「駅近マンションは高いけど、それだけメリットが多いの?」「最近は駅近マンションが人気だけど理由が知りたい」など、駅近マンションの購入を検討している人もいらっしゃるのではないでしょうか。
近年、共働き世帯が増加する一方で、車の所有率は減少するなど、生活スタイルが大きく変わっています。
マイホーム選びでは、通勤の利便性や生活の快適さが重視される傾向にあり、駅近マンションの人気が高まっています。
国土交通省の令和5年度のマンション総合調査では、マンション購入時の条件として、「駅からの距離など交通利便性」を重視している人が71.6%で第1位です。
駅近マンションは、売却や賃貸をする上でも有利に進めることができ、資産性の面でもメリットがあります。
これから駅近マンションの購入を検討している人は、ぜひ最後までこの記事を読んでいただければと思います。
参考:令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状(国土交通省)
駅近マンションのメリット
駅近マンションが高い人気を集めているのはメリットの多さでしょう。
通勤や通学に便利な交通アクセスの良さに加え、駅周辺には商業施設や医療機関が充実しており、日常生活においても利便性が高いのが特徴です。
また、立地の良さから資産価値が下がりにくく、将来的な売却や賃貸にも有利とされています。
ここでは、駅近マンションの主なメリットについて詳しく解説します。
通勤・通学の負担が大幅に軽減できる
駅近マンションに住む最大のメリットは、通勤・通学の負担を大幅に軽減できる点です。
移動時間が短縮されることで、朝の準備にゆとりが生まれ、帰宅後のリラックスタイムや家族とのだんらんの時間も増えます。
天候の悪い日でも駅までの移動距離が短いので、雨の影響を受けずにストレスの少ない生活が実現できます。
また、交通機関にトラブルがあった際でも、代替手段を選びやすく、時間のロスを最小限に抑えられるのも大きな魅力と言えるでしょう。
将来的な売却・賃貸でも有利になる
駅近マンションは、将来的に売却や賃貸を行う際にも有利なケースが多いです。
売却面では、交通の利便性が高いので、常に一定の需要があり、築年数が経過しても買い手が見つかります。
また、立地のよさから資産価値が下がりにくく、駅からバス便などのエリアと比べると価格の下落も小さく、都心部では価格が値上がりするケースもあります。
賃貸面でも、駅近物件は単身者や共働き世帯などからのニーズが非常に高く、借り手が見つかりやすいです。
加えて、立地の優位性から相場より高めの賃料設定が可能な場合も多く、安定した収益が見込めます。
駅近マンションは、収益性・資産性の両面で優れた選択肢と言えるでしょう。
参考:「駅近物件」は値下がりしにくいか データで検証(日経新聞)
雨の日や夜遅い帰宅でも安心
駅近マンションは、雨の日や夜遅い帰宅時でも安心です。
駅から自宅までの距離が短いため、傘を差して歩く時間が少なく、天候の悪い日でも移動の負担が軽減されます。
駅と直結しているマンションであれば、天候面の心配をする必要がなく、防犯面もより強化されるのもポイント。
また、駅周辺は街灯や人通りが多く、防犯面でも比較的安全性が高いため、夜遅い時間帯でも安心して帰宅することができます。
特に女性や子どものいる家庭にとって、こうした安全性は大きな魅力となるでしょう。
子育てや高齢者にも便利な立地
駅近マンションは、子育て世帯や高齢者にとっても非常に便利な立地です。
子育て世帯にとっては、保育園・幼稚園や学校が近くにあることが多く、送り迎えにかかる時間を軽減できます。
高齢者にとっては、通院、買い物などの日常の移動がスムーズになり、時間や体力の負担を減らせます。
また、駅周辺にはスーパーや病院、公園、行政サービスなどが集まっていることが多く、生活に必要な施設が身近に揃っている点も大きな魅力です。
駅近マンションは、家族全員が快適に暮らせる環境が整っているマンションと言えるでしょう。
周辺施設が充実していて生活が便利
駅近マンションは周辺に商業施設や医療機関、飲食店、銀行などが集まっていることが多く、日常生活が非常に便利です。
徒歩圏内で必要な用事を済ませることができるため、買い物や外出の手間を減らすことができ、時間の節約にもつながります。
夜間も遅くまで営業している店舗も多く、仕事帰りや遅い時間でも買い物ができるのもメリットと言えます。
駅近マンションのデメリット
駅近マンションは多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。
物件価格が高くなりがちで、利便性の高い立地のために騒音やプライバシーの確保が難しいなど課題も多いです。
ここでは、駅近マンションを検討する際に知っておきたいデメリットについて詳しく解説します。
物件価格が高くなりやすい
駅近マンションは交通の利便性が高く需要が集中するため、同じ広さや築年数の物件でも郊外に比べて価格が高くなる傾向があります。
特に人気の駅周辺では、土地の価格自体が高いため、新築・中古を問わず高額になるケースが一般的です。
東京都港区周辺の駅直結のタワーマンションは、物件価格が数億円するものもあります。
参考: 住宅地価、駅近人気で郊外上昇 価格高騰、共働きでも「手が出ない」(朝日新聞)
騒音や人通りが気になる
駅近マンションは、周囲の環境によっては、騒音や人通りの多さが気になる場合があります。
特に、大型商業施設や大通りに面した立地では、電車や車の走行音、通行人の話し声、深夜の店舗営業などが生活のストレスになるケースも多いです。
また、高層階のマンションでは、高層階は周囲に遮るものが少ないため、地上の音が聞こえやすかったり、風の音がうるさく感じたりすることもあるので、内覧時にチェックしましょう。
プライバシーの確保が難しい
駅近マンションは、多くの人が行き交うエリアに立地しているため、プライバシーの確保が難しい側面があります。
周辺にマンションや商業ビルなどが隣接しているので、他の建物から部屋の中が丸見えといったケースも多いです。
特に、低層階の場合は、近隣の建物からの視線が気になりやすく、プライバシーの観点からカーテンを閉めたままの生活を余儀なくされます。
また、防犯面の観点からも不特定多数の人が周辺を行き交うため注意が必要です。
内覧時には、プライバシーがどの程度確保できるかと窓や玄関の施錠管理、防犯カメラやオートロックの有無といった防犯面をチェックしましょう。
隣の建物と距離が近い
駅近エリアは土地の利用効率を重視するため、建物同士の距離が非常に近いケースも少なくありません。
そのため、駅近マンションでは、眺望や日当たりが悪いケースが多いです。
日当たりが悪いと、洗濯物の乾きが悪いだけでなく、室内も暗い状態が続くので日中も電気をつけて過ごすことになります。
さらに眺望や日当たりが悪い物件は、将来的に売却がしづらくなることもあり、資産価値の面でも不利になる可能性があります。
駐車場の確保がしづらい
駅近マンションを購入する際に直面するのが、駐車場の確保がしづらい点です。
駅近マンションは、限られた敷地面積を有効利用しているため、十分な駐車場が設けられていないケースがあります。
特に都心部や駅前立地では、住戸数に対して駐車台数が不足していることが多く、抽選や空き待ちになることも珍しくありません。
近隣に月極駐車場を借りるにしても、費用が高くなりやすく、車を日常的に使う人にとっては不便を感じる要因と言えるでしょう。
駅近マンションを選ぶ際のポイント
駅近マンションを選ぶ際には、確認しておくべきポイントがいくつかあります。
特に、騒音や人通りの多さ、隣接地の新たな開発計画など、マンション周辺の状況はきちんと確認しておかないと購入後に後悔するケースも多いです。
ここでは、駅近マンションを選ぶ際のポイントについて解説します。
駅から歩く距離とルートを確認する
駅近といっても、表示されている徒歩の分数だけで判断するのは危険です。
実際に歩いてみると、信号の多さや坂道の有無、夜道の暗さなどによって体感距離は大きく異なることがあります。
特に、小さな子どもや高齢者がいる家庭の場合は、段差や傾斜の状況、交通量の多さなども確認しておきましょう。
昼と夜では、人通りや交通量の多さも違うので、必ず昼と夜の両方の時間帯に駅からのルートを歩いて確認することが大切です。
マンション周辺の環境をチェックする
周辺環境によって、騒音やにおい、治安面の不安を感じる可能性があるので、事前にマンションの周辺をチェックすることが大切です。
プライバシーの確保や眺望・日当たり・風通しといった住環境の快適さも、周辺状況によって大きく左右されます。
周辺の施設や道路の状況、昼夜の雰囲気を実際に歩いて確認し、日常生活に支障がないかをしっかりチェックしましょう。
今後の都市開発や再開発の予定を調べる
駅近エリアは今後も開発が進む可能性が高く、再開発や新たな建物の建設によって、眺望や日当たり、騒音環境が大きく変わるケースが多いです。
再開発によって周辺に大型施設や新しい交通インフラが整備されると、利便性が向上する一方で、人の流れや地価、治安にも影響を及ぼす可能性があります。
まずは、不動産会社に確認をし、今後の都市開発や再開発の予定について、現在の状況を確認しましょう。
不安な場合は、自治体のホームページや都市計画図、再開発に関する公的な資料などを活用し、将来的な変化について自分自身でもしっかり把握するのが望ましいです。
駅近マンションが向いている人の特徴
では、どのようなライフスタイルの人に駅近マンションが適しているのでしょうか。
通勤や通学にかかる時間を短縮したい人や、車を使わずに生活したい人など、駅近マンションだからこそ実現できるニーズも多いです。
ここでは、駅近マンションが特に向いている人の特徴について詳しく解説します。
通勤・通学時間をできるだけ短縮したい人
毎日の通勤や通学にかかる時間を少しでも短くしたいと考える人にとって、駅近マンションは非常に魅力的な選択肢です。
駅までの移動時間を短縮できれば、朝の準備に余裕が生まれ、帰宅後の時間も有効に使えます。
特に都心や乗り換えの多い路線を利用する場合、徒歩数分で駅にアクセスできると日々のストレス軽減にもつながります。
仕事や学業に集中したい方にとって、駅近という立地は生活の質を大きく高める要因となるでしょう。
将来の売却や賃貸も視野に入れている人
将来的に売却や賃貸も視野にいれている人にとって、駅近マンションは資産価値の維持という面でも安心できる選択肢です。
駅から近い物件は需要が高く、売却や賃貸に出した際も比較的スムーズに取引が進む傾向にあります。
とくに交通利便性の高い立地は、単身者や共働き世帯など幅広い層からのニーズがあるため、資産の流動性という点でも優れていると言えるでしょう。
物件価格は他のエリアより高くなる傾向がありますが、長期的に見れば資産性の高い投資となる可能性が高いです。
車を使わず生活したい人
日常的に車を使わずに生活したい人にとって、駅近マンションは非常に便利な住まいです。
駅が近ければ、電車移動がしやすく、通勤・通学だけでなく、買い物や通院、外出もスムーズに行えます。
さらに、駅周辺にはスーパーやドラッグストア、飲食店、銀行、医療機関など生活に必要な施設が集まっていることが多いため、徒歩や自転車だけで十分に暮らせる環境が整っています。
車の維持費を抑えたい人や運転に不安がある人でも、駅近マンションであれば安心して暮らせるでしょう。
子育てや高齢者との同居を考えている人
子育てや高齢者との同居を考えている人にとっても、駅近マンションは安心して暮らせる住環境です。
駅に近い立地の場合、駅周辺に保育園や幼稚園が多く、通園・通学や通院の移動が負担になりません。
また、医療施設や行政サービス、商業施設が充実していることが多く、急な用事や買い物にも柔軟な対応ができます。
幅広い年代の家族が住む場合でも、駅近マンションはメリットが多いと言えるでしょう。
買い物や外出の利便性を重視する人
日常の買い物や休日の外出をスムーズにこなしたい人にとって、駅近マンションは非常に適しています。
駅周辺には、スーパーやコンビニ、飲食店、ショッピングモール、銀行、病院など生活に必要な施設が集まっており、徒歩圏内でほとんどの用事を済ませられるのが駅近マンションの大きな魅力です。
また、電車を使えば都市部へ簡単にアクセスでき、買い物やレジャー、趣味の活動も手軽にできます。
忙しい日常の中でも快適に暮らしたいと考える人には、駅近マンションの利便性は大いに価値があるでしょう。
まとめ
今回は、駅近マンションについて、メリットやデメリットを中心に解説をしてきましたがいかがでしたでしょうか。
駅近マンションは、通勤・通学のアクセスの良さ、生活の利便性に加えて、資産性の高さも魅力です。
通勤・通学時間の時短を重視する人や車を持たない生活がしたい人にとって。駅近マンションは非常に適していると言えます。
一方で、物件価格の高さや騒音・プライバシーなどの注意点があるので、事前に自分のライフスタイルや将来的なプランに照らし合わせて慎重に判断する必要があります。
生活の質や資産性を重視した住まい選びをするなら、駅近マンションは非常に有力な選択肢のひとつです。
デメリットをしっかり理解し、自分や家族にとって最適な環境かどうかを見極め、後悔のない住まい探しを進めましょう。
これから駅近マンションの購入を検討している人は、この記事を参考に、メリット・デメリットを考慮し、自分に適した物件を選んでいただければと思います。

<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。