リノベーションのメリットとデメリットは?リフォームとの違いを解説
「自分好みの住まいを手に入れたいけれど、注文住宅って高いイメージがある」「あまりお金をかけずに理想の家を手に入れる方法を知りたい」と考えている方もおられるのではないでしょうか。
リノベーションとは、中古物件を購入して部屋や間取りなどを自分好みに改装・改築することです。リノベーションをおこなうことにより、自分好みのデザインや最新の機能を追加できます。また、建物の老朽化を防止することにもつながります。
住宅リフォーム・紛争処理支援センター(東京都千代田区)は、2023年における住宅リフォーム市場の推計を10月25日に発表。増築・改築の工事費に加え、設備などの修繕・維持費を含めた市場規模は前年比2.1%増の7兆100億円となり、初めて7兆円を突破。これで5年連続の成長であることを発表しました。
リノベーションについて、まずは以下の表でメリットとデメリットをまとめておきます。
メリット | デメリット |
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リノベーションについて知りたい、もしくはすでに検討している人はこの記事を読んで参考にしてください!
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リノベーションとリフォームの違い
「古くなった設備を直したい」「もっと自分らしい空間にしたい」――そんなときによく聞くのが「リフォーム」と「リノベーション」という言葉。でも、この2つ、どう違うのかイマイチわかりにくいですよね。
実はこの2つ、目的や工事の範囲がまったく違うんです。後悔しない住まい選びのために、それぞれの違いと、自分に合った選び方を一緒に見ていきましょう。
リフォーム | リノベーション | |
工事の目的 | 傷んだところを直す | 暮らしに合わせて作り直す |
例 | 壁紙の貼り替え、キッチン交換 | 間取り変更、性能アップ |
費用 | 比較的安い | 物件によっては高額に |
工期 | 短め(数日〜数週間) | 長め(数週間〜数ヶ月) |
リフォームは原状回復することが目的
リフォームとは、傷んだり古くなったりした部分を新築のようにきれいに直す工事のことです。たとえば、壁紙の張り替えや、お風呂・キッチンの交換など、「今の形を変えずに元に戻す」イメージです。
● こんな人におすすめ
「なるべく費用を抑えて、生活しやすくしたい」
「全体的には気に入ってるけど、一部だけ直したい」
リノベーションは「暮らし方を変える」工事
一方でリノベーションは、今ある間取りや設備を大きく作り変えて、自分らしい空間に生まれ変わらせることです。
たとえば、細かく区切られていた部屋を広いリビングにしたり、水回りの位置をガラッと変えて使いやすくしたり。設備を新しくするだけでなく、家の「使い方そのもの」を見直すのがリノベーションです。
● こんな人におすすめ
「中古物件を買って、自分好みにアレンジしたい」
「今の家をもっと快適にして長く住みたい」
リノベーションの5つのメリット
リノベーションにおけるメリットを5つ紹介します。新築にこだわりがない、という方にとってリノベーションはメリットの多い選択だといえるでしょう。
立地や物件の選択肢が増える
リノベーションのメリットとして、まず物件の選択肢が増えることがあげられます。人気のエリアはすでに住宅が建ってしまっていることが多く、また理想の間取りや内装、周辺環境が整っている新築物件を探すとなると、物件探しがなかなか進まないことがあります。
しかしリノベーションすることを視野に入れているなら、中古物件も選択肢として考えられるようになります。間取りが希望と違っても、リノベーションで理想に近い形に変えられるからです。
新築にこだわらずに物件を探している方は、立地、間取り、デザインなど理想の物件を手に入れるため、中古物件を購入してリノベーションをすることも検討してみましょう。
新築を建てるよりも予算を抑えることができる
新築を購入するためには、かなりの費用が必要となってきます。リノベーションも決して安くはありませんが、新築を購入するよりも少ない予算で理想の家が手に入る可能性があります。
リノベーションは、もともとの建物の基礎や柱を使って行われるため、新築に比べて工程数が多くありません。材料費、人件費、工事費などかなりの節約となります。
すでにその土地に建っていることもあり、地盤改良も基本的には不要です。
次に、新築住宅と中古住宅の購入資金の平均をみてみましょう。
・土地を購入した注文住宅新築世帯:5436万円
・分譲戸建住宅:4214万円
・中古戸建住宅:3340万円
このデータによると、中古物件は新築に比べて約6割の価格で購入されていることがわかります。
新築に比べて4割近くも安く建物が手に入るとなると、その後のリノベーションに費やせる金額は少なくないといえます。
建物の大きさやリノベーションの範囲、内容によっても異なりますが、戸建ての場合、おおむね1000万~2000万程度の費用が相場となっています。
工事内容によっては総額が新築と変わらない結果になってしまうこともあるかもしれませんが、できるだけ予算を抑えて理想を実現したいという方には、中古物件を購入して理想の住まいにつくり変えるリノベーションはおすすめできるといえるでしょう。
自由にデザインや設計ができる
リノベーションの3つ目のメリットは、費用面で妥協することなく自由にデザインや間取りの設計ができるということです。
新築はデザインや間取りといった設計を自由に決められますが、こだわりを持てば持っただけ費用がかかります。費用の関係で理想を一部妥協しなければならなくなった、という方も少なくありません。
新築ではなく中古物件を購入することで費用を抑え、その分の費用で自分の望む家へと改修ができます。
また、リノベーションでは配管や水回りの設備なども大規模改修をおこなうため、自分の使いやすい形に設計が可能になってきます。家族のライフステージに合わせて、部屋を増やしたり、壁を取り払ってしまって広い部屋にしたり、などが自由にできます。
予算に応じて、家族の声を取り入れながら段階的に住まいを変えていくことも可能です。
自分のこだわりをできるだけ実現したい、という場合には中古住宅のリノベーションの検討をおすすめします。
節税になる
リノベーションは、固定資産税や所得税の節約につながります。
新地区住宅は建物の価値が高いので、固定資産税が高くなります。しかし、中古住宅を購入してリノベーションした場合、固定資産税は中古住宅の時のままである場合がほとんどです。
建物の床面積の増加や減少を伴わない工事については、建物の固定資産税評価額の改定がないためです。
リノベーションによって実質的には物件の価値は上がりますが、固定資産税の評価額は中古住宅を引き継いだまま、ということになります。
所得税については、リノベーションの際の工事費を確定申告で「減価償却費」もしくは「修繕費」として計上すれば、どちらも不動産所得の計算で収入から差し引くことができ、所得税の節税になります。
リノベーションは、新築に比べて税金を安く抑えられることもメリットのひとつでしょう。
エネルギー効率のよい住まいが実現できる
リノベーションにより、自然のエネルギー利用や断熱性能を上げると、光熱費を抑え環境にやさしい住まいを実現できます。
窓や玄関を高断熱のものに取り換える、壁や床に性能の良い断熱材を取り入れる、風の通りや採光に配慮して窓を設けるなどすると、エアコンや照明の利用時間が減らせます。
リノベーションで光熱費の節約ができ、環境にやさしい住まいを手に入れられます。住む人の満足度も上がりそうですね。
省エネのための改装に対しては、国や自治体が補助金・助成金制度をおこなっている場合があります。「住宅省エネ2024キャンペーン」も参考にしてみてくださいね。
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リノベーションの5つのデメリット
ここまでリノベーションのメリットを紹介してきましたが、デメリットも存在します。リノベーションで失敗しないために、デメリットも確認しておきましょう。
予想以上にお金がかかってしまう可能性もある
リノベーションでは、予想していた以上の費用がかかってしまうことがあります。中古住宅を購入するため、外から見ただけではわからない欠陥が存在している可能性があるからです。
工事が始まってからわかる欠陥もあります。特に年数が経っている中古住宅の場合は改修で解体の際、柱など、構造の一部が腐食していたりするケースもあります。
また、耐震性の法定基準をクリアしていないため、耐震診断など工事費以外の費用が発生することもあります。
リノベーションをお願いする施工会社との打ち合わせの段階で、あらかじめどういった可能性があって、どの程度の費用が必要になる可能性があるか確認しておくとよいでしょう。
建物の老朽化や耐久性の問題
リノベーションがそもそも中古物件をもとにしたものである、ということで存在するデメリットになりますが、建物の老朽化、耐久性の問題があります。
建物の定期的なメンテナンスが行われていない場合、たとえば屋根や外壁のメンテナンスがされていないと雨漏りや経年劣化による損傷が起きてしまいます。
しばらく人が住んでいなかったり、もしくは通常の住宅よりも多くの人が利用する建物であったりすると、耐久性が低下しやすくなります。
購入を考えている中古物件がこの先どのくらいの期間住めるのか、しっかりチェックしておくことが必要となってきます。
工事をしてから住むまでに2.5ヶ月~半年ほどがかかる
リノベーションの工事は、購入後に設計の打ち合わせが終わると開始されます。打ち合わせを含む工事前の期間が1~2ヶ月前後で、工事期間は平均して2.5ヶ月です。
しかし、解体工事後に修繕工事が必要になることが判明したり、100㎡以上など面積が大きい物件や外壁や屋根の工事など工事内容が広範囲に及んだりする場合は、引き渡しまでに半年ほどの期間が必要となります。
自分がイメージした通りの理想の住まいを手に入れるため、建築士との打ち合わせも十分にしておかなければなりません。購入後から実際に入居するまでに時間がかかるため、すぐにでも住み替えたいという方は
希望通りにリノベーションできない場合がある
構造・工法や物件が建っているエリアによって希望に沿ったリノベーションができない場合があります。広々とした間取りを手に入れたかったけれども、壁が構造体(建物を支える部分)であるため、間取りの変更ができないことがあります。
また、エリアによって建物の大きさ・高さに制限があったり、土地によって敷地面積に対する建築面積や容積比率が決まっていたりします。こうした制限がある場合は、その範囲を超えてのリノベーションはおこなえません。
物件購入時や、リノベーションを依頼する会社に、自分が希望するリノベーションがおこなえるか聞いておくことをおすすめします。
ローンの金利が高くなる傾向がある
リノベーションの費用には一般の住宅ローンが利用できないため、ローンの金利が高くなる傾向があります。住宅ローンの金利は約1~2%で、1%未満であることも珍しくありません。それに対して、リフォームローンの金利相場では約2~5%と、住宅ローンに比べて高めに設定されています。
借りられる金額や期間なども住宅ローンと異なる部分も多いため、リノベーションにローンを利用しようとしている方は、金融機関に確認しておきましょう。
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さいごに
この記事では、リノベーションのメリット、デメリット、そしてリノベーションはこんな人におすすめしたいといった内容をご紹介しました。
理想の住まいを手に入れ、その住まいの価値も高めてくれるリノベーション。住み始めてからも、長く快適な生活を送り続けるために、定期的なメンテナンスのほか改修工事が再び必要になってくる場合もあるでしょう。
そういった場合に備えて、リノベーションの際には設備配管を体躯に埋め込まないことや、点検口を確保しておくなどしてメンテナンスがしやすい工夫をしておくとよいかもしれませんね。
このような点から、リノベーションは以下の項目に当てはまる方におすすめしたいと言えるでしょう。
・エリアにこだわって住まいを探している
・新築にこだわっていない
・できるだけ予算を抑えて理想の住まいを手に入れたい
・リノベーションで建物の価値を上げ、資産として住宅を持っていたい
・光熱費を抑え、環境にやさしい住まいづくりをしたい
ご紹介したメリット、デメリットを参考にして、リノベーションで理想の暮らしをぜひ実現させてください!

<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。