東京の高級住宅街10選!お金持ちしか住めないエリアや特徴を解説
「東京はお金持ちしか住めない」と感じる方もおられるのではないでしょうか。実際、港区や渋谷区の一部では平均所得が1,000万円を超えるエリアも存在します。
しかし、「お金持ちしか住めない」と言われる東京の街には、高額な家が立ち並ぶだけでなく、その価値が何十年も色あせない理由があります。高い地価やブランドイメージに加え、治安の良さ、教育環境、そして豊かな緑。
それらがバランスよくそろっていることが、富裕層だけでなく「落ち着いて暮らしたい人」「家族の安心を大切にする人」からも選ばれ続ける理由です。
この記事では、東京の代表的な高級住宅街の特徴を整理しながら、「本当にお金持ちしか住めないのか?」という疑問を、現実的な視点で一緒に考えていきます。
まずは、こうした街がどのような条件で成り立っているのかを見ていきましょう。
東京の高級住宅街の特徴
東京には、「お金持ちしか住めない」と言われるエリアが数多くあります。
港区の南麻布や白金台、渋谷区の松濤、世田谷区の成城や深沢など、いずれも高い地価と落ち着いた街並みが維持されており、そこに住む人々の多くが暮らしの質を重視しています。
こうした高級住宅街は、見た目の華やかさだけでなく、長年にわたり培われた街づくりのルールと住民の意識の高さが特徴です。建築制限や景観条例によって環境が守られ、結果として資産価値や治安、住み心地が高い水準で保たれています。
ここからは、「地価」「環境」「住民」という3つの視点から、東京の高級住宅街の特徴を見ていきましょう。
高い地価と安定した資産価値を持つ
東京の高級住宅街は、都心部に位置しながらも、地盤が強く、災害リスクが低いとされる高台に形成されているのが大きな特徴です。
全国トップクラスの地価を誇りますが、市況の影響を受けにくく、価格が安定しやすい傾向があります。
特に松濤、南麻布、白金台といったエリアは、再開発後も街並みが変わらないため、不動産価値が市場の変動を受けにくく、所有しているだけで実質的に資産を保全できるとされています。こうした街は、投資目的ではなく、人生をかけて長く暮らす場所として、信頼を重視する人々に選ばれています。
落ち着いた住環境が保たれている
高級住宅街では、建物の高さや外観、敷地の使い方に厳しい制限が設けられています。たとえば田園調布や成城では、住民が主体となって「成城憲章」や「田園調布憲章」といったルールを守り、緑や空の見える景観を代々維持してきました。
このような街並みは、にぎやかさから離れつつも都心へのアクセスが良く、静けさと利便性を両立しています。公園や並木道も多く、家族で散歩できるような心地よさが日常にあります。
参考:成城憲章(世田谷区)
参考:田園調布会の活動(住宅生産振興財団)
著名人や経営者などが多く住んでいる
南麻布や松濤、田園調布といったエリアには、著名人や経営者など社会的地位の高い人々が多く住んでいます。彼らがこれらの街を選ぶのは、単なるステータスとしてではなく、高い安全性とプライバシーが守られた環境を重視しているためです。
警備体制が整ったマンションや、外部からの視線を遮る工夫がされた戸建てが多く、安心して静かに暮らせる空間が整えられています。
また、住民同士が互いに干渉しすぎない、程よい距離感を大切にする文化が根づいていることも特徴です。
東京の代表的な高級住宅街10選
東京の高級住宅街は、「お金持ちの街」といっても、それぞれ歴史や雰囲気に大きな違いがあります。
ここでは、富裕層から長く愛されてきた東京の代表的な10のエリアを、さまざまな視点からわかりやすく紹介します。
南麻布(港区)

南麻布は江戸時代から武家屋敷や寺社仏閣が集中していた歴史を持つ、格式高いエリアです。
| 最寄り駅 | 広尾駅(日比谷線) |
|---|---|
| 都心距離 | 東京まで約20分、新宿まで約23分 |
| 人口・治安 | 港区内でも平均所得が高く、治安は極めて良好。 |
| 価格帯 | 超高価格帯。マンション相場は港区トップクラス。 |
現在は各国の大使館が集まる国際色豊かな雰囲気が特徴。
大使館の集積により、厳重な警備と静かな住環境が保たれており、都心でありながらも落ち着いた雰囲気が漂います。
広尾駅周辺の利便性と、有栖川宮記念公園の豊かな緑が両立しており、都心ながら静寂が保たれているエリアです。住居は、低層でゆったりとした造りの高級マンションが多く、プライバシーを重視する人々に選ばれています。
白金台(港区)

白金台は、「シロガネーゼ」という言葉でも知られる、上品で落ち着いた雰囲気の高級住宅街です。
| 最寄り駅 | 白金台駅(南北線・三田線) |
|---|---|
| 都心距離 | 新宿まで約25分、渋谷まで約20分 |
| 人口・治安 | 閑静な住宅地のため治安は安定。富裕層が多く居住。 |
| 価格帯 | 高価格帯。特に戸建て用地の土地代が近年顕著に上昇。 |
歴史的には、旧皇族の邸宅や財閥の広大な土地が多くを占めていたため、現在もその閑静な雰囲気を保っています。
プラチナ通りにはおしゃれな飲食店やブティックが並びます。広大な国立科学博物館附属自然教育園や東京都庭園美術館など、緑豊かな観光名所が多く、都心で自然の恩恵を受けたい層に人気です。
松濤(渋谷区)

松濤(しょうとう)は渋谷駅からわずかな距離にありながら、街路樹が整備された閑静な住宅街が広がるエリアです。
| 最寄り駅 | 渋谷駅、神泉駅(京王井の頭線) |
|---|---|
| 都心距離 | 渋谷まで徒歩圏内。新宿まで約20分。 |
| 人口・治安 | 渋谷区内でも突出して治安が良く、邸宅が並ぶ。 |
| 価格帯 | 超高価格帯。特に邸宅地の資産価値が高い。 |
明治時代に茶畑や松平家の下屋敷があった歴史があり、現在は企業経営者や財界の重鎮が多く住む、都内屈指の邸宅地として知られています。
特に松濤1・2丁目では、渋谷区独自の条例により最低敷地面積が「200㎡」に定められており、これが広々とした戸建て中心の閑静な街並みを維持する大きな要因です。
渋谷区松濤美術館や戸建のみの閑静な街並みが、独自の品格を形成。周辺は商業施設やにぎやかさとは一線を画しており、利便性よりも住環境とプライバシーを重視する層に選ばれています。
広尾(渋谷区)

広尾は、かつて武家屋敷が並んでいた場所で、明治のころからその跡地に大使館が建てられるようになり、国際色豊かな街へと変わっていきました。
| 最寄り駅 | 広尾駅(日比谷線) |
|---|---|
| 都心距離 | 東京まで約20分、新宿まで約23分 |
| 人口・治安 | 港区に近いエリアで富裕層が多く、治安は安定。 |
| 価格帯 | 高価格帯。賃貸・分譲ともに需要が高い。 |
駅前の広尾プラザや商店街は生活利便性が高く、大使館が多いことからセキュリティ意識も高いエリアです。
聖心女子大学などの私立校があり、教育熱心な家庭に人気。南麻布と隣接し、広尾散歩通り沿いにはおしゃれなカフェや飲食店が並びます。都心へのアクセスと生活のしやすさ、落ち着きがバランスよく取れた街です。
成城(世田谷区)

成城は大正時代に開発された、日本を代表する学園都市型住宅街です。
| 最寄り駅 | 成城学園前駅(小田急線) |
|---|---|
| 都心距離 | 新宿まで約20分(急行利用)、渋谷まで23分 |
| 人口・治安 | 世田谷区内でも戸建て中心で、治安維持の意識が高い。 |
| 価格帯 | 高価格帯。特に広い敷地の戸建ての価値が高い。 |
成城学園の周辺に広がり、住民が主体となって「成城憲章」を守り、緑豊かな景観を維持してきました。広い敷地を持つ戸建てが多く、低層で統一された街並みが特徴です。
都心からは離れるものの、急行で新宿に直結する利便性を持ちます。文教地区としての歴史があり、落ち着いた雰囲気と優れた教育環境を求める家族層から支持を得ています。
参考:成城憲章(世田谷区)
深沢(世田谷区)

深沢は、広大な駒沢オリンピック公園を抱える、世田谷区の中でも特に閑静な住宅街です。
| 最寄り駅 | 駒沢大学駅(田園都市線)よりバス利用 |
|---|---|
| 都心距離 | 渋谷まで約7分(駒沢大学駅から)、新宿まで約25分 |
| 人口・治安 | 駒沢公園周辺は非常に落ち着いており、治安は良い。 |
| 価格帯 | 高価格帯。都心へのアクセスが良い割に閑静なため人気。 |
都心へのアクセスはバス便に頼る面がありますが、それを上回る自然環境と静けさが魅力です。公園を起点とした散策路や豊かな緑が生活に溶け込んでいます。
全13棟で形成されている深沢ハウスといった大規模マンション群や、ゆったりとした敷地の戸建てが多く、都会のにぎやかさから離れた場所で、質の高い暮らしを求める層に支持されています。
青葉台(目黒区)

渋谷、代官山、中目黒に囲まれた目黒区青葉台は、利便性の高い都心立地と落ち着いた住環境を兼ね備えています。
| 最寄り駅 | 中目黒駅(東横線・日比谷線)、代官山駅(東横線) |
|---|---|
| 都心距離 | 渋谷まで約5分、新宿まで約20分 |
| 人口・治安 | 落ち着いた街並みで、治安も良好。 |
| 価格帯 | 高価格帯。都心に近いため賃料水準も高い。 |
高級住宅街で、マンションも比較的多く、特に旧山手通り沿いには、1フロア1住戸の高級マンションもあり、洗練された雰囲気が魅力です。
代官山T-SITEなどの文化施設も近く、休日の過ごし方も多様。目黒川の桜並木も有名です。著名な企業経営者やクリエイターが多く住み、プライベートを重視する富裕層に人気があります。
自由が丘(目黒区)

「住みたい街ランキング」常連の自由が丘は、おしゃれな商業エリアと、一歩入った閑静な住宅街のバランスが取れた街です。
| 最寄り駅 | 自由が丘駅(東横線・大井町線) |
|---|---|
| 都心距離 | 渋谷まで約10分、横浜まで約25分 |
| 人口・治安 | 生活利便性が高く、穏やかで落ち着いた雰囲気の街。治安も良好。 |
| 価格帯 | 高価格帯。商業地の利便性も含め地価が高い。 |
自由が丘という地名は、教育者・手塚岸衛氏が自由主義教育を理念に掲げ、昭和2年(1927年)に創設した「自由ヶ丘学園」(現・自由ヶ丘学園高等学校)にちなんで名づけられたとされています。
洋風の建築が多く、ヨーロッパのような雰囲気が漂う「ラ・ヴィータ」などの名所があります。東横線で渋谷・横浜に直結し、利便性が抜群。
暮らしの質を重視しつつ、ショッピングやグルメも楽しみたい方に最適です。
参考:再発見!変わる自由が丘の変わらないまちの魅力(目黒区)
田園調布(大田区)

田園調布は渋沢栄一らが進めた「田園都市構想」により、大正時代に計画的に開発された日本最古の高級住宅街の一つです。
| 最寄り駅 | 田園調布駅(東横線・目黒線) |
|---|---|
| 都心距離 | 渋谷まで約15分、新宿まで約30分 |
| 人口・治安 | 大田区内で平均所得が高く、街並みの美しさから治安も安定。 |
| 価格帯 | 超高価格帯。特に開発当初からの戸建て敷地の価値が高い。 |
駅前のイチョウ並木と、放射状に広がる街路が特徴的な独特の景観をたたえています。
また、住民の手で受け継がれてきた「田園調布憲章」により、建物の高さや緑化率が厳しく守られています。
広い敷地にゆとりある邸宅が並び、歴史と品格、そして穏やかな暮らしを大切にする人々に愛され続ける街です。
番町(千代田区)

番町(ばんちょう)は、江戸時代に「大番」と呼ばれた旗本の屋敷が並んでいたことから名づけられ、今もその名残を感じる格式ある街として知られています。
| 最寄り駅 | 市ケ谷駅、四ツ谷駅、麹町駅など複数利用可 |
|---|---|
| 都心距離 | 東京駅まで約13分、新宿まで約8分 |
| 人口・治安 | 千代田区内でも特に住居エリアの治安が良く、高所得者が集中。 |
| 価格帯 | 都内最高水準の超高価格帯。マンションが中心。 |
皇居のお濠に近く、都心の中枢に位置しながらも静寂が保たれています。上智大学をはじめ教育機関も多く、文教地区としての側面も持っています。
都心の利便性と、邸宅地としての静寂が両立しており、富裕層の中でも特にステータスと利便性を求める層が、高級マンションを求めて集まるエリアです。
東京の高級住宅街に住むメリット
東京の高級住宅街は、「お金持ちの街」という側面だけではなく、暮らしの満足度が高い街です。地価や家賃の高さには、日常の安心・利便性・環境の良さといった価値が反映されています。
では、高級住宅街に住むことで、実際にどんな恩恵が得られるのでしょうか。以下にメリットをまとめました。
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 安心・安全 | 治安が良く、地域全体で防犯意識が高い。警備体制が整った物件も多い。 |
| 交通アクセス | 都心へのアクセスが抜群。複数路線が利用できるエリアが多い。 |
| 環境の良さ | 緑が多く、静かな住宅街が多い。景観や整っている住宅街が多い。 |
| 教育環境 | 有名私立・国立校が近くにあり、高い教育水準の恩恵を受けられる。 |
| ブランド価値 | 所有・居住そのものが信頼や社会的信用につながるステータスとなる。 |
| 資産価値 | 地価が安定しており、長期的な資産形成につながる。 |
高級住宅街は、地域住民の防犯意識が高く、警備体制の整った物件が多いため、高い安心感があります。
また、都心へのアクセスが良いにもかかわらず、南麻布や白金台のように緑地や公園が豊富です。この「便利なのに落ち着ける」バランスこそが最大の魅力です。
さらに、広尾や田園調布周辺は有名私立校が多く、文化施設も身近。上質な教育環境と知的な暮らしが整います。
さらに、これらのエリアに住むことは社会的信用やブランド価値につながります。地価が安定しているため、資産価値の面でも大きなメリットがある点も見逃せません。
東京の高級住宅街に住む際の注意点
高級住宅街にはメリットがある一方で、知っておきたい現実もあります。静かで品格ある街を保つために、住民には一定のルールと責任が求められるのです。
特に港区・渋谷区の一等地では、豪華な共用サービスや維持管理のために、マンションの管理費が一般的な水準よりも格段に高くなる傾向があります。買えるだけでなく、維持できる資金計画を立てることが大切です。
また、ゴミ出しや夜間騒音といった地域独自の生活ルールは、住む人のモラルによって維持されています。この協調性の高さと規範を守る姿勢こそが、街の美しい“品格”を長年にわたり守る土台となっているのです。
東京の高級住宅街に関するよくある質問
東京の高級住宅街に関するよくある質問をまとめました。
高級住宅街に住むために必要な年収は?
目安として、世帯年収1,000万円以上がひとつのラインと言えます。
高級住宅街の居住者の多くがこの層にあたり、この年収であれば約1億円前後の物件を購入できるとされています。
ただし、実際の価格はエリアによって幅があり、港区や渋谷区では1億円台〜数億円クラスが中心です。
高級住宅街にはどんな職業の人が住んでいる?
主に医師、弁護士、企業経営者、政治家、芸能関係者など、高収入かつ社会的信用の高い職業層が多く見られます。
また、外資系企業の幹部や外交官といった国際的な職業層も少なくありません。南麻布や広尾のように大使館が集まる地域では、外国人富裕層の居住も目立ちます。
高級住宅街の不動産価格は今後どうなる?
港区・渋谷区・目黒区などの人気エリアは、地価公示データでも引き続き価格が上昇傾向にあります。
再開発や外国人投資家の流入も続くため、今後も大きな値下がりは考えにくいとされています。
居住目的だけでなく、投資用不動産としても注目を集めていることも不動産購入を検討している方は理解しておきましょう。
参考:基準地価4年連続で上昇 東京の伸び加速、海外の投資マネー流入(日本経済新聞)
まとめ
この記事では、「東京はお金持ちしか住めないのか?」という問いに対して、東京の高級住宅街が持つ価値と現実の両面を見てきました。
南麻布、松濤、田園調布などに代表される街は、地価の高さだけでなく、安心・教育・資産価値といった暮らしの質を支える要素が整っています。
住むための費用は高いものの、そこで得られる静けさや利便性、信頼感といった心地よさは、数字には表れない大きな魅力です。
東京の高級住宅街は、特別な人だけの場所ではなく、長く安心して、豊かに暮らしたいと願うすべての人にとって、検討する価値のある選択肢でしょう。
<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。







