デザイナーズマンションはやめとけ?後悔する理由と3つの注意点
「デザイナーズマンションはおしゃれだけれど住みにくいって本当?」「やめとけってよく聞くけれど、実際のところどうなの?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
確かにデザイナーズマンションはデザイン性が高く魅力的ですが、家賃の高さや収納不足、原状回復費用など、住んでから後悔するリスクがあるのも事実です。
一方で「毎日が特別になる空間」などメリットを感じて暮らしている人もいます。
本記事では、「デザイナーズマンションはやめとけ」と考えられている理由やメリット・デメリット、さらに後悔しないための選び方や注意点を解説します。
読み終えることで、自分にとってデザイナーズマンションが最適な選択肢かどうかを判断できるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
デザイナーズマンションとは
デザイナーズマンションとは、建築家やデザイナーが外観や内装に強いこだわりを込めて設計した物件を指します。コンクリート打ちっぱなしの外観やガラス張りのバスルーム、大きな窓による開放感のある間取りなど、一般的なマンションにはない独特のデザインが特徴です。
こうした物件は「おしゃれで特別感がある」と人気がありますが、実は明確な定義はなく、不動産会社が「デザイン性に優れた物件」として幅広く扱っているのが実情です。
デザイナーズマンションの主な特徴を以下に整理しました。
項目 | 内容 |
---|---|
設計者 | 建築家・デザイナーが設計に関与 |
デザイン性 | 高い(素材・色・照明・空間構成などにこだわり) |
間取り | 独創的・開放的(ワンルーム、メゾネットなど) |
主な素材 | コンクリート打ちっぱなし、ガラス、無垢材など |
一般的な物件との違い | 実用性よりデザインを重視 |
主な入居者層 | クリエイターやデザイン志向の単身者・夫婦 |
一見魅力的に見えるデザイナーズマンションですが、実際に住んでみると「やめとけ」とされる理由が数多く存在します。
次の章では、その具体的なデメリットについて解説していきます。
デザイナーズマンションはやめとけと言われる理由
デザイナーズマンションは見た目の魅力が大きい反面、実際に暮らすと想像以上に不便さを感じることがあります。家賃の高さや収納不足、生活動線の使いづらさなどを理由に「やめとけ」と考える人も少なくありません。
ここからは、その具体的な理由を一つずつ見ていきましょう。
家賃や販売価格が相場よりも高い
デザイナーズマンションは、一般的な物件に比べて家賃や販売価格が高額になりやすく、長期的に支払い続けるのが難しくなる可能性があります。
理由は、建築家やデザイナーへの設計料、特注建材や設備の導入費用、複雑な施工工程などが価格に上乗せされているためです。
さらに、人気エリアや都心部に建てられることが多いため、地価の高さも影響します。
加えて、特殊な構造や設備を維持するため管理費・修繕費が高く設定される傾向があり、コンクリート打ちっぱなしなど断熱性の低い構造は冷暖房費がかさみやすいというデメリットもあります。
このように、家賃だけでなく毎月の固定費も重なりやすいため、予算ギリギリで契約すると数年後に家計を圧迫するリスクが高いといえるでしょう。
物件数に制限がある
デザイナーズマンションは物件数自体が少ないのも特徴です。設計に独自性を持たせているため、似たような物件はほとんどなく、建築家やデザイナーごとに世界観が異なります。
そのため「気に入った物件に出会えるかどうか」は運に左右されやすく、希望エリアや予算に合ったものを探すのに時間がかかります。
希少性があることは魅力ですが、需要に対して供給が少ないため競争率も高く、条件の良い物件はすぐ埋まってしまうこともあるでしょう。
結果的に妥協して選んだ物件で「やっぱり住みにくい」と感じてしまう人も少なくありません。
収納スペースが少ない
デザイナーズマンションの典型的なデメリットの一つが収納不足です。おしゃれな空間演出を優先するあまり、クローゼットや押入れが極端に少ない物件が多く存在します。
広々としたリビングや開放感のある間取りが魅力的でも、実際に暮らしてみると「物がしまえない」という不便さに直面します。収納家具を追加で購入しても、せっかくのデザイン性を損なってしまうこともあるでしょう。
収納不足は、特に家族で住む場合や荷物が多い人にとっては、大きなストレスとなる可能性が高くなります。
原状回復費用が高くなる
一般的な物件にはない特別な素材や設備を多く使っているため、デザイナーズマンションは退去時の原状回復費用が高額になりやすい点に注意が必要です。見た目はおしゃれでも、メンテナンスが難しい素材や構造が多いため、想像以上の費用がかかることがあります。
たとえば、コンクリート打ちっぱなしの壁に傷や汚れがついた場合、通常のクロス張り替えよりも高額な専門補修が必要です。また、オリジナル仕様のキッチンや洗面台、バスルームなどは既製品パーツが使えないことも多く、部分的な修理が難しいため、丸ごと交換しなければならないケースもあります。
こうした費用は退去時にまとめて請求されるため、想定していない出費となりやすいのが実情です。入居前に、原状回復の範囲や負担ルールを契約書で必ず確認し、必要なら不動産会社や管理会社に具体的な金額目安を聞いておくと安心です。
生活よりもデザイン重視の場合がある
デザイナーズマンションは「デザイン性の追求」を重視しているため、暮らしやすさや日常の快適さが十分に考慮されていない場合があります。
たとえば、キッチンが狭く使いづらい、トイレと浴室が一体型で不便、大きな窓で断熱性が低いなどのケースです。夏は暑くなり、冬は寒くて光熱費が高くなるといった二次的な問題に悩む人も少なくありません。
おしゃれさを優先して選んだ結果「暮らしにくい」というギャップを感じてしまい、「やめとけばよかった」と後悔する声が多いのです。
デザイナーズマンションのメリット
デメリットが多いとされる一方で、デザイナーズマンションには魅力的な点もあります。ここからは、実際に暮らすことで感じられる主なメリットを紹介します。
おしゃれなデザインが楽しめる
建築家やデザイナーのこだわりが詰まったおしゃれな空間であることが、デザイナーズマンションの大きな魅力です。
コンクリート打ちっぱなしの壁やガラス素材、大きな窓など、一般的なマンションにはない独自のデザインが多く見られます。毎日帰宅するたびに特別感のある空間に迎えられることで、暮らしへの満足度や誇らしさが高まるでしょう。
来客時にも印象が良く、自分らしいライフスタイルを表現したい人にとって理想的な住まいといえます。
開放的な間取りや空間設計が多い
デザイナーズマンションには、開放感を重視した設計が多く採用されています。たとえば、広々としたワンルームやロフト付きメゾネット、大きな窓から自然光がたっぷり差し込む間取りなど、一般的なマンションにはあまり見られない大胆な空間構成が特徴です。
仕切りや壁が少なく視線の抜ける空間は、部屋を実際よりも広く感じさせ、心にゆとりを与えてくれます。また、天井が高い物件も多く圧迫感がないため長い時間、家で過ごす人にも快適です。
開放的な空間は来客時にも印象が良く、人を招きたくなる住まいにしてくれます。暮らしの質を高めたい人や、広々とした空間でのびのび過ごしたい人には理想的な環境といえるでしょう。
日常生活が特別なものになる
デザイナーズマンションでの暮らしは、日常そのものを特別な時間へと変えてくれます。おしゃれで洗練された空間に身を置くだけで、自然と気持ちが引き締まり、モチベーションが高まると感じる人も少なくありません。
デザイン性の高い空間は、自分らしい世界観をつくりやすく、家具や照明、インテリアにも自然とこだわりが生まれます。
また、居心地の良さが創造性や集中力を高めてくれるため、在宅ワークや趣味の時間がより充実するのも大きな魅力です。
毎日の暮らしを、より豊かで心地よいものにしてくれる住まいといえるでしょう。
デザイナーズマンションを探す際の注意点
おしゃれで魅力的なデザイナーズマンションですが、見た目だけで選ぶと「住みにくい」と感じてしまうこともあります。生活動線や収納の使いやすさ、管理体制や将来の資産価値なども含めて、しっかりと確認しておくことが大切です。
ここからは、デザイナーズマンションを後悔なく選ぶために押さえておきたいポイントを紹介します。
デザイン性と住みやすさのバランスを確認する
デザイナーズマンションは、見た目だけでなく「住みやすさ」とのバランスを考慮して選ぶことが重要です。デザイン性を重視しすぎるあまり、家事動線が悪かったり収納が少なかったりして、実際に住んでから不便さを感じるケースも少なくありません。
内覧時には、設備の使い勝手や間取り、さらには断熱性や防音性といった基本性能もしっかりと確認しましょう。
おしゃれな雰囲気にひかれて決めたものの、「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、デザインと快適性の両方を兼ね備えた物件を選ぶことが大切です。
修繕・管理体制や維持費の高さを把握する
デザイナーズマンションは、管理費や修繕費が高くなりやすいため、将来的な維持コストを把握しておくことが重要です。
特殊な建材やデザイン性の高い共用部は維持に手間がかかり、その費用が住民に上乗せされることがあります。
物件の購入や契約前には、管理体制や修繕計画、修繕積立金の状況を必ず確認しましょう。見た目だけで判断せず、長く住み続けることを前提に資金計画を立てることが大切です。
将来の売却や資産価値を見据えて検討する
将来的に売却や賃貸に出す可能性を考えるなら、デザイナーズマンションは慎重に選ぶことが大切です。独自性が高い分、条件次第で資産価値が保たれる一方、好みが分かれて買い手や借り手が見つかりにくい場合もあるからです。
資産価値を維持しやすい物件の条件としては、まず都市部や人気エリアなど立地条件の良さが挙げられます。
さらに、建築家やデザイナーによる設計で、高級素材や最新設備が使われていること、そして共用部や外観を美しく保つ管理・修繕体制が整っていることも重要な要素です。
自分が住まなくなった後も価値を維持できるかを意識して選ぶことで、将来の売却や賃貸でも困らず、後悔のない住まい選びができるでしょう。
デザイナーズマンションに関するQ&A
これまでにデザイナーズマンションの特徴や注意点を解説してきましたが、実際に検討する際には具体的な疑問を抱く方も多いでしょう。ここからは、よく寄せられる質問について簡潔に解説します。
デザイナーズマンションは本当に住みにくい?
すべてのデザイナーズマンションが住みにくいわけではありません。
ただし、デザイン重視で設計された物件では、収納や家事動線が不十分だったり、断熱性や防音性が低かったりする場合があります。見た目にひかれて決める前に、実際の暮らしやすさをしっかり確認することが大切です。
デザイナーズマンションは新築と中古どちらがいい?
新築は最新設備が整い快適に暮らせますが、価格が高く選択肢も限られます。
一方で、中古物件は価格が比較的手頃で、選択肢も多くありますが、断熱性や防音性、管理状態などに差が出やすいため注意が必要です。どちらを選ぶ場合でも、内見で実際の住み心地を確かめたり、管理状況を確認したりすることが大切です。
デザイナーズマンションは家族でも住める?
基本的には単身者や夫婦向けが中心ですが、家族で住める物件もあります。
ただし数は多くないので、選ぶ際は収納スペースや生活動線、家族それぞれのプライバシーが確保できるかをよく見ておきましょう。子どもが大きくなっても窮屈に感じないか、将来の暮らし方も考えながら検討すると安心です。
まとめ
デザイナーズマンションは、一般的に「やめとけ」と考えられているように注意点の多い住まいです。家賃や購入価格が高めで、収納や生活動線が不十分な場合もあり、退去時の原状回復費用が高額になるリスクもあります。
また、断熱性や防音性が低い物件もあり、光熱費や騒音トラブルなど思わぬ負担が生じることもあります。
一方で、建築家やデザイナーの感性が反映された個性的で洗練された空間は、他にはない魅力です。暮らしに特別感を与え、インテリアやライフスタイルを楽しみたい人にとっては大きな満足を得られるでしょう。
大切なのは、見た目だけで判断せず、実際に生活するうえでの快適性や維持費、将来の資産価値まで含めて慎重に検討することです。本記事を参考に、デザインと住みやすさの両面を見極め、自分のライフスタイルに合った住まい選びをしてください。

<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。