びをすることが成功への近道となります。
理想の将来を描きながら、自分にとって最適なタイミングでの購入を検討しましょう。
<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。









