ユニットハウスは手軽に設置可能?様々な活用方法や特徴を徹底解説

不動産を知りたい

「集中できる新しい作業環境が欲しい」「趣味や仕事をする部屋としてユニットハウスを導入するのはおすすめなのか」といったように快適に仕事をするため、あらたに仕事の環境整備としてユニットハウスの検討を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ユニットハウスとは、軽量鉄骨で製造されたボックス型の建物です。
家を支える製作工程のほとんどを工場でおこなうもので、工法としてはプレハブの一種です。工場からトラックで運び、クレーン車で設置するだけなので現地での作業を大幅に減らせる、といった特徴があります。

現場での作業は、最短一日で終わることもあります。メリットとして費用の安さや工期の短さがあるといえるでしょう。

この記事では、ユニットハウスの特徴や活用法について解説します。
大規模な増改築をせず、新しい作業空間や考えている方はぜひ参考にしてください。

ユニットハウスの9つの特徴

ユニットハウスはプレハブの進化系ともいわれ、1990年代には全国的に広く普及し始めました。

工場において材料の受け入れからユニットの組み立てまで、手順を標準化し、徹底管理されているので品質も高いことが特徴です。

設置における工期も短く、ローコストで設置できるユニットハウス。耐久性にも優れ、増設や移設が比較的容易にできる商品なので、趣味部屋、仕事部屋、子ども部屋など、住居の拡充として自宅に設置することにも適しています。

ここでは、ユニットハウスの特徴を9つ詳しく解説していきます。

耐久性がある

使用する鉄骨の種類にもよりますが、ユニットハウスのように軽量鉄骨構造の場合、定期的にメンテナンスをしていれば10年以上は持つとされています。メンテナンスを必ずおこなうように心がけておきましょう。

メンテナンスをする際には、外装の塗り直しや床の張替えなどに加え以下の点を確認するようにしてください。

・サビが発生していないか
・コンテナをつなぎ合わせた部分、窓やドアのつなぎ部分のシーリングに劣化はみられないか
※シーリング……気密性や防水性を高めるために、建物の継ぎ目やひび割れなどの隙間を充填しているゴム素材のもの
・シロアリ被害はないか

サビ塗装は一般的に3~5年程度が耐用年数とされています。サビが発生していないか定期的に確認し、サビを見つけた場合には早めに防サビ塗装を塗るなど対処しておきましょう。

シーリングの劣化を放置すると、雨が入り込み、コンテナハウスの劣化を早めかねません。シーリングの充填は欠かさずおこないましょう。一般的に5年に一度のペースでシーリングの充填することをおすすめします。

シロアリは、断熱材の部分に繁殖する恐れがあります。配管周囲からコンテナハウスに入り込む可能性もあるので、配管周囲に金属製のメッシュを設けるなどの対策をしておくとよいでしょう。

短期間で施工可能

ユニットハウスは、工場で約8割程度製造されるため、天候に左右されることなく工期が安定しているという特徴があります。

電気設備や給排水設備の内装まで工場でおこなってから現地に運び込むので、現地での作業はクレーン車での設置作業がメインになります。クレーン車の運転手だけで作業が済む場合もあるため、人件費は安く抑えられるでしょう。

現地での作業は単棟であれば1~2時間、2棟以上の場合でも半日から1日で納品が完了します。

広さのあるものは、現地に運んだあとにユニットを並べて連結させる作業もありますが、普通の工法よりもかなり工期が短いといえます。

ローコストで設置可能

ユニットハウスは建材、工程が規格化されているため、一般的な住宅より価格が安いという特徴があります。プレハブ自体が通常の工法よりも効率的な工法で建てられているので、プレハブをさらに効率化したユニットハウスは大幅なコスト削減が可能となります。

プレハブの価格は1坪60万円~であるのに対して、ユニットハウスは簡易的な物置タイプだと10万円台から設置が可能です。

住宅用として使用するには一定の性能が必要となるので、金額は上がりますが、プレハブに比べて安く設置できるでしょう。

オプションで必要なものを取り付けられる

ユニットハウスは構造上の問題として断熱性が低かったり、雨音が大きく響いたりすることがあります。
しかしオプションで断熱材を入れたり防音加工をしたりすることによりこれらの問題を解決できます。

また、トイレ、キッチン、シャワールーム、お風呂、洗面台などもオプションで取り付け可能です。そのため近年では、住宅として利用する人もいます。

増改築や移設がしやすい

ユニットハウスは決められたユニットを組み合わせて建物を建てるため、新たにユニットを追加することで気軽に増築ができます。移設した場合の再工事でも、新規に設置したときと同様にクレーン車で運び込むだけなので費用が安く抑えられます。

住まいの場所、形を容易に変えられる点は、在来工法やプレハブにはないユニットハウスのメリットといえるでしょう。

地震に強い

ユニットハウスはラーメン構造(フレームを鉄骨で組み立てる)という耐震性に優れた構造で、プレハブ工法のなかでも地震に強いという特徴があります。地震で潰れることがほぼありません。

また、工期が短く早く設置できるため、災害時の仮設住宅としても利用されています。搬入後すぐに入居できるため、避難所の集団生活による住民のストレスを早期に解消するのに一役を買っています。

九州豪雨で被災した熊本県球磨(くま)村に設置された仮設住宅は、ユニットハウスの構造体にコンテナを活用したコンテナ型の住宅でした。

工場でお風呂やトイレなど内装も仕上げられており、電気や水道の工事をおこなうだけですぐに入居可能でした。一戸約30㎡で使用されたのは、約450万円からと、金額的にも非常に負担の少ないものです。

参考:防災ニッポン+「災害時の仮設はコンテナで 業者と自治体に協定広がる」

リサイクル性が高い

ユニットハウスは移設と同様、撤去も簡単にできることも特徴です。設置場所や搬出における状況によっては難しい場合もありますが、ほとんどの場合、買取りが可能です。

また、製造工程のほとんどを工場でおこなうため、現場での廃材もほぼゼロ。不要になった際にも中古として再利用できるので、環境にやさしい面もユニットハウスの魅力といえるでしょう。

設置場所に制限がある

ユニットハウスは土地の状況によっては設置場所に制限があります。

ユニットハウスはトラックやクレーン車などの大型作業車を使って運び込むため、道幅が狭くて、大型車が通れない場合は設置ができません。クレーンで吊って設置のため、電線がある場所や庭木が作業の妨げとなる場合は設置ができない場合もあります。

高さや広さに制限があり間取りの自由度は低い

ユニットハウスは完成した箱型のユニットをトラックなどで運ぶため、高さの制限が設けられているので、細かい部分にまでこだわった建物にしたいといった方には自由度が低く不向きという可能性が高いです。

道路交通法によって、1ユニットあたりの高さや広さは制限されます。1ユニットあたり高さは2.7mまでとされており、それ以上の高さのものは設置できません。

広さについてはユニットを並べたり、2階建てにしたりすることで確保できますが、その際には壁の撤去などの作業が必要となります。

基本的には製品が規格化されているため、デザインの自由度は低いといえるでしょう。部分的なリフォームをすることも難しいでしょう。

プレハブとユニットハウスの違い

プレハブハウスは工場などで生産した部材を現地まで運んだあと組み立てるのが一般的で、ユニットハウスとは異なります。部材がバラバラの状態で運ばれるので、搬入時の制限は少ないことが特徴といえます。

2t車などで材料が搬入できれば自由に組み立てられるので、建物の高さや広さの制限もありません。ただし、プレハブは現地で組み立てる都合上、天候に左右される場合があります。人員も必要となるため、ユニットハウスに比べて費用がかかります。

また、ユニットハウスと異なり、電気設備工事もハウス設置後の施工となるので、工期も長くなるでしょう。
不要になったあとの買取りについても、現地にて撤去作業が必要になるため、買取りできない場合がほとんどになります。

プレハブとユニットハウスの違いを以下の表にまとめたので参考にしてください。

プレハブユニットハウス
施工期間
7日~10日ほど通常約1日
工事期間
天候により工期が変化雨天でも施工可能
耐久性
メンテナンスをしていれば20年以上メンテナンスをしていれば10年以上
費用
相当数の人員が必要なため、人件費がかかる工期が短く、現場での作業も少ないので人件費が抑えられる
付帯工事
(換気扇・コンセント・証明)の有無
工事が必要標準装備されている(引き込み工事のみ必要)
大きさ
好きなサイズにできる高さは2700mmまで
設置場所
2t車で材料を運べれば設置可能4~10tユニックで作業可能な場所

耐久性の面で補足しておくと、建物には財務省が定めた資産ごとの「法定耐用年数」が定められています。ユニットハウスは使用される鉄骨の厚みによって耐用年数が分けられているという特徴があります。

また、鉄骨の厚みが3mm以下であれば法定耐用年数は19年。4mm以上であれば27年です。定期的にメンテナンスをおこなえば、長期にわたって利用ができるとされています。

ユニットハウスの活用方法

ユニットハウスは、快適な住まいの環境が保たれるよう気密性や断熱性に優れた製品も増えてきています。
きちんとメンテナンスをおこなえば、10年以上は利用可能とされています。

ユニットハウスを住居として利用することも可能ですが、通常の住宅に比べると耐久性や耐火性の面で劣ってしまいます。

長く住み続ける住居の空間としては、ユニットハウスの導入の検討は慎重にすべきでしょう。
ユニットハウスは簡単に設置・増設ができるので、立地条件のよい場所が見つかった際に、移動も簡単におこなえます。

ローコストで設置・増設がしやすいという点で、作業場の新設や別荘として活用する場合に向いているといえます。仕事に集中するためのスペースはもちろん、趣味の作業部屋や子供の遊び場、物置まで様々な活用方法が挙げられます。

さいごに

この記事ではユニットハウスがどのような物かを詳しくお話してきました。
ユニットハウスは、工事期間が短く、再利用も可能な環境に配慮した建物です。また、耐震性や耐久性にも優れており、様々な活用方法ができるということがわかりました。

物置にとどまらず、幅広いニーズに応えられるので、仕事部屋、趣味部屋、子ども部屋など、住宅の拡充としても利用できることをご紹介しました。

この記事を参考に、自分一人の部屋や作業場が欲しい人、増設を考えている人はユニットハウスを検討してみてください!

【監修者】大石 裕樹

【監修者】大石 裕樹

<保有資格> 司法書士 宅地建物取引士 貸金業取扱主任者 / 24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。

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