「頭金なしでも中古マンションが購入できるの?」「中古マンションを購入するのに頭金以外にも必要な費用があるの?」など、自己資金ゼロで中古マンションを購入するのに資金面で不安な方も多いかと思います。
結論から申し上げると、中古マンションは頭金なしでも購入可能です。
住宅金融支援機構が2016年に実施した民間住宅ローン利用者の実態調査によると、事故資金・頭金が不十分だからの理由が2番目に多い結果となりました。
今回の記事では、頭金の他に必要となる費用や頭金なしで中古マンションを購入するメリット・デメリット、頭金なしで購入する際のポイントについて詳しく解説します。
これから頭金なしで中古マンションの購入を検討している方や今の収入と貯金で中古マンションを購入しても生活できるか気になる方は、最後まで読んでいただければと思います。
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目次
中古マンションは頭金なしでも購入できる
中古マンションの購入は、頭金ゼロでも可能です。
頭金は、住宅ローンを借りる前に中古マンションの購入価格の一部を支払う資金のことであり、頭金があると、住宅ローンの借入金が減るため、支払う負担が減る仕組みです。
例えば、5,000万円の中古マンションを購入する場合、頭金なしで住宅ローンを借りるとフルローンとなり5,000万円を借入しなければなりません。
頭金が1,000万円あると、住宅ローンの借入金額は4,000万円です。
頭金が多ければ多いほど、住宅ローンの借入金額が減り、返済の負担が減ります。
「頭金がないと住宅ローンの返済が苦しくなるから、中古マンションの購入は難しい」と心配に思われている人もいるかもしれません。
頭金がゼロでも、住宅ローンの審査が通過すれば、中古マンションを購入できるので、安心してください。
頭金のほかにかかる初期費用
中古マンションを購入するにあたって、頭金のほかに必要となる初期費用があります。
頭金がないからと言って、貯金がゼロで中古マンションを購入するのは、おすすめしません。
なぜなら、中古マンションを購入するときに、現金で支払わなければならない費用があるからです。
現金で支払わなければならない費用には、「諸費用」や「手付金」があります。
それぞれ具体的な内容を解説します。
諸費用
中古マンションを購入するときに現金で支払わなければならない費用には、「諸費用」があります。
「諸費用」とは、中古マンションを購入するときにかかる「手数料」や「税金」などの総称です。
「諸費用」の金額は、中古マンションの物件価格の約10%を準備しておくと安心でしょう。
例えば、中古マンションの物件価格が5,000万円の場合、諸費用は約500万円という計算です。
中古マンションの購入時にかかる「手数料」について表にまとめました。
手数料の種類 | 内容 |
仲介手数料 | 中古マンションの契約や手続きなどサポートしてくれた不動産会社に支払う手数料。「物件価格×3%+6万円+消費税」が上限。 |
司法書士にかかる費用 | 登記代行を依頼する費用。 |
固定資産税清算金 | 中古マンションの売主に対して支払う固定資産税の負担費用。固定資産税の日割り金額を支払うのが一般的。 |
住宅ローンの手数料 | 住宅ローンを借りる場合に金融機関に必要な手数料。 |
住宅ローンの保証料 | 住宅ローンを借りる場合に保証会社に必要な手数料。 |
物件調査料 | 中古マンションが融資基準を満たしているか調査を依頼する費用。 |
中古マンションの購入時にかかる「税金」について表にまとめました。
税金の種類 | 内容 |
印紙税 | 契約書に貼る印紙代であり、売買契約と住宅ローン契約でそれぞれ課される税金。 |
登録免許税 | 所有権移転登記や抵当権設定登記など登記登録するのに課される税金。 |
不動産取得税 | 不動産を取得するときに課される税金。 |
中古マンションの物件価格によって、必要となる手数料は異なります。
頭金ゼロで中古マンションを購入するとしても、予算計画を立てるのが重要です。
手付金
頭金のほかにも支払う必要がある費用は、「手付金」です。
「手付金」とは、中古マンションを仮押さえする費用であり、売主に渡すものです。
手付金は、売買契約を担保する役割があります。
もし、買主が売買契約をキャンセルする場合は売主に手付金を支払わなければなりません。
一方で、売主から売買契約をキャンセルされた場合は、手付金が返還され、さらに同じ金額が支払われます。
手付金の目安は、物件価格の5%となっています。
中古マンションの物件価格が5,000万円の場合、手付金は約250万円です。
売買契約が成立したときは、手付金が、中古マンションの価格に組み込まれます。
中古マンションを頭金なしで購入するメリット
中古マンションを頭金なしで購入するメリットは、自分の好きなタイミングで中古マンションを購入できる点や現金の柔軟な使い方ができる点です。
所有している資産を大きく減らさずに中古マンションを購入できるので、突然の出費や資産運用への活用などできるでしょう。
中古マンションを頭金なしで購入するメリットを具体的に解説します。
希望の物件を自分に合うタイミングで購入できる
頭金なしで中古マンションを購入する場合、頭金を貯金する期間を短縮できるので、希望する中古マンションが見つかったら、自分に合うタイミングで購入できます。
新築マンションは、同じ時期に複数の戸数が販売されるケースが多いですが、中古マンションは、一戸限定で販売される傾向にあります。
希望する中古マンションが見つかった場合、他の人に購入されてしまうと、また自分が希望する中古マンションを探し直さなければなりません。
自分が気に入る中古マンションを探すのは、なかなか見つからず、難しいものです。
頭金を貯蓄する間に他の賃貸物件に住む場合、家賃を支払わなければなりません。
頭金なしで中古マンションを購入すると、家賃分を住宅ローンの支払いに充てられるため、節約に繋がります。
希望する中古マンションを見つけたときに、すぐに購入に踏み切れるのが、頭金なしで中古マンションを購入する利点と言えるでしょう。
借入額が大きいため住宅ローン控除の金額が多くなる
借入金額が大きいほど、住宅ローン控除の金額が多くなり、税金の負担が減るでしょう。
住宅ローンを利用して、中古マンションを購入すると、「住宅ローン控除」が適用されます。
「住宅ローン控除」とは、適用要件を満たすと、毎年、最大10年間にわたって、住宅ローンの残高の0.7%を所得税から控除する制度です。
令和4年1月1日から令和7年12月31日までに居住の用に供した場合、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅、特定エネルギー消費性能向上住宅またはエネルギー消費性能向上住宅に該当する物件の計算式は、ローン残高(上限3,000万円)×0.7%です。
その他の一般物件の場合は、ローン残高(上限2,000万円)×0.7%になります。
例えば、頭金なしで一般物件の中古マンションを2,000万円で購入した場合と頭金を500万円貯めて中古マンションを2,000万円で購入した場合では、住宅ローンの控除額が異なります。
毎年150万円ずつ返済した場合の住宅ローン控除額を解説します。
中古マンション価格 | 頭金 | ローン借入額 | 年末のローン残高 | ローン控除額 | |
頭金なしの場合 | 2,000万円 | 0円 | 2,000万円 | 1,850万円 | 12万9,500円 |
頭金ありの場合 | 2,000万円 | 500万円 | 1,500万円 | 1,350万円 | 9万4,500円 |
頭金なしの方が住宅ローンの借入金額が多いので、住宅ローン控除額も高い計算ですが、必ずしも得をする訳ではありません。
住宅ローンの金利や借入期間など条件によって異なるので、中古マンションを購入するときは、シミュレーションして、しっかりと資金計画を立てるようにしましょう。
資金を生活や将来のために確保できる
資金を生活や将来のために確保できるのも、頭金なしで中古マンションを購入するメリットです。
頭金として支払う資金が手元にあると、安心して日常生活を過ごせます。
現在、貯金している資金を全て頭金として支払ってしまうと、生活費に困る可能性があります。
また、万が一、病気をしたり、怪我をしたりして出費が増えたときに資金が捻出できないケースも考えられるでしょう。
住宅ローンが支払えなくなってしまうと、購入した中古マンションを手放さなければならない事態に陥る可能性もゼロではありません。
頭金として支払う資金があると、予想外の出費にも対応できるでしょう。
あえて頭金なしで中古マンションを購入する人もいます。
頭金分の貯蓄を投資に充てて、資産運用すると将来的に資金が増える可能性もあります。
資産運用の方法によっては、住宅ローンの利息よりも多くの利益を得て、結果的に資産を増やせるケースも考えられるでしょう。
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中古マンションを頭金なしで購入するデメリット
中古マンションを頭金なしで購入するデメリットは、住宅ローンの返済負担や将来的なリスクがある点です。
頭金なしで中古マンションを購入した方が良いと思われる方もいるかもしれません。
しかし、中古マンションを頭金なしで購入するデメリットもあります。
頭金なしで中古マンションの購入を検討している方は、デメリットを知った上で対策するのが重要です。
住宅ローンの審査通過が難しくなる
住宅ローンの審査は、借入額が増えるほど厳しくなる傾向にあります。
住宅ローンを組むにあたって、審査を通過しなければなりません。
頭金なしで中古マンションを購入する場合、住宅ローンの借入金額が多くなりがちです。
住宅ローンの借入金額が多くなり、住宅ローンの審査が通過できないと、住宅ローンを組めません。
住宅ローンの審査時には、返済能力があるかどうかが調査されます。
後述でも詳しく解説しますが、勤務に関する情報や住宅ローンの完済時の年齢、収入と返済のバランスなどを調べられるでしょう。
住宅ローンの審査に通過するためには、住宅ローンの借入額と年収が見合っているかを調べ、返済能力がある点をアピールするのが重要です。
利息負担が増えて総返済額が多くなる
頭金なしで中古マンションを購入すると、住宅ローンを借りるときに、フルローンとなり、借入金額が増えてしまいます。
住宅ローンの借入金額が大きいと、利息の負担が増えて、総返済額が多くなります。
住宅ローンの総返済額が多いと、毎月返済する金額も多くなり、金銭面で負担を感じるかもしれません。
具体的に住宅ローンのシミュレーションしてみましょう。
・住宅ローンの借入金額:3,000万円(頭金なし)、2,500万円(頭金あり)
・返済する期間:35年
・頭金なしのパターンと頭金500万円ありのパターンを比較
・全期間固定コースで金利は2.41%
・ボーナスの支払いはなし
頭金なし | 頭金あり(500万円) | |
中古マンションの物件価格 | 3,000万円 | 3,000万円 |
住宅ローンの借入金額 | 3,000万円 | 2,500万円 |
毎月の返済金額 | 10万5,806円 | 8万8,172円 |
住宅ローンの総返済額 | 4,443万8,680円 | 3,703万2,101円 |
住宅ローンの総支払額 | 4,443万8,680円 | 4,203万2,101円 |
頭金がない場合と頭金500万円ある場合では、毎月の返済額は約1万7,634円の差があり、住宅ローンの総支払額の違いは、約240万6,579円です。
変動金利を選ぶか、固定金利を選ぶかによっても住宅ローンの返済額に影響があります。
変動金利は、市場によって金利が変動するタイプであり、頭金なしで住宅ローンを組むと、借入金額が増えるので、返済期間も長くなる傾向にあります。
変動金利を選ぶと、金利が大幅に変わるリスクがあり、注意しなければなりません。
固定金利は、金利が一定になっているタイプであり、契約時の金利が変動金利よりも大きいケースがあります。
たとえ、金利が数%違ったとしても、借入金額が大きいと、返済額に与える影響も大きくなります。
頭金なしで住宅ローンを組もうとお考えの方は、しっかりと住宅ローンに関するシミュレーションして、資金計画を立てるようにしましょう。
将来的に売却してもローンが残る可能性がある
将来的に中古マンションを売却しても住宅ローンが残る可能性がある点がデメリットです。
建築した直後から、物件の資産価値は下がる傾向にあります。
住宅ローンの借入金額が大きく、毎月の返済額が少ないと、住宅ローンの元本が減りません。
中古マンションの資産価値が住宅ローンの残高を下回ってしまうと、中古マンションを売却したとしてもローンが残ってしまうケースがあります。
中古マンションを売却しても、売却した金額では住宅ローンが完済できず、住宅ローンを支払い続ける必要があります。
中古マンションの売却予定がなければ過度に心配する必要はありません。
しかし、急な転勤や引越しなど人生で購入した中古マンションを売却しなければならない事態に陥る可能性もゼロではありません。
頭金なしで中古マンションを購入するときは、将来的に資産価値が下がりにくい物件を選ぶのがおすすめです。
中古マンションを購入する際はタイミングを見極めることが重要になります。以下の記事も合わせてチェックしてみてください。
中古マンションを頭金なしで購入する際のポイント
中古マンションを頭金なしで購入するにあたって、「資金面」で困らないように計画を立てるのが成功させるためのポイントです。
住宅ローンは長期間に渡って返済し続ける必要があります。
人生は何が起きるのかわからないので、対応できるようにしておかなければなりません。
一度、資金計画を立てたら完了ではなく、定期的に計画を見直し、住宅ローンが返済できるようにしてください。
中古マンションを頭金なしで購入する際のポイントを学んでおくと、後悔せずに済むでしょう。
住宅ローンの審査基準を事前に確認しておく
住宅ローンの審査基準をあらかじめ知っておくのが重要です。
住宅ローンの審査は、頭金がない場合、厳しい傾向にあります。
住宅ローンの審査基準は、一般的に年収や完済時の年齢や借入時の年齢、健康状態、勤続年数、返済負担率などが調査されます。
逆に、住宅ローンの審査基準を満たさない例として、完済時の年齢が80歳を超えている人や持病があったりする人、年収が不安定な人は審査を通過するのが難しいかもしれません。
頭金なしで住宅ローンを組むのが難しいと思われている人もいるでしょう。
住宅ローンは、金融機関によっても審査基準が異なります。
仮に、金融機関で審査に落ちてしまったとしても、他の金融機関では審査が通るケースもゼロではありません。
金利やキャンペーンなど金融機関によって異なるので、事前にどのような金融機関があるのかを調べておくようにしましょう。
諸費用も含めた総予算を把握しておく
諸費用も含めた総予算を把握しておくのが重要です。
先述の通り、中古マンションを購入する場合、諸費用も考慮しなければなりません。
先述の通り、諸費用には、手数料や税金などが挙げられます。
諸費用は、中古マンションの物件価格によって異なるので、自分が希望する中古マンションの諸費用がいくらかかるのかを調べておきましょう。
無理のない返済プランを立てる
無理のない返済プランを立てるのが重要です。
住宅ローンの繰り上げ返済ができるくらいの余裕を持って中古マンションを購入するようにしてください。
住宅ローンの繰り上げ返済とは、本来の返済計画よりも前倒しをして返済することです。
中古マンションを購入し、住宅ローンを返済し始めてからも貯金ができるようにすると、万が一、金利が上昇したとしても焦らずに済むでしょう。
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まとめ
今回は、頭金の他に必要となる費用や頭金なしで中古マンションを購入するメリット・デメリット、頭金なしで購入する際のポイントについて詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
中古マンションは、頭金なしでも購入ができます。
しかし、中古マンションを購入するのに必要な費用は、物件価格だけではありません。
手数料や税金、手付金などの諸費用も準備しておく必要があります。
頭金なしで中古マンションを購入するメリットは、希望する中古マンションを自分の好きなタイミングで購入出来たり、資金を手元に残せたりする点です。
一方で、住宅ローンの審査通過が厳しかったり、住宅ローンの総返済額が多くなったりする点がデメリットになります。
中古マンションを頭金なしで購入するには、資金計画を立てるのがポイントです。
これから頭金なしで中古マンションの購入を検討している方は、今回の記事を参考に、メリットやデメリットを理解した上で、中古マンションの購入を成功させましょう。

<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。