築30年のマンションを検討している人必見!後悔する7つの事例を解説
「築30年のマンションはあと何年住めるの?」「築30年以上のマンションを選ぶ際のポイントを知りたい」など、マンションが高騰していることもあり築古物件が気になっている方もいらっしゃるでしょう。
築30年であっても、管理状態が良ければ安心して住めるマンションは多く存在します。
築30年以上のマンションは、新築や築浅物件と比較して価格が安く、駅近や利便性の高い立地の物件の多さや資産性の高さを事前に確認できるなどメリットも多いです。
一方で、大規模修繕のタイミングや設備の老朽化、住民の高齢化など、築古物件ならではのポイントを理解していないと、購入後に思っていたのと違うと後悔するケースもあります。
築30年のマンションを選ぶ際には、長期修繕計画を確認し、管理組合の運営状況の把握することが大切です。
今回の記事では、築30年のマンションを買って後悔した事例やメリットや選ぶ際のポイントについて解説しますので、築30年以上のマンションの購入を検討している人は、最後まで読んでいただければと思います。
目次
築30年のマンションはあと何年住める?
中古マンションを探すと築30年前後の物件が多く、新築や築浅マンションの価格が高騰していることもあり、価格の手頃さや立地の良さから築30年のマンションを検討する人が増えています。
実際に、首都圏を中心に築31年以上の中古マンションの成約件数は年々増加傾向にあり、2024年には成約件数の32.4%を占めています。
参考:中古マンション成約物件、築20 年超の比率は全体の過半の53%(公益社団法人東京都宅地建物取引業協会)
一方で、築30年以上のマンションはあと何年住めるのかが不安な点です。
大規模なマンションは、ほとんどが鉄筋コンクリート造で建築されています。
建物の寿命と言われると法定耐用年数を用いるケースもありますが、これはあくまで税務上の基準であり、実際の寿命を示すものではありません。
鉄筋コンクリート造の法定耐用年数47年ですが、大規模修繕や設備更新がきちんと行われていれば築50年、管理状況次第では60~70年以上でも居住は可能です。
国土交通省の資料によると、RC系住宅は平均寿命68年ですが、100年以上経っても使用できるといった調査結果もあります。
参照:国土交通省「期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について」
マンションの平均寿命68年とすると、築30年のマンションでも、38年以上住むことができます。
築30年のマンションで後悔する7つの事例
築30年のマンションは手ごろな価格で魅力的ですが、デメリットを確認していなかったことで購入後に後悔するケースがあります。
建物の老朽化や住民構成、将来の出費など、見えにくいリスクが潜んでいることを理解しておくことが大切です。
ここでは、築30年のマンションで後悔する7つの事例について解説します。
購入後すぐに大規模修繕が始まる場合がある
マンションの大規模修繕は12年から15年周期で実施するのが一般的です。
国土交通省の調査では、約7割のマンションが12年~15年の間に大規模修繕工事を実施しています。
参考:令和3年度マンション大規模修繕工事 に関する実態調査(国土交通省)
そのため、築30年前後は、多くのマンションで2回目の大規模修繕が予定される時期と重なります。
購入してすぐに足場が組まれ、工事の騒音や臭い、バルコニーの使用制限など、生活への影響も想定しておくべきです。
また、修繕積立金が不足している場合、追加徴収や値上げが行われることもあり、予想外の出費が生じる可能性も高まります。
大規模修繕の実施状況や修繕積立額については、重要事項調査報告書や長期修繕計画、直近の総会議事録で確認できるので、購入前に不動産会社に確認しましょう。
騒音トラブルに悩まされる
マンションの悩みで多いのが騒音トラブルです。
築古マンションの中には、床や壁の遮音構造が現在の基準ほど高くない物件も多く、隣室や上階から生活音が響きやすい傾向があります。
椅子の引き音や物の落下音などの軽い音は、軽量床衝撃音(LL)に分類されますが、最近では、遮音性能の高いLL45以上のフローリングを使用することを義務付けているマンションが増えています。
※LL45…軽量床衝撃音(LL: Level Light)」対する遮音性能の等級で45等級のことです。等級は数値が小さいほど遮音性能が高く、LL45は一般的な分譲マンションなどで採用されている標準的な性能水準となります。
管理会社に騒音相談が多いマンションは、トラブルリスクが高い可能性もあるため、内見時に共用廊下の掲示板をチェックするのも有効な手段です。
耐震性能が十分でないケースがある
1981年(昭和56年)5月31日以前に建築されたマンションは、一般的に旧耐震基準です。
そのため、築30年以上の物件は、築年数によって旧耐震基準と新耐震基準に分かれます。
新耐震基準は、震度6強〜7程度の大地震でも倒壊・崩壊しないことを目指した耐震性能です。
一方で、旧耐震基準の場合、震度5程度の地震で倒壊しない耐震性能のため、大地震の際に倒壊リスクが高まる可能性があります。
旧耐震基準のマンションでも、耐震診断を行ったうえで耐震補強工事を実施し、新耐震基準を満たしているケースも増えています。
購入時には、耐震診断報告書の有無、耐震補強工事の実施履歴などを確認しておくと安心です。
住民が高齢化しており生活スタイルが合わない
築30年のマンションでは、長く住んでいる住民が多く、結果として高齢化が進んでいる傾向にあります。
国土交通省によると、築10年以上20年未満のマンションでは世帯主が70歳以上の住戸の割合は、築30年以上40年未満では35%、築40年以上では55%となっています。
参考:マンションの「高齢化」とは 老朽化とシニア住民増加(日経新聞)
住民の多くが60~70代というマンションもあり、そのような環境では日々の生活リズムや価値観にズレを感じやすいものです。
さらに、管理組合の役員の固定化や独自のルールが設定されているマンションもあり、購入後に不満に思うケースもあります。
また、人口の高齢化に伴い、将来的な管理の担い手不足が懸念されるケースも増えています。
内覧時にマンションの住民の雰囲気や掲示板で管理組合の動向などを確認することが大切です。
管理費や修繕積立金が値上がりする可能性がある
マンションでは、築年数が進むにつれて修繕箇所が増加するため、長期修繕計画において管理費や修繕積立金の段階的な値上げを組み込んでいるのが一般的です。
築年数が浅いマンションでは、購入時は管理費・修繕積立金が安いからお得と思っていても、数年ごとに段階的に引き上げられ、結果的に毎月の支払いが大きくなります。
また、建物設備の老朽化により、エレベーター交換や配管更新など高額な工事が必要になると、一時金徴収が行われる可能性もあります。
そのため、購入前に建物の工事履歴や管理費・修繕積立金の過去の値上げ履歴も確認しておくことが重要です。
共用部分の経年劣化が発生している
マンションの共用部分の経年劣化は、エントランスや廊下などの見た目だけでなく、配管・電気設備・エレベーターなど目に見えにくい部分も年々進みます。
特に給水管や排水管は築30年前後で不具合が発生しやすく、水漏れ事故の原因のひとつです。
また、築年数が古いマンションでは、オートロックや防犯カメラがないなど、セキュリティに不安を感じるものもあります。
内覧時に、室内だけでなく、共用部の清掃状態や照明の明るさ、エレベーターの更新状況などもチェックするなど、マンションの管理状況も確認しましょう。
想定したよりもリフォーム費用がかかる
築30年の室内は、壁紙や床だけでなく、給湯器、キッチン、浴室などの設備が耐用年数を迎えており、フルリフォームが必要になるケースが多いです。
配管や下地材が劣化している場合、工事中に追加費用が発生しやすく、見積もりより数十万円〜100万円以上増えることもあります。
特に、キッチン、浴槽など水回りを交換する工事が伴う場合は、費用が高くなる傾向にあるので注意が必要です。
購入前に、リフォーム業者に見積もりしてもらい、想定外の費用がかからないように準備しましょう。
築30年のマンションに住む5つのメリット
築30年というと古いと感じますが、築古マンションならではのメリットが多くあります。
価格の手頃さだけでなく、立地、管理体制、修繕履歴など、築年数が経っているからこそ以前に確認できるのも魅力です。
ここでは、築30年のマンションに住むことで得られる5つのメリットを解説します。
- 新築や築浅と比較して物件価格が安い
- 管理体制が整っており安心感がある
- 駅近や利便性の高い立地が多い
- 過去の修繕履歴が把握しやすい
- 資産価値の高さを事前に確認できる
新築や築浅と比較して物件価格が安い
築30年のマンションは、同じエリアの新築・築浅物件に比べて物件価格が安いのが魅力です。
東日本不動産流通機構の調査によると、2023年の築年数ごとの成約価格は、0~5年が7,077万円に対して、築31年~35年は2,303万円となっています。
参考:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2023年)(REINS TOWER)
新築物件は広告費や建設費の上昇などが価格に反映されているため割高になりやすいですが、築年数が経過している物件は市場価格が落ち着いており、手の届きやすい価格帯と言えます。
そのため、同じ予算でも広い間取りや好立地の物件を選べる可能性が高く、住宅購入の選択肢が一気に広がるのも大きなメリットです。
管理体制が整っており安心感がある
築30年のマンションは、管理組合の運営期間が長く、管理体制がしっかり整っているケースが多いです。
住民同士のルールが整備され、日々の清掃や修繕も安定して行われているため、共用部が綺麗に保たれている傾向にあります。
修繕積立金の運用実績が長く、潤沢に積立金が貯まっているので、一般的には、大規模修繕も計画通りに実施されています。
そのため、修繕積立金が不足している、大規模修繕が実施されていないといった、管理体制が整っていないマンションには注意が必要です。
購入前に、マンションの管理体制について、現地確認や重要事項調査報告書、不動産会社への確認を行いましょう。
駅近や利便性の高い立地が多い
築30年のマンションが建てられた1990年代前後は、都市開発が活発に行われた時期であり、駅徒歩圏や生活利便性の高いエリアに建てられた物件が数多くあります。
そのため、現在では新築がなかなか建たないような好立地にあり、毎日の生活が便利なだけでなく、将来的な売却がしやすいなど資産性の高さがメリットです。
徒歩圏に商業施設や病院、公共施設が揃っているなど、生活利便性の高さがそのまま資産性にもつながっている点も大きな魅力と言えます。
過去の修繕履歴が把握しやすい
築30年ともなると、大規模修繕工事を複数回経験している物件が多いため、過去の修繕履歴や実際の工事内容を確認しやすいのがメリットです。
修繕内容が明確に分かるため、今後はどういった修繕が必要で、どの程度の費用がかかるかを判断しやすくなります。
新築や築浅では今後の修繕が未知数ですが、築30年物件なら実績が積み重なっているため、将来の維持費を見通しながら安心して購入検討ができると言えます。
資産価値の高さを事前に確認できる
築30年のマンションは、長い期間の取引実績があるため、過去の価格推移や市場評価を調べることで、資産価値の相場を事前に確認できるのがメリットです。
新築や築浅の場合は、エリアによっては購入後に大きく値下がりするリスクがあります。
しかし、築古マンションの場合、築年数が進んでも、立地がよく値崩れしにくいエリアや建物であれば、将来的な売却時にも一定の価格で売れる可能性が高いので安心して購入できます。
築30年以上のマンションを選ぶ際のポイント
築30年以上のマンションは、価格の割に立地や管理体制が優れているケースも多く、選ぶ際のポイントを押さえておくことが大切です。
特に、建物の経年劣化や設備の老朽化が進む時期でもあるため、購入前のチェックがより重要になります。
ここでは、築30年以上のマンションを選ぶ際のポイントについて解説します。
長期修繕計画を必ず確認する
築30年を超えるマンションでは、屋上防水や外壁補修、大規模修繕などの費用が大きくなるため、長期修繕計画が適切に作成・更新されているかは大切なポイントです。
長期修繕計画が作成されているかを確認し、作成されている場合は以下の点をチェックしましょう。
- 計画が最新のものか(5年以内に見直しされているか)
- 修繕内容が過不足なく記載されているか
- 修繕積立金が計画に対して十分か
- 近い将来に値上げ予定や一時金徴収の可能性があるか
特に、大規模修繕の実施状況と修繕積立金の積立額の過不足の重要なチェックポイントと言えます。
大規模修繕の実施が遅れている、修繕積立額が予定よりも少ない場合は、購入後に追加で修繕積立金を徴収される可能性があるので注意が必要です。
管理組合の運営状況を把握する
マンションの資産価値は、管理組合がどれだけ機能しているかで大きく変わるので、運営状況を把握することが大切です。
管理組合については、積極的なマンションもあれば、ほとんど活動していないマンションもあります。
管理組合の運営状況については、以下の点を確認するとよいでしょう。
- 総会や理事会が定期的に開催されているか
- 管理費や修繕積立金の滞納率が高くないか
- 管理会社との連携が適切に行われているか
- 住民の参加意識があるか(議事録で判断可能)
特に、総会や理事会の実施状況や管理会社との連携ができているかは重要なポイントです。
総会の実施状況や管理会社との連携については、総会議事録やマンションの掲示板の使用状況などで確認できます。
管理組合がしっかり運営されていれば、建物の維持管理や修繕決定もスムーズで、長期的な安心につながります。
給排水管や設備の更新状況を確認する
築30年以上のマンションで最も注意すべきポイントは、給排水管や電気設備などのインフラ部分の老朽化です。
給水管や設備が更新されていないと購入後に更新の実施が決まって、余計な資金が必要になることもあります。
給排水管や設備の更新状況についての以下の点をチェックしましょう。
- 給水管・排水管は更新履歴(通管作業の実施状況)
- 共用部の電気設備・機械設備(ポンプ・受水槽など)の更新履歴
- エレベーターの更新履歴
- 機械式駐車場の更新履歴
給水管・排水管の更新については、大規模修繕工事で実施されるマンションが多いです。
エレベーターや機械式駐車場は、特に高額な費用が必要になるので、更新が先延ばしにされているケースもあります。
更新されていない場合は、今後の更新計画を購入前に確認しておくと安心です。
築30年のマンションを検討する人のよくある質問
築30年を超えるマンションは、築年数の古さ、耐震性能など、購入前に不安を抱きやすい物件と言えます。
しかし、築古マンションは管理が良好であれば安心して住み続けられるケースも多く、適切に見極めればコストパフォーマンスに優れた選択です。
ここでは、築30年物件を検討する人によくある質問について解説します。
築30年のマンションは購入しても大丈夫?
結論から言うと、築30年のマンションは購入しても問題ありません。
ただし、建物の管理や管理組合の運営状況については注意が必要です。
建物の管理状況については、築30年は大規模修繕を2回程度経験している時期ですが、マンションによって大規模修繕の実施状況は異なります。
適切な大規模修繕が実施されていれば、マンションは60年~70年は居住が可能です。
マンションの購入にあたっては、長期修繕計画が整備され、定期的に見直されているか、大規模修繕が実施されているかをチェックしましょう。
管理組合の運営状況については、総会議事録や掲示板の利用状況を見ることで確認できます。
耐震性を判断する基準は何がある?
耐震性は、築古マンションを検討する際の不安なポイントのひとつです。
耐震基準には、新耐震基準と旧耐震基準があります。
新耐震基準は、1981年6月以降に建築された建物に採用されている基準で、震度6強〜7程度の大地震でも倒壊・崩壊しないことを目標とした耐震性能です。
一方で、旧耐震基準の場合、1981年5月31日以前に建築された建物に採用された基準で、震度5程度の地震で倒壊しない耐震性能となっています。
築30年以上のマンションでも、新耐震基準が採用されているマンションも多く、旧耐震基準のマンションでも耐震工事を実施して新耐震基準を満たしている建物もあります。
耐震性能が気になる人は、新耐震基準またはそれに準ずる性能のマンションを選びましょう。
修繕積立金が将来高くなるって本当?
日本の分譲マンションでは、修繕積立金について、一般的に段階増額方式が採用されているため、段階的に修繕積立金が上がる傾向にあります。
段階増額方式とは、築浅のうちは比較的少ない修繕費で済むため積立金を低く設定し、築年数の経過とともに修繕・更新に必要な費用が増えていくタイミングで徐々に積立金を引き上げていく方式です。
子育てなどの生活に資金がかかる時期にランニングコストが抑えられるといったメリットがあります。
修繕積立金の値上げは、長期修繕計画の大規模修繕の実施予定にあわせて予定が決められています。
将来の修繕積立金の値上げが心配な場合は、長期修繕計画で修繕積立金の値上げの状況を参考にして購入を検討しましょう。
まとめ
今回は、築30年以上のマンションについて、住むメリットや選ぶ際のポイントについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
築30年のマンションは、価格が手頃で立地条件の良い物件が多く、管理実績や修繕履歴が確認しやすい点が大きな魅力です。
一方で、建物の老朽化や住民構成、将来の修繕費など、購入前に慎重な確認が必要なポイントもあります。
特に、長期修繕計画や管理組合の運営状況、給排水管や設備の更新履歴は、これから長く住むうえでの安心材料となるため、必ず事前にチェックすることが大切です。
また、耐震性については新耐震基準を満たしているか、耐震診断を受けているかを確認することで、安全性の判断がしやすくなります。
重要なのは築年数ではなく、建物の管理状況と管理組合の運営状況です。
管理状態が良く、将来の修繕計画が明確なマンションであれば、安心して購入することができます。
これから築30年以上のマンションを購入対象に含めて検討している人は、今回の記事を参考に、マンションを選んでいただければ、満足度の高い住まい選びができるでしょう。
<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。










