「世田谷区って高級住宅街が多いけれど、実際住みやすいの?」「家賃が高くて暮らせないか不安がある」など悩みを抱える方もおられるのではないでしょうか。
世田谷区は成城や等々力などの高級住宅街から若者向けの下北沢まで、多様な街並みを持つエリアです。
2024年の住みたい街ランキング首都圏版では2位にランクインし、特に子育て世帯から高い支持を得ています。
本記事では、世田谷区の住みやすさについて、治安や家賃相場、子育て支援など、実データを基に詳しく解説します。
さらに、ライフスタイル別のおすすめエリアもご紹介しますので、世田谷区への引っ越しをご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
世田谷区は子育てに適した治安の良いエリア
世田谷区は、治安の良さと教育環境の充実により、子育て世帯に特に人気のエリアです。
この項では、世田谷区が子育てに適している理由を治安や教育面など3点解説していきます。
住みたい自治体ランキング首都圏版で2位
世田谷区は、2024年住みたい自治体ランキング首都圏版で2位を獲得しました。
花火大会も開催される多摩川をはじめ、砧公園や駒沢オリンピック公園など、豊かな自然が残るスポットが数多く点在しています。
交通面では、京王井の頭線、小田急小田原線、東急田園都市線など多くの路線が利用でき、新宿駅や渋谷駅などの主要ターミナル駅へのアクセスも良好です。
さらに世田谷版ネウボラをはじめとする、充実した子育て支援制度も整っているので子育て世代を中心に、幅広い世代から選ばれている街となっています。
東京23区内で2番目に治安が良い
世田谷区の2023年における治安の良さは23区内で2位でした。
このランキング結果は、警視庁が公表した令和5年度の犯罪件数(世田谷区:4,084件)を、人口(世田谷区:918,413人)で割って100をかけた犯罪発生率をもとに計算した値によるものです。
世田谷区は二子玉川をはじめとする高級住宅街が多い地区で、大使館もあり、有名人が多く住んでいます。そのため、警察による警備が厳重です。
防犯カメラは、街頭だけではなく各家庭の玄関にも設置されているケースも多いので、犯罪が起きにくい環境です。
ただし、渋谷に近い地域は若者が集まる傾向にあり、若干トラブルが起きやすくなっています。
参考:区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数(警視庁)
参考:世田谷区全域の人口と世帯数(世田谷区:令和5年12月)
内閣府から「日本語」教育特区に認定
世田谷区は、先進的な教育への取り組みが評価され、内閣府から「日本語」教育特区として認定されています。
この独自の教育プログラムは、通常の国語教育とは別に実施される特色あるカリキュラムです。
区立の全小・中学校では、短歌や俳句、古文、近代詩などの音読・朗唱を通して、日本語の美しい響きやリズムを学びます。
また、地域に伝わる民話や世田谷区の地名についてその由来や、伝統文化を学習する活動をおこないます。
「日本語」教育は、自国の文化を深く理解した国際人を育成することを目指した取り組みといえるでしょう。
都会と自然が調和する世田谷区の特徴
世田谷区は都会的な利便性と豊かな自然が調和した区です。
交通アクセス、自然環境に恵まれた世田谷区の特徴を解説します。
都心部への交通アクセスが良好である
世田谷区には8つの鉄道路線が乗り入れており、都心へのアクセスが抜群です。
世田谷区を通る鉄道路線は次の8つです。
・京王線(新宿方面)
・小田急小田原線
・東急田園都市線
・東急大井町線
・東急世田谷線
・東急目黒線
・東急東横線
・京王井の頭線
世田谷区の主要な駅から新宿と渋谷までの所要時間を確認しておきましょう。
利用する路線・駅 | 新宿駅までの所要時間 |
京王線 新田代駅から | 約17分 |
利用する路線・駅 | 渋谷駅までの所要時間 |
東急田園都市線 三軒茶屋駅から | 約5分 |
京王井の頭線 下北沢駅から | 約7分 |
以上のように、世田谷区は都心への通勤や通学に非常に便利です。
緑や水辺などの自然環境が整っている
世田谷区は、23区内でも有数の緑地を持つ自然豊かな区です。
区内の主な自然スポットをご紹介します。
公園・自然スポット | 特徴 |
駒沢オリンピック公園 | 児童公園が3カ所あり、ジャブジャブ池で夏は水遊びも楽しめる。 |
砧公園 | 遊具や世田谷美術館がある。ファミリーパークには約840本の桜が咲く。 |
ほたる祭りや古墳で知られる等々力渓谷 | 23区唯一の渓谷。ほたる祭りや古墳で知られる。 |
多摩川河川敷 | 花火大会も開催される1級河川。 |
世田谷公園 | 世田谷地域で一番広い公園。噴水広場や遊具、スポーツ施設がある。 |
これらの公園や自然スポットでは、季節の花々や野鳥観察、スポーツ施設の利用など、多様な楽しみ方が可能です。
また、行政では区政100周年となる2032年までに区内のみどり率(※1)を33%まで引き上げる「世田谷みどり33」に取り組んでいます。
(※1)みどり率:緑が地表を覆う部分に水面と公園内の緑に被われていない部分を加えた面積が地域全体に占める割合
成城エリアなどの高級住宅街がある
世田谷区には複数の高級住宅街があり、閑静な住環境が整っています。
成城エリアは成城学園を中心に発展した文教地区で、整然と区画された街路樹の並木道、オシャレな邸宅などが特徴です。
成城エリアのほかにも、世田谷区には以下のような高級住宅街があるのでご紹介します。
高級住宅街 | 特徴 |
深沢エリア | 駒沢オリンピック公園に近接する緑豊かな住宅街 |
等々力エリア | 渓谷沿いには歴史ある日本庭園が整備され、高級住宅街でありながら豊かな自然と歴史的景観が調和している |
尾山台エリア | 昔ながらの商店と新しいカフェが混在し、日常の買い物も便利な高級住宅街として人気 |
これらのエリアでは、緑地率の高さ、整備された街並み、充実した教育環境などが共通としてあげられます。
世田谷区の家賃相場
世田谷区の間取り別家賃相場は以下の通りです。
間取り | 家賃相場 |
1R | 9.14万円 |
1K | 9.36万円 |
1DK | 12.94万円 |
1LDK | 17.31万円 |
2K | 12.10万円 |
2DK | 15.55万円 |
2LDK | 24.06万円 |
3LDK | 29.73万円 |
エリア別で特徴をみると、成城などの高級住宅街のほか、二子玉川は再開発による高級マンションが多いため家賃相場は高くなっています。
〔タイプ別〕世田谷区の住みやすい駅
世田谷区にはファミリー向けから一人暮らしまで、多様なライフスタイルに対応できる駅があります。
タイプ別に住みやすい駅を特徴とともにご紹介します。
ファミリー向けのエリア
自然豊かな公園があり、駅からのアクセスも良く、治安も比較的よいファミリー向けのエリアをご紹介します。
三軒茶屋
三軒茶屋は充実した生活インフラと文化施設を備えたファミリー向けエリアです。
三軒茶屋駅には東急田園都市線と東急世田谷線が乗り入れています。
三軒茶屋駅から主要駅までの所要時間と乗り換え回数は以下の通りです。
目的地 | 所要時間 | 路線 |
渋谷 | 約5分 | 東急田園都市線 |
新宿 | 約20分 | 東急田園都市線(乗換1回) |
三軒茶屋駅から地下通路で直結するキャロットタワーは、街のランドマークとなっています。タワーには商業施設や劇場、区役所出張所を備え、26階の展望ロビーからは街の夜景も楽しめます。
また、24時間営業のスーパーが複数点在することから、仕事帰りの買い物も安心です。
さらに世田谷公園には広場やスポーツ施設が充実しているので、日常の買い物や文化的な活動、休日の家族の憩いが叶い、バランスの取れた都市生活を送れる街といえるでしょう。
二子玉川
二子玉川は自然と都会的な利便性が調和した、高級感のある住宅エリアです。
二子玉川駅には、東急電鉄の田園都市線と大井町線の2つの路線が乗り入れています。
駅から主要駅までの所要時間と乗り換え回数は以下の通りです。
目的地 | 所要時間 | 路線 |
渋谷 | 約17分 | 東急田園都市線 |
新宿 | 約31分 | 東急田園都市線(乗換1回) |
二子玉川駅前の地区には複合商業施設として2011年に開業した「二子玉川ライズ」などが立ち並んでいるので、買い物から娯楽まで楽しめます。
また、多摩川沿いでは豊かな自然環境も満喫でき、10月には「世田谷たまがわ花火大会」が開催されます。
二子玉川公園や兵庫島公園など公園も豊富なので、子どもにとっても住み心地の良い環境でしょう。
用賀
用賀は閑静な住宅街と利便性のバランスが取れた、子育て世帯に人気のエリアです。
用賀駅には東急田園都市線が乗り入れます。
駅から主要駅までの所要時間と乗り換え回数は以下の通りです。
目的地 | 所要時間 | 路線 |
渋谷 | 約14分 | 東急田園都市線 |
新宿 | 約28分 | 東急田園都市線(乗換1回) |
用賀には、スーパーや飲食店が入った世田谷ビジネススクエアがあるため、日常の買い物にも困ることがありません。
また、ファミリー世帯が多いため、保育園のほか教育環境が充実しています。
学習塾や習い事教室が駅周辺に集中していることも特徴です。
広大な芝生エリアを持つ都立砧公園など大小さまざまな公園が点在しているため、ファミリー層にとって魅力的なエリアとなっています。
一人暮らし向けのエリア
一人暮らしに適したエリアは、駅が近く、買い物や外食が便利な場所です。
また、近隣に24時間営業のスーパーがあると、仕事で忙しい方にも安心でしょう。
この項では一人暮らしに向いている駅と、そのエリアの特徴を解説します。
千歳船橋
千歳船橋は生活利便性と落ち着いた住環境を兼ね備えた、一人暮らしに適したエリアです。
千歳船橋駅には、小田急小田原線が乗り入れます。
千歳船橋駅から主要駅までの所要時間と乗り換え回数は以下の通りです。
目的地 | 所要時間 | 路線 |
渋谷 | 約23分 | 小田急小田原線(乗換1回) |
新宿 | 約22分 | 小田急小田原線 |
小田急線で新宿まで一本で通勤でき、千代田線直通の路線でもあるため、赤坂や日比谷への移動も便利です。
また、千歳船橋駅周辺にはスーパーやコンビニが比較的多く「まいばすけっと千歳船橋駅西店」は7時~24時までと、朝早くから夜遅くまで開店しています。
仕事で遅くなっても買い物に困ることはないでしょう。
四季折々の風景が味わえる「桜丘すみれば自然庭園」や、春のお花見スポットとしておすすめの「桜樹公園」があるので、自然環境もよいといえます。
下北沢
下北沢は若者文化の発信地として知られ、飲食店や古着屋が集まる活気あるエリアです。
下北沢駅には、小田急小田原線と、京王井の頭線の2路線が乗り入れます。
下北沢駅から主要駅までの所要時間と乗り換え回数は以下の通りです。
目的地 | 所要時間 | 路線 |
渋谷 | 約7分 | 京王井の頭線 |
新宿 | 約10分 | 小田急小田原線 |
渋谷駅と新宿駅へは、乗り換えなしで行けるアクセスの良さが魅力です。
下北沢は、個性的な古着屋や雑貨店、カフェが立ち並ぶ街です。
本多劇場やライブハウス、ミニシアターなど、演劇や映画を身近に楽しめる施設も充実。
さらに24時間営業のスーパーもあり、若者からシニア層まで、買い物や文化的な活動を楽しめる街として多くの人々に親しまれています。
池尻大橋
池尻大橋は渋谷に近く、おしゃれなカフェや飲食店が増えている、働く大人向けのエリアです。
三軒茶屋駅には東急田園都市線が乗り入れています。
池尻大橋駅から主要駅までの所要時間と乗り換え回数は以下の通りです。
目的地 | 所要時間 | 路線 |
渋谷 | 約3分 | 東急田園都市線 |
新宿 | 約16分 | 東急田園都市線(乗換1回) |
池尻大橋は、渋谷まで徒歩圏内という抜群の立地を誇ります。
目黒川沿いには桜並木が続き、さらに大橋ジャンクションの屋上部分に造成された目黒天空庭園という都会のオアシスも人気を集めています。
成城石井や業務スーパーなどスーパーマーケットが徒歩圏内にあり、利便性と自然のバランスが取れた街です。
世田谷区が行う子育て世帯向けの支援事業
世田谷区は妊娠期から就学前まで、切れ目のない子育て支援制度を提供しています。
この項では、世田谷区の子育て支援を3つご紹介します。
世田谷版ネウボラ
世田谷区では、「子どもを生み育てやすいまち」を目指し、フィンランドの取り組みを参考にした「世田谷版ネウボラ」を実施しています。
これは、妊娠期から就学前までの子育て家庭を切れ目なく支援する体制です。
妊婦面接での育児相談や情報提供に始まり、子育て利用券の支給、産後ケア事業の実施、各種健診のサポートなど、きめ細かなサービスを提供。
相談窓口は、各総合支所の健康づくり課や、せたがや子育てテレフォン、子ども家庭支援センターなど、複数設置されており、いつでも気軽に相談できる体制が整っています。
なお、「ネウボラ」とはフィンランド語で「相談・アドバイスの場所」を意味し、その名の通り、子育て家庭に寄り添う支援を目指しています。
参考:世田谷版ネウボラ(妊娠期から就学前までの切れ目のない支援)
子育てステーション
「子育てステーション」は、世田谷区が利便性の高い駅前に設置している子育て支援の拠点施設です。
区内5カ所(三軒茶屋、梅丘、桜新町、成城、烏山)に設置され、区民なら地域を問わず利用できます。
施設では、「あそび」「そうだん」「あずかり」「ほいく」の4つの機能を一体的に提供。
保育士などの専門スタッフが常駐し、子育ての悩み相談や一時預かり(ほっとステイ)のサービスを実施しています。
また、親子で自由に利用できる交流スペースも備えており、子育て中の情報交換の場としても活用されています。
特に「ほっとステイ」は、理由を問わない一時預かりサービスとして人気があり、リフレッシュや急な用事の際に0歳児(4ヶ月以上)の未就学児を預けられます。
せたがや0→1(ぜろいち)子育てエール
「せたがや0→1(ぜろいち)子育てエール」は、世田谷区が実施する0歳児のいる家庭に特化した見守り支援事業です。
5ヶ月から11ヶ月の赤ちゃんがいるご家庭を対象に、毎月、見守り支援員が自宅を訪問します。訪問時には育児相談や子育て情報の提供を行い、訪問後には育児支援品を購入できるAmazonデジタルギフト(3,000円分)を提供します。
この支援は最大7回まで利用可能で、合計21,000円分の支援を受けられます。
利用するためには世田谷区内に住民登録があることが条件で、里帰り先など区外での訪問サービスは受けられません。
訪問は5分程度の短時間ですが、育児の悩みや不安をその場で相談できる貴重な機会となっています。
子育ての孤立を防ぎ、安心して育児ができる環境づくりを目指した取り組みとして、多くの家庭から好評を得ています。
まとめ
この記事では、世田谷区の特徴や【タイプ別】住みやすい駅について解説しました。
世田谷区は、豊かな自然環境と都心へのアクセスの良さを両立した、23区内でも人気の高い住宅地です。
区内には8つの鉄道路線が走り、新宿や渋谷といった主要駅へのアクセスが便利です。
さらに、世田谷版ネウボラや子育てステーション、せたがや0→1子育てエールなど、充実した子育て支援制度を整備。
成城や二子玉川などの高級住宅街から、下北沢や三軒茶屋などの若者向けエリアまで、多様な街の表情も魅力です。
エリアによって家賃相場に幅があり、ライフスタイルや予算に応じて住む場所を選べることから、単身者からファミリーまで、幅広い世代が暮らしやすい街といえるでしょう。
<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。