マンションの1階は後悔する?意外なメリットやデメリットを解説
「マンションの1階は上階と比べて家賃が安いのはなぜ?」「メリットとデメリットを知った上でマンションの1階を検討したい」など、他の階と比べて家賃が安いことからマンションの1階を検討する人も多いでしょう。
マンションの1階は、他の階と比べると住むためのデメリットが多いです。
防犯面やプライバシーの確保の不安、眺望や日当たりの悪さなどが気になる方もおられるかと思います。
しかし、マンションの1階はデメリットばかりではありません。
下の階の騒音を気にする必要がない、高層階よりも家賃が安いなど、状況によってはメリットになるケースも多いです。
デメリットと言える部分でも、1階のセキュリティ面を強化している物件や周辺環境がプライバシーを確保できる物件を選ぶことで解消できます。
これからマンションの部屋探しをする上で1階を検討しているという人は、最後までこの記事を読んでいただければと思います。
マンションの1階に住む7つのデメリット
家賃が安いことを理由にマンションの1階を選び、住んでから後悔するケースも少なくありません。
では、マンションの1階には、どういったデメリットがあるのでしょうか。
ここでは、マンションの1階に住む7つのデメリットについて解説します。
防犯面の心配がある
マンションの1階のデメリットの中でも、最も気になるのが防犯面です。
ベランダや庭が道路に面している場合は、柵や塀を乗り越えて人が入ってくるのではないかと不安に感じる人も多いと思います。
警視庁「住まいる防犯110番」の令和4年調査によると、侵入犯罪のうち、3階以下の共同住宅は全体の約7.8%を占めています。
やはり、マンションの1階は、空き巣などの犯罪者にとって、侵入しやすくて逃げやすい、外から中が見えるので留守が確認しやすいなどの理由から、犯罪を行いやすい環境にあると言えるでしょう。
プライバシーが確保しづらい
マンションの1階は、外から室内が見えるので、プライバシーが確保しづらいのもデメリットです。
1階のベランダ側は、植栽やフェンス、ブロック塀などで目隠しをしていますが、それでも隙間や継ぎ目から室内が見えてしまいます。
カーテンやブラインドなどを利用してある程度は防ぐことができますが、暗い中で生活する必要があります。
前面道路が人通りの多い道路だと、話し声や視線が気になってしまい、落ち着いて生活ができないと感じる方も多いでしょう。
眺望や日当たりが悪い場合がある
マンションの1階は、眺望や日当たりが悪い場合が多いです。
前面が道路や公園、駐車場などであれば、眺望は良くないかもしれませんが、日当たりは確保できます。
しかし、大きな建物が前にある場合は、建物以外は見えませんし、上階に比べると日当たりもほとんど期待できません。
3階や4階だと電柱や電線が目の前にある可能性もあるので、眺望を重視する場合は最低でも5階以上に住む必要があります。
結露やカビが発生しやすい
マンションの1階は、地面に近いことから、冬は冷気が強く、結露が出やすいのでカビが発生しやすいのがデメリットです。
結露を放置しておくと、周辺の壁紙を湿らせたり、建具を伝って床や畳に染み込んだりしてしまい、カビが発生します。
最近のマンションは、2重サッシや複層ガラスが採用されているので結露はある程度は防げますが、築年数が古いマンションは、断熱性が低いので、結露やカビに注意する必要があります。
他の階よりも騒音が聞こえやすい
マンションの1階は、前面が道路や公園になっていることが多く、距離が近いことから他の階よりも騒音が聞こえやすいです。
学校や商業施設が近いと人通りや交通量が多く、話し声や車の排気音などの騒音がします。
窓やベランダのガラス戸を開けていると直接音が入ってくるので、音が気になる人は窓やガラス戸を閉めて過ごす必要があります。
騒音が予想される立地の場合は、部屋を選ぶ際に、2重サッシなどの防音効果の高い設備が採用されているかをチェックしましょう。
部屋に虫が出やすい
部屋に虫が出やすいのもマンションの1階のデメリットです。
周辺が自然の多いエリアや建物とブロック塀の間に植栽があるマンションは、虫が発生しやすく、1階の場合は、羽のあるハチや蚊だけでなく、羽のないアリやクモなどの虫も部屋の中に入ってきます。
虫を避けたい場合は、1階でも自然や植栽などが周辺にない物件を選ぶ必要があります。
地震や洪水の被害に遭う可能性がある
マンションの1階は、地震や洪水が起こった場合に被害に遭う可能性が高いです。
建物が壊れるような大きな地震が起きると、1階は上の重みで階ごと崩れることがあります。
洪水が起こった場合は、高さの低い1階は、床下浸水、床上浸水などの被害を受けます。
最近のマンションでは、1階の強度が弱いということはありませんが、他の階と比べると水害リスクは高いでしょう。
1階を選ぶ場合は、ハザードマップで地震や洪水などの災害を想定し、保険でカバーをするなどの対策が必要です。
マンションの1階に住むメリット
デメリットが気になるマンションの1階ですが、家賃や環境面においてはメリットと言える部分も多いです。
費用を抑えたい、小さな子どもがいるので他の住民に騒音の迷惑をかけたくないといった人には、1階を選ぶのも選択肢のひとつと言えます。
ここでは、マンションの1階に住むメリットについて解説します。
部屋の出入りに時間がかからない
マンションの1階に住むメリットは、部屋の出入りに時間がかからない点です。
戸数の多いマンションの場合、朝の通勤ラッシュ時はエレベーターが来なくて困るといった話を耳にしますが、1階の場合はエレベーターを使わなくていいので待つ必要はありません。
また、駐車場から買い物などの荷物を運ぶ場合も、車を近くまで寄せて積み下ろしができます。
部屋の出入りにかかる時間やエレベーターの待ち時間を減らしたい人には、マンションの1階はメリットが多いといえるでしょう。
下の階の騒音を気にしなくてよい
お子さんがご家庭におられる場合は、下の階への騒音が気になるという人も多いと思います。
上記のような場合は、下の階の騒音を気にしなくてよいマンションの1階は最適です。
騒音問題で下の階の住民との関係が悪化すると、マンションに住みにくくなります。
お子さんがバルコニーから転落するリスクもないので、安心して子育てができます。
高層階よりも安い家賃で住める
マンションの1階の一番のメリットは、高層階よりも安い家賃で住める点です。
他の階と比べるとデメリットが多いこともあり、一般的に1階は他の階よりも家賃が安く設定されています。
マンションを選ぶ際には、部屋の間取りだけでなく、マンション自体のグレードや環境が気に入って借りたいというケースも考えられます。
マンション自体のグレードや環境などを気に入って部屋を借りる場合、同じ条件で安い家賃の部屋に住める1階は大きなメリットと言えるでしょう。
専用庭や駐車場付きの物件がある
マンションの1階には、専用庭や駐車場付きの物件もあります。
専用庭があれば、マンションに住みながら子どもを庭で遊ばせる、ガーデニングや家庭菜園をするといったことも可能です。
マンションの場合は、駐車場までの距離が遠いと荷物の持ち運びが大変なケースもありますが、駐車場付きであれば、荷物の持ち運びを気にする必要がなく、戸建て感覚で利用できます。
車を所有している方や駐車場付きの物件を探している方であれば、家で車を洗う、整備をするといったことも楽しめるでしょう。
災害時に避難しやすい
地震や火事などの災害時に避難しやすいのもメリットです。
地震が起こるとエレベーターが止まるケースもあるので、高層階の人は避難が困難になることも想定されます。
部屋で火事が起こった場合は、避難はしごやベランダの蹴破り戸を破って避難する必要があるでしょう。
その点、1階の場合は、地震や火事が起こってもすぐに部屋から逃げられます。
また、上層階と比べると地震の揺れが小さいので、家具の転倒が起こりにくいのもメリットです。
マンションの1階の部屋を選ぶ際のポイント
マンションの1階の部屋を選ぶ際には、デメリットをいかに抑えられるかが重要なポイントです。
家賃が安いことを理由にマンションの1階の部屋に決めると、入居後に後悔してしまうケースも考えられます。
内覧の際には、防犯設備面や周辺環境、管理人が常駐しているかなどの管理状況を確認しましょう。
防犯設備やセキュリティ面を確認する
マンションの1階に住むのであれば、防犯設備やセキュリティ面が充実しているかが重要です。
防犯設備には、防犯カメラやオートロック、センサーライトなどがあります。
最近では、ホームセキュリティを導入し、セキュリティ面を強化しているマンションも増えています。
防犯設備やセキュリティ面が充実していない物件の場合、1階はなるべく避けるべきでしょう。
1階の物件を検討する際は、窓に防犯フィルムを貼る、面格子を取り付ける、ベランダに人感センサーを付けるといった工夫が必要です。
建物の周辺環境を確認する
内見時には、建物の周辺の道路や商業施設などの環境も確認しましょう。
部屋の内装や建物の外観だけでなく、地域の治安や周辺環境を事前に把握しておくことが大切です。
マンションの1階は騒音がうるさいので、前面道路の人通りや交通量、周辺に商業施設などがないかを確認する必要があります。
騒音が気になる場合は、朝や夕方のラッシュ時にする、交通量の多い夜間にするなど、騒音の多い時間に改めて内覧するとよいでしょう。
内見時に必要な持ち物やチェックリストに関しては、以下の記事も合わせてご確認ください。
マンションの管理規約を確認する
分譲マンションの場合は、マンションの管理や運営について取り決めが記載された管理規約があります。
特に、分譲マンションの1階を購入する場合は、管理規約を確認することが重要です。
入居後に防犯面が気になり、フェンスの設置やベランダに防犯カメラを取り付けたいと思っても、マンションによっては管理規約で禁止されているケースもあります。
専用庭がついている場合は、専用庭の造作や禁止事項について、管理規約で明記されているケースが多いので注意しましょう。
最後に
今回は、マンションの1階に住む際のメリット・デメリットや部屋を選ぶ際のポイントについて解説をしてきましたがいかがでしたでしょうか。
マンションの1階は、セキュリティ面や騒音、プライバシーが確保できないなどデメリットが多いです。
眺望や日当たり、結露やカビが生えやすいなど、生活面のデメリットも気になります。
しかし、選び方次第では同じ条件で安い家賃で住める、安く購入できるといったメリットがあります。
下の階の騒音を気にしなくてよい、エレベーターを使わずに敷地内を行き来できることから、子育て世代や高齢者におすすめです。
マンションの1階を内覧する際には、入居後に後悔しないためにも、防犯カメラや人感センサーなどの防犯設備、周辺環境を入念にチェックしましょう。
これからマンションの1階の賃貸、購入を検討している人は、今回の記事を参考に、物件を選ぶ際のポイントを踏まえて内覧していただければと思います。

<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。