賃貸の騒音で悩んでいる人必見!対策方法と賃貸の悩まない選び方を解説
「賃貸の騒音問題で悩んでいる」「騒音トラブルの少ない賃貸物件の選び方を知りたい」など、賃貸物件に住んでいる人の悩みで多いのが騒音トラブルでしょう。
賃貸物件における騒音問題で悩まないためにも、騒音対策や騒音の少ない物件選び方といった知識を身に着けておくことが重要です。
株式会社AlbaLinkが実施した「アパート・マンションの騒音トラブルに関する意識調査」によると、悩んでいる騒音トラブルの1位は「足音が響く」という結果でした。
実際に賃貸で居住経験のある方は、足音が気になる経験をした方も多いのではないでしょうか。
アパートやマンションなどの共同住宅では、騒音トラブルが起こらないように家電を使用する時間帯や足音やドアの開け閉めなどの生活音に気をつかって生活をする必要があります。
賃貸の騒音問題で悩んでいる、騒音に悩まないための賃貸選びのポイントを知りたいという人は、最後までこの記事を読んでいただければと思います。
居住空間から玄関まで1フロアのワンルームの騒音に悩む方は、こちらの記事も合わせてチェックしてみてください。
参考:【アパート・マンションの騒音トラブルランキング】男女500人アンケート調査
目次
賃貸でよくある騒音の種類
アパートやマンションなどの賃貸物件では、多種多様な人が住んでおり、生活習慣もさまざまなので、騒音が問題になるケースが多いです。
賃貸でよくある主な騒音には、生活音や環境音、ペットの騒音などがあります。
まずは、賃貸ではどういった騒音の種類があるのかを理解しましょう。
生活音
知らないうちに騒音トラブルを起こしてしまうケースが生活音です。
生活音によって起こる騒音には、ドンドンと足音がする、ドアを閉める音がうるさいなどがあります。
生活音による騒音トラブル
・階下への足音
・ドアや窓の開閉音
・テレビやステレオなどの音
・掃除機や洗濯機の駆動音
・しゃべり声、歌声
・ピアノなどの楽器の音
共同住宅で騒音トラブルを起こさないためには、遅い時間のテレビやステレオの使用や掃除や洗濯はなるべく控える、ピアノなどの楽器は決められた時間以外は使用しないなどの配慮が必要になります。
生活音による騒音については、ある程度は我慢する必要がありますが、あまりにもひどい場合は、直接注意をするとトラブルになるので、賃貸の管理会社に相談しましょう。
環境音
周辺に大きな道路や工場、商業施設がある場合は、環境音による騒音問題が起こりやすいです。
高速道路や大きな道路の場合は夜遅くまで騒音が続くので、ゆっくりと眠れなくて困っているという人も多いと思います。
しかし、環境を変えるのは難しいので、環境音による騒音については基本的には我慢するしかありません。
騒音を防ぐためには、防音サッシや防音カーテンの設置、家具の配置を考えるなどの防音対策が必要です。
ペットの騒音
ペットが飼育可能なアパートやマンションの場合、ペットの鳴き声が騒音トラブルになるケースが多いです。
騒音の多くは鳴き声ですが、壁や柱を爪で研ぐ音といった騒音もあります。
ペット飼育可の物件の場合、ペットの騒音をある程度は我慢する必要ですが、しつけがされていないペットは、時間に関係なく鳴き続ける場合などは騒音と言えるでしょう。
最初からペットが飼育できるように建築された物件の場合は、壁や床を分厚くするなどの防音対策をしています。
しかし、途中からペット飼育ができるようにした物件では、ほとんどが十分な防音対策がされていないので、借りる際にはペットの飼育のための防音対策がされているかを確認しましょう。
騒音につながる2つの音
騒音の原因となる音は、空気を介して伝わる空気伝搬音と物を介して伝わる固体伝搬音の2つです。
空気伝搬音と固体伝搬音について、それぞれがどのように広がって騒音になるのかを理解しましょう。
ここでは、空気伝搬音と固体伝搬音の違いについて解説します。
空気伝搬音
空気伝搬音は、空気中を伝わって聞こえてくる音のことです。
空気伝搬音には、話し声や歌声、楽器の音色、車の騒音などがあります。
音のレベルは、音源から遠くなるほど小さくなり、壁などの遮音物である程度は軽減されます。
空気を伝わるので、空気の温度や湿度、圧力によって伝播速度や到達距離が変化します。
音量や音域にもよりますが、ドアや窓のすきまを塞ぐ、防音サッシや防音カーテンをつけることなど、固体伝搬音と比べると比較的対策はしやすいと言えるでしょう。
固体伝搬音
固体伝搬音は、天井や柱、床、壁などの固体物を伝わって聞こえてくる音のことです。
固体伝搬音には、足音やドアの開閉音、椅子を引く際の音、物を落としたときの音などがあります。
リフォームをしている際の工事中には、機械の音が空気中、固体物の両方を伝わって聞こえてくるので、かなりの騒音に感じるでしょう。
固体は気体や液体よりも密度が高いため、音が伝わりやすく、空気伝搬音と比べると音の減衰が小さいのが特徴です。
固体伝搬音は、固体を介して振動が伝わって聞こえます。
足音などの振動は床を通じて広く伝わるので、どの部屋で音がしているかの特定が難しいなど、自身での対策が難しい音と言えます。
賃貸でできる騒音対策
賃貸で騒音トラブルを起こさないためにも騒音対策は重要です。
他の部屋からの騒音対策だけでなく、自身が騒音を出さないための騒音対策も大切なポイントと言えます。
ここでは、賃貸でも取り入れやすい騒音対策について解説します。
防音マット
防音マットは、防音効果のあるカーペットやじゅうたんなどの敷物のことです。
子どもの足音やピアノやドラムなどの楽器などの練習をするときに役立ちます。
映画などを大音量で見たい人は、テレビやスピーカーの下に防音マットを敷くとよいでしょう。
床や楽器の下に防音マットを敷くことで、階下への固体伝搬音を軽減できます。
素材は、ゴム、ポリエチレンフォーム、フェルトなどが使われており、設置が簡単で、サイズ、厚みなど、用途に応じたさまざまな種類があります。
価格は、サイズや厚みによって異なりますが、1畳程度の小型サイズで2,000円~5,000円、2~3畳程度の
中型サイズで5,000円~10,000円と比較的安い値段で購入が可能です。
防音カーテン
防音カーテンは、室内からの音漏れや外部の騒音を軽減するために防音の効果のあるカーテンのことです。
遮音性の高いアクリルコーティング加工のタイプや多重構造で遮音シートを挟み込んだタイプ、生地の厚みで遮音するタイプなどがあります。
音を跳ね返して外部の音を遮断する遮音効果とカーテンが音を吸収する吸音効果が期待できます。
通常のカーテンよりは価格が高いですが、ベランダのサッシの大きさであれば、5,000円~10,000円程度で購入が可能です。
吸音パネル
吸音パネルは、音を吸収することで音漏れが防げるパネルのことです。
外からの音を遮音するというよりは、室内からの音が外部に漏れないように使う道具と言えます。
壁に貼るタイプ、置くタイプ、パーテーション型といった用途に応じて使い分けができます。
デザインは、シンプルなものだけでなく、おしゃれなものもあるので、部屋の雰囲気づくりにも使えるでしょう。
価格は、大きさや種類によって異なりますが、シートタイプは30㎝×30㎝で4,000円程度です。
遮音テープ
遮音テープは、戸やドアのすきまをテープで埋めて音漏れを防ぐテープのことです。
100円ショップなどでも手軽に購入でき、他の防音対策と併用することで効果を発揮します。
合成ゴムやウレタンなどのさまざまな材質や厚さのものがあるので用途によって使い分けましょう。
時間が経つと劣化するので、細目に交換をする必要があります。
価格は、通常のガムテープ対応であれば100円~500円、素材によっては3,000円~10,000円程度です。
防振ゴム
防振ゴムは、機器や建物への振動を軽減するために使用されるゴムのことです。
振動の大きい洗濯機や冷蔵庫は階下への音が心配ですが、防振ゴムを機器の下に置くだけで音が大幅に軽減されます。
また、ゴム製品なので、機器から発生する熱も吸収してくれるので発熱を抑える効果も期待できます。
100円ショップでも置いていますが、ホームセンターでも100円前後で購入が可能です。
防振ゴムは、安価で手軽に取り付けできるので、すぐにできる防音対策と言えるでしょう。
騒音に悩まないための賃貸選びのポイント
賃貸物件を選ぶ際に、騒音が気になる人は、入居前に建物の構造や立地、壁の厚さなどを確認しておくことが重要です。
何も知らずに物件を選ぶと、後になって騒音に悩むことになってしまいます。
内覧では、実際に壁をコンコンと叩いて厚みをチェックし、窓を開けた場合と閉めた場合の外からの音の聞こえ方の違いなどをチェックしましょう。
建物構造
賃貸物件の建物の構造は、主に木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート(RC)造の3つです。
賃貸物件で最も多いのが木造のアパートですが、建築コストが安く、通気性が高い反面、防音性や耐久性は他の構造に比べて劣ります。
木は水を多く含んでいるので、音の振動が伝わりやすく、足音や家電の音など固体伝搬音が問題になることが多いです。
鉄骨は、鋼材の厚さが6mm以下の軽量鉄骨と6mm以上の重量鉄骨を使って建物を作ります。
軽量鉄骨は防音性では木造に近く、防音性が必要であれば、木造や軽量鉄骨よりも厚みのある壁が使われている重量鉄骨の物件を選びましょう。
鉄筋コンクリート造は、鉄筋を組み立てて型枠で囲み、コンクリートを流しこんで作る建物の構造です。
大型の賃貸マンションに使われており、木造や鉄骨よりも防音性、耐久性において優れています。
騒音が気になる人には、鉄筋コンクリート造を選ぶとよいと思いますが、他の構造と比べて家賃が高いのがデメリットです。
立地環境
立地環境による騒音問題は、根本的な解決が難しいです。
問題を解決するには、防音サッシや防音マット、遮音テープなどを使って対処するしかありません。
全面に大きな幹線道路がある場合や近くに工場や商業施設などが有る場合は、車の排気音や機械の稼働音といった騒音が起こります。
飛行機が通るルートが上空にある場合も飛行機の通過する音なども騒音がします。
騒音が気になる人は、周辺に騒音を起こすような道路や施設がないかをチェックしましょう。
部屋の間取り
賃貸物件は集合住宅のため、隣の部屋と接している部屋がどうしてもあります。
そのため、隣の部屋と接している部屋が少ない、角部屋が人気というわけです。
一般的には、洗濯機などを利用する水回りは、音がしてもいいように隣の部屋と同じ位置にあります。
しかし、物件によっては、一定の間取りではない物件もあり、内覧時には隣の部屋の水回りがどの位置にあるかを確認しておいたほうがよいでしょう。
壁の厚さ
隣の話し声やテレビの音などの空気伝搬音系の騒音を防ぐ上で壁の厚さは重要です。
壁の厚さは、建物の構造との関係性が強く、木造の壁の厚さは10㎝程度、軽量鉄骨は10.5㎝~12㎝が目安となっており、防音性は高くありません。
重量鉄骨造は、壁の厚さが12.5㎝~15㎝でこのくらいの厚さがあると防音性が高くなってきます。
鉄筋コンクリート造は15㎝~18㎝と3つの構造の中では一番厚く、これだけの厚みがあれば生活音はほとんど聞こえないと言ってもいいでしょう。
共有スペース
エレベーターホールや廊下などの共有スペースで、子どもが遊んだり、走り回ったりする音が騒音と感じることもあります。
一階にロビーや待合所がある場合は、その場所を長い間占拠して大きな声で騒ぐといったケースも多いです。
共有スペースでは、住民同士がお互いに気を使いながら生活する必要があります。
内覧時には、賃貸を検討している物件にどういった共有スペースがあり、ファミリーが多い物件かなどを確認しましょう。
騒音トラブルを防ぐための注意点
騒音トラブルを起こして、近隣住民との関係が悪化すると生活への影響も大きいです。
お互いが少しずつ意識をして、騒音を減らすことで、近隣住民同士の関係を良好に保てます。
騒音トラブルを未然に防ぐための注意点について解説します。
テレビや楽器の設置場所
テレビや楽器の騒音を防ぐためには、設置の場所や位置を意識しましょう。
壁にぴったりとつけると音が隣に響いてしまうので、少しすき間をあけて空気層を確保する必要があります。
テレビや楽器の下に防音マットやシートを置くなどの防音対策も重要です。
壁に吸音パネルを貼る、防音カーテンを取り付けるとより防音効果が高まります。
家電を使用する時間帯
洗濯機や掃除機などの家電製品は、使用する時間に注意が必要です。
特に、洗濯機は大きな音がするので、早朝や深夜帯は避けましょう。
音が気になる場合は、防振ゴムを利用することである程度は軽減できます。
足音などの生活音
意外と気になるのが足音などの生活音です。
本人は、普通に歩いているだけと思っていても、歩き方やスピードによっては大きな音がします。
特に、小さなお子さんがいる場合、飛んだり跳ねたりして遊ぶので、騒音トラブルになることが多いです。
小さなお子さんの場合は、近隣住民もある程度は許容はしてくれると思いますが、防音マットやシートを置くなどの防音対策は実施するといった配慮は必要でしょう。
窓やドアの防音対策
騒音が気になる人は、窓やドアに防音対策をすると効果が高いです。
窓やドアのすきまを遮音テープで埋める、ドアに吸音材をつけるといった加工をすることで防音効果が期待できます。
また、ドアについては開閉音がうるさいと騒音トラブルになることもあるので、ドアクローザーを調整する、クッション材を設置するなどして防音対策をしましょう。
近隣住民との関係性
騒音トラブルを起こすと、近隣住民との関係性が悪化すると生活にも影響を及ぼします。
近隣住民との関係性を良好にするためにも、日頃から近隣への騒音を抑える努力が必要です。
ドアはゆっくりと開け閉めをする、ドンドンと歩かない、家電や楽器などの早朝、深夜の使用は減らすなど、できる範囲で問題ありません。
賃貸物件は集合住宅なので、共同で生活しているという意識を忘れないようにしましょう。
まとめ
今回は、賃貸物件の騒音について、騒音の種類や防音対策の方法、物件の選び方などについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
賃貸物件は、集合住宅なので騒音トラブルを起こさないためにもお互いの協力が不可欠です。
まずは、自身が騒音を出さないように、普段の生活ででる音に注意をし、防音マットや吸音パネル、防振ゴムを使った防音対策をしましょう。
外部からの騒音トラブルについては、それぞれに個別の防音対策を考える必要があります。
特に、大きな幹線道路や工場があるなどの立地条件による騒音は避けられないので、防音カーテンや遮音テープを活用した防音対策が有効です。
騒音に悩まないためには、建物の構造や立地条件などを確認し、騒音の少ない物件を選びましょう。
これから賃貸物件を検討している、騒音について悩んでいる人は、防音対策をしていただき、近隣住民と良好な関係を築いていただければと思います。

<保有資格>
司法書士
宅地建物取引士
貸金業取扱主任者 /
24歳で司法書士試験合格し、27歳で司法書士として起業。4年で日本一の拠点数を達成する。現在は、不動産の売主と買主を直接つなぐプラットフォーム「スマトリ」を立ち上げ、不動産業界の透明性を高め、すべての人にとって最適な不動産売買を安心安全に実現するため奮闘中。