葛飾区の治安や住みやすさは?おすすめエリア5選と家賃相場を解説
「葛飾区の治安や住みやすさは実際どうなの?」
「一人暮らしやファミリーでも安心して住める?」
葛飾区は都心へのアクセスの良さと手頃な家賃相場から人気のエリアですが、治安面での不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
葛飾区は、警視庁発表の最新データによると23区中14位と比較的治安が良好で、さらに防犯対策や子育て支援も充実しています。
本記事では、警視庁の犯罪統計データをもとに葛飾区の治安状況と安全に暮らせるおすすめエリアを詳しく解説します。
これから葛飾区への引っ越しを検討されている方は、住まい選びの参考にしてください。
目次
2023年の葛飾区の治安の良さは23区内で14位
警視庁が公表した令和5年度の犯罪統計によると、葛飾区の犯罪発生率(※1)は0.61%で、23区中14位となっています。
これは23区の平均値0.67%を下回り、比較的治安の良い区であることを示しています。
具体的な数字を見ていくと、葛飾区の年間犯罪発生件数は2,853件です。
犯罪の種類別で見ると凶悪犯(16件)や粗暴犯(191件)となり、23区の中でも少ない水準です。
一方で、自転車盗や万引きなどの非侵入窃盗は1,914件と、生活に関わる軽犯罪がやや目立つ傾向にあります。
この項では、具体的に葛飾区内のどのエリアで犯罪が発生しているのか、また区民向けの防犯対策助成金制度について見ていきます。
(※1)葛飾区の犯罪件数を葛飾区の人口46,7245人で割って100をかけたもの。
参考:区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数(令和5年)(警視庁)
参考:住民基本台帳による世帯と人口(令和5年12月)(東京都)
犯罪発生件数は区内のエリアごとで異なる
葛飾区内の犯罪発生状況を見ると、エリアによって大きな差があります。
区内の犯罪発生状況(葛飾区)によると、犯罪件数が少ないのは以下の3つのエリアです。
エリア | 犯罪状況 |
東金町 | 47件 |
東四つ木 | 47件 |
新宿 | 60件 |
これらのエリアでは自然豊かな公園があったり、落ち着いた住宅街が広がったりしています。
一方で、新小岩駅南口周辺や金町駅北口付近は飲食店や商業施設が集中しているため、特に夜間の人通りが多く、軽犯罪の発生率がやや高くなっています。
ただし、これらの地域でも駅から少し離れた住宅街は比較的治安が良好です。
参考:区内の犯罪発生情報
自転車盗などの非侵入窃盗が増加傾向にある
2023年の犯罪統計を見ると、葛飾区の特徴的な傾向として自転車盗の多さが目立ちます。
特に駅周辺の駐輪場や商業施設付近での自転車盗の被害が多く、前年比で390件増加し1,150件となっています。
一方で、車上ねらいは56件と前年から10件減少し、ひったくりも2件と低い水準を維持しています。
自転車盗の増加はありますが、それ以外の犯罪発生状況は横ばいといえるでしょう。
警視庁では自転車盗対策として、二重ロックの推奨や防犯登録の徹底を呼びかけており、区内の各駅でも定期的に防犯キャンペーンを実施しています。
参考:区内の犯罪発生情報(葛飾区)
参考:「自転車盗」の防犯対策(警視庁)
区民向けの住まいの防犯対策助成金制度がある
葛飾区では区民の安全な暮らしをサポートするため防犯対策助成制度を設けています。
助成上限額は4万円(複数品申請可能)で、以下の10品目が対象です。
・防犯カメラ
・録画機能付きドアホン
・防犯性の高い錠
・補助錠
・センサーライト
・センサーアラーム
・面格子
・防犯フィルム
・防犯ガラス
・防犯砂利
申請は同一年度で1住宅につき1回のみ可能です。
こうした取り組みは、地域全体の防犯力向上に役立っています。
下町情緒あふれる葛飾区の特徴と暮らしやすさ
葛飾区は、柴又帝釈天参道の老舗和菓子店や立石の昭和レトロな商店街など、懐かしい下町の風景が残る街です。
その一方で、金町や新小岩では駅前再開発が進み、近代的な高層マンションや大型商業施設も増えています。この新旧の調和が、葛飾区ならではの魅力となっています。
たとえば、休日には柴又の寅さん記念館で下町情緒を味わい、その後はアリオ亀有で最新のショッピングを楽しむといった異なる雰囲気の街並みを気軽に行き来できるのが特徴です。
また、地域のお祭りや縁日も盛んで住民同士の交流もあり、一人暮らしの方でも地域に溶け込みやすい環境が整っています。
ここでは、葛飾区の特徴について、自然環境・アクセスの良さ・観光名所について解説します。
水辺や緑などの豊かな自然環境がある
葛飾区は水辺や緑があり、豊かな自然に恵まれています。
葛飾区で最も注目すべき自然スポットは、都内で唯一水郷の景観をもった水元公園です。
約96,6万平方メートルの広大な敷地には、大きな池を中心に野鳥が訪れるバードサンクチュアリーや季節の花々が咲き誇る花壇が整備されています。
週末になると、中央広場では家族連れがピクニックやバーベキューを楽しみ、冒険広場には遊具もあるので子どもにも人気です。
堀切菖蒲園は6月になると200種6,000株もの花菖蒲が咲き誇り、江戸時代から続く日本庭園の風情を楽しめます。散策路では、カメラを片手に花菖蒲を撮影する人々や、園内の茶屋「静観亭」で季節の和菓子を楽しむ家族の姿も。
また、中川の遊歩道は、朝夕の散歩やジョギングコースとして人気があり、コースにある中川奥戸展望デッキは川が蛇行するポイントであることからダイナミックな景色が楽しめます。
このように、葛飾区では都会にいながら、四季折々の自然とともに暮らせる環境が整っている地域といえるでしょう。
都心や埼玉県・千葉県方面へのアクセスが良い
葛飾区は都心や埼玉県・千葉県へのアクセスが比較的良好です。
葛飾区には、以下の路線が通っています。
・JR総武線・総武本線
・JR常磐線
・京成本線
・京成押上線
・京成金町線
・成田スカイアクセス
・北総鉄道北総線
東京駅まで新小岩駅からJR総武線快速を利用すれば東京駅まで約13分、金町駅からは常磐線で40分程度です。
また、スカイツリーのある押上駅へは、金町駅から約30分、京成高砂駅からは約12分で移動できます。
さらに、埼玉県や千葉県との県境に位置しているため、松戸や三郷方面への買い物や休日のレジャーにも便利です。
歴史的な建物や観光名所が多い
葛飾区には、日本の大衆文化を代表する名所が数多く点在しています。
柴又帝釈天(帝釈天題経寺)は江戸時代から続く由緒ある寺院で、門前町には老舗の団子屋「とらや」をはじめ昔ながらの和菓子店や飲食店が軒を連ねています。
ここは映画『男はつらいよ』の舞台としても知られ、寅さん記念館では山田洋次監督が描いた昭和の下町の世界を体験可能。
また、亀有駅周辺は国民的漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の舞台として有名です。駅前には両津勘吉のブロンズ像が設置され、休日には記念撮影をする人々でにぎわっています。
葛飾区では伝統的な寺社仏閣と、昭和から平成にかけての日本の文化的シンボルが調和しており、観光客だけでなく地元の人々の誇りとなっています。
葛飾区の家賃相場
葛飾区の家賃相場をみていきましょう。
葛飾区の間取り別家賃相場は以下の通りです。
間取り | 家賃相場 |
1R | 6.53万円 |
1K | 7.49万円 |
1DK | 8.61万円 |
1LDK | 12.85万円 |
2K | 9.40万円 |
2DK | 10.49万円 |
2LDK | 17.77万円 |
3DK | 12.83万円 |
3LDK | 20.21万円 |
葛飾区の家賃相場は、23区内でも比較的リーズナブルな水準を保っています。
近隣の区である墨田区は1Kで 9.97万円、1LDKは16.76万円なので、葛飾区は2.5~4万円安価であることがわかります。
単身者向けからファミリー向けまで幅広い物件がそろっているので、ライフスタイルに合わせた住まい探しができるでしょう。
葛飾区の治安が良く住みやすいエリア
葛飾区は、豊かな自然と都市機能が調和した住みやすい街として人気を集めています。
ファミリー層には閑静な住宅街と充実した教育施設のある京成高砂や金町が、一人暮らしの方には交通アクセスと生活利便性に優れた新小岩や亀有がおすすめです。
この項では、葛飾区の中でも人気の5つのエリアについて、それぞれの特徴と都心へのアクセス時間をご紹介します。
京成高砂
京成高砂駅は、4路線(京成本線、京成金町線、北総線、京成成田スカイアクセス)が交差するターミナル駅です。東京駅までは乗換が1回必要ですが、京成本線で約40分です。
駅周辺には「セルカ」や「イトーヨーカドー」があり、日常の買い物に困ることはありません。昔ながらの商店街も残り、温かみのある街並みが特徴です。
治安面は駅周辺では心配な部分がありますが、駅より北側のエリアは犯罪件数が少ないため、女性の一人暮らしにもおすすめでしょう。
また、駅から徒歩10分圏内には複数の公園があり、子育て世帯にも人気のエリアとなっています。
新小岩
新小岩駅は、JR総武線快速の停車駅で、東京駅まで約15分、新宿駅まで約35分という好アクセスが魅力です。
駅南口エリアは再開発が進み、商業施設やマンションが増加中です。約140店舗が軒を連ねる「新小岩ルミエール商店街」は活気にあふれ、西友やサミットストアなどの大型スーパーも徒歩圏内です。
医療機関も充実しており、駅から徒歩7分のところに「イムス東京葛飾総合病院」があるので体調を崩した際にも安心です。
駅から少し離れた住宅街は閑静な環境が保たれ、ファミリー層も多く住んでいます。駅前には交番があり、防犯パトロールも定期的に実施されています。
四ツ木
四ツ木駅は、京成押上線が通る閑静な住宅街の中心に位置し、東京駅までは乗換1回で約40分です。
駅前のスーパーマーケットやドラッグストア、個人商店が充実しているので、日常の買い物に困ることはありません。
住民同士の交流が活発で、地域コミュニティの結びつきが強い地域です。
さらに駅前から離れれば、保育園や小学校も立ち並び治安のよい地域となり、子育て世帯に人気があります。
また、荒川の河川敷まで徒歩圏内という、自然豊かな環境も魅力の一つです。
金町
金町駅は、JR常磐線と東京メトロ千代田線の直通運転により、東京駅まで徒歩10分の大手町駅まで約27分です。徒歩を入れて約40分で東京駅に到着します。
駅周辺は再開発が進み、「ヴィナシス金町ブライトコート」などの複合商業施設が整備されていて3階には「葛飾区立中央図書館」が入っています。
東京理科大学葛飾キャンパスもあり、学生向けの飲食店も充実。徒歩圏内には都内最大級の水元公園があり、休日には家族連れでにぎわいます。
大部分を住宅地が占めていることもあり、治安の面でも安心して暮らせる環境が整っています。
亀有
亀有駅は、JR常磐線から乗換1回で新宿駅まで約40分です。
『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の舞台として知られ、駅前の両さん像は待ち合わせスポットとして人気です。
約130店舗が入る大型商業施設「アリオ亀有」や「亀有銀座商店街」があり、買い物に困ることはありません。大型商業施設が誕生したことでファミリー世帯も増えており、女性の一人暮らしにもおすすめです。
駅から少し離れると閑静な住宅街が広がっています。
子育て支援施設も充実しており、単身者からファミリーまで幅広い世代が暮らしやすい環境が整っています。
葛飾区が行う子育て世帯向けの支援事業
葛飾区は2019年の日経DUAL「共働き子育てしやすい街ランキング」で1位を獲得するなど、子育て支援が充実した街として高い評価を受けています。
特に、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援体制が整っており、子育て世帯の経済的負担を軽減するためのさまざまな制度があります。
具体的な支援内容を見ていきましょう。
マタニティパス
妊婦さんの移動をサポートする制度として、6,000円分の交通系ICカードへのチャージ額を支給しています。
支給対象者は、親子健康手帳(母子健康手帳)の交付を受けてから1年を経過していない方。
マタニティパスは、児童館や保健センターなど相談機能を有した場所で交付されます。妊婦さんが妊娠期から出産後まで抱える不安や悩みを相談できるように、そのような場所で交付を行っています。
参考:マタニティパス(葛飾区)
多子世帯の保育料減免制度
子育て世帯の経済的負担を軽減するため、葛飾区では保育料減免制度を設けています。
具体的には、第2子・第3子以降の保育料は完全無料です。
所得制限もないため多くの世帯が利用できます。
この制度は認可保育所や認定こども園で利用可能で、0歳から2歳児クラスまでが対象です。
さらに、私立幼稚園に通う場合でも、入園料や施設整備費などの特定負担額に対して、月額7,830円を上限に補助が受けられます。
このような手厚い支援により、働きながら子育てをする世帯をバックアップしています。
参考:多子世帯の利用者負担額(保育料)の減額・免除について(葛飾区)
子ども2人乗せ自転車等購入費助成事業
子育て世帯の安全な移動手段を確保するため、葛飾区では子ども2人乗せ自転車の購入費用を助成しています。
2人乗せ自転車の購入費用の2分の1(上限5万円)が補助されます。
対象となるのは、小学生未満の子どもがいる世帯です。
安全性の高い自転車本体に加え、ヘルメットなどの安全装備品や対象の自転車本体を購入した際の防犯登録料も補助対象となっています。
子育て中の外出をより安全で快適にするための支援として、多くの世帯に利用されています。
東京23区内の子育てしやすい街をお探しの方は、下記の記事をご確認ください。
まとめ
本記事では、葛飾区の治安状況と住みやすさについて、最新の犯罪統計データと生活環境の両面から見てきました。
23区内でも比較的治安が良好で、特に京成高砂や四ツ木といったエリアは、住宅街としての安全性が高く評価されています。
また、都心へのアクセスも比較的良く、手頃な家賃相場と充実した子育て支援制度により単身者からファミリー層まで幅広い世代が快適に暮らせる街といえるでしょう。
とりわけ子育て支援については、マタニティパスや保育料減免制度など支援策が整っており、共働き世帯から高い支持を得ています。
葛飾区での暮らしを検討している方は、この記事で紹介した各エリアの特徴や支援制度を参考にご自身のライフスタイルに合った場所を見つけていただければ幸いです。

<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。