年収400万で家を買うことはできる?購入できる物件価格と家を探すコツ
「年収400万円で無理なく家を買えるか?」「毎月の返済額や将来の生活費を考えたとき、どのくらいの物件価格が現実的なのか」と不安に感じる人も多いでしょう。
住宅購入は人生の中でも最も大きな支出のひとつです。
特に、住宅ローンは数十年にわたって返済が続くため、家計への影響を慎重に見極める必要があります。
年収400万円の場合だと、家計に占める返済の割合が大きいので、返済に対する不安も大きいと思います。
そのため、年収400万円で家を買うためには、返済額の目安を守り、無理のないローン計画を立てることが大切です。
物件価格だけでなく、購入時にかかる諸費用や購入後の維持費、固定資産税なども含めて総合的に考えましょう。
また、将来の転職や収入の変化、家族構成の変化といったライフイベントも念頭において資金計画を立てておくと安心です。
今回は、年収400万円で購入できる物件価格の目安から、住宅ローンを利用する際のポイント、理想の家を探すコツ、事前に知っておくべき注意点について解説しますので、最後まで読んでいただければと思います。
目次
年収400万円で購入できる物件価格は?
年収400万円の場合、どのくらいの物件価格なら無理なく購入できるのかといった目安を知りたいという人も多いと思います。
住宅ローンは、長期にわたって返済が必要となるので、借入金額の上限だけでなく、毎月の返済額から家計に無理のない水準に抑えることが大切です。
ここでは、年収400万円の場合の毎月の返済の目安と物件価格以外の諸費用について解説します。
毎月8.3万円までが返済の目安
住宅ローンを借り入れする場合、毎月のローン返済を無理のない範囲で抑えるためには、返済負担率を20%~25%に収めるのが一般的です。
返済負担率は、年収に対して住宅ローンの年間返済額がどれくらいの割合を占めているかを示す指標で、以下の式で計算することができます。
年収400万円の場合は、返済負担率を25%で計算すると、年間の返済額は100万円となるので、月々は約8.3万円です。
年収400万円を12ヶ月で割ると月収33万円となるので、約8.3万円であれば無理のない水準と言えます。
住宅金融支援機構の2025年4月度の住宅ローン利用者調査では、返済負担率の区分では15%超~20%以内が24.3%と最も多く、20~25%は18%と続き、25%以内が全体の77.5%を占めています。
参考:住宅ローン利用者調査(2025年4月)住宅金融支援機構
たとえば、金利1.0%で35年ローンを組むとすると、毎月の返済額が8.3万円の場合、組める住宅ローンの金額は約2,950万円です。
物件価格以外の諸費用も必要
家を買うには、物件価格以外にも諸経費が必要です。
物件価格以外にかかる諸経費には以下のようなものがあります。
・印紙税
・住宅ローンの事務手数料、保証料
・火災保険料
諸費用は現金で準備する必要があり、物件価格の6%~10%が目安です。
たとえば、物件価格が3,000万円の場合は、180万円~300万円が必要になります。
上記の諸費用は必須ですが、他にも、購入後にリフォームをする場合は別途工事代金がかかります。
家を買う際の資金計画は、物件価格だけでなく、諸経費も含めた総額で検討することが重要です。
年収400万円で住宅ローンを利用する際のポイント
年収400万円で住宅を購入する場合、金融機関の審査可否だけでなく、家計への負担を考慮して住宅ローンを利用することが大切です。
住宅ローンの返済額だけでなく、固定資産税や修繕積立金などのその他に必要な費用も確認しておく必要があります。
ここでは、年収400万円で住宅ローンを利用する際のポイントについて解説します。
手取りの25%以下で住宅ローンを組む
住宅ローンの毎月の返済負担率は、手取り月収の25%以下に抑えておくと安心です。
年収400万円の場合、年間の手取りは310万円~315万円なので、月の手取りは25.8万円~26.3万円となります。
たとえば、返済負担率を額面年収400万円の25%とすると、毎月の返済額は約8.3万円なので、手残りは17.5万円~18.0万円です。
一方で、手取り年収315万円の返済負担率25%で住宅ローンを組んだ場合、毎月の返済額が約6.5万円となるので、実際に使える生活費は19.3万円~19.8万円となるので、生活にも余裕が持てます。
毎月の返済額を約6.5万円とした場合、金利1%、返済期間35年で住宅ローンを組むとすると2,300万円程度の借り入れができます。
また、年収500万円、600万円の場合は以下のとおりです。
| 額面年収 | 手取り年収 | 返済負担率25% (手取り年収の場合) | 毎月の返済額 | 借り入れ可能額 (金利1%、返済期間35年) |
|---|---|---|---|---|
| 400万円 | 約315万円 | 約78.8万円 | 約6.5万円 | 約2,300万円 |
| 500万円 | 約400万円 | 約100万円 | 約8.3万円 | 約2,950万円 |
| 600万円 | 約500万円 | 約125万円 | 約10.4万円 | 約3,680万円 |
年収の増加とともに毎月の返済額の上限が増えるので、住宅ローンの借入総額を増やすことができます。
金融機関から提示された住宅ローンの金額をそのまま受け入れるのではなく、病気や事故などの急な出費や金利上昇を考慮し、無理のない返済額を設定することが大切です。
完済年齢をもとに返済期間を決める
住宅ローンの返済は長い期間がかかるので、完済年齢がいつになるかは重要なポイントです。
国土交通省の令和5年度住宅市場動向調査報告書によると
たとえば、老後を安心して過ごしたい人は、60歳の定年までに返済を終えておいたほうがいいですし、定年後も働くことを考えている人であれば、70歳くらいまでに完済すればよいでしょう。
60歳で完済したい場合は、35年ローンで組もうとすると25歳には家を買う必要がありますが、住宅金融支援機構のフラット35利用者調査によると、2024年度の住宅ローン利用者の平均年齢は44.5歳です。
参考:フラット35利用者(2024年度)(住宅金融支援機構)
国土交通省の令和5年度住宅市場動向調査報告書によると、各住宅別の平均返済期間は以下のようになっています。
| 住宅の種類 | 返済期間 |
|---|---|
| 注文住宅(新築) | 32.7年 |
| 注文住宅(土地) | 34.4年 |
| 分譲戸建住宅 | 29.7年 |
| 分譲集合住宅 | 28.0年 |
| 既存戸建住宅 | 26.2年 |
| 既存集合住宅 | 29.0年 |
住宅ローン利用年齢を44.5歳とすると完済年齢は70.7歳~78.9歳です。
完済年齢を60歳~70歳に設定する場合は、期間を短縮するか、退職金などを活用して繰り上げ返済する必要があります。
自身の収入の増減やライフイベントを考慮し、返済計画を立てることが大切です。
固定資産税や修繕積立金を確認する
住宅ローンだけでなく、購入後に継続的に発生する費用についても確認が必要です。
購入後に継続的に発生する費用としては、以下のようなものがあります。
・固定資産税
・駐車場代、駐輪場代
戸建ての場合は、固定資産税や火災保険、マンションの場合は、それに加えて管理費、修繕積立金、駐車場代、駐輪場代などが掛かります。
駐車場、駐輪場代は利用する場合に必要になりますが、それ以外は必須です。
火災保険、地震保険については、戸建てやマンション、広さ、エリア、築年臭によって金額が変わりますが、東京都の築20~24年の中古マンションの場合だと70㎡で年間3.3万円程度となります。
また、平成30年に実施された国土交通省のマンション総合調査によると、管理費(駐車場使用料等からの充当額を除く)の平均は1戸当たり月額10,862円、修繕積立金は1戸当たり12,268円です。
駐車場代は、物件のエリアや平面駐車場、立体駐車場のような形態によって異なりますが、駐輪場については無料または月々数百円程度で借りることができます。
こういった費用は、ローンとは別に発生する費用となり、実質的に住居費を押し上げる要因となります。
特に、築年数が古いマンションの場合、大規模修繕の実施状況や修繕積立金の積立額によっては、修繕積立金の値上げや臨時徴収される可能性もあるので、事前に長期修繕計画や重要事項調査報告書で確認しましょう。
年収400万円で理想の家を探すコツ
年収400万円で理想の家を探すためには、条件だけで物件を絞り込むのではなく、周辺環境や不動産会社の選定など、総合的に判断することが大切です。
また、金利や条件の良い金融機関を探すのも、購入後の生活の負担を減らすためには重要なポイントと言えます。
ここでは、年収400万円で理想の家を探すコツについて解説します。
実際に物件や周辺環境を確認する
ネットや不動産会社の資料などの物件情報だけで、家を選ぶのは危険です。
内覧時に、間取りや収納だけでなく、日当たりや風通し、騒音などの環境面も確認する必要があります。
また、物件だけでなく、駅までの距離や通勤経路、スーパーや病院、公共機関などの有無といった周辺環境の確認も大切です。
余裕があれば、昼と夜など時間帯を換えて現地を訪問しておくと購入後も安心できるでしょう。
複数の不動産会社を検討する
不動産会社を1社のみに任せると、紹介される物件に偏りが生じる、断りにくいといったデメリットが生じます。
そのため、複数の不動産会社を検討することが重要です。
複数の不動産会社に依頼することで、選択肢を広げることができ、価格や条件面の交渉もしやすくなります。
また、担当者によっても提案力や住宅ローンの知識量の差があるので、自身に合った担当者を見つけることが理想の家を探すためには大事なポイントと言えます。
金利の低い金融機関を選択する
住宅ローンは、返済期間が長いので、少しの金利の違いでも総返済金額は大きな差になります。
そのため、金利や条件のよい金融機関を選択することが大事です。
金利や事務手数料、団体信用生命保険の内容は金融機関によって異なるので、1社に絞り込まずに複数の金融機関を比較検討しましょう。
特に、年収400万円の場合は、収入面から生活費に余裕がないケースが考えられます。
少しでもよい条件の金融機関を選ぶことで、購入後の家計の負担を減らすことが重要です。
年収400万円で家を買う際の注意点
年収400万円でも家を買うことは可能ですが、無理のない返済計画を立てることが大切です。
金利上昇のリスクやライフイベントの変化を考慮して、総合的に判断する必要があります。
ここでは、年収400万円で家を買う際の注意点について解説します。
金利上昇のリスクに備える
住宅ローンの返済において、注意すべきなのが金利上昇リスクです。
日本銀行は、2025年12月18日、19日の日銀決定会合で政策金利を0.75%へ引き上げ、今後も適切なタイミングで金利の見直しをすると言われています。
参考:今後の利上げ「適切なタイミングでの金融緩和度合いの調整が必要だ」…日銀が決定会合の「主な意見」公表(読売新聞)
住宅ローンには、借入期間中の金利が変わらない固定金利と金利が上昇すると変動する変動金利がありますが、変動金利で借り入れした場合、住宅ローンは借入金額が多いので、金利が少し上昇しただけでも総返済額に大きな差が出ます。
たとえば、2,000万円を変動金利1.0%・35年返済で借りた場合、総返済額は約2,371万円です。
しかし、金利が0.25%上昇して1.25%になると、総返済額は約2,470万円に増え、約100万円もの差が生じます。
金利上昇のリスクを抑えるには、頭金を多く入れて借入額を減らす、固定金利を利用するなどの方法があります。
年収400万円で住宅ローンを組む場合は、将来の金利上昇を念頭におき、返済に余裕のある資金計画を立てることが重要です。
築年数や耐震性を確認する
400万円で家を買う場合、物件か価格を抑えて買うケースも多いので、築年数と耐震性の確認が重要です。
耐震基準には、旧耐震基準と新耐震基準があります。
旧耐震基準は、1981(昭和56年)年5月31日以前に建築された建物に採用されている基準で、震度5程度の地震において倒壊しないことを想定しています。
一方で、新耐震基準は、1981年6月1日以降に建築された建物に採用されており、震度6強~7の大地震でも倒壊、崩壊しないことを想定した基準です。
築年数は新しいほうがいいですが、耐震性を考えると1981年6月1日以降の新耐震を選ぶ方がよいでしょう。
また、築年数が古い物件は、設備も痛んでいることがあるので、修繕費用やリフォーム費用を想定しておくと、購入後の資金計画が立てやすくなります。
ライフイベントの変化を考慮する
住宅ローンの返済期間中には、結婚、出産、子育てなど、さまざまなライフイベントが想定されます。
年収400万円の場合は、こういったライフイベントの出費が家計に与える影響は大きいです。
そのため、資金計画を立てる際には、将来の収入の変動やライフイベントにおける出費を考慮する必要があります。
まずは、ライフイベントを組み込んだ資金計画のシミュレーションを行い、必要な金額を算出しましょう。
将来の資金繰りが不安な場合は、事前に貯蓄をしておく、学資保険を利用する、毎月の返済額を抑える工夫をするなどの対策を事前に検討しておくと安心です。
住宅購入検討者のよくある質問
住宅購入の検討を始めると、住宅ローンの金利や種類、物件選びの判断基準など、さまざまな疑問を持つはずです。
こういった疑問を曖昧なまま進めると、購入後に住宅ローンの返済や想定外の出費で生活が厳しくなることもあります。
ここでは、住宅購入検討者によくある質問について解説します。
頭金ゼロでも家を買える?
結論から言うと、頭金ゼロでも家を買うことは可能です。
頭金ゼロで購入するには、フルローンやオーバーローンを利用する方法があります。
フルローンでは、物件価格と同等の金額を住宅ローンとして借りることができます。
一方で、オーバーローンは、物件価格に加えて諸経費まで借り入れが可能です。
いずれも、頭金を用意する必要がないので、手持ちがなくても住宅が購入できるのがメリットと言えます。
しかし、借入額が増える分、毎月の返済が増えますし、金融機関の審査も厳しくなります。
金利上昇時の影響を受けやすく、毎月の返済が家計に占める割合も増えるので、購入後のリスクを抑えるための対策が必要です。
より良い条件での住宅ローンの借入、ライフイベントに合わせた資金の準備など、無理のない資金計画を立てましょう。
夫婦の収入を合算してローンを組める?
夫婦の収入を合算してローンを組むことで、購入できる物件の幅が広がります。
夫婦の収入を合算して住宅ローンを組む方法が大きくわけて以下の3つです。
- 収入合算(連帯保証型)
- 収入合算(連帯債務型)
- ペアローン
夫婦の収入を合算して住宅ローンを組む方法は、連帯保証型と連帯債務型があります。
連帯保証型は、主債務者が夫または妻で、配偶者が保証人となる借入方式で、連帯債務型は、ひとつのローンを二人が連帯債務者となって借り入れする方法です。
連帯保証型のメリットは、一人で借りるよりもローン金額を増やせる点ですが、収入合算者は住宅ローン控除を受けることができない、団体信用保険に入れないのがデメリットと言えます。
一方で、連帯債務型は、二人ともそれぞれの持ち分に応じて住宅ローン控除が使えますが、一方が返済しても連帯債務として相手方の債務の返済義務があるのがデメリットです。
ペアローンは、ひとつの物件に対して、それぞれが別の名義で住宅ローンを借り入れする方法です。
二人が別々にローンを組むので諸経費が増えるのがデメリットですが、それぞれが住宅ローン控除を受けることができ、団体信用生命保険に入ることができます。
いずれの方法でも借入金額を増やすことはできますが、離婚やライフイベントの変化による返済が困難になるリスクは考慮しておく必要があります。
将来の出産や育休、転職などのリスクも考慮し、どの方法が適切かを検討したうえで利用することが大切です。
中古住宅を選ぶ際の注意点は?
中古住宅は、新築と比べて価格が安く、立地がよい物件を選びやすいのがメリットです。
一方で、中古住宅を購入する際には、築年数や耐震性、修繕履歴やリフォームなど、以下のような点に注意する必要があります。
- 建物の築年数や耐震性
- 修繕履歴やリフォーム
- マンションの場合は管理状況や修繕積立金の残高
築年数が古い物件は、表面上はきれいでも、将来的に大規模修繕や設備の更新が必要になるケースが多いです。
購入後に、どのくらいの修繕やリフォーム費用が必要かを事前に確認しておきましょう。
また、マンションの場合は、管理状況や大規模修繕のための修繕積立金の残高を確認しておくことも大切なポイントです。
不動産会社を通じて、長期修繕計画や重要事項調査報告書を入手し、事前に確認しましょう。
まとめ
今回は、年収400万円で家を買う方法について、購入できる物件の価格や住宅ローンを組む際の注意点などについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
年収400万円でも家を買うことはできますが、住宅ローンの毎月の返済が家計に占める割合が大きくなるので、無理のない資金計画を立てることが大切です。
購入後に失敗しないためには、金融機関でいくら借りられるかではなく、将来にわたって安心して返済が続けられるかという視点で判断する必要があります。
毎月の返済額を額面年収の25%に抑えることを念頭におき、可能であれば手取り年収を基準に住宅ローンを組むとより安定した返済が可能です。
さらに、将来の修繕やリフォーム費用、ライフイベントを含めて、総合的に判断することでリスクを抑えた資金計画を立てることができます。
また、中古住宅を選ぶ際には、建物の築年数や耐震性や管理状況を慎重に確認し、将来の修繕費用などを想定しておくことが重要です。
これから住宅の購入を検討している人は、この記事を参考に、資金計画をきちんと立てたうえで、自分たちに合った家を選んでいただければと思います。
<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。











