マンションはいつが買い時?価格変動に関わる要素と市場の動向を解説
「中古マンションは今買い時なの?」「新築よりも中古のほうがメリットは多いの?」など、新築マンションの価格高騰が続く中で、中古マンションの購入を選択肢に入れる人も多いでしょう。
新築マンションの価格は、年々上昇しており、不動産経済研究所の2025年11月の調査では、首都圏の新築マンションの平均価格は9,181万円です。
首都圏や都市部では新築マンションの購入が難しく、中古マンションの人気が高まっています。
参考:首都圏新築分譲マンション市場動向2025年11月(不動産経済研究所)
特に、築30年の中古マンションは価格と立地のバランスの良さから需要が増えている状況です。
一方で、中古マンション市場の現在の状況や住宅ローン金利の上昇など、実際の購入にあたっては不安要素もあります。
中古マンションの価格変動の要因やメリットと注意点を理解し、買い時はいつかを見極める力をつけることが大切です。
この記事では、中古マンションの買い時を逃さないためのポイントについて、市場の現況や今後の動向を踏まえて解説しますので、最後まで読んでいただければと思います。
目次
【最新】マンションの買い時はいつ?
中古マンションの買い時はいつがよいかを判断することは簡単ではありません。
購入を成功させるためには、中古マンションの市況や住宅ローン金利の動向などを参考に検討することが大切です。
ここでは、中古マンション市場の現況と住宅ローン金利の動向について解説します。
中古マンション市場の現況
中古マンションの成約数は年々上昇しており、価格も前年を上回る傾向にあります。
たとえば、東日本不動産流通機構の調査によると、首都圏の中古マンションの成約数は、2023年が35,987件であったのに対して2024年は37,222件と3.4%増加しています。
価格についても2023年が平均成約価格4,575万円に対して2024年は4,890万円と6.8%の上昇です。
参考:首都圏不動産流通市場の動向(2024年)(東日本不動産流通機構)
また、近畿圏においても、中古マンションの成約数、価格は上昇傾向にありますが、和歌山県など地域によっては価格が下落している地域もあります。
購入するのであれば、下落傾向にあるエリアよりも資産価値の維持ができる上昇傾向にあるエリアのほうがよいと思いますが、価格が下落してから購入したいという場合は、現在は上昇基調にあるのでもう少し様子を見たほうがよいでしょう。
住宅ローン金利は上がる?
2026年1月現在の住宅ローン金利は上昇トレンドです。
日本銀行が設定している政策金利は、長年マイナス金利が続いていましたが、2024年3月のマイナス金利解除を実施した後は、2024年7月に0.25%、2025年1月に0.5%、12月に0.75%と段階的に引き上げを行っています。
今後も日本銀行は景気を刺激も抑制もしない中立金利について1~2.5%程度と推計しており、長期的に金利は上昇トレンドが予想されます。
住宅ローンにおいては、政策金利が引き上げられると特に変動金利に与える影響が大きいです。
固定金利が10年国債などの長期金利を基準にしているのに対して、変動金利は金融機関が優良企業に貸し出す際(1年未満)の短期プライムレートを参考にします。
政策金利が引き上げられると短期プライムレートも上がるので、必然的に変動金利も上昇しますが、今回の利上げを受けて、メガバンクは3行とも、短期プライムレートを0.25%引き上げて、2.125%にすると発表しています。
参考:住宅ローン金利上昇へ 三菱UFJとみずほ、短プラ2.125%に引き上げ
ただし、多くの金融機関では金利の見直しは年2回(4月・10月)、返済額の変更は5年ルール、125%ルールが適用されており、金利の上昇は段階的に行われるのが一般的です。
また、固定金利においても、2025年12月に長期金利が一時2.1%を超えるなど上昇が続いています。
参考:長期金利が一時2.1%に上昇、約27年ぶり 円安、財務官が牽制(朝日新聞)
住宅ローンを組む際には、今後の金利がどこまで上昇するかを想定し、変動金利または固定金利のどちらを選ぶかを検討する必要があるでしょう。
築30年の中古マンションが需要を伸ばしている
近年、築30年の中古マンションの需要が高まっています。
東日本不動産流通機構の2024年度の年報マーケットウォッチによると、築31年以上の中古マンションの成約件数は、2023年においては全体の31.9%、2024年は全体の32.5%と年々増加傾向です。
また、新規登録件数においては、2024年は50.9%を占めており、築30年以上の物件が多く流通していることがわかります。
参考:年報マーケットウォッチ2024年(東日本不動産流通機構)
築30年以上の中古マンションの人気が高まっている背景には、新築マンションの価格高騰や住宅ローンの金利上昇があり、手ごろな価格で購入できる築30年以上の中古マンションへの関心の高まりがあります。
築30年以上の物件については、価格面だけでなく、立地の良さや資産価値の低下が緩やかであるなどメリットは多いです。
一方で、建物の管理状況によっては資産価値が毀損するリスクがあるので、購入時には管理状態や修繕履歴をチェックすることが重要になります。
中古マンションの価格変動に関わる要素
中古マンションの価格は、築年数だけでなく、立地や管理状況などの複数の要素によって決まります。
価格変動に関わる主な要素は以下のとおりです。
- 立地条件
- 築年数、建物構造
- 管理状態、修繕状況
- 間取り、専有面積
- 市場環境、金利動向
立地条件については、最寄り駅からの距離、都心・主要駅へのアクセス、周辺の商業施設や学校、病院の充実度は価格に大きく影響を与えます。
特に、最寄駅からの距離は重要なポイントとなっており、駅徒歩10分以内の物件は、築年数が古くても価格が下がりにくい傾向にあります。
築年数については、築年数が経つほど価格が下がるのが一般的です。
国土交通省の中古住宅流通、リフォーム市場の現状によると、中古マンションの価格は、築10年で70~80%程度ですが、築25年を超えるとおよそ半分になっています。
一方で、都市部や人気エリアについては、築年数が経っても現状維持または価格上昇しているケースもあります。
建物構造については、中古マンションは鉄筋コンクリート造(RC造)または鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)が一般的です。
しかし、なかには鉄骨造のマンションもあり、鉄骨造はRC造やSRC造に比べて、建築コストなどの面から価格が低くなる傾向にあります。
管理状態、修繕状況については、管理組合の運営状況、修繕積立金の積立額、大規模修繕の実施状況といった点が判断のポイントです。
不動産会社に依頼すると取得できる、マンションの重要調査報告書や総会の議事録で確認しましょう。
間取りについては、東日本不動産流通機構の2024年度の年報マーケットウォッチによると、ファミリー向けの3LDKの需要が高く、全体の48%を占めています。
専有面積は、ファミリーに人気の60㎡~70㎡の需要が高いです。
参考:年報マーケットウォッチ2024年(東日本不動産流通機構)
人気の間取りや㎡数の物件を所有しておくと資産価値の維持がしやすくなります。
中古マンションの市場環境は、金利の上昇や経済環境の影響を受けます。
特に、金利上昇局面では、金利の上昇によって借入金額の上限が抑えられるため、中古マンションの価格は下落傾向になるのが一般的です。
中古マンションの価格変動の予測は難しいですが、上記で紹介した要素を考慮しながら物件の資産価値を評価することが重要なポイントと言えます。
中古マンションを購入するメリット
中古マンションは、新築に比べて価格を抑えやすく、立地や将来を見据えた住まい選びができるなどメリットが多いです。
また、実際に住環境を確認したうえで判断できるので、購入後のトラブルが少ないのも魅力と言えます。
ここでは、中古マンションを購入するメリットについて解説します。
価格を抑えつつ立地の選択肢が広がる
新築マンションの場合、価格や立地を選ぶことができないケースが多いです。
一方で、中古マンションは、新築と比べると価格が安く、立地や住環境を確認したうえで検討できるので選択肢が広がります。
同じ予算でも、駅近や都心部などの利便性の高い物件や新築の供給が少ないエリアの物件を選択することができます。
たとえば、2025年11月における首都圏の新築マンション価格の平均は上記のとおり9,181万円ですが、中古マンションの平均価格は5,204万円と約4,000万円の差です。
住宅ローンの借入額を抑えることで、購入後の家計への負担の軽減が期待できる点も大きなメリットと言えます。
実際の住環境を確認してから判断できる
新築の場合は、建築されてみないと建物や周辺の状況はわかりません。
一方で、中古マンションの場合は、内覧ができるので、建物の外観や共用部分、管理状況だけでなく、騒音や日当たり・風通しなどの住環境の確認が可能です。
居住者の雰囲気やスーパー、コンビニ、病院、学校、公園など、日常生活に必要な施設の有無なども把握しやすく、購入前に住環境を確認できるので購入後の後悔を減らすことができます。
将来を見据えた住まい選びがしやすい
マイホームにおいては、将来の売却や住み替えを見据えたうえで住まいを選んでおくことが大切です。
売却時に価格が下がるような物件を選んでしまうと、手出しが必要になる、最悪売却できないといったリスクが考えられます。
その点、中古マンションの場合は、管理組合の状況が把握しやすいので、立地や管理状況の良いマンションを購入することで資産価値を維持しやすく、柔軟なライフプランへの対応ができます。
購入の時点で売却のイメージがもてるので、長期的に安心して住み続けられる点も大きなメリットです。
中古マンションを購入する際の注意点
中古マンションを購入する際には、物件選定だけでなく、資金面やライフスタイルの変化など他にも注意すべき点があります。
購入にあたっては、価格だけに目を向けるのではなく、将来的な家族構成の変化や売却を想定することが大切です。
ここでは、中古マンションを購入する際の注意点について解説します。
物件価格だけでなく総費用で考える
中古マンションの購入を検討する際には、物件価格だけでなく、購入時、購入後にかかる諸費用を含め総費用で考えることが重要です。
購入時、購入後にかかる諸費用には以下のようなものがあります。
・印紙税
・登記費用
・住宅ローンの事務手数料、保証料
中古マンションを購入する際の諸費用は、一般的に物件価格の6%~10%が目安です。
たとえば、4,000万円の物件を購入した場合は、240万円~400万円の諸費用が必要になります。
また、購入後のランニングコストとして、管理費、修繕積立金や固定資産税、駐車場代、駐輪場代などもかかります。
諸費用は現金で準備する必要があるので、予算から諸費用を想定し、事前に準備しておくことが大事です。
建物の管理状態・修繕計画を確認する
中古マンションの資産維持を考えるうえで重要なのは、建物の管理状態です。
共用部の清潔さや設備の整備状況、管理組合が適切に機能しているかに加えて、大規模修繕の実施状況は重要なチェックポイントと言えます。
特に、大規模修繕工事は、国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインでも12年程度が目安とされており、適切に実施されているかを確認する必要があります。
長期修繕計画については、国土交通省が令和5年度に実施したマンション総合調査では約88.4%が作成しており、不動産会社に依頼すれば確認が可能です。
長期修繕計画を確認する際には、大規模修繕工事や修繕積立金の積立額が予定どおりに進捗しているかを確認しましょう。
ライフスタイルの変化を想定しておく
マンションの購入時の暮らしやすさだけでなく、将来のライフスタイルの変化を想定しておくことが大切です。
家族構成の変化や転勤、転職の可能性がある場合は、将来的に住み替えを想定しておく必要があります。
その時には、売却・賃貸を検討する必要がありますが、売却・賃貸のそれぞれの需要が高い物件やエリアを選んでおくと安心です。
長期間住むことを前提としつつ、資産価値の下がりにくい物件を選びましょう。
2030年に向けたマンション市場の動向
ここでは、中古マンション市場が2030年に向けてどういった動向が予想されるかについて解説します。
中古マンションは、金利上昇の局面では、入可能額が抑制されるため、物件価格は下がるのが一般的です。
特に、利便性や立地の良さといった特徴がない地方都市の物件においては下落が予想されます。
たとえば、近畿エリアでは、近畿圏不動産流通機構の2025年7~9月期の近畿圏市場によると、神戸市は-3.3%、和歌山県は-3.1%と下落しています。
一方で、大阪市内の成約㎡単価は前年比10.1%、京都市内は8.6%と主要都市においては上昇傾向です。
参考:2025年7~9月期の近畿圏市場(近畿圏不動産流通機構)
今後は、中古マンションの価格が下落するエリアが増えつつある一方で、価格が維持、上昇するエリアもあるといった二極化が進むことが予想されます。
2030年に向けて、マンション市場は、全体的に右肩上がりという相場から物件、エリアによって価格の上下が分かれる相場に変化していくでしょう。
まとめ
今回は、中古マンションの買い時について、市場の動向や購入する際の注意点などについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
新築マンションの価格が高騰する現在においては、中古マンションは価格も手ごろで立地も選べるなど多くのメリットがあります。
中古マンションの買い時を見極めるには、中古マンション市場の動向を把握することが大切です。
物件の価格は、立地や築年数、間取りや建物の管理状況など、複数の要素で決定します。
物件の価格に加えて、購入時の景気や金利などの社会情勢や自身の経済事情を考慮して購入を検討しましょう。
購入の際には、物件価格だけでなく、購入時や購入後にかかる費用を考慮し、建物の管理状態や修繕計画の確認をすることが重要です。
将来のライフプランを想定し、家族構成の変化や転勤、転職などの住み替えを意識し、資産価値の下がりにくい物件を購入しておくと安心して生活ができます。
これから中古マンションの購入を検討している人は、今回の記事を参考に、買い時を見極めて、理想のマイホームを手に入れていただければと思います。
<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。










