「文京区の住みやすさを知りたい」「子どもに良い教育環境を与えたい」など、引っ越しを機に文教地区として有名な文京区を住まいとして検討されているご家庭もあるでしょう。
この記事では文京区の特徴や、治安が良く住みやすい地域を5つご紹介します。
また、文京区が行っている子育て世帯向けの支援事業についても解説するので、これから文京区での生活を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
文京区は子育てや教育に適した住みやすいエリア
文京区は東京都内で最も治安がよく、東京大学やお茶の水女子大学をはじめとした教育機関が集まっているため、一人暮らしの方からファミリー層まで住みやすいエリアです。
大学周辺は文教地区に指定されているので、パチンコ店や風俗店などの娯楽施設の建築に制限が設けられています。
治安維持のための規制や制限が定められているため、今後も治安が悪くなる心配は少ないといえるでしょう。
また、文京区は公立の小中学校の教育レベルが高いことでも知られ、国立小学校も3つあり、教育環境に恵まれた地域といえます。
都内の主要エリアへのアクセスにも優れているため、通勤・通学にも便利です。
治安が良く、教育環境が充実していてアクセスもよい、といった点で非常に住みやすいエリアといえるでしょう。
参考:東京で一人暮らしする方におすすめ!住みやすくて治安が良い街5選
住みよさランキング2024 関東編で1位を獲得
文京区は「住みよさランキング2024」関東編で1位を獲得しました。
このランキングは、住みよさの指標として「安心度」「利便度」「快適度」「富裕度」について偏差値を算出し、その平均値を総合評価として順位付けしたものです。(東洋経済オンライン:「住みよさランキング2024」関東編トップ100)
「利便度」が高い街は、一般的に犯罪率や治安に不安があるなど、「安心度」が低い傾向にあります。
しかし、文京区はこの調査結果から「便利なのに安心である」といった点が高評価につながり、1位を獲得していることがわかります。
利便性に加えて防犯面などの安心度が高く評価されている文京区は、まさに住みやすい地域といえるでしょう。
東京23区のなかでも犯罪認知件数が少ない
文京区は、東京23区のなかでも犯罪認知件数が少ないエリアです。
令和5年 文京区の罪種別及び手口認知件数は以下のようになっています。
罪種および手口 | 件数 |
凶悪犯(強盗など) | 11 |
粗暴犯(暴行・傷害など) | 108 |
侵入窃盗 | 29 |
非侵入窃盗(自転車盗難など) | 636 |
その他(詐欺など) | 320 |
総合計 | 1104 |
23区で最も犯罪件数が多いのは新宿区になりますが、文京区の犯罪件数は1104件と新宿区のおおむね5~6分の1となっています。(新宿区の犯罪件数は5537件)
文京区には高級住宅街が多く、東京大学やお茶ノ水女子大などの周辺は「文教地区」として指定されているため、パチンコや風俗店などの娯楽施設の建設が制限されています。
また、繁華街が少ないことも犯罪件数の少ない理由といえるでしょう。
さらに、皇族の墓地である「豊島岡墓地」があることにより、周辺の警備が強化されていたり、警視庁のパトロールの巡回がおこなわれていたりする地域もあるので、治安の面では安心といえるでしょう。
公立の小中学校や有名大学の教育レベルが高い
文京区の小中学校は学力レベルが高いことで知られ、東京大学、お茶の水大学など有名大学も多く存在しています。
東京都内に存在する国立小学校のうち半分が文京区に位置していることから、文京区全体としての教育意識の高さもうかがえます。
高いレベルの学校の存在によって学力向上に対する意識も高くなり、教育に熱心な家庭が多い点も文京区の特徴です。
また、冒頭でも述べたように文京区の小・中学校は、全国的にも学力レベルが高いことで知られています。
その中でも人気のある4つの小学校はその頭文字から「3S1K(※)」と呼ばれ、入学者数も年々増加の傾向にあります。
文京区内にある名門公立小中学校に入学する目的で、区外から引っ越してくるファミリー層も少なくありません。
※3S1K:誠之(せいし)小学校、千駄木(せんだぎ)小学校、昭和(しょうわ)小学校、窪町(くぼまち)小学校
東京23区内で文京区が人気を集める理由
「住みよさランキング2024」関東編で1位を獲得した文京区。
この章では、その人気の理由を解説します。
利便性についてはもちろん、それだけではない文京区の魅力について触れていきます。
交通機関が充実しており利便性が高いから
文京区は山手線が通るエリアの内側に位置しているので、主要な駅へのアクセスに優れています。
東京メトロ丸の内線や、都営地下鉄大江戸線など地下鉄が6路線通っています。
区内にJR線の駅はありませんが、隣接する地域には御茶ノ水駅や水道橋駅などがあるので、居住エリアによってはJR線の利用も可能です。
新宿駅や池袋駅まで30分以内で行けるといったアクセスの良さも人気のひとつでしょう。
また、文京区ではコミュニティバス「B―ぐる」を運行しており、「千駄木・駒込ルート」「目白台・小日向ルート」「本郷・湯島ルート」の3路線が20分間隔で文京区内を巡っています。
料金も100円と格安で、指定された停留所に限っては1回のみ無料で乗り継ぎができます。(Bーぐるの料金・乗車券等)
駅が近くにない場合でも、交通に不便を感じることは少ないといえるでしょう。
東京の歴史や文化を身近に感じられるから
文京区には、東京の歴史や文化を身近に感じられる建造物が数多くあることも人気のひとつです。
根津神社や護国寺といった由緒ある神社や仏閣があるほか、小説家や詩人たちが居を構えていたこともあり、文豪ゆかりの地も数多く存在しています。
2名以上のグループから予約できる「文京区公認ガイドとめぐる文の京(ふみのみやこ)の旅」では、文豪ゆかりの地や歴史的建造物をめぐるコースが10コース用意され、文京区の歴史と文化を堪能できるようになっています。
緑や公園のある自然が豊かな環境で生活できるから
特別史跡と特別名勝の重複指定を受けている小石川後楽園や、温和な日本庭園で国の特別名勝に指定されている六義園などがあります。
都会にいながら自然と身近に触れ合えたり、庭園で穏やかな時間を過ごせたりするのは、忙しい毎日を送る人にとっては嬉しいメリットでしょう。
また池、滝、遊具なども楽しめる教育の森公園や、須藤公園もあるのでファミリーにもおすすめです。
自然豊かな環境が身近にあることは、文京区が人気である理由のひとつです。
文京区内の治安が良く住みやすい地域
文京区内でも治安が良いとされ、住みやすい地域の特徴を解説していきます。
文京区は、落ち着いた雰囲気で自然が豊かな環境であり、教育レベルも高いという特徴があります。
交通アクセスにも優れていることから、人気のある地域です。
ここでは、文京区内の5つの地域について解説します。
本駒込
本駒込は歴史のある神社やお寺が多くあるエリアです。
駅周辺に繁華街がなく、閑静な住宅街が多いので落ち着いた環境で生活できます。
お寺があるイメージが強い本駒込駅周辺ですが、スーパーやドラッグストアなどもあるので、日常の買い物に不便を感じることもありません。
東京メトロ南北線本駒込駅からは、池袋駅へ18分、新宿駅や渋谷駅にも30分以内とアクセスにも優れています。
近くには「日本歯科大学付属病院」や「都立駒込病院」もあり、どちらも小児科が入っているためファミリー層にも安心できる地域でしょう。
茗荷谷
茗荷谷は東京駅や池袋駅へアクセスしやすいエリアです。
東京駅までは約11分、銀座駅まで約13分、池袋駅まで5分と利便性に優れています。
また茗荷谷は文京区のなかでも特に自然豊かなエリアです。
桜並木で知られる「播磨坂」をはじめ、「小石川植物園」や公園も多く、子育てに向いている環境といえるでしょう。
教育環境にも恵まれていて、有名中学校への進学率が高い公立の窪町小学校があります。
茗荷谷駅が最寄り駅である国立小学校は以下のとおりです。
・東京学芸大学付属竹早
・や筑波大学附属
・お茶の水女子大付属
と3つあり、学費が安いうえハイレベルな教育を受けられると人気があります。
後楽園
後楽園は交通アクセスが良いエリアです。
東京メトロ丸ノ内線と南北線が通る後楽園駅からは、東京駅や池袋駅まで約8分です。
都営三田線や大江戸線が乗り入れる春日駅も隣接しています。
さらに徒歩7分ほどでJR水道橋駅に行けるので、JR線の利用にも便利です。
駅の南側には東京ドームがあり、商業施設や飲食店も充実しています。
夜遅くまで営業しているお店も多いため、仕事終わりでも、買い物に困ることはありません。
都心部へのアクセスがよく買い物にも便利な後楽園は、都内で働く社会人に向いているエリアでしょう。
千駄木
千駄木は情緒あふれる街並みが特徴的なエリアです。
レトロな雰囲気が好き、という方にはおすすめの地域でしょう。
特に駅の東側には、懐かしさを感じさせる谷中銀座商店街をはじめ、かわいいカフェやギャラリーが多くあります。
飲食店は、ファミリーレストランなどのチェーンのほか、下町らしい居心地の良い飲食店なども豊富です。
アクセスも良好で、千駄木駅には東京メトロ千代田線が乗り入れ、大手町まで約8分。
乗り換えが1回必要となりますが、東京駅へは約18分、池袋駅へは約18分です。
また千駄木は駅周辺の治安が比較的良いことからも、人気を集めています。
湯島
湯島は東京都心に位置しながらも高層ビルや大型の商業施設がなく、昔ながらの飲食店や和菓子店などが残る地域です。
下町の雰囲気が感じられる、落ち着いた地域といえます。
湯島神宮や湯島聖堂といった、歴史的な建造物が多いことも特徴といえるでしょう。
湯島駅には東京メトロ千代田線が通っていて、大手町駅まで4分、東京駅まで約6分とアクセスにも優れています。
また湯島駅から徒歩約7分の場所にはJR御徒町駅があるので、山手線や京浜東北線を利用したい方にも便利です。
文京区が行う子育て世帯向けの支援事業
文京区が行う、子育て世帯向けの支援事業を中心に紹介します。
現代の子育て世帯は、核家族化や高齢出産、仕事と子育ての両立などさまざまな悩みや不安を抱えています。
文京区が行う支援事業は、子育て世帯における心身の負担の軽減や、経済的なサポートを含むもので、地域で支える体制を整えています。
文京区の子育て支援事業を以下で解説していきます。
文京区版ネウボラ事業
ネウボラとはフィンランド語で「アドバイスの場」を意味しています。
文京区版ネウボラ事業は、妊娠から出産、子育て期にわたる切れ目ない支援を行うとともに、より身近な場所で妊産婦を支えることを目的としています。
事業内容としては、ネウボラ面接(妊婦面談)にはじまり、母子保健コーディネーター(保健師)の配置や、産前産後のサポートなどです。
子育ての不安な気持ちや悩みが相談できたり、さまざまなサービスを利用したりすることにより出産や子育てを支援しています。
参考:ネウボラ事業(文京区)
おうち家事・育児サポート事業
家事や育児の支援が必要なときに、区が指定した民間事業者の家事・育児サポートを一定の負担で利用できる事業です。
対象となるのは、文京区に住所のある満3歳未満の乳幼児を養育する世帯。
サポート券を使用することで、利用料は1時間あたり1,000円となります。
受けられる支援は、炊事、洗濯、掃除、買い物といった家事支援のほか、子どものお世話、沐浴、兄姉への養育といった育児支援です。
サポートを受ける際にその事由が問われないため、保護者の休養、リフレッシュなどでも利用できます。
ただし、サポート時間中は、保護者が在宅していることが必要となるので、その点には注意しておきましょう。
子ども宅食プロジェクト
経済状況により、食生活に影響がでるリスクがある家庭の子どもにたいして、企業等から提供された食品等を配送するプロジェクトです。
配送をきっかけに、子どもとその家族を地域や社会からの孤立を防ぎ、必要な支援につなげるといったことも目的としています。
対象世帯は就学援助受給世帯や、0歳から高校生世代のお子さんがいる生活保護受給世帯などとなっています。
参考:『子ども拓殖プロジェクト』にご協力ください。~子どもたちに笑顔を届けよう~(文京区)
文京区は落ち着いた環境で子育てや仕事がしたい人におすすめ
文京区は、落ち着いた環境で子育てや仕事をしたいと考えている人におすすめの地域です。
また以下のような人にも、文京区は魅力的な地域といえるでしょう。
・歴史や文化に興味のある人
・文化的な活動や学びに興味がある人
・都心へのアクセスを重視する人
文京区はレトロな下町の雰囲気が味わえ、歴史的建造物や庭園にも親しみながら日々の生活を楽しめる地域です。
子育て世帯はもちろん、都心へのアクセスもよく通勤にも便利なので、都内で働く人にもおすすめといえるでしょう。
最後に
この記事では、文京区が住みやすいといわれている理由や、治安が良くおすすめの地域について解説しました。
文京区は歴史的な建造物や、下町の雰囲気を残した商店街があるといったレトロな魅力とともに、自然も多い地域です。
都心にいながら、情緒豊かな庭園が楽しめることも文京区のよいところでしょう。
子育て支援も充実しており、さらに人気の高い名門公立小学校や国立小学校、東京大学などの名門大学もあるため、教育環境にも優れています。
治安、アクセス、教育環境、子育て環境に優れた文京区は、特にファミリー層にとって住みやすい地域といえます。
これから東京での住まいを考えている人は、この記事を参考に文京区を候補としてぜひ検討してみてください。
<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。